21.02.10
『まん延防止等重点措置』について
今日は、元経済産業省の官僚で制度アナリストの宇佐美典也さんにお話を伺いました。
宇佐美さんに取り上げていただいた話題はこちら！
【まん延防止等重点措置】
エリザベス：新型コロナウイルス対策をめぐり、政府は今週金曜日、対策本部を開き、
緊急事態宣言を解除できる地域がないか、解除した地域を、新たに設けられる「まん延防止等重点措置」の対象とすることも念頭に検討する方針です。
鈴村：緊急事態宣言の期限は来月7日までなんですが、前倒しで解除される可能性が出てきていると。愛知、岐阜の解除が検討されているようなんですけど、こちらはどのようにご覧になっていますか？
宇佐美さん：まず、現状をおさえますと、愛知の場合は、1日あたりの感染者数は100人前後で、実行再生産数が概ね0.6〜0.7程度、岐阜の場合は、1日あたりの感染者数は30人前後で、実行再生産数は概ね0.8程度となっています。中途半端な状態で解除すると、この0.6とか0.8とかそういう数値がまた上がって感染が拡大するという状況になるので、個人的には、前回の緊急事態宣言解除の水準だった0.5程度まで下げ切ってから解除したほうがいいのかなと思いますね。あと、病床に余裕がないので、そういう意味でも、もう少し待ったほうがいいと思っています。
鈴村：大阪府はですね、緊急事態宣言の解除を国に要請するための独自の判断基準というのを設けていたりするんですが、独自の判断基準を設けて解除を要請することに関してはどう思われますか？
宇佐美さん：独自性をどれくらい出すかというのは、なかなか難しい問題なんですけども、とりあえず、大阪は大都市圏の中心なので、大阪独自で判断するというよりは、京都、兵庫と歩調を合わせて、緊急事態宣言の解除のタイミングを合わせるべきかと思います。実際、吉村知事もそのように動いているようなので、独自基準を持ちつつも、周りと歩調を合わせるという、なかなか難しい調整に大阪府としてチャレンジしています。今の大阪の実行再生産数は0.7弱で、1日あたり感染者数は100〜200人程度。重症病床利用率が65％程度なので、やっぱり、まだ早いのではないかなと感じています。
鈴村：解除に関しての要請は、実際、昨日は見送ったというかたちになったわけですよね。
宇佐美さん：そうですね。政府のコロナ分科会の尾身会長がネガティブといいますか、やっぱり、医療資源の余裕が出ないと、解除は早いのではないかというような発言をされていたので、それを意識したようなことなのかもしれません。
鈴村：なるほど。そして、新たに設けられる『まん延防止等重点措置』。これはどういう措置なのでしょうか？
宇佐美さん：これは、今回、新型インフル特措法が改正して、2月13日から施行される新しい法律なんですけど、その中で、平時と緊急事態宣言の間に位置付けられる状況にある時に、“まん延防止等重点措置”というものがとれるようになったんです。政府がある地域をこの状態に指定すると、都道府県知事が都道府県の中のさらに特定の地域を指定して、その地域の飲食店等に罰則付きの時短命令を出したりとか、ある程度、強硬的な措置をとれるようになります。緊急事態宣言の場合は、都道府県単位で運用されるんですけれども、この措置の場合はより細かくて、市町村、もしくは、それ以下の地区指定が想定されています。
鈴村：緊急事態宣言を解除した地域に『まん延防止等重点措置』を適用するということになってくると思うんですけど、そのあたりはどういうふうにお考えでしょうか？
宇佐美さん：個人的にはあまり賛成できなくてですね、緊急事態宣言を出した以上、一度、平時の状況まで感染レベルを下げ切った方がいいと思います。というのは、新しい区分というのは住民にとってわかりづらいと思うんですよね。少し前に東京が、“勝負の3週間”と大きなアナウンスをしたわけですけど、これはわかりにくくて、効果が上がらなかったわけですよね。今回も似たように受け止められかねないので、やっぱり、平時に戻ってから、まん延防止等重点措置の適応というものを考えたほうがいいと思います。
鈴村：確かに解除されたのに、「まだなにかあるのかよ！？」みたいな気持ちにもなったりしますよね。『まん延防止等重点措置』が適用された地域にお住まいの方の生活には、どのような影響がでてきそうなんでしょうか？
宇佐美さん：おそらくは、飲食店の時短営業とかステイホームがその地域だけ推奨され続いていくことになるんだと思います。こういう段階で自粛しておけば、再度、緊急事態宣言が適用されずに済むことになると思うんですけど、やっぱり、わかりにくいですよね。
鈴村：そうですね。段階を作ってしまうと余計に“ややこしいな”という感じはしますね。
宇佐美さん：そうですよね。一回、緊急事態宣言までいったら、平時まで戻して、次がきて、また、緊急事態宣言と…。そういうようなサイクルで回すのがいいのかなと思います
そして、今日の #スズコメ はこちら。
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— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 10, 2021
今朝は【まん延防止等重点措置】について。
緊急事態宣言と平時のあいだ位の位置づけになる状況時に、政府が特定の地域を指定して、都道府県知事が、更にその区域内の特定の地域を指定して飲食店等に罰則付きの時短命令が出せる様になる制度
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細かいところで出せるのはメリットだそうですが、宇佐美さんのお話ではあまり賛成できないという意見でした。それよりも緊急事態宣言をだしたらしっかりと感染レベルを下げきってしまった方がいいのではという話でした。きっと色んな意見あって作られた
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制度だと思うので意味のあるものだと思いますが。
ちょっとしたややこしさみたいなものを感じます。情報が増えている中、またひとつ増えることは、僕らにとって暮らし辛くなる可能性があるのではという懸念を僕は抱きました。皆さんはどう思いますか？
