三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2020.08.18

これから地球がどうなっていくのか理解することが大事

株式会社ニューラル代表取締役CEO
夫馬賢治
日本がESGの分野でリードしていくために尽力したい


ゲストは、先週に引き続き、
株式会社ニューラル 代表取締役CEOの夫馬賢治さんです。

前回は「ESG投資」についてうかがいました。
これまで投資は、会社の業績などをチェックしていましたが、
さらに、ESGも考慮する時代になっていると。
夫馬さんは日本における、ESG投資の第一人者です。

そして、きっかけになったのが、いい・悪いは別にして、「地球環境を守らなきゃ」
という倫理的な考えというよりも、気候変動に対応しないと利益があがらない、
という純粋にビジネス的な理由だった、という意外なお話。すでにグローバル企業は
この考えにシフトしていて、日本の企業が乗り遅れている、ということでした。
アメリカでESGの考え方に出会った夫馬さん、最初はこう感じたとか。

「正直びっくりしたんですよね。
2011年にアメリカの企業を回った時に、どの企業からも環境問題の話が出てきて
これをやることが新しい企業の成長に繋がっていくんだということを
真面目な顔をして何の恥ずかしげもなく話しているのを聴いた時に
自分が日本で仕事をしている時とは全然違う感覚にいると思いました。」

最近、日本でもレジ袋が有料化されて、
僕ら消費者も、持続可能性(サステナビリティ)を意識しないと
ダメな時代と言われます。これについてはどう感じますか?

「結論から言うと消費者の意識も変えていく必要が出てくると思います。
どういう事かと言うと、今環境問題に興味を持ち始めているのは 
実は消費者の方よりも、起業や投資家、株主のほうが
よっぽど色々な危機感を持っているんですね。
どうして事業自体や製品を変えられないかと言うと
消費者がついてこないという言い方をするんです。
ですので企業の変わるスピードが消費者さんの行動によって
遅らされているというのが現実としてあると思いますので
もっと消費者の方が理解していただけると企業さんが自信をもって
事業を環境を破壊しない方向にシフトしていけるようになるかと思うので
必要ですね。」

値段が高くてもバイオマスのレジ袋なども積極的に使っていくことが
大切なのでしょうか。

「実は日本のレジ袋有料化というのは世界の中で見ても物凄く遅いんですね。
例えばケニアのような発展途上国でも有料でも配ってくれないという
状況になっているんですが、日本は非常に導入が遅く
導入が遅れると何が起こるかというと、企業の中での技術開発がどうしても
疎外されてしまうんですね。
今バイオマスのような新しい素材でレジ袋を作る研究が進んでいるんですけど
やはり数が出てこないと研究開発や生産が進まず
コストが下がっていかないので、実際最終ゴールは環境に優しい物で
コストを下げるという事を考えると、過渡期の状態はみなさんで我慢して
積極的にそちらを使っていくことをしないと次の世界にはつながらないなと
思いますよね。」

バイオマスがスタンダードになるためには僕らが意識しないといけないという事ですね。
夫馬さんは、持続可能性のために大事なことは何だと考えていますか?

「いろんなものがありますが、例えば一つ上げると理解をすることかなと思うんですね。
今我々の世界を取り巻く環境は激変していまして
温暖化の問題もそうですし、コロナの問題もそうかもしれないですし
今まで当たり前ではなかったことがどんどん増えてきているので
まず今世界で何が起きていて、これから地球がどうなっていくのかについて
もっとたくさんの方に理解していただきたいなというのがまず一つ目ですね。」

環境を守るために動いたことがビジネスにつながるということを
起業だけではなくみんなも理解したほうがいいというところまで
いかないとダメですよね。

「実際にたくさんの方がこの先何十年も生きていきますので、
2050年でもたくさんの方が普通に生活をしているかと思うんですが
多くの方が2050年に地球がどうなっていくのかについて
あまりピンと来ていないのかなと思うんですね。
今、機関投資家の方や大企業の方が非常に危機感をもっているのが
2050年の状況を想像した時に、今までとはあり得ない状態になっていると
いうことが大きな危機感の源泉になっていて
行動変革が起きてきているので、少し先の未来を意識するという事を
していただくと一人一人の方の行動も変わってくるのかなという
気はしていますね。」

こういう活動をすることでビジネス的にも伸びていきそうな分野は
どんなものがありますか?

「色々なものが出てきていましてやはり環境面というのは多いんですね。
一つの明確な動きになっているのが再生可能エネルギーと言われるものです。
この話をすると30年も前からやってるじゃないかとかコストが高いとか
という言われ方をするんですが、20年で1/10くらいにコストは下がっていまして
海外ではいわゆる火力発電や原子力発電よりも
コストが低いというのは当たり前になってきているんですね。
でも日本ではなかなかこれを導入するという事が進んでこなかったので
知見が貯まらない、コストが下がらないという事で
非常に高止まりしてしまっているというのが悲しい現実ですね。」

最後に、これからの夢を教えて下さい!

「色々と暗い話をしてしまったのですが、明るい兆しとしては
資本主義なのでお金は動いているんですが
だいたい今世界の運用資産は3京円のお金が動いていると
言われているんですが、3京円を動かしている投資家の運用の担当の方々が
どんどん環境問題に関心を持っていただいているので
この動きに拍車をかけていくことが経済も社会も環境も守っていくことに
繋がっていくかと思うので、私の夢としては
日本がこの分野で本当にリードしている状態になってくれればいいなと
思っていますし、私もそれに尽力したいなと思っていますね。」

逆にここから伸びしろがあるとポジティブに考えていきたいですね。
ありがとうございました! 
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