森永乳業 presents 平原綾香のヒーリング・ヴィーナス

平原綾香

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ON AIR REPORT 毎週ゲストをお招きして、その方ならではのパーソナルな“音楽の世界”を辿ります。

06/21火星に移住することってできるの?!

2009/6/21 update
平原綾香さんと阪本成一先生
宇宙の専門家・阪本成一先生!
火星に移住することってできるの?!

今週も、JAXA 宇宙航空開発機構 教授 阪本成一先生にお越しいただきました。
地球人は、火星に移住することってできるのでしょうか?
そんな疑問に、阪本先生が答えて下さいました。

■地球に住んでいる私たちが火星に住むのは無理なんですか?!
そうですね・・。住むというのを皆さんがどういう風にイメージしているかによると思うんですけど、宇宙飛行士が宇宙ステーションに滞在していますが、それって、住んでいるのとは、ちょっと違いますよね?
実験をしに宇宙にでかけている。将来的には、火星にも基地を作って、宇宙飛行士や科学者がいろんな調査をするのはありだと思いますし、やりたいと思います。
皆さんはたぶん、そうじゃなくて、地球がちょっとまずいなー、人口が増えちゃった、環境もやばい、そろそろ地球を捨てて、火星にでも行けば、また新しい人生を謳歌できるんじゃないか?という風に思っているとしたら、それはちょっと違うんじゃないかな?

■宇宙農業が研究されているから、向こうに行っても食べ物も大丈夫と言うか・・・。
そのために研究されているのかなーって思ってたんですが・・・。

宇宙農業って最近、メジャーになってきましたけど、基本的にそれって、サバイバルなんですよ。例えば、宇宙飛行士を送って、調査をするとしますよね?その時に、往復で、最低でも3年ぐらいかかっちゃうんですよ。火星は結構遠いので・・・。そこで、3年分の食料をどうしようか?それから、帰ってくるタイミングを逃しちゃうと、待っている間のバックアップの食料をどうしようか?
最近、おいしい宇宙食も出ていますけど、3年分の食料を持っていくのは大変ですよね?
幸い、火星には水があるみたいなので、少しビニールハウスを建てて、そこで作れるものは作りましょうというのが、宇宙農業なんです。
限られた範囲でやるというのが、我々の頭の中にあります。

■では、火星に住めるのは、まだなんですねとか、そういう次元じゃないんですね?
まず、皆さん、火星、誤解しています!(笑)火星人がいるって信じている人って、きっと誤解しているんですね。きっと、火星の環境とか知らなさすぎなんです。

■火星ってめちゃくちゃ寒いらしいですね。
火って書くし、赤いから暖かいイメージがあるけれど、めちゃくちゃ寒いです。
景色見ていると、砂漠っぽいので、ちょっと水があるなら、まぁ、生活できると思うかもしれないですけど。火星の北極、南極って、いわゆる、氷とあとはドライアイスなんですよ。
ドライアイスって二酸化炭素ですよね。火星は空気が二酸化炭素でできているんですよ。
だから、火星ってあまりに寒いので、空気が凍っているんですよ。
そこで、人間が住むとか、植物が育つには、工夫が必要ですよね。もちろん、基地を作る時には、
人間が生きられるよう、考えられていますけれども。
移住と言った時は、10人20人の話ではなく、それこそ、10億人のことを考えなれば、移住じゃないですよね。大変ですよ。10億人食わしていくには!

■そうですね。植物とかだけではダメですよね?
動物性のたんぱく質、脂質を取らなくては、いけないのですが、じゃあ、牛とか豚を連れて行くか?
一生懸命育てて、自分が食べようと思ってた、とうもろこしを豚に食べられたら、ちょっと半狂乱になりますよね。(笑)そこで、どうするかというと・・・虫。

■虫?!例えば?!先生・・・例えば?!!どんな虫?
例えば、蚕(カイコ)。

■まるで、人間が火星人みたいですね・・・。
蚕は良質のたんぱく質なんですよ。蚕のサナギ。普通、地球上では、蚕は糸を取るために飼っていますよね。火星では、蚕はサナギを食べるために飼っていて、周りのまゆは、捨ててもいいんですけど、使えるので、シルクの下着でも。(笑)

■蚕を食べるとしたら、どんな料理にします?
最近、そういう研究も進んでいて、黄な粉の中に、蚕のサナギを混ぜ込んでクッキーにしたり。
蚕は地域によっては食べているところありますよ。長野とかでは食べてますし。
韓国でも食べています。

■ポンデギって料理で、サナギ食べたことあります・・・。
イナゴや、ハチも食べますよね。でも、火星に連れていくと、ピョコピョコ飛んで困ります。
その点、蚕の場合は逃げないので。

■では、今いる地球を大切に・・・ってことになってきますよね。
まずは、地球を大切に。
僕が火星に移住は無理だという理由は、地球を壊してしまったから、火星の移住を考えているわけですよね?でも、壊してしまった人間が、新しい星を作れるわけないし。
もともと住めないところを住めるようにできるくらいだったら、逆に今、住んでいる地球を綺麗に残せばいいと思います。そういう意味で、僕らが地球を捨てて、火星に逃げるっていうことは、絶対にないだろうと僕は思っています。

■いいお言葉いただきました。本当にその通りですよね。
それが一番のエコであり。宇宙ってそういうことなんですね。全然勘違いしていましたね。
火星のことをもっともっと、知ることができたし、火星を知ると、地球を知ることができる。
もっと地球を大切にしなくちゃ。って思える、お話でした。

■最後に、宇宙ファン、ヒーリング・ヴィーナス リスナーへのメッセージをお願いします。
僕らは宇宙の研究をしていますので、宇宙のことは割りとよく知っているつもりですが、
いつも考えているのは、地球のことなんですよね。
みなさんもぜひ、たまにで結構ですので、宇宙のこと、星のこと、考えてもらって、
地球(ふるさと)にまた、戻ってきてほしいと思います。

先生!最高のお話、ありがとうございます!
宇宙や阪本先生、また、平原さんにまつわるお知らせは、下記にまとめました。
みんなで星を見ましょう!!

7月22日 屋久島、奄美の北側、種子島の南側で皆既日食が見られます。

「めざせ1000万人!みんなで星を見よう!」
世界天文年の中心的な企画のひとつです。
自分の目でて、何か感じていただければ、と思います。
詳しくは下記のサイトへ。
めざせ1000万人!みんなで星を見よう!

宇宙や阪本成一先生ことをもっと知りたい方はこちらをぜひ、ご覧下さいね。
JAXA
阪本成一先生ブログ

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