26.04.09
アメリカとイラン2週間停戦で合意。しかしホルムズ海峡は再び封鎖

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは、情報社会学がご専門の学習院大学非常勤講師 塚越健司さんです。
今朝のテーマはこちら!
アメリカとイラン、2週間停戦で合意。ホルムズ海峡は再び封鎖
吉田:昨日、アメリカのトランプ大統領がイラン攻撃を2週間停止すると発表。イランは軍の調整の下でホルムズ海峡の安全な通航が2週間可能になるとしていました。しかしイラン国営英語放送局がホルムズ海峡が完全に封鎖されたと報じています。刻々と状況が変わるイラン中東情勢について塚越さんに解説いただきます。
ユージ:塚越さん、まず停戦合意までの流れを教えてください。
塚越さん:はい。まずトランプ大統領はホルムズ海峡を解放するといった停戦交渉の期限を日本時間4月8日午前9時までに設けていまして、それをすぎると「イランは石器時代に戻るぞ」といったような大規模な攻撃の最後通牒をしていたんです。昨日の朝の段階でイランがホルムズ海峡を解放することを条件に2週間停戦しましょうという話になりました。イランの他に仲介役だったパキスタンのシャリフ首相も発表していて、イスラエルも合意してはいるんですけど「レバノンへの攻撃は停戦に含まれない」と言って実際にレバノンを攻撃したので、今まさにどうなるかわからない状況です。
吉田:アメリカとイランは今後どんな話し合いをするのでしょうか。
塚越さん:このイスラエルの攻撃でどうなってしまうかわからないんですけど、少し前の段階ですと今回パキスタンが仲介国となって和平協議をパキスタンの首都イスラマバードで現地時間11日の午前に開始する見通しになっています。イラン側は停戦にあたって10項目を提案していて、トランプ側もSNSで「この提案を受け取った」と言っています。イラン側の提案が大体何をいっているかというと、「侵略の停止」に始まり「ホルムズ海峡のイランによる管理の継続」「ウラン濃縮のある程度の容認」「経済制裁の全面解除」など。もちろん「レバノンの停戦」というのも入れているわけで、そこが今回こじれている点です。一方のアメリカ側は10項目かは明かしてないですが大体合意できているといっている。ただウランの濃縮とか経済制裁などどこまで解除できるか、ホルムズ海峡の通行に関するイランの管理がどうなるか、というところもあります。結局ホルムズ海峡の移動にはお金がかかるという話もある。アメリカは結局自分で攻撃しておいて手を引いてイランがお金を取るとなったら、全部マイナスになってしまうじゃないかという話もありますけれども。アメリカの方は3月の時点で15項目の停戦案を提案したという報道もあります。この場合はミサイル開発の制限とか、その代わり見返りとして段階的に経済制裁を緩和するということもあった。その中にはウランの濃縮を制限するという報道もあって、ここにいろいろな食い違いがある。イラン側はある程度ウラン濃縮を受け入れるということを出しているそうなんですけど、トランプさんはウラン濃縮を認めないと主張しているんですね。なので実際の停戦協議になって、ほとんど受け入れているといいますけれど、具体的にはこのあたりが焦点になりこれから注目されるという感じです。
ユージ:これからどうなっていくのでしょうか?
塚越さん:本当にわからなくなってしまいましたね。イランの議会はホルムズ海峡を通過する船舶から1隻につき200万ドル(3億円)を課すという構想も出している。これをアメリカが認めるとなるとお金がかかってくる。日本は沢山利用しているのでお金がかかるかと思いますけど、和平交渉の中である程度期限を区切ることが話し合われる見通しじゃないかと思います。
吉田:今回の停戦、世界への影響はありますか?
塚越さん:ありました。株価・原油価格ですね。原油価格は戦争前よりは高いですけど短期的には下落した。一方で株価は安心感からか上昇して日経平均株価も一時2,600円を超える記録的な上昇を見せ、約1か月ぶりに5万6,000円台を回復しました。先ほどいったようにまたどうなるかわからないので、今朝からもまた難しくなるのかなというところです。一方で2週間停戦となってもガソリンやナフサの問題は終わりませんので、結局物不足とか高くなるということは考えられるのである程度節約の意識は大事です。
ユージ:高市総理とイランのペゼシュキアン大統領と電話会談をしましたが、これからの日本はどう動いていくのでしょうか?
塚越さん:高市総理はイランのペゼシュキアン大統領と25分間ほど電話会談しました。日本としては安全にホルムズ海峡を運行できるようにしてほしい、継続的に話をしていきましょう、という穏当の話で終わっています。今回仲介役になったパキスタンという国はもともとアメリカと仲介するということでアジアでは存在感がある国です。できれば、何度も言っていますが、本当だったら日本がイランともずっと仲いいですしアメリカともパイプがあるので、こういった仲介役のプレゼンスを世界に見せていくことが重要になってきます。今からでも遅くないのでそういったところも考えていただけたらと思います。