2025.06.17
愛される会社の好循環を
ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週のゲストは先週に引き続き、株式会社アンドエーアイ 代表取締役社長の西真央さんです。
西真央さんは兵庫県のご出身です。web制作会社のメンバーとしてキャリアをスタートさせ、2018年にアプリ開発に取り組むために、仲間とともに3人で創業。 2023年から社名をアンドエーアイに変更し、それまでのアプリ開発とともにAI開発にも着手されています。
先週は主な事業内容について伺いました。株式会社アンドエーアイは、ユニークなAIプロダクツやアプリを開発されております。今週は会社を創業される前後のお話を聞きたいと思います。
国立京都工芸繊維大学のご出身ということで、大学では何を勉強されていたんですか?
「大学時代はデザイン経営工学課程というところに属していて、“もの”をデザインし、それを実際に作り、経営の部分でその“もの”をどう広げていくか、というようなことを包括的に学べる学部で勉強していました。」
なるほど。ただ、この大学は中退されてウェブ制作会社に入られたということなんですが、これはなぜだったんでしょうか?経緯について教えてください。
「家庭の事情なんですけれども、自分の親が知り合いの借金の連帯保証人になってしまい、借金を数千万円背負ってしまうという事件が起きました。自分でも家計を助けていかないといけないんじゃないかと思い、職を見つけるために中退した、という流れですね。」
では、中退された後に入社されたのがウェブ制作会社ということですね?
「そうですね。大学生の時からそこの会社でアルバイトさせていただいていて、ウェブ制作以外にも女性向けの美容商品などを企画し、メーカーとして製造したり、ECとして販売したり、D2Cをやったりといろいろなことをやっている会社でした。その会社にアルバイトからそのまま正社員として入社させていただき、デザインやコーディング、商品企画などもやっていた、というような形ですね。」
大学で学んでいたことも今のお仕事に生きている部分はもちろんあるでしょうし、一方で、その後お世話になった会社でも、デザインやコーディングなどのIT関連の部分にも入っていったわけですね。
「ITも、“ものづくり”という点では共通しているので、やりたいことだったかなと思います。」
その後、アプリ開発のために仲間と一緒に創業されたということなんですが、仲間になった方々とは、どこでどういった経緯で出会ったんですか?
「まだ大学生の頃だったんですけれども、若者の集まりで、ビジネスに興味がある人や将来起業したい人たちが集まるような会があり、そこで知り合いました。」
なるほど、「これをやろう」というビジョンが同じ方向だったことで意気投合したというわけですね?
「そうですね。その時に「アプリ開発がやりたい」という方向で意気投合した3人で会社を立ち上げたという流れになります。」
3人はそれぞれ役割的なものはあったんですか?
「やってきたことが結構バラバラのメンバーで、私自身はデザインやプログラミングをやっていたので、制作担当というような形ですね。 2人目は、ファイナンス系が強い証券会社出身のメンバーだったので、資金調達やお金回り、契約回りの部分を担当し、もう1人が元々マーケター出身で、市場調査やどう製品を広げていくか、といった役割を担っていました。」
先週、始めの方は売り上げが1年で140円だったという衝撃的な話もあったんですけれども、その後どうやって会社を軌道に乗せていったんですか?
「今言っていただいた通り、最初の1年目は売上が140円しかなかったので、自社のサービスで世の中を良くしていこうという目標で会社を立ち上げたにもかかわらず、これではなかなかうまくいかないなっていうところで、そもそも売り上げ140円しか立たないんだったら会社の方向性が間違っているんじゃないかと気づきました。そこで、自社開発のアプリだけではなく、売り上げを作るために受託開発もやっていく、というふうに大きく方向性を切り替えました。そこから、2年目、3年目で数十万円、数百万円という小さな案件からどんどん大きな案件を取れるようになってきて、最終的に数千万円単位の案件が取れるようになって、今に至るというような形ですね。」
最初3人から始まり、今では従業員さんもものすごい数ですよね。
会社を立ち上げられてから、お子さんも生まれたというふうに伺ったのですが、現在、お母さんと会社経営の二刀流で、二つともまるで違う大変なことだと思うんですが、逆に子どもが生まれたことによる変化はありましたか?
「働き方は結構変わりまして、子どもが生まれる前は、仕事仕事の激務だったんですが、やはり子どもが生まれてからは子どもとの時間を大切にしないといけないので、仕事にもメリハリをつけて、時間内にどう効率化して進められるか、というところを意識できるようになったかなと思います。」
なるほど。今までデザインなどをやってきた中で、経営者という立場になるとそれだけでなく、従業員の人たちのケアやサポートなど新たに考えるべきことが増えたと思うのですが、そういった目線で見たときに、最近会社に入る若い方はどういった人が多いですか?
「結婚しているメンバーも独身のメンバーもいて、会社自体、平均年齢が若く、おそらくまだ平均年齢20代ぐらいなんですけれども、自分自身が子どもを持ったことをきっかけに従業員の家族にまで目を向けるようになったところがあって。毎年入社式で家族からのメッセージをサプライズのビデオレターとして流すというような催しをしています。ご家族にもこの会社で働いてよかったなって思ってもらえるような会社になりたいので、そういった取り組みを行っています。」
チームとしての結束力が増しそうですね。まさに、アンドエーアイのビジョンは「愛される会社を作る」だというふうに伺っているんですが、そこに込めた想いは何かありますか?
「会社のあるべき姿って何だろうと考えたときに、やはりいい仕事をして、いいチームでいいものを作って、それが結果としてお客様に価値を提供して、売り上げにつながって、給料になって、またいい仕事ができるという好循環があると思うんですけれども、その中で、自分たちが自分の会社や仕事に誇りを持って自分の会社を愛せるようになると、お客様からも会社として愛されるようになるという好循環が、愛せる会社の中で回っていくのを感じたので、これをみんなで意識したい意味も込めてこういったビジョンを持っています。」
最後になりますが、これからの夢を教えてください。
「中期的な目標としては、自社サービスの『カンリル』という勤怠管理のシステムの契約者数を2万社にしていくことです。将来的には、どんなプロダクトやどんなサービスであれ、自分たちの会社があることで世の中を少しでも良くしていけるような、影響力のある会社にしていきたいという思いがあるので、自分たちの力で日本をより良くハッピーにしていきたいと思っています。」
株式会社アンドエーアイ 代表取締役社長の西真央さんにお話を伺いました。ありがとうございました。