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2022.06.18

世界初の超大技に挑んだ意外な理由!?

今週の「SPORTS BEAT」は、2大会連続でオリンピック出場を果たした、スノーボードの岩渕麗楽選手をゲストにお迎えしました。
岩渕麗楽(いわぶち れいら)選手は、2001年岩手県生まれの20歳。
4歳でスノーボードを始め、15歳の時に、ワールドカップ初勝利を飾ります。
2018年、高校生の時に平昌オリンピックに出場し、完成度の高いエアを武器に、ビックエアで4位に入賞。
2大会目となる北京オリンピックでは2種目に出場し、スロープスタイルでは5位、ビッグエアでは4位に入賞。
ビッグエアの決勝では左手を骨折しながらも、世界初の大技に挑んだ姿は大きな感動を呼びました。



──この番組には2回目の出演ということで、お久しぶりです。前回は平昌オリンピックの後、2018年の8月にお越しいただきましたが、その時はまだ16歳。高校生だったんですね。 北京オリンピックでは、ビッグエアの決勝前日に左手を骨折されたということなんですが、現在、その左手は良くなりましたか?

だいぶ良くなりました。普通の生活には何も問題がなくて、練習も再開できています。

──骨折しながらの決勝戦、やはりエアに影響はあったんですか?

ありましたね。板を掴む動作を「グラブ」と言うんですけど、(骨折で)やっぱりそれが痛くて、ちょっと掴むのが怖かったりして、なかなかうまくスピンに繋がらなかったりしたんですけど、でもそれより“やらなきゃいけない”という気持ちの方が強くて、なんとかやっていました。

──前回この番組にいらっしゃった時に、「長くグラブを掴んでいないと回れない」と仰っていたんですけれども、やっぱり技によって掴む手が左右変わったりするんですか?

変わります。なので、“できるだけ左手を使わない技にしよう”と思ったりもしたんですけど、やっぱり本番となるとどうしても点数重視になりますから、なかなかそこの選択肢は少なくて。やっぱりちょっと左手を使わなくちゃいけなかったです。

──ビッグエアの決勝では、女子では史上初となるトリプルアンダーフリップに挑戦されましたけれども、もうそれは“やるしかない”という気持ちで?

そうですね。今も話にあったんですけど、このトリプルアンダーフリップはグラブが右手なので、“左手を使わない、今できる難しい技ってこれしかないな”と思って、これにしました(笑)。

──なるほど! でも、あともうちょっとで着地が決まるところで本当に惜しかったし、その後、選手がみんな駆け寄ってきて、抱きついたじゃないですか。本当に北京オリンピックの感動する名シーンの1つでしたよね。

嬉しいですね。自分がやった技をあんなに褒めてもらえて、認めてもらえたような気がして嬉しかったです。

──実際、その着地の瞬間は立てそうな感じはありましたか?

“立てそう”と思ったし、雪上で初めてやったと思えないくらい感覚がすごく良かったので、着地も見えていて“いけるかな”と思ったんですけど、ちょっとだけ回転が余ったのが耐えられなかった原因かなと思っています。

──雪上でやったのは初めて!? 今までは、他の練習コースみたいなところで?

エアマットでずっと練習していました。

──では、実際に雪面に着地するのは、あの瞬間が初めてだった。それにしては本当に惜しかったですよね。 でもそのあと4月5日に「THE NINES」で、女性で世界初、決められましたよね。その瞬間はどうでしたか?

オリンピックでかなり惜しかったので、“この大会では絶対にやろう”と思っていて、出国する前から狙っていた技だったので、“やっと立てた”という気持ちがすごくありました。

──その大会で、他の選手も決めてきましたよね。

そうですね。オリンピックが終わった後もみんなモチベーションがすごく高くて、その中でみんなが攻めていたから私もやる気になれたというか、他の選手たちのおかげで決められたところもあります。

──北京オリンピックで、失敗はしましたけれども、他の国の選手たちも駆け寄ってきてくれた。去年の夏の東京オリンピックのスケートボードでもみんなで称え合っていましたけど、そういう文化は、スノーボードでもあるんですか?

