三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2020.06.02

自分が泊まりたいと思えるホテルをつくりたかった

ホテルプロデューサー
龍崎翔子
時代の流れに乗らないといけないと19歳で起業


今週のゲストは、ホテルプロデューサーの龍崎翔子さんです。
龍崎さんは、1996年生まれ、京都のご出身。
東京大学在学中の2015年、19歳の時に、
ホテルのプロデュース・運営を行うL&Gグローバルビジネスを創業。
現在までに国内5つの拠点でホテルを運営。
また、関連会社のCHILLNN代表でもあります。

まず「ホテルプロデューサー」という肩書ですが、
具体的にはどんなお仕事をされているんですか?

「私の場合はホテルをつくる仕事がメインでして
 例えば新しい土地を見つけて、そこでどういうホテルをつくろうかと考えて
 コンセプト、サービスを企画して、実際に運営が回るような形までもっていく
 といったことをメインでやっています。」
 
ゼロベースからホテルをやっていくということですか。

「ゼロベースの物件の場合もありますし、既存のペンションや旅館、ホテルを
 リノベーションする形でやることもありますね。」
 
そもそも「ホテル経営をしよう」と思ったのはどうしてだったんですか?

「自分の中の純体験としては小学校2年生くらいの時に
 1年だけアメリカに住んでおりまして、日本に戻る前の最後の一か月間を
 家族でアメリカ横断ドライブのような事をしていたんです。
 今思えば楽しそうなのですが、当時は子供だったので
 1日10時間近く車に座っているのでとにかく降りたくて
 1日の最終目的地であるホテルがどういうところなのかを
 すごく楽しみにしていたんですけれども
 いざホテルに着いて客室のドアを開けてみると
 どのホテルも昨日のホテルとも変わらないし
 日本のホテルとも変わらないじゃんと思うことがすごく多かったんですね。
 アメリカは国土もすごく広いので、街によって景色や文化、雰囲気も全然違うのに
 何でホテルは全部同じに見えるんだろうということに
 子供ながらに不満に思ったというのが最初のきっかけで
 自分だったらこういうホテルに泊まりたかったのになと空想しているうちに
 いつしかホテルを経営したいと思うようになっていたという感じですね」

小学校から思い描いていて大学に進まれますが
大学もホテル経営を目標にしていかれたんですか?

「そうですね。小5の時にホテルを経営する職業があると知って
 ホテル経営者になろうと思ったんですね。
 中学高校と幸いにもその夢が変わることは無くて
 ホテル経営するためにどこに行ったらいいんだろう?という観点で
 大学を選んだという感じでしたね。」

19歳の時に起業されていると伺っていますが早すぎませんか?

「自分もそんなに早く起業するつもりは無くて
 もともとは大学院などに行ってから起業するものかと思っていたのですが
 私が高校2年生の時にオリンピックが東京で開催されることが決まったんです。
 もう”そうこうしちゃおれん!”という感じで
 オリンピックの年は私が大学を卒業して2年後くらいになる年だったので
 大学卒業してから動き出すのでは遅すぎるなと感じて
 なので大学に入った時からチャンスがないかというのを
 ずっと目を皿にして探し続けていたので
 当初思っていたより早く起業することになったという感じでした。」

