三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2022.08.02

5年かけて父の会社と契約

株式会社カミナシ
代表取締役CEO
諸岡 裕人さん
現場作業のペーパーレス化



ONE MORNING「 The Starters 」。
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。



今週のゲストは先週に引き続き、株式会社カミナシ代表取締役CEOの諸岡 裕人さんです。よろしくお願いします。


諸岡 裕人さんは大学卒業後、リクルートスタッフィングで営業職を担当、家業のアウトソーシングの会社に入社、
そこで感じた現場の問題を解決するため2016年にカミナシを創業されています。



先週は主な事業内容について伺ってきたんですけども、
カミナシは工場やホテルなどの現場のペーパーレス化を進めるためのアプリなんですね。
導入するときは、カミナシがサポートしてくれる慣れてしまえば、
デジタルに不慣れな方でも簡単に操作ができるっていうのを先週はお話伺ったんですけども、
今週は諸岡さんのこれまでについて伺っていきたいと思います。
リクルートから家業の会社に転職されたということなんですけども、家業はどんな会社なんですか。


「父が創業したワールドエンタープライズという会社で働いてました。どんなことやってたかというと、
空港とかで例えばチェックインカウンターとか、貨物を積み下ろししたり、あとはホテルとかで皆さんが泊まった後の部屋を客室清掃と呼んでるんですけど、
ベッドメイキングしたりとか、こういった現場仕事をアウトソーシングで請け負うような会社で働いてました。」


それはお父様がやられてるお仕事だったんですね。


「あとは機内食工場運営も立ち上げたりしてたので、多分聞いていただいてる皆さんが食べてる機内食の盛り付けとか、
食べ終わった食器の洗浄とか僕らがやってました。」


お父様の会社を継ごうとならなかったのですか。


「元々ですね、継ごうと思って戻ってそれで5年働いてたんですけど、継ぎたいっていう気持ちと同時に親父を超えたいっていう気持ちが沸々と湧いてきました。」


お父様の意思はどうだったんですか。


「例えば小学生ときにJリーガーになりたいって言ったら、親戚一同からお前は継ぐんだみたいなことを言われてました。」


そんな感じだったんですか。


「なので基本的は継いでくれという話がめちゃくちゃありました。」


自身の会社立ち上げるとお父様に伝えたときはどんな反応されてましたか?


「喜び半分、どうすんだこれっていう気持ちがあったと思います。」


そんなお父様の会社で働いていたときに感じた現場の問題があるということだったんですが、これはどういった問題を感じたんですか。


「現場ってその紙とか鉛筆とかで支配されてるすごいアナログな世界なんですよね。
それ自体はいいんですけど、やっぱり若い社員と一緒に一生懸命頑張って毎日働いてるんですけど、
1年経ち2年経ちってやってくると、なんで自分たちはこんな無駄な作業ばっかりしてるんだろうっていうことで、
あの目をかけていた若手たちが次々に辞めていくみたいな、場面がたくさんあってですね、
それをどうにかしたいなと思ってもなかなか変えられない歯がゆさみたいなところにすごくあの問題があるなと思って働き方を抜本的に変えないと、
彼らのやりがいってのは作れないなみたいな問題意識はすごく、当時から持ってました。」


お父様の会社でもやっぱり紙っていうのは多く使われてたんですよね?


「紙しかなかったですね。」


そうですか。そういった意味ではお父様の会社の中をペーパーレス化させようと思うのではなく、
自身でペーパーレス化を推進させる会社を立ち上げるってのはどういった経緯なんですか?


「会社の中から変えようと思っていろいろ取り組んだんですよね。
やっぱりこれIT使わないと無理だなって結論に達して、実際そういったサービスを探したんですよ。
現場の紙を簡単に無くせるサービスないかと思って探したら、なかったと。
じゃあどうしたらいいかってことで相談したら諸岡さんこれまず最初にに2,3000万かけて、
これぐらいのことだったらできますよっていうシステム会社さんの話を聞いたときに、
いやそんなお金出せないとはいなってどうしようかなってことで結構迷いながら、
これ自分でやるしかないのかなっていうイメージをちょっと持ち始めたというそんな流れでした。」


