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暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

青木源太・足立梨花 Sunday Collection

暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

2023.03.26

コントロールが肝心! スマホ時代の子育て



便利な反面、トラブルに巻き込まれる可能性もあるスマートフォン。
だからこそ求められる、保護者がこどもの発達段階に応じてインターネットの利用を適切に管理する「ペアレンタルコントロール」とは?
今回は、「コントロールが肝心! スマホ時代の子育て」というテーマで深掘りしました。


青木  小、中、高、大学と進学するときは、お祝いをいただくことも少なくないと思いますが、足立さんは、思い出ありますか?

足立  おじいちゃん、おばあちゃんから、ランドセルを買ってもらった思い出があります。

青木  私は、会社に入るとき、親戚のお兄ちゃんから名刺入れをもらって、今でも使っています。
最近は進学や進級のタイミングで、スマホをプレゼントする保護者も少なくないようです。
そこで今日は、保護者の方々に是非知っておいてもらいたいテーマです!

足立  「スマホ時代の子育て」これは悩まれている保護者の方、多いですよね。

青木  特に、春は進学、進級のタイミングですから、こどもにスマホを持たせようかと検討されている方も多いと思います。スマホはこどもと連絡を取ったり、GPSで居場所を確認したりすることもできるので、安全のために持たせたいと思う一方で、こどもが親の目が行き届かない場所でネットやSNSなどを利用することで、いじめや犯罪、トラブルに巻き込まれる可能性もあるため、持たせるには慎重になりますよね。

足立  でも、今は小学生でスマホを持っている子も多いんじゃないですか?

青木  そうなんです。昨年、内閣府が発表した2021年度の青少年のインターネット利用環境実態調査によると、インターネットを利用すると回答した青少年のうち、10歳から12歳までの小学生でおよそ6割、中学生でおよそ9割、高校生では、ほぼ全員が、自分専用のスマートフォンを持っていることが分かっています。

足立  皆、スマホをどんなふうに利用しているんですかね?

青木  最も多いのは動画を見る、続いてゲームをする、検索する、音楽を聴く、投稿やメッセージ交換をする、勉強をする、の順です。

足立  勉強は最後でしたか。この順位は予想どおりですね。

青木  満10歳から満17歳の青少年の平日1日のインターネットの平均利用時間は、2021年度でおよそ4時間半。これは、前年度からおよそ1時間増えていて、年々増えています。さらに、年齢が上がるごとに利用時間が増える傾向もあり、高校生のおよそ25パーセントが、なんと1日に7時間以上利用しているという結果が出ています。平日でこの数字ですから、週末はもっと多いかもしれませんね。

足立  平日の1日に7時間以上は驚きです!

青木  ただ、スマホの利用が増えますと、保護者の方々が心配されているのは、こどもが「犯罪に巻き込まれないか」「ゲームで高額な課金をしちゃうんじゃないか」「いじめに遭わないか」そういうことだと思うんですよね。
いじめの場合、こどもが加害者になっている可能性もあるわけなので、保護者はこどもに正しくスマホを使いこなすように指導していかなければなりません。そこで、ペアレンタルコントロールなんです。
ここからはスペシャリストと一緒に深掘りしていきます。
内閣府 青少年環境整備担当参事官の鈴木達也さんです。

足立  ペアレンタルコントロールって、何ですか?

鈴木  はい。ペアレンタルコントロールとは、保護者がこどもの発達段階に応じて、インターネットの利用を適切に管理することを言います。
単純に年齢や学年で判断せずに、その子供の置かれている環境やライフサイクルをしっかりと見通してスマホを管理することで、トラブルを避けつつ、スマホを上手に使いこなすスキルを身に付けさせることが期待できますので、取り組むようにお勧めしています。

青木  危険だから遠ざけるのではなく、正しく使うスキルを身に付けさせる、そのためにペアレンタルコントロールが求められているんですよね。

足立  具体的には、どのように管理すればいいんですか?

