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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

19.12.03

ヤフーとLINE経営統合の報じられ方について

null今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!

今日、お話を伺うのは、ジャーナリストの古田大輔さんです。
古田さんお話を伺う話題はこちら!


『ヤフーとLINE経営統合の報じられ方について』

エリザベス:先月18日、Yahoo! JAPANなどを運営するZホールディングズとLINEが経営統合することで基本合意したことを正式に発表しました。今後、最終資本提携契約の締結を目指して協議・検討を進めていく予定です。


鈴村:このビッグニュースなんですけどね、これがYahoo!ニュースのヤフトピにもLINEニュースにも載らなかったとういうのが今回のテーマなんです。そうか、載らなかったか…。載らなかったんですね。


古田さん:いや、載らなかったというのは、実は、正確ではないんですよね。要はトップ、いわゆる、ヤフトピのトップってあるじゃないですか?あそこに載らなかったとか、LINEの一番目立つところに載らなかったっていうことなんですよね。だから、実はその下には載っているんですよ、そこがあんまり気付かれてなくって。時系列を整理すると、11月13日夜にまず、日本経済新聞がバーン!と特ダネとして報じて、それを後追いで次々と他のメディアが報じ始めるんですよね。普通、大きなニュースだったら、どっかのニュースがバーン!と報じて、そこからYahoo!に出しているところ、例えば、朝日新聞とか読売新聞とかだったりがYahoo!に転載される、LINEに転載されると。日経はどちらにも載せていないので、それが載らないのは当たり前なんですけれども、普通は提携メディアが載せたらYahoo!さんもLINEさんも載せるんですけども、そこで、“トップに載らなかったのはどういうことなのかな?”というのでみんな、「なんでだ?なんでだ??」ってなったんですよね。


鈴村:それは何か理由があるんですか?


古田さん:そうですね。僕はその両方を良く知っているんですけれども、“自社に関するものに関しては基本的にトップには選ばない”というふうなルールというか、原則を持っているんですよね。


鈴村:自分のところのニュースは、そこでは扱わないということなんですか。


古田さん:そうですね。そこで、それに対する批判もあるんですよ。それが何かというと、報道・ジャーナリズムというのは、例え自社にとってプラスなことであろうがマイナスなことであろうが客観的に報じるべきでないかと、そうしないと、読んでる人たち、読者の利益にならないじゃないかという考え方があるんですよね。だから、僕がいた朝日新聞で例えば、社員が逮捕されるという不祥事が起こると、そうしたら、普通にニュースとして書くわけですよね。それと違うのかっていう話があるんですよ。それに対して、僕も先日、それこそ朝日新聞の取材にコメントしたんですけれども、それは確かに論理が成り立つんですけれども、一方で、Yahoo!とかLINEには別の論理があって、それは何かというとですね、Yahoo!さんとかLINEさんは、自分で取材しているわけではないんですよね。一部そういう特集コンテンツがあるけど、ほとんどの記事は自分たちのメディアのパートナーさんからもらっている記事じゃないですか、だから、自分たちで取材しているわけではないんですよ。そうすると、いろんな記事があるわけですよね。今回のYahoo!とLINEの合併に関しても、ポジティブに報じているところもあれば、ネガティブな要素も含んで報じているところもあり、すごいバリエーションがあるわけですよ。ただ問題は、その中からどれを選ぶんですか?という話が出てくるわけですよね。


鈴村:なるほど!


古田さん:そうすると、一番上に選ぶというのは非常に難しくなる。ただし、載せないというのは、それこそ読者の利益にならないから、一番目立つところの下に普通に他のニュースと同じ扱いで載せるという判断を両者下していると。じゃあ、それは、一体どうなんですか?っていうような議論になるんですけれども、僕は両方の人たちが言っていることに、それぞれの論理が成り立つと思うんですよね。どっちが一方的に間違っているというわけではないと思います。


鈴村:そのYahoo!のトップって出す側がトップに置くぞと決めて置いているんですね?


古田さん:はい、あの部分は、一番上のトップのところは人が編成しているんですよ。


鈴村:僕は、人気記事が勝手に上がってくる的な事なのかと思っていました。


古田さん:違うんですよ。一番上に並んでいるのは人が選んでいて、その下に並んでいるところは機械的に選ばれているんですよね。


エリザベス:へぇぇ〜。


古田さん:そうなんだ!?全然、知らなかった。知ってた?


エリザベス:いや、知らないですよ〜。全部選んでいるのかなって、むしろ私は思っていました。


古田さん:下のところは機械的に、いわゆるアルゴリズムで調整されたものが出てくるんですけれども。


鈴村:よく、Yahoo!トップに載ったね!みたいなこと言っていると、みんながよく読んでいる記事だから上がってきたっていう意味なんだと思ったけど…。でも、トップにあげてもらえるだけの記事だったっていう意味も含むわけですよね、それって。


古田さん:そうですね。もし、あれが単に人気順に選んでいたら、ほとんどエンタメとかスキャンダルになっちゃうんですよね。なので、Yahoo!でいえば、その社会的な影響力を考えて、きちんと政治的に重要なニュースとかも載せましょうというガイドラインがあるわけなんですよね。


鈴村:なるほどね、そういうふうに選ばれているのか、知らなかったな〜。でも、自分のところは載せないという理念なんですよね。でも確かに、他のところが書いた記事だっていうところは、なるほどな!って思いましたね。


古田さん:もちろん、自社に関しての記事でも載せることもあるんですけれども、載せないこともあるということですね。Yahoo!とLINEは、あまりにもでかいプラットフォームで2つ併せて月間で200億PVくらいあるくらいあるわけですよ。そうすると、影響力が大きいのでみんな注目するわけなんですよ。


鈴村:なるほど、そういうことなんですね。いや〜、知りませんでした。勉強になりました!


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