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雑誌でこの『人間失格』の連載がスタートしたとほぼ同時に、自ら命を絶った太宰治。当時読者は主人公の“自分”に太宰を重ね、連載で毎回遺書を読んでいるような感覚だったのではないでしょうか。あの快活な『走れメロス』と同じ書き手とは信じがたい、悲劇的な内容です。ところで最近は装丁がスタイリッシュになって若い読者が増えているそうですが、「10代の読者には、人間は誰もが失格者なのだということを感じてほしい」と小川さん。ちなみに30代の私は、敏感すぎる生き方の苦労を知り、鈍感であることも時には大切、ということをこの作品から教えられたような気がします。
(アシスタント:藤丸由華)

2009年06月07日
西原理恵子
『いけちゃんとぼく』

2009年05月31日
立川談春
『赤めだか』

2009年05月24日
イプセン
『人形の家』

2009年05月17日
三田誠広
『僕って何』

アーカイブ
義太夫「朝顔日記」より/竹本春子大夫
太宰の妻、津島美知子の「回想の太宰治」には、太宰が高校時代の放課後、着物を着て義太夫を習いに行っていたこと、後年、美知子さんにも聞かせた、というエピソードが紹介されています。
義太夫「朝顔日記」はレパートリーのひとつだったそうです。
下り坂/カルロス・ガルデル
東京に暮らしはじめた主人公は、銀座のカフェに通います。
そこでかかっていたかもしれないアルゼンチンタンゴの巨匠。
この曲は、タイトルも「人間失格」と通じるものがありますね。

ヒトコイシクテ、アイヲモトメテ/エレファントカシマシ
津島美知子さんは 太宰について「甘やかせばきりのない愛情飢餓症」とも表現しています。
「人間失格」には、「人に好かれることは知っていても、人を愛する能力には欠けている(もっとも世の中の人間に愛の能力があるかは疑問)」という部分もあります。
エレカシの宮本浩次さんは、太宰治を好きな作家のひとりにあげています。

 
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