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26.09.22

都内のインフルエンザ「注意報」基準超え、流行している要因

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターはダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


【都内のインフルエンザ「注意報」基準超え、流行している要因】

吉田:東京都は9月17日、都内の定点医療機関のインフルエンザ患者数が「注意報」基準を超えたと発表しました。毎日新聞によると、この時期の基準超えは1999年以降では、2023年と並んで過去最速タイということです。今朝は、流行の背景や予防法について神庭さんに解説してもらいます。


ユージ:インフルエンザはどれくらい流行っているのでしょうか?


神庭さん:東京都内の9月7日から9月13日までの定点医療機関のインフルエンザ患者報告数は9.53人です。これだけ見ると注意報の基準となる10人を下回っていますが、31保健所のうち14保健所が注意報レベルとなり、その管内の人口が都人口の47.87%に達しました。東京都が定める30%の基準を超えた為、都全体で注意報が出されたということです。2025年は注意報基準を上回ったのは10月20日から10月26日なので、1カ月以上も早くそのレベルに達したことになります。


吉田:どうしてこんなに流行が早まっているのでしょうか?


神庭さん:東京医科大学病院・渡航者医療センターの濱田篤郎客員教授が、時事メディカルで流行が早まった背景を説明していて、これが非常に分かりやすいので紹介します。1つ目は「免疫の低下」。コロナ禍でインフルの感染が減った結果、インフルへの免疫が落ちました。2つ目は「海外からの流入」。東南アジアでは7月からインフルが流行、8月には台湾・香港にも波及しました。ウイルスはH1N1亜型が多く、今、日本で流行しているものと型が一致するということです。3つ目は「長引く雨」。今年は雨が多く、東京は9月16日まで21日連続で雨が降ったとANNが報じています。屋内で過ごす人が増えたことがインフル拡大に影響したとみられます。


ユージ:「なるほど!」という感じですね。ただ、インフルは乾燥している時期に流行るイメージですが、これはどうなのでしょうか?


神庭さん:濱田客員教授によると、日本で冬にインフルが流行るのは乾燥よりも寒さが原因です。寒くて部屋に留まる人が増え、飛沫感染が起こりやすくなるそうです。熱帯では、むしろ雨が多い雨季にインフルが流行りやすいです。今年の日本の夏はまるで雨季のようだったので、室内で過ごす人が増えた結果、インフルが拡大した可能性があるということになります。気候変動で日本の気候が熱帯に近づいていくと、感染症の流行パターンも影響を受けるのかもしれないです。


吉田:そうなると心配なのが新型コロナです。こちらの動向はいかがでしょうか?


神庭さん:エムスリーの医療データを基にモデルナが公表している推計によると、9月19日時点の関東地方の新型コロナ患者数は、7日間移動平均で1日あたり5870人です。8月1日時点の1436人の4倍以上に増えており、増加傾向にあることが分かります。コロナはインフルと症状がよく似ているので、同時流行すると症状だけで見分けるのが難しく厄介です。


吉田:シルバーウィークの影響はありますか?


神庭さん:天気が荒れている地域も多いですが、連休で旅行・帰省などの移動が増えています。そうすると、休み明けの職場や学校でさらに感染が広がる可能性があります。手洗い、うがい、換気、人混みでのマスク、体調不良の場合は無理せず休む、といった基本的な対策をしっかり励行してもらえたらと思います。「雨だから」といって常時、窓を締め切るのではなく、少しだけ開けて換気したり、24時間換気を切らないようにしましょう。窓を開けにくければ、浴室・トイレ・キッチンなどの換気扇を回すといった対策を心がけてほしいです。


ユージ:流行が早まっているということは、インフルのワクチン接種も前倒しも考えた方が良いかもしれないですね。


神庭さん:そうですね。ご高齢の方や基礎疾患のある方、小さなお子さんなどは早目に打つのも手です。ただ、誰しも前倒しがいいとは限らないです。インフルのワクチンは接種して2週間ほどで十分な免疫がつき、5カ月ほど効果が続きますが、その間も徐々に効果は低下していきます。今すぐ打てば、流行が本格化する前から効果を期待できる一方で、2月、3月の流行期に効果が低下してくる可能性もあります。受験やイベントなど感染を避けたい事情がある人は、いつ打つのが最適か接種時期をかかりつけ医に相談してみてほしいと思います。


吉田:その他に注意点はありますか?


神庭さん:弘前大学・京都大学・大正製薬の共同研究チームが発表した「インフルエンザにかかりやすい人の5つの特徴」を以前にも紹介しましたが、改めてお伝えしたいです。1つ目は「血糖が高め」。血糖が高い状態が続くと、免疫細胞の働きが鈍くなりウイルスへの抵抗力が弱まります。2つ目は「肺炎の既往あり」。過去に肺炎を経験したことがある。もともと感染症に対して、抵抗力が弱いと考えられます。3つ目は「多忙・睡眠不足」。仕事や生活が忙しく、睡眠が不足している。インフルエンザと同様の感染症である「風邪」では睡眠時間が短いと、罹患頻度が高まるという報告があります。4つ目は「栄養不良」。食事のバランスが偏り野菜の摂取が少ない。5つ目は「アレルギーあり」。雑草やスギなどのアレルギー検査値が高く、アレルギー性鼻炎などの症状がある。慢性的な炎症や鼻づまりが呼吸器のバリア機能を弱め、ウイルス感染のきっかけになりやすいです。今、申し上げた5つの条件に当てはまる方、これを聴いてドキッとした方は是非、感染対策に気をつけていただきたいと思います。

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