青木  保護者が知っておきたいペアレンタルコントロールのポイント、今日は三つに分けてご紹介していきたいと思います。
まず、一つ目は、こちら! 「フィルタリング」です。
鈴木さん、ご説明お願いします。

鈴木  はい。フィルタリングは青少年にとって有害、または不適切なサイトへのアクセスや、アプリの利用を制限するものです。
各携帯会社の「あんしんフィルター」やフィルタリング機能を備えた専用のアプリ「iフィルター」などを活用して行うことができます。
近年のフィルタリング機能は性能が向上し、こどもの発達段階に応じて容易にカスタマイズすることができるので、活用することをお勧めしています。

足立  フィルタリングは基本中の基本ですよね。

青木  そう思いますよね。ところが、2021年度の内閣府の調査では、保護者のフィルタリング利用率は、およそ4割だったんです。

足立  思っていたよりも少ないかも。どうしてでしょうか?

青木  理由は定かではないですが、例えば、初めはフィルタリングを利用していても、こどもから「見たいサイトが見られない」「SNSが利用できない」などの理由で外すように頼まれると、言われるがままに外してしまう保護者の方がいるのかもしれません。ただし、以前はフィルタリングを掛けると、動画サイトやSNSなどが使えなくなってしまうことがあったようですが、今はフィルタリングしてもカスタマイズすることで、動画やSNSアプリも利用できるそうなので、保護者の方は面倒がらずに、こどもの発達段階に応じて設定をしっかりしていただきたいですね。

鈴木  はい。その上で、こどもにどういうアプリを使わせると良いか、保護者がしっかりと見極める必要があります。
特にゲームアプリの場合は注意が必要です。

青木  ゲームの場合、「一人で遊ぶ」「リアルな友達とオンラインでつながって遊ぶ」、また「ネット上で知らない人とグループを組み協力しながら遊ぶ」など、多様な遊び方がありますよね。
こうした背景もあり、ゲームアプリをめぐっては「高額な課金トラブル」「アカウント乗っ取りなどのトラブル」「ゲームに誘う・誘わない、アイテムをもらった・もらわないでもめるトラブル」などが発生しています。
また、一人だけゲームを抜けるわけにはいかず、長時間プレイになってしまうこともありますし、ゲーム中のチャットや音声でのやり取りから個人情報が流出したり、仲良くなった人に誘い出されてトラブルに巻き込まれたりしてしまうこともあります。

鈴木  ゲームアプリには対象年齢の区分があり、アプリの入手画面に記載されています。
ですから、保護者はゲームアプリをこどもに遊ばせる際には、こうしたトラブルがあることを知った上で、こどもが対象年齢に達しているかを確認し、安全に利用するように見守ることが大切です。

足立  保護者自らがこどもに使わせるアプリを見極めるフィルターになる、それも大切ということですね。

青木  保護者が知っておきたいペアレンタルコントロールのポイント、続いては、こちら「中身に注目」

足立  中身に注目? 鈴木さん、これはどういうことですか?

鈴木  はい。これは、スマホを利用している時間の長さだけではなく、何に使っているのかも見ましょうということです。
最近は、「スマホばかりいじって!」と叱られた子が「勉強していたのに」と反発するケースも多いと聞きます。学習アプリなども豊富にあって、漢字ドリルや英単語ドリルはもちろん、遊びながらプログラミングの基礎を学べるアプリもあります。ですから、スマホを長時間利用していても、頭ごなしに叱らず、こどもがどんな使い方をしているのか、内容と時間を把握することが大切です。

足立  先ほど、1日に7時間以上インターネットを使っている高校生がおよそ25パーセントと聞いて驚いたんですが、勉強している可能性もあるってことですね。

青木  はい。そのことがきっかけで、親子喧嘩につながる風景がなんとなく予想できますよね。
どのカテゴリのアプリを、どのくらい使ったのかを確認するには、「スクリーンタイム」や「デジタルウェルビーイング」といった、スマホの端末に搭載されている機能を利用するのが便利です。
利用時間や就寝時間を設定すれば、無意識の使い過ぎを防ぐことができます。
また、この機能も細かくカスタマイズすることができ、スクリーンタイムを他の端末でも共有することができるので、今日、こどもがどのアプリをどれくらい使用したのか、どれくらい通話や通信をしたのかなど、保護者のスマホなどでも確認ができます。

