みらい図鑑

VOL.264「湯の花ギフト」

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日本を代表する温泉地。
大分県別府市で誕生した贈り物が、今回の話題です。

コロナ禍で、いまは会えない大切な人へ贈る、天然温泉の入浴剤。
ギフトの名前は、「別府温泉 湯の花」。

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小さなパッケージの中に入っているのは、
自宅のお風呂で使える、天然成分でできた別府の「湯の花」です。

「湯の花」とは、温泉成分が固まったもの。
家庭でも本格的な温泉気分を味わうことができるとあって、
昔から、温泉地のお土産として各地で親しまれてきました。

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「別府温泉 湯の花」のパッケージには、住所と宛名の欄が設けてあり、
メッセージをひとこと添えて、切手を貼り、ポストに投函するだけ。

今年の1月から販売をはじめたところ、
全国各地から、注文が寄せられているといいます。

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ギフトのプロジェクトを始めたのは、
別府市の観光支援を手がける一般社団法人、「B-biz LINK(ビービズ リンク)」。

同社・後藤寛和 (ごとう・ひろかず)さんにお話を伺いました。

「みなさん、いま、とっても疲れていらっしゃると思いますので、
温泉地の方は、温泉に入っていただいて、心も体も癒してもらいたいと考えています。
ですが、なかなか今は、みなさんがみなさん、
すぐに温泉地に行ける方ばかりではないですよね。

せめて、ご自宅で温泉気分を味わっていただいて、
1日でも早く終息した際には、また、温泉地へお越しいただいて、
心身を休めてもらいたい、そんな気持ちでプロジェクトをやっています。」

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SNSやメールだけでは伝えきれない想いを、
自分たちが何かの形でサポートできることはないか。

そんな思いから生まれた「別府温泉 湯の花」、
合言葉は、「はなれていても、あったかい」。

「届いた方が、すごく良かったから別の方にも贈りたい、
という温かい連鎖が続いているんですね。
私たちも本当に嬉しく思っています。」

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「別府温泉 湯の花」は、本体と切手代を含めて500円。
売上の一部は、「別府市新型コロナウイルス感染症おもいやり基金」に寄付されます。

ワンコインで、贈る人、贈られた人、両方が温かい気持ちになれる。
素敵なギフトですね。

VOL.263「加賀海岸シーサイドトレイルラン」

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舗装されていない登山道を駆け抜けていくスポーツ、
「トレイルランニング」。

四季折々の風景を間近に感じながら走ることで、
自然と一体になった感覚が味わえる。
それが、トレイルランニングの醍醐味です。

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多くの愛好者がいるトレイルランニング。
コロナ禍で、国内大会の多くが中止になっているなか、
来月、石川県で、「加賀海岸シーサイドトレイルラン」が開催されます。

左手には、海と空が溶け込むような眺め。
右手には、草花が咲く丘。
波の音に耳を澄ませながら、加賀海岸の未来に想いを馳せるイベントです。

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大会実行委員長の高森真一(たかもり・まさかず)さんにお話を伺いました。

「大会のコースになっている加賀海岸は、国定公園にもなっていて、
眺めたり、散策するだけでも美しいんです。
“加賀海岸ブルー”と、私は勝手に呼んでいるんですが、
青空の時に見られる海と空のマッチングは、本当に素晴らしいんですね。

そういう自然の中を、すべての人にとっても、すべての物にとっても、
配慮されたルールをつくって駆け抜けるのが、加賀海岸シーサイドトレイルランです。」

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トレイルランニングには、
人と自然が本当の意味でつながっているような感覚があるという高森さん。

自然に包まれる時間は、自分自身を整えてくれる大切な時間だと語ります。

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「“ああ、すごくステキだなあ”と感じたら、
今度は、普通の時に来て、是非、走ってもらいたいと思っています。

心の故郷というんでしょうか。
また来たい、と思うことは、その場所が好きになった証だと思うんです。
この自然を未来へとつなげていこう、という空気を作っていきたいと考えています。」

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感染症対策もしっかりとおこなって開催される「加賀海岸シーサイドトレイルラン」。

コロナ禍でのトレイルラン大会運営のモデルになれるよう、
高森さんたちの努力と挑戦は、これからも続きます。
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