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そんな概念である“デジタルトランスフォーメーション”と
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日々ポジティブに変化しています。
このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2022 05.30
社会貢献型位置情報アプリ「鉄とコンクリートの守り人」

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このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

橋やトンネルなどの事故が全国各地で頻発し、インフラの老朽化は大きな社会課題となっています。
国土交通省の調査によると、早期に補修工事をしなければ危険な状況と判定されたのは、全トンネルのうち36%、橋梁は9%、塗料標識や照明など道路付属物は14%でした。
このようにインフラの整備は待ったなしの課題なんですが、人材不足、財源不足などの問題もあり、自治体では大きな悩みの種になっています。

そんななか今、あるゲームが注目されています。「ポケモンGO」のように街歩きしながら、マンホールの蓋を撮影し、劣化の具合を投稿する、「鉄とコンクリートの守り人」という社会貢献型位置情報アプリなんです。

そこで今朝は、この「鉄とコンクリートの守り人」を開発したNPO法人Whole Earth Foundation(ホール・アース ・ファウンデーション)製品開発部次長の栗原理沙さんにお話を伺いました。

いったいどんなアプリなんでしょうか?
「守り人はゲームに参加してくださっているプレイヤーのことを指すんですが、鉄とコンクリートの守り人は社会貢献型位置情報ゲームになりまして、日本にありますマンホールの蓋を守り人と呼ばれるプレイヤーの方々が力を合わせて撮影、投稿、そのレビューを行っていただき膨大な量のマンホールの情報を収集して分析をすることで効率よくインフラの維持管理をしていくことを目的としたゲームになります。
こちらの開発の経緯と致しましては、社会インフラの老朽化や少子高齢化などの社会問題がございます。ご承知の通り高度経済成長期に急速に整備された上下水道管やマンホール、道路や橋などの社会インフラの老朽化が加速的に進んでおります。
同時に人口減少による税収減少や人手不足も懸念される中で、インフラを自治体だけが管理していくには限界がございます。そこで市民の皆さんが主体的にインフラを維持管理していける仕組みづくりを構築いたしました」

開発にあたってこんなこだわりもあったそうです。
「アプリをダウンロードいただいた際に、ワンちゃん(キャラクター)が出てくるんですが、そちらのワンちゃんは基本的に他の方と被る事がなくて、自分だけのオリジナルのワンちゃんにそこで出会うことができるんですね。
で、自分だけではなくてそのワンちゃんと一緒に散歩をしながらマンホールの撮影をしたりですとか、もう少しゲーミフィケーションの要素を出したかったので、街中でTUBという砂金が見つけられるんですけれども、そちらをそのワンちゃんに掘り出してもらうとポイントが獲得できたりというような形になっています」

ホール・アース ・ファウンデーションでは、アプリの開発提供だけでなく、先日のGW期間中に全国規模で行われた「マンホール聖戦GW2022」など、アプリを使ったイベントも開催しています。自治体とコラボしたイベントも開催していて、イベント参加者への効果的なリワードとして全国の県産品をご用意することで、より地域に根付いた活動を展開しているそうです。
自治体からは、こんな反応もあるそうです。
「自治体からの反応と致しましては、例えば石川県加賀市ですとか静岡県三島市とコラボしてマンホール聖戦をさせていただいたんですけど、加賀市におきましては1日半で8000基のマンホールをコンプリートしたんですね。三島市におきましては二日間で1万基のマンホール全て情報を集められたという実績がございます。
これをすべてもし自治体が調査するとなると数年単位でかかるものなんですけれども、こちらのマンホール 聖戦のイベントを通しまして短時間で大量のマンホールの情報を収集できたっていうところは大きな成果だと思っておりますし、三島市に関しましてはそのマンホール聖戦で情報を得たマンホールの中で老朽化したマンホールを4基交換されたという実績もございまして大変好評をいただいております」

自治体とのコラボの際には、学校などでマンホール聖戦に関するイベントのパンフレットを配ってもらい、そのパンフレットを見た小学生や中学生のお子さんも参加したり、地域に根ざしてより地域愛を育むようなイベントになっているそうです。

利用者からは、こんな反応もあるそうです。
「例えばマンホール聖戦に参加するまではマンホールを意識して街を歩いたことがなかった方が参加後はマンホールの柄に注目をして、ご当地のマンホールですとかカラーマンホールを見つけることが楽しくなった方やマンホールが川の中など予想外の場所にあって新たな発見、街の発見を楽しめた。
あとは散歩のきっかけになった方ですとか、インフラに対する意識が少しだけ向上した方ですとか気軽に社会貢献ができる喜びを感じてくださる方など様々なお声をいただいております。地方に行くと、ちょっと大丈夫なのかなっていうマンホールが実際にあるというお声もいただいておりまして、がたつきとかサビですとか、このまま放置しておいたら安心安全なのかなっていうマンホールがあったりして、それを交換して安心安全な街づくりになったらいいよねっていう思いを込めて参加してくださっている方もいらっしゃいます」

栗原さんによると、今後もマンホール聖戦のイベントを定期的に開催して、この取り組みをさらに加速拡大していきたい、また、インフラの老朽化はマンホールに限ったものではないのでさらに対象範囲を広げていく予定とのことでした。

今回、栗原さんのお話を聞いて、インフラは行政がするものという考え方もありますが、他人ごとでなく自分たちでもできるということを知ったり、意識することは大切だなと思いました。

栗原さん、貴重なお話、ありがとうございました。

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