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Every Monday 8:38 〜8:48
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「ITの浸透により、人々の生活をより良い方向に向かわせる」
そんな概念である“デジタルトランスフォーメーション”と
いう言葉が広がり、
私たちの暮らしは、より豊かに、より便利に、
日々ポジティブに変化しています。
このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2022 06.20
健康寿命延伸のため開発された 歩行動作を判定する「Motion DNA」

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このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

高齢化が急速に進む中、健康寿命を伸ばす取り組みが様々なところで行われています。
また一方では、新型コロナウイルスによる外出自粛が続き、シニア世代のフレイル進行も懸念されています。
そうしたなか、スポーツテクノロジーを活用して、健康寿命を伸ばそうという取り組みが進んでいます。
そこで今朝は、そんな取り組みのひとつ、総合スポーツメーカーのミズノが新たに開発した 歩行動作を科学的に判定する「Motion DNA」についてご紹介します。

お話を伺ったのは、ミズノ株式会社 ライフ&ヘルス事業部の藤本聡一さんです。
まずは開発の目的について伺いました。
「超高齢社会における健康寿命延伸の課題に取り組むことが最も大きな目的です。歩行の速度が速い人は健康寿命が長い、遅い人は短いという研究データがあります。
また、歩行はすべての生活の動作に関わっているものです。歩行に支障をきたすと例えばリビングから立ち上がってトイレに行くにしてもお風呂に入るにしても台所に立つにしてもそれらの行動が難しくなります。まして好きなものを買いに買い物に出かける、あるいはお好きなところに旅行に出かけるといったことも難しくなると思われますので、歩行という能力はQOL、生活の質にも非常に密接に関係することですので、歩行を科学的に捉える仕組みというものを改めて作ろうとしたのがきっかけです。
歩行の速度っていうのは分解しますと歩幅かけるテンポ、どれくらいのテンポで足を繰り出すかという掛け合わせで決まります。
テンポがその人固有のリズムなのであまり変化は少ないと言われていますけれども、歩行の速度に関係する歩幅は加齢に伴って筋力が衰え歩幅が狭くなっていくということがもう既に分かっていますので、歩幅が狭くなっている=筋力が弱っている、体のバランス力や調整力や体幹、全体が弱っている。
なので、健康寿命が短くなる。逆に年をとっても歩幅が広く歩行速度が速い人は筋力が非常に備わっている状態を保っているってことなので健康寿命が長いというメカニズムだと言われています」

健康寿命を伸ばそうと開発された「Motion DNA」、歩行のタイプ測定と歩行の能力測定、この2種類の測定の総称だそうです。これらの測定で、どんなことがわかるのか伺いました。
「まず歩行のタイプの測定からご説明します。ミズノと共同研究先の大阪公立大学の共同研究によって、立位姿勢で分類した時に人の歩行が4種類に分けられるっていう新しい発見をしました。4種類ごとに、歩行の時に使っている体の部位とか使い方が違います。
これを我々は本来であれば理学療法のような専門の資格や知見を持っている人が触診をしながらの判定が本来は必要なんですが、いつでもどこでも誰でもどのタイプかを判定できるような仕組みを作りました。仕組みに関してはアプリの開発が主になります。
我々の測定ベルトとかマーカーとかっていう測定の環境を整えた上で、その立位姿勢をアプリの入ったスマホで横から撮ると、その方が骨盤がどれくらい傾いているかとか膝はどれくらい曲がっているかといったことの情報をもとに自動的に、この人は膝を使って歩いているタイプだとかこの人はつま先で地面を蹴って歩くタイプだみたいなことが自動的に判定されるような仕組みになっています。
で、もう一つの歩行の能力の測定、こちらはダイレクトに健康状態を示すんですけれども、赤外線のレーダーを出した測定機器の前を5m歩いていただくだけで歩行の速度、歩幅それから足の左右の動きをデータとして示すことができます。
日本人の歩行のデータベースだいたい6000名から7000名ぐらい測定したデータをベースに、本来その人の年齢や性別であれば平均これくらいの幅、これくらいの速度で歩いているだろうというものに対して、その方が遅いのか早いのか、歩幅が広いのか狭いのかといったことをお示しすることができるという仕組みになっています」

実際に測定を体験された利用者の方からは、こんな声ももらっているそうです。
「運動習慣があって歩行能力が高かった人にも実はこの方向の測定喜んでいただくことがありまして、
というのも、良かれと思って一生懸命歩いていますとか週に何回かはジムなどに通っています、でも本当にそれが役に立っているのか、自分が一体どういう状態なのかがわからなくて不安なこともあったんだけれども、今回、歩行の測定の結果がすごく元気ですよ、年齢にしてはすごく歩行の能力高いですよって言ってもらって、とても嬉しく安心しました、これからも運動習慣続けますみたいなことをおっしゃっていただくこともあって、これはこれで良かったなあっていう風に思っています」

最後に、デジタル化が進むことで、健康や運動はどう変わっていくと思うか?藤本さんに伺いました。
「そうですね、経験とか勘も悪くはないんですね、我々クラフトマン職人技も非常に大事にする会社ですので、それも両立しながらですが、科学的な取り組みが並行することで、より根拠のある対策が打てるようになるだろうと思われます。
人を知る方法も毎日、日進月歩でして、足の裏のどこにどれくらいの力がかかっているか、どの方向にかかっているかという分析の結果に応じて、野球とかサッカーのスパイクのピンの位置を我々決めていますけれども、やっぱりそのピンの位置でないと踏ん張れない、前に素早くキックの力を地面に与えるにはこのピンの位置がいいと論理的に決めていますので、そういう人の体の動きを知る技術を今度は日常生活、健康になるために何をすると一番効果的なのかというふうに使っている状況なので、また今後もいろんな新しい人を知る技術によって新しい解決策や対策案が生まれていくだろうというふうに思っています」

これまでスポーツで培ってきた技術を今度は、健康や日常生活に活かしていこうということなんですね。高齢化、健康寿命の対策として、とても興味深い取り組みだと思いました。

藤本さん、貴重なお話、ありがとうございました。

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