25.12.15
生ハムショック!スペイン産の輸入停止の影響は?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターはダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
【生ハムショック!スペイン産の輸入停止の影響は?】
吉田:これからクリスマスやパーティーシーズンを迎え、生ハムを食べる機会も増えそうですが、おつまみやサラダなどでお馴染みの、生ハムが今、大ピンチを迎えています。スペインでアフリカ豚熱が発生。農林水産省がスペイン産の豚肉の輸入停止を決めたからなんです。そこで今朝は、年末の食卓を襲う「生ハムショック」について神庭さんに解説してもらいます。まずは、輸入停止のきっかけになったアフリカ豚熱について教えてください。
神庭さん:農水省によると、アフリカ豚熱(ASF)は豚やイノシシの感染症で、発熱や全身の出血などを引き起こす致死率の高い病気です。有効なワクチンや治療法はなく、豚同士の接触や、ウイルスに汚染された肉・加工品を介して感染が広がるリスクがあります。人間に感染することはないですが、もし国内で発生した場合に畜産業界に非常に大きなダメージが出るため、政府は「家畜伝染病」に指定して水際対策に力を入れています。日本は今のところ清浄国ですが、日本から50kmしか離れていない韓国・釜山では続発しており、中国ではアフリカ豚熱の感染による死亡・殺処分で豚の飼育頭数が4割も減少してしまいました。
吉田:畜産業者の方にとっては、とても怖い感染症なんですね。
神庭さん:おっしゃる通りです。今回のスペイン産豚肉の輸入停止という措置は大袈裟でも何でもないと思います。繰り返しになりますが、人間には感染しないです。輸入停止にしたのは、生ハムが人間にとって危険だからとか不衛生だからではなくて、製品に付着したウイルス経由で国内の豚に感染が広がるリスクがあるからです。そこは誤解のないようにお願いします。いずれにしても、生ハム好きな方にとって、ユージさんのようにメロンにかけてる人達にとってはショックな事態かもしれません。
ユージ:メロンが可哀想です…。
神庭さん:そっちですか!?
ユージ:このスペイン産豚肉の輸入停止の影響はどうでしょうか?
神庭さん:日本はスペイン産豚肉をたくさん輸入しているので影響が大きいです。豚肉の半分ほどを輸入に頼っており、スペイン産はカナダ、アメリカに次ぐ3位で輸入豚肉の18%を占めます。特にスペイン産の冷凍豚肉は日本にとって最大の調達先になっていて、供給網の大幅な見直しが必要になると指摘されています。JNNの報道によると、生ハムの3〜4割が輸入品で、そのうち7割ほどがスペイン産だそうです。実は以前はイタリア産のプロシュートという生ハムをたくさん輸入していましたが、2022年にイタリアで野生のイノシシからアフリカ豚熱が確認され、輸入停止にしました。その代わりにスペイン産生ハムがシェアを伸ばしてきましたが、イタリア産に続いて輸入禁止になってしまったという事で、輸入業者や外食産業の方々は頭を抱えているのではないかと思います。
ユージ:これから生ハムがなかなか食べられなくなっちゃうんですか?
神庭さん:今はまだ在庫があるので、すぐに手に入らなくなるということはないと思いますが、数ヶ月先となると分からないです。代わりに他国産の生ハムの確保に動くことになりますが、品薄やコスト高で値段が上がる可能性もあります。スーパーの成城石井は、JNNの取材に対して「アメリカ・フランスなどスペイン以外で原料確保を進める」と回答しています。くれぐれも、買い占めとか転売みたいなくだらない事は止めて頂きたいです。サイゼリヤでは現状、320円でスペイン産の生ハムを出しています。FNNによれば、サイゼリヤは「在庫がある為、すぐに売り切れる事はない」としており、詳細については「情報を精査中」だという事です。生ハム以外にも、スペイン産の肉を使ったベーコンやチャーシューなどの加工肉が値上がりしないか心配です。
吉田:生ハムショックだけではなく、最近は鶏肉も値上がりしていますね。
神庭さん:牛肉豚肉が高騰するなか、「庶民の味方」とか「最後の砦」と言われていた鶏むね肉も値上がりしています。農畜産業振興機構によれば、鶏むね肉の9月の平均卸売価格は589円と過去最高を記録しました。前年同月の1.5倍超に跳ね上がっています。円安による飼料価格の高騰や、ブラジルで鳥インフルが発生して一時的に輸入を停止した事が響いています。ヘルシーだし、筋トレする人の間でも、最近むね肉は人気です。もも肉との値段の差が縮まりつつありますが、それでもまだむね肉の方が安いという事で、クリスマス向けに、もも肉のローストチキンの代わりにむね肉の照り焼きを出すスーパーもあるそうです。
ユージ:クリスマスといえば、ケーキの値段はどうでしょうか?
神庭さん:これも気になるところですが、帝国データバンクによると、2025年冬シーズンのクリスマスケーキの平均価格は税抜4740円という事で、去年に比べて3.9%上がっています。こういう物価高、値上げラッシュになる前の4年前と比べると、およそ2割、900円近くも値上がりしています。理由とはいうのは皆さんよく分かっていると思いますが、イチゴ、乳製品、カカオ、卵、全部上がっています。そして、化粧箱、フィルムなどの包装資材や、電気代、ガス代、人件費も上がっているので、我々としても「どういう風に生活防衛したらいいんだろう」って感じですが、こうなったら「クリスマスの本番はイブじゃなくて25日!」という事にして、パーティーのタイミングを1日ズラすとケーキ代もかなり割引で安く手に入れられると思います。うちは家族で趣味がバラバラで、安い方がいいのでホールケーキではなくカットケーキを人数分買っています。
ユージ:うちもよくやってます。
神庭さん:「ショートケーキがいい!」「モンブランがいい!」色々趣味違うので、ホールケーキにこだわらない方であれば、カットケーキを購入する方がお安く、いろんな趣味を反映出来ていいと思います。
ユージ:バリエーションも豊かになるので、それも1つの方法だと思いますね。