自分の基盤を固めるというより、2020年にホテルがバズるというところに
乗っかったということですね。
でもそれはビジネスとして正しいですよね。

「自己実現のためというよりは、時代の流れに乗らないといけないと思っていたので
 そんな感じで始めることになりました。」

さきほど小学生の時からぶれなかったとおっしゃっていましたが
何故ぶれることがなかったのでしょうか。

「色々理由があると思うんですけど、自分では3つくらいだと思っていて
 小5くらいはアイデンティティが形成される時期だとおもうんですね。
 色んな人に将来の夢は何?と聞かれるじゃないですか。
 そういう時にホテル経営したいんです。と言い続けてきたら
 それがだんだんアイデンティティと立体化してしまって、
 ホテルを経営していない自分が
 イメージできなくなったというのがまずあったと思います。
 もう一つは合理性があったと思っていて
 時代と共にLCCが飛ぶ数も増えますし、途上国の経済発展もしますし
 旅行する人口が増えるのでホテルの需要も上がるんですよね。
 という意味でも経済的に間違っていないというと変ですけど
 無理なプランじゃなかったというのが大きかったのかなと思います。
 3つ目としては、私がホテル始めたいと思ったときは
 もっとこういうホテルがあったらいいのにと思っていたんですけれど
 身の回りの人はみんな”ホテルは寝られたらいい””ビジネスホテルで十分"
 という感じだったんです。そういうことじゃないのみたいな。
 そういうことが誰に話しても伝わらなくて
 自分が泊まりたいホテルが18,19歳になるまで全然出てこなかったように
 感じていたんですね。だから自分が泊まりたいホテルを作らないとと
 いう気持ちがずっとあったので夢が変わらなかったのかなと。
 この3つが主な原因かなと自分では思っています。」

自己分析がしっかりできている証拠ですね。
ホテル経営をスタートするにあたってノウハウはどこで学んだのですか?

「一番最初はホテルでアルバイトをさせてもらったんですけど
 けっこうすぐにペンションの経営を始めたんですね。
 北海道の富良野にある築30年くらいのペンション。
 当時そんなに高くなかったというのもあって引き継いで
 本当に何も分からない状態でいきなりペンションの経営を始める
 という感じで。バイトをしていたので簡単な清掃の仕方とか
 こういうシステムを使っているんだというのは
 なんとなくわかっているんですけど
 それ以外のことは全部初めからやったので。
 ホテルっていろんなサイトから予約できるじゃないですか。
 あれってダブルブッキングしないように裏側で
 一つのシステムで管理しているんですね。
 そのシステムを契約する前に予約サイトの契約を先にしてしまったから
 ダブルブッキングが起きまくってめちゃくちゃ謝ったりとか
 していましたね。最初は毎日ダブルブッキングにならないか怯えていました。」

ホテルをプロデュースするにあたって、大切にしていることは何ですか?

「私が大切にしているのは、その土地の空気感をホテルの中に取り込むということと
 それを単純に持ってくるだけだと面白くないなと思っていて
 土地の持っている雰囲気と、トレンドの異質なものをマッシュアップさせる
 というのをやるようにしているんですね。
 例えば私たちがやっているホテルだと、大阪の港町にあるホテルなので
 60年代のしっとりした雰囲気で作りつつ、
 レコードプレーヤーがすべての客室にあって
 お客さんが60年代、70年代、80年代の名盤を聴きながら
 ホテルの滞在を楽しむ事が出来るというようなホテルをやったりしています。」

2020年の東京オリンピックでホテル業界は発展すると予想し、
19歳の若さでホテル経営に乗り出した龍崎さんですが、
ご存知のように、コロナの影響でオリンピックは延期、
そして、ホテル業界、観光業は大打撃を受けています。
そんな中で、龍崎さん、すでに動き出しています。こちらは来週詳しくうかがいます!

最後にこれまで乗り越えてきたハードルを教えて下さい。

「それこそ私がホテルを始めた当初って、自分が泊まりたいと思うような
 ホテルがなかなか無くて、ビジネスホテルかシティホテルか
 ラグジュアリーホテルかの3択しか無かったように思っているんですね。
 そんな中で自分がブティックホテルと言われるような独自色のある
 ホテルを作って、最初はラブホだよねと言われていたこともあるらしいんです。
 理解されなくて、ビジホにしてはすごくおしゃれだったりとか
 自分たちのホテルをつくり始めて5年くらい経った今だと
 同世代の20代、30代の方だとホテル巡りが趣味という方もすごく増えていて
 カフェ巡りをしていたような感覚で、すごくたくさんのホテルが出来て
 それを自由に選んで泊まりに行く。それを目的に旅行をするのが
 一般的になってきたと思っていて
 そういった意味で自分たちの作ったホテルが
 日本のホテルの楽しみ方に一石投じる事が出来たのかなと思っていて
 そういった意味ではハードルを乗り越えることができたのかなと思っています。」

ありがとうございました!
来週もよろしくお願いします!
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