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このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2022 06.13
住民向けに行政情報を提供するアプリ「つくスマ」

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このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

様々な業種、業界でDXが進められていますが、自治体でもより住民に寄り添ったサービスを提供しよう、住民の利便性を高めようと、DXが進められています。
そういったなか、住民の利便性につながるとして注目されているのが住民データの連携による住民一人ひとりに合った行政サービスの情報提供なんです。

そこで今回は、この春リリースされたばかりの茨城県つくば市の住民向けに行政情報を提供するアプリ「つくスマ」こちらの取り組みについてご紹介したいと思います。
この「つくスマ」は、つくば市、凸版印刷株式会社、株式会社アスコエパートナーズの3者によって共同開発したものなんですが、
今回は つくば市の政策イノベーション部長の森 祐介さんと、凸版印刷株式会社 スマートシティ推進部の鮫島淳志さんにお話を伺いました。

まずは、「つくスマ」の導入の目的について、つくば市の森さんに伺いました。
「今、市役所が住民の方に対して情報を発信する時の媒体というのは本当にたくさんありまして、紙ベースの広報誌それからWebサイト、sns、YouTube、こういった多様な媒体を通じてお届けしています。
それと同時に情報の受け手となる市民の方も多様化しておりまして、高齢者の方もいらっしゃれば外国人の方も増えてきておりますし、大学生、子育て世代も。つくば市は今住民がどんどん増えているんですけれども、特に子育て世代の方がつくば市を選んでくださるようで非常に多くなってきています。こうしたことを背景に情報の受け手の方のニーズも多様化していると。
そうしたなかで、例えば住民の方が自分の知りたい情報をどうやって入手したらいいかわからないと…。ホームページ見てもどこかに書いてあるかわからないという声ですとか、そもそもお知らせがあったことに気がつかなかったというようなご意見も頂いています。何とかこれに対して解決策はないかというふうに考えた時に、個別のニーズに対してプッシュ型で情報をお知らせする仕組みが取れないかというふうに考えました。
今回リリースさせていただいた「つくスマ」は、まさにその機能を備えたアプリでございまして、初回のインストール時にご本人がご自身の意志でお住まいの地域ですとか年代、家族構成、それから興味関心などをご登録いただきます。ご登録いただいた情報に基づきまして、それぞれの行政の担当課が個人に応じた情報を適時適切なタイミングでお知らせすると。これが「つくスマ」の主要な機能になっています。

さらに、具体的にはどんな機能があるのか、凸版印刷の鮫島さんに伺いました。

「コンセプトは、行政情報をいつでもどこでも誰でも使いやすくということでして、つくば市からの様々なお知らせをタイムリーに受け取れるシンプルで使いやすいアプリとなっております。基本機能は大きく3つございまして、情報発信のところなんですが、例えば子育て、防災、防犯など、情報の種類を選ぶことで、必要な情報を受け取れるプッシュ配信の機能。あと、つくば市に関する疑問を質問形式でデジタル窓口のような形で解決してくれる手続きナビの機能。
そして周辺地域の情報をマップ上で確認ができるマップの機能。このような3つが基本機能となっていまして、それぞれが多言語表示、現時点では日英中韓の4言語で利用が可能になっています」

鮫島さんによると、高齢者の利用にも配慮していて全世代の方が「つくスマ」を快適に利用できるよう、より見やすくシンプルで使いやすいにこだわって開発したそうです。

また、つくば市の森さんは、「マップの機能では、市の公共施設の場所などが表示されるようになっていて、こうしたマップを活用すれば、例えば公共交通路線バスとかコミュニティバスの位置情報をリアルタイムで表示させたり、オンデマンド型の配車サービスをここで呼び出したり。
また、医療関係の情報を自分で見られるようにしたり、病院の予約をしたり、そういったことをつくスマを通じて一気通貫で住民の方にお届けできないかなという風に構想を練っているところです」と、話されていました。

さらに、森さんによると市役所が保有しているような住基データ、住民基本台帳に載っているようなデータを参照して利用するという方法も考えているそうで、これが利用できるようになると、こんなことも可能になるんだそうです。
「例えば、新しくお子さんが生まれた時などに、もう一度登録し直す必要がない、アップデートを自分でする必要がないということですね。つまり出生届に基づいて住民基本台帳に当然更新がかかりますので、新しくお子さんが生まれて、そのお子さんの予防接種のタイミングだったり、あるいは検診のタイミングだったり、そういうものが自動で届くというそういう利便性があります。
一方で住民の方の中には、自分の住民基本台帳に載ってるようなデータが勝手にアプリ側のいろんな情報発信に使われるということに関して、もしかすると不安を感じられる方もいらっしゃるんだろうと思っています。ですので、その辺りはですね、どういう仕組みにすれば安全に市役所が保有するデータを使えるのか、あるいは利便性が高いとしても使うべきでないのか、その辺りについては引き続き議論を行っていきたいと思っています」

最後に、デジタル化が進むことで行政サービスはどう変わっていくと思うか、つくば市の森さんに伺いました。
「まず一番大きなところで言いますと、どんどん個別化されていくというところにあるんじゃないかなと思います。
今までであれば良くも悪くもですけれども、ある程度同じような課題を抱えている方ですとか、同じような属性の方を少しグルーピングしてですね、
例えば高齢者とか障害のある方とか子育て世代とか、そういう風にくくって、そのくくったグループグループに対して、そうした方々の課題ですとか困りごとを解決するためのサービスを行政として提供してきたんだと思います。
グルーピング化するしか方法はなかったんだと思うんですけれども、デジタル化していくことによって、先ほどの行政情報のプッシュ通知もそうですけれども、一人ひとりに合わせて個別化された色んなサービスを提供できるようになっていくというふうに考えておりまして、
これは何もその行政情報のプッシュ通知だけではなくて、それ以外のいろんな行政サービスに関してもデジタル化が進むにあたって一人ひとりに合わせた丁寧なサービスが提供できるようになっていくんではないかなというふうに期待しています」

便利になることはとてもいいことだと思いますが、そこに個人情報の問題がでてくると複雑ですね。ただ、自治体でもDXに取り組んでいることがよくわかりました。とても興味深かったです。

森さん、鮫島さん、貴重なお話、ありがとうございました。

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