三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2026.04.07

アーティストとワーカーの交差点を作りたい

株式会社NOMAL NOMAL ART COMPANY 代表
平山 美聡さん
企業オフィスや公共施設・店舗向けの
オフィスアートや壁画広告の制作


ONE MORNING「The Starters」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。

今週は先週に引き続き、NOMAL ART COMPANY代表の平山 美聡(ひらやま・みさと)さんです。平山 美聡さんは、1988年生まれ、東京・町田市のご出身です。大学を卒業後、資生堂に入社。アートへの情熱を胸に、28歳で退社し株式会社NOMALを創業。アートビジネスの領域に参入し、2017年からオフィスの壁画事業を展開されています。
先週は主な事業内容をうかがいました。NOMAL ART COMPANYはオフィスや駅構内でアーティストが壁画を描く壁画事業や、通販事業、アート思考を学ぶワークショップ事業などのサービスを展開されています。
平山さんは株式会社NOMALを起業されていますが、NOMAL ART COMPANYは、その事業のうちの1つということですか?

「そうなんです。 会社自体は友人と一緒に起業したんですが、起業したはいいもののやりたいことが違ったというすごくポンコツなきっかけで私がアート事業を始めて、アート事業は私が責任を持ってやっています。他にはその代表の松本の方がお笑い事業をやっていたり、既に手を離れたんですが、関西独立リーグの堺シュライクスという球団運営、球団の創設と運営を行っております。」

またアートと全然違いますね。

「そうですね。ニッチなことをやっているチャレンジャーを応援したい、みたいな考えは共通してあって。なのでスポーツ選手だったり、お笑い芸人だったり、いろいろなことをやっています。」

専門性の高いジャンルをサポートされているんですね!
平山さんはもともと資生堂で働いてらっしゃったんですね。どんな部署にいらっしゃったんですか?

「資生堂って最初配属されると基本的に営業職採用で、今はどうか分からないですが地方に配属になるんですね。私の場合は東京出身だったので、東京以外のどっかだろうなと思っていたら近畿地方配属で、結局私の資生堂ライフは関西で終えましたね。」

そこで辞める決断に至ったのはどういったことがあったんですか?

「まず一つは化粧品がそんなに興味なかったんですね(笑)。私は就活でかなり苦労したこともあり、資生堂には拾ってくれたという恩もあったんですが、やっぱりメーカーだと基本的にどこの部署に行っても化粧品に関わる仕事になるなと思った時に、そこまで愛を注げるかなと思ったことがきっかけにはなりましたね。」

そこで「ちょっと違うかな」と思って退社したということですね。

「最初は転職しようとしていたんです。今一緒にNOMALを創業した友人の松本が当時マイナビにいて、転職市場詳しかったこともあり、「転職したいんだけど…」みたいな相談をしたら、「一緒に起業しようよ!」っていう風に言われて、そこからちょっと起業について考えましたね。でも、私はすごく迷うタイプなので、一年間迷った後、起業しました。」

そこでなぜこのアート事業だったんでしょうか。

「元々誘われてだったということもあり、松本のサポートをしようと思って行ったので、特にアート事業をやることは考えてなかったんです。ただ、後から考えてみれば、自分自身アートを描くのも好きで、資生堂で働きながらアートの団体に入って、少し絵を描く活動もしていたんですね。そういうわけでアーティストが身近にいたのが理由の一つです。あとは、資生堂を退社するときに有給を一気に使ってサンフランシスコに一ヶ月ほどいたんですが、その時に日本と全然違うアート市場が目に飛び込んできて、そこで急にアート事業がやりたいと思いつきました。その後、松本に「アート事業がやりたいんだけど、それでもいい?」という相談をして、いいよと言ってくれたので、私は私でアート事業をやることになりました。」

同じ会社の中で違うジャンルを走らせていこうという合意の上だったんですね。
アート事業はまず何から始められたんですか?

