26.01.20
住宅ローン金利が上昇!変動と固定どっちがいいの?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『住宅ローン金利が上昇!変動と固定どっちがいいの?インフレ時代のマイホーム選び』
吉田:長期固定金利型の住宅ローン『フラット35』の1月の最低金利が2.08%になりました。3カ月連続の上昇で、現行制度になってから2%を超えるのは初めてです。「住宅の購入を検討しているけど、金利の上昇が不安」「変動金利と固定金利のどちらにすべきなのか」など住宅ローンの悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。そこで今朝は、神庭さんに『インフレ時代のマイホーム選び』について解説してもらいます。
ユージ:僕も気になっているんですけど、まずは、最近、マンションの値段、めちゃくちゃ上がってますよね!?
神庭さん:いやぁ、高いですよね!東京23区の新築マンション価格は平均1.3億円、中古マンションも1.1億円超ということで、普通のサラリーマンにはなかなか手が届かない金額になりつつあります。インフレで資材価格が上がり、人手不足も深刻な状況なので、しばらく新築マンションの価格が下がることはなかなかないです。もはや新築は買えないということで、中古市場も過熱しています。
吉田:そんな中、住宅ローンを固定金利にするか、変動金利にするか悩んでいる方、多いと思います。現状ではどうですか?
神庭さん:昨年4月の調査では、変動を選ぶ人が79%、固定を選ぶ人が21%という結果でした。変動は間接的に政策金利の影響を受けますが、日銀は昨年12月に政策金利を0.50%から0.75%へ引き上げたばかりです。固定は10年国債利回りに連動して動きますけれど、10年もの国債の利回りは2.22%まで急上昇しています。1999年以来、27年ぶりの高水準なんですね。じゃあ変動と固定のどちらを選ぶか?ということなんですけど、これはもう各家庭のリスク許容度によります。ただ、『インフレ』、『円安』、『積極財政』という経済状況を考えると、どちらもジワジワと上がっていく可能性が高いです。一時的に金利が上がっても、また下がるだろうと考えるなら変動、今後も上昇が長引きそうだと考えるなら固定を選ぶのがいいと思います。
ユージ:と言われても、「判断に迷うなぁ…」という人が多いと思います。どう考えればいいんですか!?
神庭さん:1つのヒントになるのが『中立金利』という言葉です。中立金利というのは、景気をふかしもしない、冷やしもしない、ちょうどいい金利のことですね。日銀の利上げのゴールは、この中立金利になるとみられていて、日銀の推計などから中立金利は1.0%〜2.5%の間にあると目されています。かなり幅があるんですけれども、政策金利は今の0.75%から、今後1.5%か1.75%くらいまで上昇してもおかしくないんですよね。政策金利に連動して短期プライムレートが決まり、そこから優遇金利を引いたものが、実際の変動金利になります。ですから、変動を検討している方は、日銀の利上げの動向もしっかりウォッチしていただきたいなと思います。金利が上がって月々の支払いが増えても対応できるように、手元にある程度のキャッシュを持っておくことも大切です。上級者編としては、変動で金利が安く済んだ分をインデックス投資などに回して、ローン金利に負けない利回りを得るというやり方もあるんですね。
吉田:つまり、ローン以外の資産運用もトータルで考える必要があるというわけですね?
神庭さん:はい、おっしゃる通りです。金利が上がれば銀行は儲かるんだから、銀行株を買っておけばリスクヘッジになるという人もいますね。ただ、そうやって金利のことをいちいち気にするのは面倒だという方は、固定の方がストレスが少ないかもしれません。『フラット35』の最低金利が2.08%といっても、10年債利回りに比べたらまだ安いです。フラットは子どもの人数や住宅性能によって一定期間、金利を割り引く優遇措置もあるんですよね。4月には融資の上限が8000万円から1億2000万円に引き上げられる予定です。
ユージ:あと、最近聞くのが「50年の超長期ローンを選ぶ人が増えている」という話なんですけど、50年ローンって現実的なんですか?
神庭さん:インフレ時代はモノの価値が上がり、お金の価値が薄まる。だから、たくさん借金した方が有利だという考え方が根底にあると思うんですね。だから、“50年の借金を背負った”と捉えるか、期限の利益で“50年間、お金を借り続ける権利を得た”と考えるかの違いなんですよ。多分なんですけど、30歳で50年ローンを組む人の多くは、80歳まで50年間返し続けるのではなく、途中で売却して値上がり益を得ればいいと考えていると思うんですね。もちろん、半分住んで半分投資の半住半投のヤドカリ投資も悪くはないですが、物件価格がダダ下がりしないことが大前提になるんですよ。売却してもローンが残る『残債割れ』にならないように、今まで以上に立地や物件選びの“目利き”が問われるようになります。“心底この物件がいい。一生住むんだ”と腹をくくれるなら、資産価値を気にする必要はありません。でも、ライフステージに応じた住み替えも視野に入れているのであれば、リセールバリューも考えた方がいいと思います。もう1つは、共働き家庭では、最近よく聞く夫婦の『ペアローン』も強い武器になります。住宅ローン控除や売却時の3000万円特別控除を夫婦それぞれで使えるのは大きなメリットですね。ただ一方で、離婚してしまったり、出産・子育てで一時的に収入がダウンしたりする可能性もあります。そうしたリスクもしっかり認識したうえで、夫婦でよく話し合って決めてほしいなと思います。限界ギリギリで借りると住宅ローン破綻のリスクも上がります。金融機関は年収の7倍まで貸してくれますが、『借りられる額』と『借りるべき額』はイコールではないので、しっかりと無理のない返済計画を立てていただきたいなと思います。