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26.01.06

今年の日本の政治を占う3つの注目ポイント

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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『今年の日本の政治を占う3つの注目ポイント』


吉田:参院選での与党の過半数割れ、公明党の連立離脱、女性初となる高市総理の誕生など、去年は大きな政治ニュースが相次ぎました。今年はどんな動きが起きるのでしょうか?神庭さんに『日本政治を占う3つの注目ポイント』を解説してもらいます。さっそく、まず1つ目の注目ポイントから教えてください。


神庭さん:はい、1つ目は『解散総選挙』です。読売新聞の先月の世論調査で、高市内閣の支持率は73%。発足して2ヶ月経っても7割を超えているのは、細川内閣や小泉内閣以来ということで、依然として高い支持率を保っています。こうなると気になるのが、“いつ衆議院の解散総選挙を打つのか?”ということで、一般的に内閣支持率は、発足当初ほど期待先行で高く出て、そこからジリジリ下げていくものなんですけれども、だとしたら、追い風が吹いている今のうちに“利確”して支持率を議席に変えたほうがいいと…。そこから「年明け冒頭のサプライズ解散もあり得るんじゃないか?」とか「いや、予算を通して通常国会が閉会する6月あたりじゃないか?」といった観測が出ているということなんですね。


ユージ:“早い時期の解散もあるかもしれない”ということですね?


神庭さん:そうですね。ただ、一方で、いっそのこと来年9月の自民党総裁選近くまで引っ張って、選挙で大勝して総裁選に弾みをつけるほうがいいのではないか?というシナリオも出ています。いつ解散するにせよ、注意が必要なのは、“自民党の支持率は高市内閣の半分もない”ということなんですよね。先ほどの調査でも、自民の支持率は30%で前回調査から2ポイント減らしています。高市さんの岩盤支持層は、安倍元総理を熱狂的に支持していた方々が多いです。そして、この岩盤保守層は去年の参院選では、『参政党』や『日本保守党』、『国民民主党』などに一定数流れたとみられています。じゃあ、高市さんが総理・総裁になったことで、この方々がまるっと自民党支持に戻ってくるのか?というとそうとも限らなくて、「総理として支持はするけれども、自民党は好きじゃないから選挙となれば自分の推し政党に入れますよ」という人も当然いるはずなんですよね。


ユージ:要は、“高市総理人気イコール自民党人気というわけではない”ということですね?


神庭さん:今のところそうだと思います。ここからは完全に妄想なんですけれども、高市総理が「この選挙で自民党が○議席取れなければ、私は総理を辞めます。だから自民党に入れてください!」と自分の進退までかけて宣言したら、「高市さんを辞めさせるわけにはいかない」と岩盤保守層や無党派層も含めて自民党に結集させることができるかもしれませんね。そこまで腹を括って信を問うのか、あるいはもっと正攻法で何かしらの目玉政策を打ち出すのか注目したいところです。


吉田:続いて、今年の政治の注目ポイント、2つ目を教えてください。


神庭さん:『うごめく野党』です。いざ選挙となったときに、連立を離脱した公明党はどう動くか?というのがひとつキーになってきます。公明党は1選挙区あたり2万票ほどの組織票を持っていると言われていて、高市フィーバーや公明の離脱で逆に戻ってくる保守票もあるとはいえ、ボーダーにいる自民議員は気が気ではないと思います。自民と維新が主導する定数削減や選挙制度改革に、公明党は強く反発しています。そこで、「自民党には一切入れるな」となるのか「これまでの信頼関係のある人に限っては人物単位で選挙協力しましょう」となるのか…。仮にですけど「自民のライバル候補に入れろ」と号令がかかった場合、自民候補の票が減って相手候補に上乗せされるので2万+2万で4万票も動くことになります。そうすると接戦区では大きく結果が左右されます。


ユージ:他の野党はどうでしょうか?


神庭さん:自民党に閣外協力する維新は、定数削減を「連立の絶対条件」と言っていましたが、臨時国会での関連法案成立を断念して通常国会に先送りする結果になりました。野党だけでなく自民党内にも定数削減に反対意見が根強く、実現は見通せない状況になっています。そして、維新の地方議員が、高額な国民健康保険の支払いを逃れるために一般社団法人の理事になっていたという疑惑も浮上しています。「社会保険料削減!」「身を切る改革!」と言っていたのに何事かと批判の声が起こり、足もとがちょっとグラグラしています。代わりに存在感が増しているのが国民民主です。『ガソリン税の暫定税率廃止』や『年収の壁の引き上げ』を実現し、高市政権との距離もグッと縮まっています。年収の壁では、所得制限が残っているのに玉木代表が「ミッションコンプリート」と迂闊な発言をして支持者からちょっとヒンシュクを買いましたが、引き続き政局の台風の目になりそうです。自民としては、ライバル同士である維新と国民民主をうまく天秤にかけて、野党を分断しながら国会運営を乗り切っていきたいのではないでしょうかね。


吉田:最後、3つ目の注目ポイントは何でしょうか?


神庭さん:『経済対策』です。インフレが原因で世界中で政権が不安定化しています。インフレと円安にどう向き合うかは、高市政権にとって最大の課題であり、最大の鬼門なんですね。ここで失敗すれば一気に支持を失いかねません。積極財政で景気をふかしすぎるとインフレはかえって悪化します。先月には、財政悪化への懸念から10年もの国債の利回りが2.1%と約27年ぶりの高水準まで上昇しました。『責任ある積極財政』と言われていますけれども、この“責任ある”の部分がちょっと薄まってきて、『トラスショック』みたいにならないように債券市場の警告に耳を傾ける必要があるんじゃないかなと思います。

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