足立  確認のために、わざわざこどものスマホを見せてもらう必要がないんですね。

青木  こうして、保護者が知っておきたいペアレンタルコントロールのポイントを挙げていくと、保護者が安心してこどもにスマホを使わせるためには、保護者自身がフィルタリングやスクリーンタイムなどの機能を使いこなす、つまり、保護者自身にもインターネット・リテラシーの向上が求められるんですよね。

鈴木  そういうことになりますね。機能や設定が分からない場合は、購入の際、販売店に相談してみるのも良いと思います。
ここまで、スマホのペアレンタルコントロール機能について紹介してきましたが、実はペアレンタルコントロールを行う上で、非常に大切なことは、保護者とこどもとの間で話し合い、ルール作りをすることなんです。

青木  それが、ポイントの三つ目「ルール作り」ですね。

鈴木  はい。話し合い、ルール作りをする上で大切なのは、親子双方が自分の意見をしっかりと出し合うことです。お互いが主張し合い、少しずつ妥協し合って決めたルールは長続きします。
逆に、保護者が一方的に決めたり、こどもの言いなりになったりすると、長続きしません。お互いが納得し、双方が尊重できるルール作りをすることが重要なんです。

青木  新しくスマホを持たせるときがルール作りのベストなタイミングですが、ルールが守れなかったり、こどもが成長し、生活習慣が変わったりするタイミングでルールの見直しをすることも大切です。
私自身は、4月から3年生になるこどもがいるんですが、習い事や塾に行っているので、通話とメール、GPSで居場所の確認ができるこども向けスマホを渡しています。

鈴木  それは、非常に安全でいいですね。こども専用ということであれば、安全な仕組みになっていますので。

青木  ただ、今は小学3年生なので、高学年になったり、中学生になったら、きっと、普通のスマホが欲しくなると思いますし、こどもの社会でも必要だと思うので。

足立  切り替えのタイミングと、切り替え方が気になりますね。

青木  そのときには、ルール作りをこどもとしっかり話し合いたいと思います。

鈴木  ネットについて、正しく知って、上手に使うことが大切なのはもちろんですが、自然体験や身体を使って得る実体験、人とのリアルなコミュニケーション、これも、大切です。

青木  そうですね。スマホで得られる経験と、リアルな経験は異なりますから、大人として、こどもにリアルな経験をしっかりと積ませることを意識する必要がありますね。

鈴木  乳幼児のネット利用ルールは保護者が決めますが、小学生、中学生、高校生と年齢が上がるにつれて、様々な経験を通して、少しずつ自分でルールを考えることができるようになっていきます。
私たち大人は、こどもたちが少しずつ自律していけるように手を貸してあげる、そういう意識でペアレンタルコントロールをしていただければと思います。

足立  今日の話の中で「フィルタリング」が気になりました。
年々、進化していっているんだと。見たいサイトが全て見られなかったり、SNSが利用できないなど、過去にあったかもしれませんが、今は、こどもの発達段階に合わせてカスタマイズできるのは、すごいなと思いました。

青木  そうですよね。こどものためにも細かく設定したいですよね。

足立  親も安心だと思うので、「フィルタリング」は是非、皆さんに知っておいてほしいことだと思いました。

青木  私が印象に残ったのは「ペアレンタルコントロール」をする上で、保護者自身にもインターネット・リテラシーの向上が求められることです。
インターネット環境や社会の状況や機能などといったことに、アンテナを張って、保護者自身がしっかりと理解することが必要ですよね。


【 関連リンク 】
・ネットの危険から子供を守るために/内閣府
 https://www8.cao.go.jp/youth/kankyou/internet_use/