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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

21.03.03

『給与のデジタル払い』について
null今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!

今日は、元経済産業省の官僚で制度アナリストの宇佐美典也さんにお話を伺いました。
宇佐美さんがピックアップした話題はこちら!


【給与のデジタル払い】


エリザベス:政府が、銀行を通さずに給与をスマートフォンの決済アプリに振り込む、『デジタル払い方式』を検討しています。今年の春にも解禁する方針ですが、安全性など、問題を指摘する声もあります。


鈴村:まずは、『給与のデジタル払い』とは何なのか、あらためて教えていただけますか?


宇佐美さん:賃金、給与については、賃金支払いの五原則というのがありまして、本来は、(1)通貨・現金で、(2)直接労働者に、(3)全額を、(4)毎月1回以上、(5)一定の期日を定めて支払わなければならないというルールがあるわけですね。この通貨・現金払いの原則の例外として、今では当たり前の“金融機関への振り込み”というのがあるんですけど、この例外として新しく“電子マネーでの支払い”というのが加わるということで、現金の代わりに電子マネーでいいですよというふうになるということですね。


鈴村:へぇ!なるほど!通貨・現金でというのがあったんですね!?
そして、政府はなぜ、『給与のデジタル払い』というのを導入しようとしているんですか?


宇佐美さん:これはちょっと時間差がある話でして、もともと、安倍政権の時に「キャッシュレス化を進めよう」という流れがあって、その時期、消費増税時にキャッシュレス割引などありましたけど、ああいう政策を進めて、その中で、これは規制の見直しが必要なものですねという整理の中で、給与のデジタル払いというものを推進することが、2019年12月に決まったんですね。そこから一年半ほどたって、デジタルマネーを発行する会社の倒産した場合の保護制度やマネーロンダリング対策などが整って、これから実現しそうだという流れですね。


鈴村:導入するとメリットとしてはどういうものがあるんでしょうか?


宇佐美さん:具体的には、日払いのアルバイトや、来日間もない外国人など、何らかの事情で銀行口座を開けない人たちの利用というのが主に想定されていまして、実際、自分たちの学生時代でも日払いのアルバイトで口座振り込みより、こういうのが利用できればよかったなあと思ったりするわけですよね。あとは、給与を日払いで受け取りたいという人も結構存在するみたいで、そういった人たちの利用が想定されていますね。


鈴村:なるほどね。デメリットとしては何がありますか?


宇佐美さん:懸念されているデメリットとしては、まずは、やっぱり、“セキュリティの不備”ですよね。これで、不正な引き出しがあるようなことがあると、大変なことになってしまうというのがあるということと、デジタルマネーで受け取ってから“換金がうまくできない可能性”だとか、“手数料で割り引かれたり”とか、そういう点が挙げられていますね。そのため、不正引き出しの補償などを業界で定めたり、手数料なく換金できる仕組みの構築が求められています。


鈴村:そうですね、そこが整備されると本当に便利になりそうですね。『給与のデジタル払い』を導入する場合、課題としては何がありますか?


宇佐美さん:先ほどもちらっと申しましたけども、一番懸念されているのが、『◯◯PAY』などを発行する“決済事業者の破綻”ですよね。破綻した場合にアカウントごと喪失してしまうと、支払ったものが受け取れないということになってしまうので、デジタルマネー業界は、銀行業界ほど倒産時の口座の保護、アカウント保護という仕組みが整っていないので、それをどうするかということがすごく大きな課題として、この一年半、検討されてきました。


鈴村:それは解決しないといけないとされる問題だと思うんですけど、解決への道筋というのは何か見えているんでしょうか?


宇佐美さん:これは、役所と業界がかなり頑張りまして、今のところ、デジタルマネーを発行する会社に保証会社の利用を義務付けることで、倒産した場合は保証機関が、アカウントを持っている利用者に代理で清算すると仕組みを作ることで解決できそうな見込みなんですけど、ただ、労働組合など労働者側を保護する団体が、「本当にそれで大丈夫なの?」と懸念を示していて、そこは入念な説得といいますか、そういうものが求められていくと思いますね。


鈴村:でも本当に『給与のデジタル払い』ができるようになったら、便利は便利で、僕は海外の方とも仕事をしていたりもするんですけど、そういう時に送金というのがなかなか大変なんですよね。これもデジタル給与の支払いの仕組みでやると、すぐに振り込みができるというか、給与を払えるので、そこはグローバルにもなってくるというのは確実にあると思うのでうまくいくといいですよね。


宇佐美さん:そうですよね、デジタルに関して、国際送金のデジタル化というのは、大きな課題なので、そこがうまくいくと、ある種、ひとつの産業になり得ますよね。


鈴村:そうですよね、そこがうまくいくとね。あとはさっき言った、手数料とかの問題がクリアされれば、いつでも端末に給与がきて、そこから振り分けるのがうまくやれれば楽というか、操作も楽で、ひと端末でできるので、銀行に行かなくていいとか、いちいちパソコンを開かなくていいとか、メリットはいっぱいあると思うんですけどね、そのあたりは整理がつけばいいなと思います。


宇佐美さん:私も単発で受けた原稿料とかは、いちいち請求がめんどくさいので、そういう受け取りなどに利用するかもしれないですね。


鈴村:利用方法はいろいろありそうですし、今後、変わってくるのかな?ということかもしれませんね。



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