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暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

青木源太・足立梨花 Sunday Collection

暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

2024.02.18

あなたのミカタです!女性支援新法



昨今、女性が抱える問題は、お金やDV、などだけでなく、複雑化しています。そんな女性たちを支援するための、女性の福祉に特化した法律がこの春から施行されます。
今回は、「あなたのミカタです! 女性支援新法」というテーマで深掘りしました。

(青木)
足立さん、「ジェンダーギャップ指数」って知っていますか?

(足立)
よく聞きますよね。男女の格差に関する指数ですよね?

(青木)
ジェンダーギャップというのは、男女の違いで生じる様々な格差のことで、そのジェンダーギャップを数値化したものが「ジェンダーギャップ指数」です。スイスの非営利財団「世界国際フォーラム」が毎年公表しているんですが、足立さん、日本は世界146か国中、何位ぐらいだと思いますか?

(足立)
確か、とても低かったイメージはあります。

(青木)
2023年の順位は、残念ながら146か国中、125位。前の年と比べて9ランクダウンで、この順位は過去最低でした。

(足立)
ダウンしたんですね。でも、昔に比べると、ジェンダー平等に向けた取組はいろいろ進めているイメージはあります。

(青木)
そうですよね。日本は「教育」と「健康」は世界トップクラスなんですが、「政治」と「経済」の値が低いんです。

(足立)
確かに、いまだに男女の役割を固定的に捉える意識が社会に根強く残っているのはありますし、それが男女差を生んで、生きづらさを感じている女性が少なくないんじゃないかな、と思いますね。

(青木)
この男女差がより浮き彫りになったのが、コロナ禍と言われています。実際に、新型コロナウイルス感染症が拡大した時期に、女性からのDV相談件数や、女性の自殺者数が増えていたり、シングルマザーの失業率が上昇しているんです。

(足立)
家にいる時間が長かったりして、いろいろあったんでしょうかね。それを聞くと、つらい現実ですよね。

(青木)
そこで、4月1日から施行される「女性支援新法」なんです!ここからは、厚生労働省社会・援護局総務課女性支援室長の野中祥子さんと一緒に深掘りしていきます。

(足立)
野中さん、「女性支援新法」というのは、どういう法律なんですか?

(野中)
はい。女性支援新法とは、正式には「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」と言います。女性は、日常生活や社会生活を送る上で、女性であることにより、様々な困難な問題に直面します。この法律は、そうした女性の福祉の増進を図るために制定されました。困難な問題を抱える女性に寄り添い、一人一人のニーズに応じた支援を行い、安心して、かつ、自立して暮らせる社会の実現を目指す、そのための法律です。

(青木)
実は、これまで生活困窮者や児童、障害者などに関する福祉の法律はあったんですが、女性の福祉に特化した法律はなかったそうで、この女性支援新法は女性のための革新的な法律なんです!

(足立)
そうなんですね!なぜ、今になって、このような法律ができたんですか?

(野中)
はい。実は、今から67年前、つまり昭和の時代に、困った状況の女性を助ける法律は作られています。これが、女性支援の始まりではあります。ただし、これは「売春防止法」と言って、売春をする女性や売春をするおそれのある女性を対象とするもので、こうした女性の保護と更生が目的でした。

(足立)
なるほど。でも、困った状況にある女性って、それだけではないですよね。

(野中)
はい。そのため、その後は、時代の変化に応じて、解釈やほかの個別の法律によって「つぎはぎ」するような形で、対象となる女性を拡大してきました。

(青木)
でも、近年、女性が抱える問題は、多様化・複雑化・複合化しています。今のままでは、そうした問題に対応しきれませんよね。

(野中)
はい。また、おおもとが売春防止法であることから、「女性の福祉」や「自立支援」という視点が十分でなく、制度的に限界が指摘されていました。そこで、新しく「女性の福祉」「人権の尊重や擁護」「男女平等」といった視点を明確に規定した法律が、制定されたということです。

(青木)
「罰する」のではなく、「寄り添って支える」ことを大切にする法律になったんですよね。

(野中)
はい。これに伴い、従来の支援機関の名称を変更し、新たな理念・目的に基づいて、これまで以上に女性の立場に寄り添った、きめ細かな支援を行うことになります。

(青木)
ちなみに、これまで各都道府県に設けられていた「婦人相談所」が「女性相談支援センター」という名称に、都道府県知事や市長が委嘱していた「婦人相談員」が「女性相談支援員」に、都道府県や社会福祉法人などが設置していた「婦人保護施設」の名称が「女性自立支援施設」に、それぞれ変更されます。

(野中)
また、こうした行政の機関だけでは支援が届きにくい女性もいらっしゃるかと思います。このため、より適切な支援に結び付けていくために、様々な関係機関や民間団体との連携・協働も進めていくことになります。

(青木)
悩みや困難を抱える背景は人それぞれ違いますから、女性支援新法が施行されることで、それぞれの女性の気持ちに寄り添ったきめ細やかな支援が、途切れることなく行われることを期待したいですね。

(足立)
そうですね。ところで、困難な問題を抱えている女性とは、具体的にはどういった状況のかたなんですか?

