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21.07.22

EU 2035年にガソリン車の販売禁止、日本への影響は?

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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。


【EU 2035年にガソリン車の販売禁止、日本への影響は?】


吉田:EUは14日、包括的な気候変動対策として、ハイブリッド車を含むガソリン車などの新車販売を2035年に事実上禁止するほか、脱炭素の取り組みが進んでいない国からの輸入品に課税する「炭素国境調整措置」を導入する方針を明らかにしました。


ユージ:今までは、オランダやスペインなど、加盟国レベルでのガソリン車の禁止の方針は出ていたんですが、EUとしての表明は初めてです。 神庭さん、各国の自動車メーカーは対応を迫られているわけですけど、日本企業への影響も避けられませんよね。


神庭さん:トヨタはまだ、今回のEUの新方針について、直接的な反応をしていません。トヨタは5月に、電動自動車の世界販売台数を800万台にするという目標を打ち出したばかり。ただし、「電動」と言っても、ハイブリッド車などのガソリン車も含まれるんです。800万の内訳は、CO2を出さない「電気自動車」と「燃料電池車」が200万台、ガソリンとモーターの両方を使う「ハイブリッド車」と「プラグインハイブリッド車」が600万台。EUの方針を受けて、この600万台がどういう影響を受けるのか注目されますね。


ユージ:他のメーカーはどうですか?


神庭さん:ホンダは2040年までに世界で販売する全部の車を電気自動車か燃料電池車にする脱ガソリン戦略というのを描いていたんですが、朝日新聞によると、EUの方針を受けて、三部敏宏社長が「日を追うごとに前倒しになっている。国際的に合わせないと商売ができない」と話していて、計画の前倒しを示唆しています。


ユージ:ハイブリッド車と電気自動車がまず違うものだ、ということは覚えておいてもらわないといけないと思っています。ハイブリッド車っていうのは電気とガソリンエンジン、どっちも使っているハイブリッドっていうのが売りなので、実際ハイブリッド車にお乗りの方はお気づきかもしれませんが、乗ってみるとエンジンを使っている時間が圧倒的に長いんです。電気になる時間は最初の初動だけで結局ガソリンに戻ってしまう、っていうのが比較的多いんです。なので今、電気だけで走らせているヨーロッパは結構進んでたりするんです。アメリカも強いですね。そこには現状、置いていかれているのかなという気もします。


神庭さん:日本はハイブリッド車が得意なので電気自動車だけとなった時、ヨーロッパのメーカーと戦うのが不利なのではないかと言われていて、今回のEUの目標を「日本メーカー潰し」「ハイブリッド車潰し」と見る向きもあるんですね。スポーツでもなんでもそうですが、ルールをつくる側が有利になります。
「CO2を減らそう」の掛け声に反対する人は誰もいないんですけど、EU域内のメーカーが優遇され、域外のメーカーが不利になるような一方的なルール変更をすると、「保護貿易だ」「環境を大義名分に自国の産業を守ろうとしている」という批判も招きかねないですよね。だからこそ、透明で公平性のあるルール設計が必要だと思います。一方で、JETRO(日本貿易振興機構)のレポートによると、お膝元の欧州自動車工業会も、充電ステーションなどが十分に整備されていない状況でエンジン(ハイブリッド車など)を禁止するのは「合理的な方法ではない」と、反発しているので、当のヨーロッパのメーカーにとっても有利かどうか微妙なところかもしれません。


吉田:公平なルール作りの上で、何が大切になってくるのでしょう?


神庭さん:そもそもの目的は、温室効果ガスを減らすこと。その大目標を忘れてはいけないですね。そこで大事なのが、「ライフサイクルアセスメント」という考え方で、車の走行時に排出される温室効果ガスだけでなく、生産から廃棄までのライフサイクル全体で温室効果を分析しましょう、ということです。電気自動車は、環境に優しい理想の車のようにも語られがちなんですが、製造時に排出されるCO2は、ガソリン車の2倍だと言われています。特にバッテリーのリチウムイオン電池をつくるのにCO2が多く出てしまうんです。様々な条件にもよりますが、「ライフサイクルアセスメント」の見地からすると、電気自動車とハイブリッド車のCO2排出量は、実はあまり変わらないという話もあります。


ユージ:これはすごく大事だなと思っていて、実は僕、電気自動車に去年まで乗っていたんですが手放しました。電気自動車には何も問題がないんです。むしろこれからの車だと思ったんですが、日本の充電設備のインフラがまだちょっと追いついていなくて、僕が手放した理由は、まだちょっと早かったな、またいつか乗りたいな、ということなんです。確かに海外は電気自動車の生産は進んでいて、少し日本は置いていかれているんじゃないかと思われがちな側面もあるんですが、一方で日本は電気自動車とは違う「燃料電池自動車」に力を入れているんです。これは水素で走るんですけど、排出するのは水なんです。リチウムイオン電池ではなく水素の力で走っているので生産する上での温室効果ガスの懸念もだいぶ良くなっていたり、廃棄の問題も金属なので再利用できたり、次の方法も考えられるので、実は電気だけでなくここも見ていくと自動車の分野では全然遅れを取っていないのが現状の日本なので、僕は水素自動車に結構注目しています。


神庭さん:水素ステーションとか、整備が進むといいですよね。



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