20.10.22
元アイドルがライブ配信中のコメントマナーに苦言
いま知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!
今日は、いま気になる・人に話したい旬のネタをお届けするネットニュースサイト『ねとらぼ』の編集長・加藤亘さんにお話を伺いました。そして、加藤さんが取り上げたニュースはこちらです。
元アイドルがライブ配信中のコメントマナーに苦言
ザベス:コロナ禍の影響でリアルなイベントが次々と自粛になり、現在では多くのアーティスト、アイドル、俳優などが、SNSやYouTubeを用いた「オンライン配信」でファンとの交流を持つようになりました。しかし一方で、配信者に悪質なコメントやセクハラ発言を投げかけるファンのマナーが問題になっています。
鈴村:加藤さん、これどういうことなんでしょうか?
加藤さん:先日、タレントの西野陽菜さんが、配信者の気を引くために「悪質なコメント」を投稿するファンのことを「好きな人をいじめてしまう小学生」に例えて、ライブ配信中のコメントマナーに苦言を呈し、支持を集めています。
西野陽菜さんは、漫画雑誌「ヤングチャンピオン」が主催するグラビアアイドルのオーディションで特別賞を受賞し、そのコンテストの参加者で結成されたアイドルユニットである「ヤンチャン学園KANSAI」の元メンバーでした。
去年12月にグループの活動休止とともにアイドルを卒業し、以降“声の仕事”を目標にしながら、オンラインで芸能活動を続けています。
加藤さん:そんな西野さんが、「アイドルを卒業した今だから発信したいんだけど、配信に行く時、コメントは本当に考えて送った方がいい。苦しんで、心が病んでしまう子だっています。」と、元アイドルの立場から訴えているんです。
西野さんの主張を簡単にまとめましたので、ザベスさんに紹介していただきます。
ザベス:すごく遠回しに嫌味なことを言ったり、「他の子の所いっちゃおうかなw」みたいなコメントで推しの愛を確かめているのかもしれないけれど、そのコメントをすることで推しからの愛は遠のいてしまうし、「好きな人をいじめてしまう小学生」みたいなコメントは、自分が想像している以上に相手を傷つけているかもしれませんよ。
会社だったらセクハラで訴えられるようなこと、コメントしてませんか?
見ている人が嫌になるようなコメントしてませんか?
配信は、みんなが楽しむ場所です。
加藤さん:一部割愛していますが、こんな感じで苦言を呈していて、無視すればいい という反論に対しては
「スルーしてもコメントを見てるので、モヤっとした気持ちは残ります。」
「それがずっと積み重なって心が重くなります。」と、精神的な負担は減らないと強調しています。
鈴村:西野さんの主張に対して、どんな意見が集まっているんですか?
加藤さん:「大勢の人が参加している配信は“公共の場”だと思います。」
「見てる側も、気分は良くありませんからね。」
「自分の家族が言われてたら嫌だな。」
「適切かどうかは『上司の娘さんに同じ事が普通に言えるか』を、ご自身で判断して。」
など同調する声が多く、考え方のヒントになるコメントも寄せられています。
鈴村:まぁ“悪質なコメント”というものに関して言えば、それはもうファンではないだろう、という話になると思うんですけれど、そうじゃないところでも結構ダメージを食うんだよ、という話でもある気がしますね。これはすごくよく分かります。
僕らの仕事でもそういうことがよくあって、皆さんから見たら、これは傷つかないだろう、と思っている言葉が、タレント側からすると傷つくことってすごくあります。前にも話したかもしれませんが、身体をどう見せるかということを常に気をつけていたときに「少しふっくらしましたね。」という言葉、たぶん楽しくて言っているんでしょうけれど、めちゃくちゃ傷ついた、ということがよくあるし、それって、友達には直接そんなに言わないだろう、というような言葉を言ってくることが多いですよね。
僕がこれに関して思うのは、SNSのおかげで僕らの距離は縮まったけれど、僕は未だに芸能とか何かをやっている人と、それを見ている人の距離はすごい遠いものがあると思っていて、多分に偶像化されているというか、あまり人として見ていない。例えば、飲み屋さんとかでしゃべっていても、隣で皆さんは芸能人の方を呼び捨てで呼ぶんですけれど、あの方たちもみんな人ですし、年上だったりもするし…。マナーというよりも、それを見ていて、ちょっと現実じゃない感じがしているんだろうなぁと思うと、そういう人たちが書き込んだりする言葉って、すごくダメージを食らうなぁと感じています。
ザベス:本当に気持ちの良いものじゃないですね。
鈴村:ですね。で、これがまだ知らない間にやっている、ということがまた問題なのかな、という風に感じますね。加藤さんもこういう心理について、何か感じるところはありますか?
加藤さん:先ほど鈴村さんがおっしゃった通り、悪質なコメントを送る人に対して“ファン”というカテゴリには入れてほしくないな、というのは分かりますよね。
鈴村:そうですよね。そこまで行くと逆に振り切れて、「またこういうこと言ってるよ!」ってなるんですけれど。
ザベス:でもやっぱり、芸能関係の仕事をしている人がみんな心が強いかというと、そうではなくて、普通の人なんですよ。心はみんな。
鈴村:でね、これが“有名税”じゃないかって言う人もいるんですけれど…人ですから、傷つくよ。それは覚えておいた方がいいと思いますね。
そして、今日の #スズコメ はこちら。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ① #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 22, 2020
今朝は【元アイドルがライブ配信中のコメントマナーに苦言】
表現している方に対して何を言ってもいいという感覚があるんだろうなと感じます。それはどこか遠い存在だからだと思います。昔から「この人は好きじゃない」とか話していたと思うんですが、
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ② #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 22, 2020
それがSNSで浮彫になりました。昔と変わらず表現者と観ている人の距離があるまま、距離を縮めるツールができたことに問題があるんだと思います。お互いが歩み寄らないといけない。僕もドキッとすることがありますし、しんどいと思うこともあります。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ③ #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 22, 2020
人によっては長くつらい思いを蓄積する方もたくさんいます。これらに声を上げづらいのも表現者だと思いすが、裏側を見せないのもマナーなので、僕らはマナーを受け入れながら頑張っているというところ、少しでも知ってもらえればと思います。