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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

25.10.30

インフルエンザ流行期へ、今年の傾向

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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の学習院大学・非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「インフルエンザ流行期へ、今年の傾向」

吉田:インフルエンザの患者数が増えています。10月19日までの1週間に全国から報告された1医療機関あたりの患者数は、前の週のおよそ1.4倍となっていました。


ユージ:塚越さん、インフルエンザの患者さんが増えているようですね。


塚越さん:はい。例年は、11月〜12月に本格化するのですが、今年は9月から感染報告数が上昇しています。去年は11月8日に流行シーズンに入ったという発表があったのですが、今年は10月上旬には、すでに流行入りが宣言されてました。つまり、例年より1ヶ月も流行がはやくなったということですね。さらに、こちらは東京都になりますが、10月19日までの一週間で、学校の休校や学級閉鎖となった小・中・高また保育所や幼稚園は合わせて71施設と去年と同じ時期と比べると6倍以上となっています。小学校が多いですね。もちろん、今年より流行した年もあるのですが、いずれにしても、インフルエンザがはやく流行していることは認識した方がいいですね。


ユージ:感染症の専門医で、グローバルヘルスケアクリニック院長の水野泰孝さんにもお話を伺っています。


吉田:水野先生によりますと、今年の早期流行は、日本を含む北半球では冬に流行するインフルエンザですが、南半球では、日本の夏の時期の流行、東南アジアでは年中発生があります。特に8月は、日本から海外に旅行する方も多く今年は万博や世界陸上など国際的なイベントもあって、外国人旅行者の増加も過去最高を更新していることなども要因のひとつと考えられるそうです。また、夏休みが終わり9月は学校行事も多く開催されることもあり、地域によっては子どもたちを中心とした流行もみられ、学級閉鎖にもつながっているようです。水野先生のクリニックでも、9月初旬〜中旬にかけては学生を中心に患者さんが増加。10月に入り、いったん落ち着いた印象でしたが、最近は、また増加傾向でありインバウンドの方もいらっしゃるそうです。


ユージ:気になる今年のインフルエンザの症状、流行はどうでしょうか?


吉田:こちらも水野先生に伺いました。例年通り、突然の高熱、関節痛、頭痛など、新型コロナウイルス感染症よりも全身症状が強い印象です。発熱のないインフルエンザというような報道もあるようですが、目立っている訳ではなく軽症で済んでいる一部の人ではないかと話しています。これからの流行に関しては、気温が低くなると、呼吸器系ウイルスが拡がりやすく、暖かいところに人が集まり換気も悪くなる環境が増えてきます。去年末のように急激に増加することは現時点では考えにくいですが、このまま気温が低く空気が乾燥した状態が続くとさらなる増加、本格的な流行を迎える可能性も否定はできないとのことです。また、感染症の流行が起こると検査や薬剤の需要が極端に高まるので、医療資材が不足しないように、「とりあえず」は控えていただくようにお願いしたいとのことです。いつから何℃くらいまで発熱し、どのくらい経過しているのかなど、自身での検温や症状の経過をしっかりと把握して、適切なタイミングで受診、あるいは、自身で検査を行うようにしてくださいとのことでした。


ユージ:塚越さんは、インフルエンザの流行に関して気になることはありますか?


塚越さん:気を付けるというのは、当然のことですが、一部の薬などで供給不足が指摘されています。いろんな観点がありますが、先生が話していたように「とりあえず検査、お薬」過剰に反応するのは気を付けましょう。インフルエンザワクチンについては十分な量があるということなので、気になる方は予防接種をすることも大事です。最近使われはじめた、2歳以上から19歳未満の子どもを対象とした噴霧型生ワクチンがあります。鼻にふきかけるもので、針を刺す必要がなく痛みもないので、注射が怖いお子さんにはありがたいですよね。


ユージ:これ、うちの娘達もやりました。


塚越さん:いいですね。もう1つ気になるのが、サイバー攻撃です。先日アサヒグループがサイバー攻撃を受けましたよね。事務用品などを扱う通販大手の「アスクル」も、サイバー攻撃でトラブルが起きました。アスクルは医療機関向けにも通販をしているので、医療機関によっては配送遅延などで、在庫が減ることもあります。在庫が少ないから、別のお店でやるとなるとお店の在庫が減って薬などの関連用品が不足します。このあたりは、デジタル化やDXの課題もあるのかなと思います。物があったとしてもサイバー攻撃のせいで遅延になって物不足になる点もありますからここは大事かなと思います。あとは、感染対策ということで東京は少しずつマスクをされる印象が電車の中でもあるので、みなさんの様々な状況に合わせて、マスクや感染対策をしましょう。コロナの時に色々言われましたし、忘れないようにというのは大事です。


ユージ:明日、ハロウィンがあったり、その先もクリスマスと忘年会とイベント事も増えてきますから、いま一度、感染対策をご自身でしてください。



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