叔母さんからの愛情をめいっぱい受けて育った少年の物語。小川さんは、成績がビリだったことを知って少年が大泣きした時、叔母さんが一緒に泣きながら慰めてくれたというエピソードを。私は、叔母さんが迫真の演技をみせる少年との戦ごっこの場面を好きなシーンとして挙げました。『こういう叔母さんがいたから、感性豊かな作家・中勘助が生まれたんですね』と小川さん。確かに叔父さん叔母さんからの愛情って、両親や祖父母のともちょっと違ってどこか友達感覚のような。私にはお調子者の楽しい叔父がいるのですが、私も結構お調子者…。叔父・叔母の影響力って意外にパワフル。あなどれません。（アシスタント:藤丸由華）

多田武彦作品集 男声合唱組曲「中勘助の詩から」より 四十雀(しじゅうから）　 / 関西学院グリークラブ
中勘助は、「銀の匙」という詩集も出しています。多田武彦が昭和３３年に関西学院グリークラブのために、その詩集からの７篇に曲をつけた組曲から。

田舎の生活 / スピッツ
「銀の匙」からはＪ−ＰＯＰでは草野マサムネさんが思い浮かびます。神田から山の手（小石川）へ移ると郊外、田舎だった、という描写と重ね合わせて。また「あの日のたわごと銀の箱につめて・・・」という歌詞は、銀の匙を見て、思い出が語られていく冒頭を思わせます。

イノセントワールド / ミスターチルドレン
「もちろん子供は邪悪な面ももっているけれど、それでもやはり「イノセント」といえるのは子供時代だけなので」と小川さん。