よくありますね。いつもの大会でも、優勝したらみんなが寄って来てくれて…とか色々あるので、まさか今まで普通だったことが(オリンピックで)こんなにフューチャーされると思わなくて、ビックリした部分もあります。

──ただ、2大会連続で4位ということになりましたよね。“あと一歩でメダル”と思うと、その悔しさというのも大きいですよね。

だいぶありましたね。立てなかったし、また同じ順位だったし…ということで、しばらくはネットの情報を見れなかったり、携帯をほとんど開かなかったり、けっこう落ち込んだと思います。

──ネットではすごく盛り上がって称賛の声が多かったので、ぜひそれを読んでほしかったですね(笑)。 岩渕選手の、今後の目標をお聞かせください。

やっぱり、2大会連続でメダルに届かなかったのはずっと残っているし、悔しいので、次の4年後、イタリアでメダルを獲れるように、これからまた頑張っていきたいなと思っています。

──4年後にはどんな技まで進んでいるんだろうって思うと、僕たちは見ている側なので楽しみですけど、実際に跳ぶ選手にしてみたら、大変ですよね。

そうですね。やっている側としても、“もうトリプルを出しちゃったから、4年後はどうしよう”ってなっちゃってます(笑)。

──今、実際に新たに挑戦されている技もあるんですか?

今は縦に3回まわっているだけなんですけど、そこに横回転も加えていけたらいいなと思っています。

──男子のビックエアだと、5回転ぐらいしてますもんね。

この間、6回転が出ましたね…(笑)。“人ってあんな速さで回れるんだ”って思いました(笑)。

──トリプルアンダーフリップの時とか、どう見えているんですか? 天地がわかっていて跳んでいる?

わかっていて跳んではいるんですけど、あの時は、抜ける瞬間だけ一瞬見えて、その後3回頭を入れたら、本当に最後の着地だけ見る、という感じですね。めっちゃ“感覚”です。
ちゃんと理屈で考えてやる選手もいるんですけど、私は感覚でやっちゃうタイプなので、3回まわってこのくらいかな、みたいな(笑)。

──それで立てるのもすごいですね(笑)。 さあ、この番組ではゲストの方にcheer up songを伺っています。岩渕麗楽選手の心の支えになっている曲を教えてください。

GLAYさんの「BELOVED」です。

──GLAYさんが岩渕選手のサポートされているということで、そもそものきっかけは何だったんですか?

もともと、GLAYのメンバーの方がスノーボードをするということで、知り合ったきっかけは平昌オリンピックの時だったんですけど、その時から(自分のことを)知ってもらって、マネージャーさんを通して、今の「スポンサー」という形で応援してもらっています。

──GLAYのみなさんと滑る機会はあったんですか?

TERUさんとは、1回、ニュージーランドで一緒に滑らせてもらいました。

──世界線がすごい(笑)。TERUさんは、すごくスノボがお上手だと聞いたんですけれども。

上手です。最初は「趣味でやっている」と聞いていたので、普通にちょっと滑るくらいかなと思ったら、「今の滑り方ここが気になるんだけど、どうしたらいいかな」みたいな、けっこうマニアックな質問が来たりして(笑)“すごい”と思ったし、実際に見て滑りも上手で、すごく滑れる人だなと思いました。

──北京オリンピックが終わった後、GLAYの方たちと会う機会はありましたか?

TERUさんにはオリンピックが終わった後に1回ご飯に連れていってもらって、色々お話しをさせてもらいました。

──その時、なんて声をかけられましたか?

「やっぱり選手の立場としてメダルが欲しいのはわかるけど、でもそれ以上のものを見れたから良かった」と言われて、すごく嬉しかったです。

──最後に、難しい大技に挑戦し続ける岩渕選手からリスナーのみなさんに、“何かにチャレンジする時に勇気を出す秘訣”を教えていただけませんか?

私は、挑戦することを“楽しい”と思ってやっているので。逆に、自分の環境が“できることばかり”になってしまう生活の方がつまらないから、やっぱり常に新しい刺激がほしいなと思うし、そういう毎日の方が楽しいと思うので、まずは挑戦する楽しさを知ってもらえたら、勇気を出す秘訣になるのかなと思います。


今回お話を伺った岩渕麗楽選手のサイン入り色紙を、抽選で1名の方にプレゼントします。 ご希望の方は、番組公式ツイッターをフォローして指定のツイートをリツイートしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。

そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
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