「アートの通販サイトを始めようと思いまして、当時、アートのネットショッピングって全然なくて、専門サイトがなかったのでまずそれを始めました。そのサイトは「WASABI」という名前で、実は今も別の社員が運営してくれています。当時は一年、二年やっても本当に赤字で、後から決算見てびっくりしたんですが、初年度の売上年間1万5000円だったんですよ。確実に一人で起業していたら潰れていたんですけど、そんな状況だったので、アート通販はやりつつも、アートに興味がない人にも裾野を広げたいっていうのと、to B向けにビジネスをやる必要があるな、ということで始めたのがオフィスのアート事業、オフィスの壁画事業になります。」

オフィスにアートってなかなか身近になかったと思うので、それこそ売り込みが必要だったと思うんですがいかがでしたか?

「市場があるかどうかもよくわからなかったんですが、ちょうどその時オフィス設計会社さんの間で少しずつ「オフィスにデザインが必要だよね」となっていた時期だったので、そういった会社様にひたすら営業するという日々が続きました。」

最初不安はなかったですか?

「ありましたね。どうにかなるかなとは思っていたんですけど、最初の実績を取るまでがすごく不安で。最初、絵をスーツケースに詰めて持って行って、「こういう絵を描く人がいて…」といった感じの営業をしていたんですが、それを不憫に思ってくれたのか、一つの会社の社長さんが、「じゃあ今やってるプロジェクトでやってみよう」ということで、壁画制作の一発目をやらせてもらって、その実績をもとにホームページを作って、少しずつまた実績が増えていきました。」

難しそうだなと思ったのは、会社さんが「じゃあ描いてよ」となっても、今度その描いてくれるアーティストも見つけなきゃいけないと思うんですがそこはどうされたんですか?

「そこが通販を最初にやっていて良かったなって思うところで、通販の時にいろいろアーティストさんに声をかけていたので、まずはそこで声をかけていたアーティストさんと一緒にやり始めるということから始めました。 あとは、この壁画という狭い業界で少しずつちゃんと仕事をして有名になってくると、アーティスト間でもアーティストを紹介してくれるようになってくるので、今すごくありがたい状態だなと思います。」

アーティストさんで自分から応募してくる方もいるんですか?

「いますね!たまに公募みたいなことをやるんです。例えば「下北沢のこの壁に何か描きたい人いませんか?」みたいな。そうすると、実は日本のみならず世界中のアーティストから応募が来ます。日本に憧れがあって日本の壁ってみんなめちゃくちゃ描きたいんです。世界のグラフィティアーティストたちは自国では描くけど、日本に描きたいっていう思いがすごく強いんです。」

グラフィティアートって、例えばニューヨークの地下鉄にありますが、あれは一応ダメなんですよね。だけど、描きたい欲が強い人たちが公的に描いていいですよって言われる場所を探しているんですよね。

「おっしゃるとおりです。なので私たちでも日本でも正式に描ける壁を探しているんです。」

このオフィスアート事業ではどんな時に平山さんはやりがいを感じられますか?

「私は資生堂のサラリーマン時代にアーティストの友人がいたことがすごく自分の人生の財産になっているなというふうに思っています。アートという物質を見て綺麗だなって思ってもらえるのもすごく嬉しいですし、その中でアーティストと関わることで、「アーティストと自分は遠いものだと思っていたけど、こういう人たちなんだ」と理解してもらえる。 そして、アーティストと働く人同士が仲良くなってるのを見るのが私は一番楽しいですし、これは日本にとってもいいことなんじゃないかと思っています。」

本当にそうですよね!壁画というアートを通して、興味を持ったらちょっと豊かな趣味が一つ増えそうですよね。

「そうなんですよね。それきっかけに個展に行っているのを見るとやっぱり嬉しいですね。」

近年、リモートから出社へと直されていますから、そんな時、オフィスの壁画が果たす役割って大事かもしれないですね。

「そうですね。 壁画を入れる時にワークショップも一緒にやるんですけど、アート思考ワークショップといって、優れたアーティストの思考回路ってビジネスにも実は生きるんじゃないか、といったことを言葉でもお伝えしているんですね。そういったことはオフィスで働く方々もすごく興味を持ってくださっていて、アーティストとワーカーをもっとシームレスにつなげたいなというふうには思っています。」

最後にこれからの夢を教えてください。

「今叶えている途中という形なんですが、アーティストとアーティストではない人の交差点をもっと作って、サービスだけじゃなくて、そういう“場所”を作れるようになったらいいなというふうに思っています。」

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