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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

26.02.12

衆院選の高市フィーバー、SNS運用から見る選挙のこれから

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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師の塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!


『衆院選の高市フィーバー、SNS運用から見る選挙のこれから』


吉田:今回の衆院選、自民党が戦後最多となる単独316議席を獲得し、歴史的な大勝となりました。高市フィーバーやSNS選挙で、去年の参院選と変わった流れもありました。これから選挙は、どうなっていくのか?塚越さんに伺います。


ユージ:今回の衆院選では各党がSNSに力を入れていましたね。


塚越さん:そうですね、やっぱり、SNSの影響力が加速していますよね。特に今回は非常に短い期間で、さらに真冬であり大雪の影響もあって、街頭演説は通常より難しいところもありました。そのため、自然と各党がSNSに力を注ぐことになりますので、単にSNSがトレンドというよりも、今回は構造的にSNSに頼らざるを得ない側面もあったのかなと思います。その上で、やはりXでの拡散は大きかったです。各政党の党首の投稿を分析すると、1投稿あたりの平均リポスト数は、他党の党首よりも高市さんが数倍から場合によっては1桁違うなど、勢いがありました。TikTokでも演説のハイライトや政策解説なども拡散されましたし、YouTubeショートなど短尺の動画も非常に多かったですね。またこれも昨今の特徴ですが、匿名の第三者が独自に切り抜いて投稿したYouTubeの動画が再生数全体の7割以上を占めていたという分析もあります。ここでも高市さんの動画の再生数が多かったです。一方、今回落選した中道改革連合の安住淳さんは敗因のひとつとして、SNSでの発信に遅れを取ったと述べています。また、安住さんが公開したインスタの動画の中で、車の中で足を組んでクリームパンを食べているものがあったのですが、これに横柄だといった批判があり、この部分を切り抜いた動画が拡散されました。実際、選挙中に候補者の名前と一緒に「クリームパン」という単語がSNSに多く拡散されたことも分析されています。これについては、別にフェイクというわけではないのですが、過度に足を組んだことに注目するのはどうかという見方もできますし、一方でSNSで変に誤解されない、まさに「揚げ足を取られないようにする」といった面で配慮不足があったと思います。


吉田:“チームみらいの躍進”は、どう見ますか?


塚越さん:今回、自民党以外だと参政党とチームみらいが躍進しましたが、特に注目なのが、チームみらいなのかなというところで、初の衆院選に挑んだチームみらいは、目標の5議席を上回る11議席でした。自民党含めて各党が主張した、消費減税を打ち出さず別の争点で戦い、それが受け皿になった面もあると思います。特徴としては、エンジニア志向で“仕組みをアップデートする政治”を掲げたり、他党を必要以上に貶めないなど、新しい動きが着目されたと思います。安野たかひろ党首以外の名前がなかなか覚えられない部分もあると思いますが、人よりもシステムのアップデートを掲げる点で、個人のカリスマに頼らない部分も多くあるのが注目です。


ユージ:“高市フィーバー”や“SNS選挙”、今回注目される10代・20代への影響というのはどうだったのでしょうか?


塚越さん:すでにたくさん報道されていますが、高市内閣は高齢層でも5〜6割の支持があって、10代から30代だと8割を超えているんですよね。ただ、自民党に投票した若者は全体の2〜3割と高くないので、やっぱり、自民党そのものというより高市内閣の人気であると。若者はネットやSNS、ショート動画から興味を感じてそこを入り口にするという話もありますけど、私自身は「どういう人気なのか?」という点に注目すべきなのかと思っています。これはあくまで私の実感や知り合いの大学教員の話ですが、学生が政治家をある種の『キャラクター』として消費している側面があります。良くないことですが昨今は、政治家が急に踊ったり歌ったりといった加工動画があるんですよね、石破さんが急に歌いだす…みたいな。それを見て学生はすごく笑っているんですよ。そういう場面を私も見たことがあります。高市さんの場合もポジティブな印象もありますが、ガチガチで政策を見て共感するというより、ちょっと笑いながら「政治家かわいい」と感じている雰囲気もあるので、そういうところもちょっと含み置く必要もあるのかなと思います。


ユージ:今回の衆院選を見て、塚越さんはこれからの選挙はどうなっていくと思いますか?


塚越さん:気が早いですが、次の大きな選挙は2028年夏の参院選です。少数与党だった自民党が歴史的大勝利ということで、政治は何が起きるかわかりません。自民党もこれだけ議員が増えると、不祥事や党内統制に問題が出たり、逆に中道改革連合が追い上げる可能性もありますので、SNS選挙の弊害が大きくなれば、新しい仕組みを求める声も出てきたりしますし、立候補者へのアンケートを読売新聞が行ったところ、選挙時のSNS投稿の収益化は規制すべきとの回答は68%もあったりしますし、偽・誤情報の規制強化も53%ぐらいの人が必要と言っています。ここはある程度、議員も含めて合意が取れる点だと思いますので、どこかの部分で規制など整備をしていくのがこれから問われるところだと思いますね。

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