(野中)
はい。一口に「困難な問題」と言っても様々だと思います。例えば「性被害に関する問題」「家庭の問題」「お金の問題」などがあります。

(足立)
「性被害に関する問題」は、番組でも何度か話題に上っています。自分が望まない性的な言動は、全て性暴力であり、人権侵害なんですよね。

(野中)
はい。性暴力は、年齢や性別にかかわらず、また身近な人や夫婦間・パートナー間であっても起きる可能性があります。でも中には、「自分が悪かった」とか「自分に隙があったから」と思い込んで、誰にも言えず、一人で悩みを抱え込んでしまう女性がいます。

(足立)
性暴力の中には、保護者となる大人が、18歳未満の女の子に対して性的な行為を行う性的虐待もありますし、相手の弱みにつけこんだり、力関係や信頼関係を利用するなどして、性的搾取を受ける女性も少なくないですよね。

(野中)
はい。性的搾取は、例えば、お金がない、帰る家がないといった状況を知り、売春をさせたり、性風俗で働かせたり、AVや児童ポルノの撮影を行う、または、それらをあっせんするなどの行為です。金銭と引き換えに、性的な行為を行うパパ活と言われる事例などもあります。

(足立)
多くの事例がある中で、そうした状況にやむを得ず追い込まれてしまった女性は、どこに相談したらいいか分からず、一人で悩みを抱えてしまいそうですよね。そもそも怖くて、相談しようとも思わないかもしれないですよね。

(青木)
そうですよね。そういう女性をはじめ、様々な困難を抱えた女性のために、実は、先月から女性支援特設サイト、「あなたのミカタ」が開設されたんですよね、野中さん。

(野中)
はい。支援を必要とする女性が、必要な情報にアクセスしやすいように、女性が抱える問題にはどういったものがあるのか、その事例を紹介したり、地域の身近な相談窓口を掲載しています。

(青木)
ここには、「性被害問題ってどんなこと?」という項目があって、性暴力とは具体的にこういうことだよ、という例が紹介されています。また、女性が抱える「家庭の問題」「お金の問題」なども解説されています。

(足立)
中には、自分が性被害に遭っていること自体に気付いていない女性もいるかもしれないですよね。ちなみに「家庭の問題」と言うとどういうことですか?

(野中)
「家庭の問題」としては、配偶者やそのほかの家族からの暴力、DVがあります。サイトには、DVとはどういったものか、また、それにより被害女性が受ける影響などが掲載されていますし、様々な相談先も案内されています。

(青木)
実は、過去に支援機関が受け付けた相談内容で、最も多いのは夫からの暴力で、全体の半分近くの割合なんです。

(足立)
結構ありますね。一口にDVと言っても、殴る蹴るだけじゃなくて、罵ったり、脅したり、精神的な暴力も含まれますよね。家庭内の暴力は外からは分かりづらいですし、被害女性も「家庭内のことを人に話すのは恥ずかしい」とかの理由から、「私さえ我慢すれば」と耐えてしまって、問題がより深刻化してしまう場合があるんですよね。あと、「お金の問題」というのは?

(野中)
女性を取り巻くお金の問題は、「配偶者やそのほかの家族から暴力を受けていて経済的な自立が難しい」とか、「パートなど不安定な就労状況などにより生活が厳しい」、また、「生活が苦しくて売春をせざるを得ない状況に追い込まれている」などが考えられます。悩みの背景や理由も様々です。

(青木)
サイトでは、「お金の問題」について解説すると共に、お金の問題を抱える女性を支えるための様々な制度も紹介しています。例えば、生活にお困りの状況に応じて、仕事や家計相談、住まいなどの支援を行う「生活困窮者自立支援制度」の窓口などを紹介しています。

(足立)
もしかして、このサイトを見れば、女性が抱える問題に関する支援窓口などが、まとめて分かるということですか?

(青木)
そうなんです。これまで番組では「女性の人権問題」でしたら、「女性の人権ホットライン」を、「性暴力問題」だったら「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」の電話番号を、という具合に、それぞれ個別にご紹介してきました。でも、これからは「あなたのミカタ」このサイトを見ていただければ、女性が抱える困りごとの相談窓口や、支援制度、支援先など、ほぼ、まとめて分かります。

(野中)
はい。今後も継続してサイトの内容を充実させ、できるだけ、このサイトで、女性が抱える困りごとに関する支援情報をお伝えできるようにしていきたいと思っています。また、本日お話した「女性支援新法」の概要なども分かりやすくご紹介しています。まずは、多くの女性に、女性に寄り添う新しい法律が施行されることを知っていただき、今、生きづらさを抱えている女性には、このサイトにアクセスしてみていただきたいと思っています。今日はどうぞ、「女性支援新法」と、女性支援特設サイト「あなたのミカタ」のことを覚えていただければと思います。

(足立)
「女性支援新法」は、女性のための革新的な法律ということ。女性の福祉に特化した法律が今まではなかったのですが、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が新しくできたことで、女性としてありがたいなと思いました。

(青木)
私が印象に残ったのは、やはり中身の部分です。それぞれの女性に寄り添った、きめ細かな支援が途切れることなく行われること。これを期待したいですね。

(足立)
確かに、そうですよね。一時的だと意味がないですからね。

(青木)
また、一人一人の女性が抱えている問題や状況は違いますからね。


【 関連リンク 】
・あなたのミカタ / 厚生労働省
 https://anata-no-mikata.jp/

・女性支援新法の概要 / 厚生労働省
 https://www.mhlw.go.jp/content/001154456.pdf