ON AIR REPORT オンエアレポート

3月生まれの作曲家ラヴェルを生演奏とともに!

17/03/06


今夜もお聴きいただきありがとうございます!
今回は、3月生まれの作曲家、モーリス・ラヴェルに注目しました。

まずは、セルヴィアーノ・グランドハイブリッドでの横山幸雄さんの生演奏からスタートしました。

<プレイリスト>
M1 ラヴェル 《亡き王女のためのパヴァーヌ》
横山幸雄(セルヴィアーノ・グランドハイブリッド)

M2 ラヴェル 《ピアノ三重奏曲 》 より第1楽章
ジャック・ルヴィエ(ピアノ)、ジャン=ジャック・カントロフ(ヴァイオリン)、フィリップ・ミュレ(チェロ)

M3 ラヴェル 《ピアノ協奏曲 ト長調》作品30 より第2楽章
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)、クラウディオ・アバド(指揮)、ロンドン交響楽団

モーリス・ラヴェルは、19世紀末〜20世紀にかけて、ドビュッシーとならび近代フランスを代表する作曲家。
1875年3月7日、スペイン国境近くのバスク地方で生まれました。母親はバスク人。
バスク地方は、スペインとフランスの両側にまたがる海と山に囲まれた自然豊かな地域です。ヨーロッパの様々な影響を受けながらも他とは異なる独特の文化を育んできました。言葉はバスク語で、世界で最も難解な言語の1つと言われています。
ラヴェルの作風には、そんなバスク地方や、アフリカ、イスラム文化にもつながるスペイン風の要素が多くみられます。

M2「ピアノ三重奏曲」は、ラヴェル自身、「バスク風の色彩を持つ」と述べている曲です。バスクの古い民謡の多くは8分の7や8分の5という不規則拍子がベースとなっており、本作でも独特のリズムパターンが用いられています。
39歳のとき、バスク地方に滞在中に作曲されましたが、 ちょうど世界大戦の勃発と重なり、ラヴェルは作品の完成を急いだといわれます。ストラヴィンスキーにあてた手紙には「すぐに出発しなければという思いに駆られて、5か月かかる仕事を5週間でやり遂げました!」とあるそうです。そして、完成した翌年1915年には志願兵となり従軍しました。

M3「ピアノ協奏曲」第2楽章は、横山さんが「20世紀に書かれた作品の中でもっとも美しいもののひとつ」と語るお気に入り。
この曲にも、バスク地方の民謡など、少し民族風の香り+スペイン音楽、ジャズのイディオムなど、多彩な要素が用いられています。
これらの要素をラヴェルが自らの個性でみごとにまとめあげている、そこが魅力、とのことです。

横山さんがフランスに留学したのはラヴェルの没後50年のときでした。今年は、没後80年。
たくさんの思い出がよみがえって来る作曲家、ラヴェルだそうです。

来週は、ヴァイオリン協奏曲に注目します!お楽しみに。