森永乳業 presents 平原綾香のヒーリング・ヴィーナス

平原綾香

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ON AIR REPORT 毎週ゲストをお招きして、その方ならではのパーソナルな“音楽の世界”を辿ります。

01/17中村 中さんの音楽人生

2016/1/17 update
平原綾香さん・中村 中さん

やっと少し寒くなってきましたが、今年は暖冬ですね。平原さんも新幹線の中から富士山を見てビックリ。冬の富士山は雪で白いはずなのに、黒かったんです。雪化粧した富士山が見られないのは、なんだか寂しいですね。

ヴィーナス・ラウンジのゲストは中村 中さん
今週のトークテーマは、「中村 中さんの音楽人生」です。中さんのルーツになっている音楽についてお話を伺いました。

最初に歌手になろうと思ったきっかけは?
「歌はずっと好きで、小学生の頃から、歌手になると思って生きてた。でもそれは漠然としてて、”歌好きだな〜。テレビの中で歌っている人たちみたいになるんだ〜。”とただ無邪気に思っていたけど、それを決定づけたのは、いじめにあったからかな。わたしとしゃべると必ずこの話になってしまって、ごめんね。自分のセクシュアリティに悩みがあってさ、それをからかわれてね。それ以外にも変わり者だと思われやすいらしくて、転校とかしても、話も合わないからすぐいじめられるの。友達もできなかった。でも、毎日、そんなの苦しいじゃない?歌うことに逃げていたわけ。歌っていると気持ちいいし、歌っている間はそういうこと忘れられたし。今はむしろ、その環境に感謝しているんだけど、友達と遊ぶとかは、わたしの人生ではなしと思ってた。代わりにその分の時間を全部音楽につぎ込んだから、もうそっち側しか見ないようになったというのがきっかけかもしれない。」

歌以外にもドラムも叩けるし、ギターも弾けるし、他にもいっぱいできるよね?
「ピアノも弾ける。楽器でも何でもよくて、ずっと没頭してた。さらに、自分で曲を書いた時に決まったかな。言葉で言えないことを歌にしようと思ったのが、歌手になろうと思った一番のきっかけ。」

影響を受けたアーティストを聞かせてほしいな。
「研ナオコさんの『泣かせて』という歌が、懐かしの歌謡曲を振り返る番組で流れていたのね。”楽しい思い出ばかりだなんて言わないで”と始まるの。悲しい時に、いいこともあるよなんて言わないでという内容なの。サビで”あなたの言葉より今は安い流行歌の方がまし”と出てくるの。”まさにわたし、今そう思ってる!”と感じて。歌の方が寄り添ってくれる時ってあるでしょ?いまだによく聴くんですよ。」

(この曲)いい声だし、いい歌詞だね!
「泣きそうになった時に、励ましてくる人いるでしょ?それもひとつの慰め方なのかもしれないけど、泣かせてくれないよね。泣いちゃダメみたいな感じとかさ。」

歌が寄り添ってくれる音楽の力というのは、わたしたちも歌をやっていて、そういうのを信じさせてくれる、いい歌がたくさんあるよね。
「だから、昔聴いた時にはね、自分が聴いている歌というイメージだったんだけど、やっぱり歌手になったら、この歌詞がそのまま自分に跳ね返ってきたの。”あなたの言葉より今は安い流行歌の方がまし”そう思ってもらえるような歌を作り続けないと。歌手になってからもテーマになっているのよね。」

2014年、中島みゆきさんから『夜会』のオファーが来たんですよね?
「オファーが来た時はビックリしたね。まず、みゆきさんが全部、台本から構成から、詞も曲も書いて、演出もするわけよ。で、出演もするじゃない?その偉業に、本当にすごいなと思って。その年には『マッサン』の主題歌を書いていたし、それから確かアルバムも出してて、一体いつ書いて、いつ休んでいるんだろうと思った。とにかくすごい人でしたよ。」

わたしたち、みゆきさんの歌をRESPECT LIVEで歌ったけど、普通に歌うとみゆきさんっぽくなっちゃうのね。みゆきさんの曲を聴きまくって、一回忘れないと、みゆきさん節が入っちゃうの。すごい人たちの曲っていうのは、どんな言葉にもメロディーにも個性が宿っているよね。他の人の歌を歌ってみると、その歌のすごさも歌の上手さもわかる。
「そうだね。他の人の曲を歌う時ってさ、全部脱がさないとできないもんね。」

まねっていうか、一回全部コピーしてから、自分がどうするかというのをやるようにしているの。
「すご〜い!研究家!わたしの場合は、まず最初に音符にしちゃうの。その人の歌ではなく、正確な音符。この歌はどういう風にできているのか、コード進行と音符にしちゃって、整理していくの。歌のニュアンス入れていたりするじゃん。1番と2番が若干違っていたりするけど、本当の音符に書きかえてから、歌ってみて、フェイクを入れるのは、やりたいという気持ちになったらやるということにしている。」

それ聞くと、わたしより研究家だと思う!
「そうかな?入口が違うんだよね。はなっから自分のものにするのだから、正確なやつ、教えてよって思うの。誰も歌ったことがない状態にしておきたいの。」

みゆきさんの歌は語りのところが結構あるよね。
「『怜子』を歌ったんだけど、やっぱり一番、聴いていてしっくりくるのがご本人の歌なわけ。でも、それじゃ悔しいわけ。時々、オリジナルの歌手のと違う状態が起こる時があるのよ。どうしてもオリジナルの歌い方の方がしっくりくると思っていても、ずっと歌っていると”わたしの道”を見つけられるんだよね。音符を変えるんじゃないんだよ!」

今年はデビュー10周年のアニバーサリーイヤーですね。どんな10年だった?
「さっきもちょっと触れてくれたように、いろいろな出会いがあったな。意外と引っ込み思案なところがあるから、それでも、ものすごい人たちと出会っているのね。でも好きすぎて、まだ出会いたくないと思うこともあったんだけど、もうどんなものが来てすべて受けとめるという気持ちでいなくちゃという感じかな。」

中村 中さんのニューアルバム「去年も、今年も、来年も、」絶賛発売中!3月4日〜17日まで、赤坂ACTシアターで上演される三島由紀夫さん作、宮本亜門さん演出の舞台「ライ王のテラス」に出演されます。中村 中さんの最新情報はオフィシャルサイトをご覧ください。

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