三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2025.04.29

楽しく読書で文章力を

株式会社Yondemy
代表取締役
笹沼 颯太さん
5~15歳を対象とした月額定額制の読書教育サービス『ヨンデミー』を運営



ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。

今週と来週のゲストは、株式会社Yondemy 代表取締役の笹沼颯太さんです。

笹沼さんは1999年生まれ、千葉県出身。2020年、東京大学在学中に「Yondemy」を創業されています。

今週は主な事業内容について伺っていきます。
まず会社のミッションはどのようなものでしょうか?

「“日本中の子どもたちへ、豊かな読書体験を届ける”というミッションを掲げ、
子どもが読書にハマるオンライン習い事『ヨンデミー』という習い事サービスをメインで運営しています。」

年齢のターゲットはどのくらいですか?

「だいたい小学生ぐらいがボリュームゾーンになっていて、早いと5,6歳、年長くらいから長いと中3くらいまで使っていただいているようなサービスになります。」

この読書教育サービス、というのはどういう教育なんでしょうか?

「まさに子どもが読書にハマる。今、子供たちとしては読書より楽で楽しいものが動画などたくさんある。 そこを本は楽しいよ、としてあげるために、AIの先生が読書の家庭教師の様な形で、子供たち1人1人をサポートしてくれるサービスです。」

絵本が好きな子どもたちでも、絵本から本に移る上でどう選べばいいのかというのは悩むポイントです。これはアプリで使うような形でしょうか?

「はい、ウェブやアプリで利用できるサービスです。大体保護者さんのスマホをお子さんが借りて使うことになるんですが、そのアプリの中でAIの先生が、例えば1人1人に合わせた本のおすすめなど、チャットのような形で本の楽しみ方のレッスンをしてもらったりします。
本を読んだ後も、この先生に向けて感想を共有したり、それに対応する形で次の本をおすすめしたりといった具合です。」

ウェブ上のサービスですが、本は手元に届くんですか?

「本は電子を読むのではなく、紙の本を借りに行きます。借りて、返却もする。『ヨンデミー』の中で図書館との連携がされていて、例えば最寄りの図書館を登録してもらうと、その図書館で借りられる本の中からおすすめするとなっています。」

じゃあおすすめされたけど行ったらなかった、ということはないんですね?

「そうです。しかもアプリの中でオンラインの予約、自治体の図書館のオンライン予約サービスがあり、そこにスムーズに飛べるようになってるので、おすすめされたらポチポチ予約をしておけば、例えば週末にまとめて借りて家に置いておくこともできます。」

すごくいいサービスですね!ただ図書館に行くのも億劫な時はどうですか?

「そういった方は本を購入される方もいて、例えば購入して読み終わったら、中古で売ってというような使い方も可能です。
ただおすすめしたものを配送でレンタルできるように目指していて、現在はレンタル事業は著作権の問題などがあって厳しいのですが、ゆくゆくはチャレンジしたいです。」

サービスの利用は有料ですか?

「最初の30日間が無料になっていて、2ヶ月目からが月額2980円っていう形のサブスクリプションのサービスです。1ヶ月辺りの借りる本の冊数、受講生の平均読書冊数が、月に25.6冊というデータが出ているんですが、小学生の全国平均が月に3.1冊。読書がより好きになって読む量が増えたお子さんや、元々は本を読まなかったお子さんがすごい読書にハマったというケースもあります。」

本読まない人達は、いい本と出会えていないからという側面もあると思うので、とても素晴らしいことですね!

「とても重要なことで、特にお子さんの場合には、好みに合うだけではなくレベルに合うというのがものすごく大事。知らない漢字が出てくる、知らない表現が出てくる。それでつまずいてしまう。 でもそれは学年の問題ではないんですよね。 同じ学年でも読めるか読めないかはすごく差がある。 そこに合わせられるのがAIの強みかなと思います。」

こうしたレベル分けはどのように行っているんですか?

「ヨンデミーレベルという独自の指標を作っています。 例えば漢字の多さや言葉の硬さ、あとは一文が長いと修飾関係が複雑で読みにくいとか、そういうものをAIで分析して数字をつけるということをしています。そのヨンデミーレベルという指標をもとに本を示していて、例えば読み聞かせが終わって1人で読めるようになってきたような絵本は大体ヨンデミーレベル15ぐらい。高いものではハリーポッターなどがヨンデミーレベル50いくつとなります。」

この『ヨンデミー』のアプリ、システムや使い方もユニークと伺いました。

「少しゲームの様な仕立てになっていて、伝説の読書家を目指すというストーリーです。本を読めば読むほど本を救うことができる。そういう設定の中でちょっとゲームっぽく、経験値が手に入ったりと、読書をゲーム感覚で楽しめる。
ヨンデミーレベルも関わってきて、どの本をいくつ読んでいて、今のレベルはこれぐらいだと、わかるようになっています。少しチャレンジな本のおすすめもあって、その本が自分にとって丁度良いのか少しチャレンジなのか、といったこと分かるようになっているので、レベルごと個々人に合わせたものを選ぶことができます。」

アプリから感想を求められるんですか?

「本を読んだ後は感想を書くことになっていて、例えば好きだったかどうか、難しかったかどうかといった選択もあれば自由記述もあります。書くの難しいよという時は、AIがお話をしながら感想を聞いてくれる『ハナシテミー』という機能もあって、AIのキャラクターと話をしていつも楽しく本をお勧めしてくれる。それが自然と感想になってる、 引き出してくれる、というイメージです。」

自分が読んでどう感じたかを伝える訓練にもなりますね。
読書離れが進んでいると言われていますが、ヨンデミーを始めて気付いたことや感じていることは何かありますか?

「まず意外と今の子供たちが本を読んでないこと。本を読んでないことはそれだけではなくて、勉強が嫌いになったりするというのもあります。要は文字から離れてしまっている一方で、小学校の勉強は教科書にしても宿題にしても、全部文字で書かれているわけです。まさに読解力みたいなものがないと勉強もつまらなくなってしまう。
文章問題になると途端に解けなくなる子も本当に多いので、その辺りが僕らが思っていたより大事なんだなと思いました。」

最後に、これまで乗り越えてきたハードルを教えてください。

「一番大きかったのは、やはり子供たちに本を楽しく読んでもらうということ。 そこがなかなか難しくて、いくらおすすめしても、youtubeの方が楽で楽しいとなってしまうところを、なんとかこうアプリをブラッシュアップしてきて、今、子供たちにハマってもらえている。そこを作るのが大変でしたね。」

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