2,3000万円かければ作れますよそういうシステムって言われて、普通だったら2,3000万ってすごい金額じゃないですか。


ご自身もちょっとそれ厳しいっていうふうにおっしゃってましたけど、そこで諦めるんじゃなくて自分でやろうってなるんですね。


「そうなんです。だったら、自分が作れるようになったらこれどうにかできるんじゃないかっていうことで、
当時いろんな取り組みをする中で、父に1年間休みをくださいとプログラミングを学んできて、
そういったシステムを自分で作れるようになるので、ちょっと1年モラトリアムでくださいって言ったらですね、ふざけるなと。」


全然お父様の言っているということは理解できますけどね。


「もう役員たちからもちょっと白い目を向けられながら、あの後継何言ってんだみたいな。」


「ただ最終的にはいいよっていう話をしてくれました。」


ちゃんとその1年で、ご自身が目指していた形っていうのはある程度できたんですか。


「一応アイディアはしっかりできて、こぎ出すことが、一応結果としてできるようになりました。」


その1年で最初に考えたサービスってどんなサービスだったんですか。


「元々、機内食工場この経験が結構長かったので、食品工場向けに特化したサービスを作ろうということで温度計をスマートフォンに接続して、
スマート温度計なるものを最初は開発して、日本中の食品工場の温度計、温度管理すごく食品は大事なので、
それを全部リプレイしようみたいなアイディアで勝負しました。」


他に考えたサービス何かございますか。


「当時ですねそれがあんまりうまくいかなくて、結構迷走を重ねていて、一番迷走してたのが、忘れ物管理サービスっていうものを作ろうとホテルの客室清掃とか家業でやってると、忘れ物ってめっちゃ出てくるんですよ。これを返却するために預かっておいてきたときにこう返すみたいな事務作業手続きがめちゃくちゃ大変だったりしたので、
これをどうにかサービス化するために実際自分で、
例えば警察に落としましたって言って落し物届けでどんなフローになるかとかも体験してみるとかいろんなことをやってですね、
サービス化しようとしたんですけれども、
僕らスタートアップなんでVC、ベンチャーキャピタルって投資家にプレゼンしても、面白そうだけどちょっとねっていう反応しかなくて、
いまいち反応得られなかったです。」


このサービスは進めることを1回断念したという事で、そんな中でペーパーレス化の今現在やられているプラットフォームっていうのが形になってきたということなんですね。


これお父さん今何ておっしゃってるんですか?


「最初は反対気味だった父も徐々に応援してくれるようになっていって、ついに、昨年の後半に父の会社に、このカミナシが導入されたんですよ。中から変えることが難しかったんですけど、一周回って作ったサービスが父の会社で働き方を変えるっていうことが今ようやくでき始めて、すごい感無量です。」


「5年ちょっとかかりましたけど、何とか。」


家族の中に2人社長がいて、ある種お父さんを超えたいっていう意思のもと始めた会社で、今どういう立ち位置とかどういう関係なんですか?


「自分で実際社長業みたいなことをやってみるまでは父に対して文句ばっか言ってたんですよね。
何でこの人が社長なんだろうじゃないですけど、実際自分がやってみたら、
なんであのときああいう言動だったんだろうとか立ち振る舞いをしたんだろうみたいなものが見えてきて、
まず僕はリスペクトするようになり、
一方で父は、最初反対してたんですけど徐々に結果が出るにつれて、
運動会でかけっこで、一等賞を取る息子を見るようで、楽しんでそんな大きな会社と契約できたのかみたいな感じで喜んでくれたり、
なので一番関係性は今がいいんじゃないかなと思います。」


お父様の背中をしっかり見たからこそ、ご自身の今のこの成功というか会社が大きくなりつつあるっていうのはそういうことがあるのかなと思いましたね。


ということでお時間になってしまいました、最後にこれからの夢を教えてください。


「夢は、生まれたからには社会に良いインパクト、大きなインパクトを与えるような成果を残して、
人生終わりたいなっていうふうに思っていて。
実は日本にはオフィスで働く人よりも多い現場で働いてる人たちノンデスクワークが3900万人いてですね、
彼らの働き方を変えたと言って、人生終わりたいなと思っていて、そのチャレンジを、5年じゃ難しければ10年、20年とやっていきたいなと思っています。」


2週にわたってお話伺いました。
株式会社カミナシ代表取締役CEOの諸岡 裕人さんでした。
ありがとうございました。


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