大雨の時の運転の心得

台風や線状降水帯による記録的な大雨など、


水害は私たちの暮らしに最も身近な災害の一つとなっています。


車を運転している最中に前が見えないほどの


土砂降りに遭遇して、思わずハンドルを握る手に力が入ってしまった……


そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。



今日は、大雨の日の運転、


特に「冠水した道路」での命を守る判断について考えてみたいと思います。



大雨が降ると、水はあっという間に低い場所へと流れ込みます。                                その中でも最も危険なのが、線路や道路の下をくぐる「アンダーパス」です。


日本気象協会の気象予報士 関口元朝さんは、令和8年8月千葉豪雨で
冠水した道路に直面した時の事をこうふりかえります。


道路がくるぶしぐらいまで冠水していて、川のようになり始めている状況だったんですね。その水がどんどんこの低いところに集まっていく。で、冠水していってアンダーパスの水深はどんどん深くなっていく。 で、そこに『通行止めですよ』っていう看板の表示も出始めてたんですけれども、やはり雨ですとフロントガラスに水がついて見にくくなりますし、状況がわからなくて突っ込んでしまう車があってですね。アンダーパスに入ってしまって、直前に気づいて引き返している、こういった状況が至るところで発生していました』


対向車や大型の車の水しぶきで視界が真っ白になる事もありますよね。                         そうすると前方が見えにくくなりますよね。さらに、関口さんはこう話を続けます。



『前の車を入って行ってたんですけれども、すでにタイヤの半分ぐらいまで水が来ていましたし、私が乗っている車の方がちょっと車高が低そうだなというところもあって、このまま進んでいいものかなというところで……一旦、後続車はいたんで迷いましたけど、止まったんですよね。 少し前の車がどういうふうに進んでいけるかなというのを、様子を見て確認していました。前の車がたとえ行けたとしても、同じ条件ではないっていうのがありますよね。流れのある交通の中で止まるのって結構勇気がいったんですけれども、早めに一旦立ち止まって判断していくのが良かったかなと思いました。』


激しい雨の中、水がどんどん深くなっていく現場の緊迫感が伝わってきますよね。


私がこの証言を聞いて、非常にハッとさせられた言葉があります。


それは「前の車がたとえ行けたとしても、同じ条件ではない」                             「流れのある交通の中で止まるのは結構勇気がいった」という言葉です。


私たちは車を運転しているとき、どうしても「前の車が進んでいるから大丈夫だろう」とか、                     「後ろから車が来ているから、ここで止まったら迷惑になるんじゃないか」という心理が働いてしまいます。                大雨の道路では、この「周りに合わせてしまう心理」が命取りになることがあります。


車の種類によって、エンジンが水を吸い込む高さや、マフラーの位置は全く異なります。                     前の大きなSUVが通り抜けられたからといって、自分のコンパクトカーやセダンが通れる保証はどこにもありません。


水深が車の床面を超えてしまうと、水圧でドアは重くなり、自力で開けることが非常に困難になります。               そして、エンジンが停止し、あっという間に車内に水が流れ込んでくるのです。


今回証言してくださったドライバーさんは、「後続車がいても、勇気を出して一旦止まった」ことで、                 最悪の事態を免れました。少しでも「危ない」「この深さはマズイかもしれない」と迷ったら、                      その直感を信じて止まる。この決断こそが、命を守る最善の行動です。


これから秋雨前線や台風の影響で、急な大雨に遭遇する機会があるかもしれません。 もし運転中に激しい雨が降ってきたら、まずはスピードを落としてください。水が溜まりやすいアンダーパスや、低い土地には絶対に近づかないこと。 そして、もし行く先に冠水路を見つけたら、周りの車の動きに流されず、勇気を持って「止まる」「引き返す」という選択をしましょう。


今月は、防災の日や防災週間があるなど『災害』や『防災』について考えるきっかけになる月です。



TOKYOFMでは、明日、9月6日(日)夜7時から


TOKYO FM報道スペシャル 


『ウォータークライシス~都市は豪雨に勝てるのか』をお届けします。


出演は、後藤亮介アナウンサーと手島千尋、水ジャーナリスト 橋本淳司さんとお送りします。

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