network
リポビタンD TREND NET

今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

26.01.26

国債価格が急落!暮らしへの影響は?

null

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターはダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


【国債価格が急落!暮らしへの影響は?】

吉田:与野党が衆院選に向けて消費減税などの拡張的な政策を掲げたことを受け、財政悪化への懸念から、先週、日本国債の価格が急落しました。そこで今朝は、国債価格の下落で私たちの生活にどんな影響が出るのか、神庭さんに解説してもらいます。まず国債が急落した背景から教えて下さい。


神庭さん:高市総理は1月19日、衆院解散を表明。食料品の消費税を2年間下げることが「悲願」であり「実現に向けて検討を加速する」「行き過ぎた緊縮志向」を終わらせると述べました。立憲民主党と公明党が結成した中道改革連合も同日、政府系ファンドをつくって「食料品の消費税を恒久的にゼロにする」と訴えました。これに対して国債市場は敏感に反応して、1月20日、財政悪化への懸念から10年物の国債の価格が下落し、利回りは2.380%に上昇しました。これは26年11カ月ぶりの高水準です。さらに超長期と言われる30年物の国債利回りは3.88%。40年物も一時4.215%をつけ、過去最高を記録しました。


吉田:価格が下がって利回りが上がるというのはどういうことなのでしょうか?


神庭さん:ちょっと難しいのですが、国債というのは平たくいうと国の借金です。国が発行する借用証書みたいなもので毎年、決まった利息がもらえて、最後には元のお金が返ってきます。「国債の利回り=もらえる利息÷買った値段」になるので、分母の価格が下落すると利回りは上がります。国の財政が悪化したり、政治が不安定化すると「ちゃんと返ってくるのか?」という不安が広がり、国債は不人気になります。市場はそのリスクの分だけ高い利回りを要求します。景気回復に伴って金利が上がる「良い金利上昇」もありますが、今回の場合は市場の不安、警告を示す「悪い金利上昇」と言えます。


ユージ:金利上昇で私たちの暮らしにはどんな影響が出てくるのでしょうか?


神庭さん:まず1つ目は、行政サービスへの悪化と家計の負担増です。普通国債の残高は1000兆円を超えており、金利が上がると利払い費が大幅に増えます。全ての国債が一気に高金利へ置き換わるわけではないですが、満期を迎える度により高い利回りで借り直す必要があります。そうやって時間差で利払い費が膨らんでいくと、教育やインフラ、医療・介護などの支出が減らされる可能性もあります。財政立て直しのための増税や社会保険料の引き上げもあるかもしれないです。そして、2つ目が景気の悪化です。政府は補正予算や景気対策が打ちにくくなり、雇用や賃上げにも悪影響が出ます。国債利回りが上がると、銀行の貸出金利、社債利回りなど企業の資金調達コストも上昇します。企業は設備投資を控えるようになり、これも経済へのダメージに繋がります。


ユージ:他にはどんな影響が考えられる?


神庭さん:3つ目は含み損の悪化です。生命保険や地方銀行は国債、債券を大量に保有しています。国債価格が低下すれば含み損が膨らみます。ブルームバーグによると、大手生保4社が保有する国内債券の含み損は昨年9月末時点で11兆3000億円弱ありました。足元ではさらに膨らんでいる可能性が高く、財務の健全性が損なわれる恐れもあります。また、共同通信によれば、地銀97行の保有国債を合算した含み損は、昨年の3月末段階で3兆円超。財務の悪化で企業への貸し渋りが広がると、地域経済が冷え込んでしまいます。4つ目が、住宅ローンの固定金利の上昇です。住宅ローンの固定金利は10年物の国債利回りに連動します。フラット35の1月の最低金利は2.08%で3カ月連続で上昇しており、来月はまた上がると見られています。こうやってガンガン金利が上がっていくと、住宅購入を断念する人が増え、不動産市場には逆風になります。かと言って「金利が上がり過ぎるとマズイ」と日本銀行が国債を買い支えると、今度はマネーの供給が増えて円安になってしまいます。今の日本は、金利高を選ぶか円安を選ぶか究極の選択を突きつけられています。


ユージ:神庭さんは国債の急落をどう見ていますか?


神庭さん:市場からの警告を無視せず、しっかりと耳を傾けるべきだと思います。金利をナメてはいけないです。片山さつき財務大臣は、与野党が拡張財政を打ち出していることについてテレ東のインタビューで「これはもう仕方がないですよ。これが民主主義ですから」と投げやりな言い方をしていた。思わずポロっと本音が出てしまったのかもしれないが、言いたいことは理解出来ますが、ちょっと迂闊な発言だと思いました。「責任ある積極財政」を掲げるのであれば、消費減税や「行き過ぎた緊縮志向」といった言葉が国内だけでなく、海外の機関投資家にどう響くのかまで計算しないといけないです。トランプ大統領はグリーンランドをめぐる強硬論を引っ込めて「またTACOってるぞ」と言われています。「トランプさんはいつもビビってやめる」という意味ですが、批判されても株価は回復しました。なので、高市総理も別にTACOってもいいと思います。最初から「検討を加速する」としか言ってないわけで「検討を加速した結果、やっぱりやめます」もありだと思います。野党も野党で、競うようにバラマキ政策を打ち出すのではなく、もっと長期的な視点で日本の未来を考えて頂きたいと思います。

  • X
  • Facebook
  • LINE
Top