25.12.09
北海道・三陸沖後発地震注意情報とその備え

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『北海道・三陸沖後発地震注意情報とその備え』
ユージ:今朝は、昨夜、発生した青森県の地震について、専門家の方にお話を伺います。
吉田:東京大学 大学院客員教授 松尾一郎さんとお電話がつながっています。松尾さん、おはようございます。よろしくお願いいたします。まず、今回の地震について松尾さんはどう見ていますか?
松尾さん:はい、おはようございます。よろしくお願いいたします。私はあの時間、就寝中でして、長い時間、揺れが続いたので“あっ、これは津波が来るかな?”とおぼろげながら思ったところです。その後、テレビをつけ、起こったことの現象を確認して、津波対策を含めて、北日本の方々に利用してもらえるようにと考えてました。
ユージ:その後、『北海道・三陸沖後発地震注意情報』が発表されましたが、初めて聞く方も多いと思います。こちらはどういった情報なのかご説明をお願いします。
松尾さん:これから日本で起こる海溝型地震、いわゆる、海側で発生する大きな地震が2つあってですね、実はたくさんあるんですけど、そのうち代表的なのが『南海トラフ』と、もう一つ、北日本で起こるのが、『日本海溝・千島海溝巨大地震』という、国も警戒している非常に危険性があるといわれている地震があります。でですね、国として、『日本海溝・千島海溝』に関する防災対策を進める計画があるんですね。北日本で、三陸の沖合とか北海道の太平洋側の海側でM7以上の地震が発生した場合、何日後にさらにM8クラスの最大クラスの地震が発生するかもしれないということで、“後発”、今回の地震の後で発生する地震に注意してください。という情報なんですね。
吉田:今回、『後発地震注意情報』の発表を受けて、どのような行動をとったら良いのでしょうか?
松尾さん:まず、なぜこのような注意情報を発せられるとかということをお話しします。世界でM9とかM8以上の大きな地震が発生すると高い津波が襲ってくる、これが過去の事例でいうと1400回あって、そのうち約20回近くがM7の後にM8の大きい地震・津波が来たという過去の実績があるんですね、それをとらえて、わずか1%ですよ?10/1000なんだけど、1%なんだけど、危険性が非常に高まっているということを伝えている情報なんですね。だから、起こらないかもしれないということが、まず、一つですね。ただし、今年の7月30日にカムチャツカ地震がありましたよね?M8.5以上でした。あの10日前にM7.4という先発地震があったんですね。今回でいうと、昨日の地震の約10日後にM9に近い地震がカムチャツカで7月30日に起こったんですね。東日本大震災の時にも実は、あの3月11日の大震災の2日前に同じようなことが起こっているんですよ。そういう意味では、日本海溝の、いわゆる、太平洋からぐわ〜っと毎年10cmくらい動いてくるプレートに対する地震というのは、日本海溝型で地震が発生するんですけど、それは非常に注意しておかなければいけないと思っています。だから、そういう危機感を持って対応することが重要です。じゃあ、何をするのか?といったところなんですが、これは国も言っているように、基本的には普段の生活をしてくださいと。普段の生活の中で海沿いに住んでいらっしゃる方、海の近くに遊びに行かれる方、あるいは、大きな揺れがくるので、揺れに対して少なくとも耐震化が済んでいないご自宅に住んでいらっしゃる方は、揺れが発生したら身を守る、津波が来たら、命を守るようすぐに高いところに避難するということを、1週間から10日くらいは考えておいてくださいということです。実際にそういうことが起こったら、すぐに行動につなげられるようにしていくということが重要だと私は言いたいですね。
吉田:なるほど!松尾さん、ありがとうございました。神庭さん、今のお話し伺っていかがでしょうか?
神庭さん:“余震”とか“本震”とかそういう言い方をするんですけど、余震の方が小さくて、本震の方が大きいというのは大きな勘違いで、どっちが余震でどっちが本震かというのは、あとになってみないとわからないことですから、そこは油断せずに、引き続き注意を払うことが必要かなと思います。あとは、こういうときにSNSで情報収集する方もいると思うんですけれども、Xのアルゴリズムが改悪されて、怒りとか恐怖・不安を煽り立てるような情報がフックアップされてくることがありますから、怖いなと思って拡散しようとする前にいったん指を止めて、本当に必要な情報かと考えてから拡散してほしいと思います。
ユージ:SNSでの誤情報にも注意していただきたいなと思います。