2025年06月15日Flow 第三百五十九回目「拓哉キャプテン × ハイヒール」Part2
今月のマンスリーゲストは、お笑いコンビ、ハイヒールのリンゴさんとモモコさんのお2人。
今週も賑やかなトークセッションになりそうです!
木村:お2人はとんでもないことをされてるんですけど。「世界の全ての大陸で、漫才を行う」って、これは誰が言い出したんですか?
リンゴ:関西ローカル(の番組)やから、もういよいよ分からへんと思うねんけど(笑)。番組で色んなとこをね。
それは、「行きたいところに行ってそこで漫才をする」って思ってて。漫才師が本業やから。「色んなとこで漫才しよ。」ってなって、それが世界遺産であったりとか。
その番組で行った海外を、JTBさんがツアーにして売るんですよ。大阪らしいでしょ(笑)? だから私らがご飯のメニュー決めて、「これツアーに付けて!」とか、「ここ行きたい!」とか「ここで!」とかって。そのツアーがくっついてくるから、どうしても世界遺産であったりとか、ちょっと変わったところ、皆が行きたいところになるんですよ。で、その各地で漫才をするっていう。
モモコ:「せっかくやったらここでできる。」、「せっかくやったらここでもできる。」、「せっかくやったらそこでやろうよ。」って。
リンゴ:サンパチマイク持って行って。
木村:でも、マイク1本とお2人が実在していれば、漫才は成立はすると思うんですけど、誰が受け取るんですか?
モモコ:お客さんは、もうほんまに全然…。南極の時はペンギンしかおらへんかったし(笑)。
木村:いや、南極でやんないでしょ。
モモコ:普通はね(笑)。
リンゴ:でも、北極もやってるから。
木村:漫才を? オーロラとかちらほらしながら?
リンゴ:氷河のとこで。南極と北極は全然ちゃう、っていうのは行ったから分かるし。
モモコ:本当に。何でも、行ってみな分かれへんよ。
木村:そうですか…。でも、そこでお2人は漫才をされて、それを番組として収録してるんですよね。南極、北極、世界遺産…。何か聞いたんですけど、モンサンミッシェル?
リンゴ:フランスね。やったやった。
木村:で、ケニアのサバンナ。イタリアのピサの斜塔。
リンゴ:上でやりました。
モモコ:斜めになりながら。
木村:え? 上でやった?
ハイヒール:上でやった。
木村:マイクも傾くんですか?
モモコ:マイクも傾く。私らも傾く。カメラも傾く(笑)。
木村:カメラが水平取らないんですか!? カメラも傾けるんですか(笑)。
モモコ:いっそのことこの雰囲気を分かってもらいたいという。
木村:斜塔のまま。へ~。
で、イースター島のモアイの前?
リンゴ:これ今年ね。
木村:今年?
モモコ:番組が3月の末で惜しまれつつ終わったんですけど…。まぁ自分で言うのもなんですけど(笑)。
リンゴ:29年続いた番組が。
モモコ:その最後のご褒美に、「イースター行こう。」っつって。
木村:それ、お2人にとってはご褒美なんですか?
ハイヒール:ご褒美。
リンゴ:なかなか自力で行かれへん。
モモコ:モアイって、ほんまは目があんの知ってます? 白い目があるの。
木村:あの窪みは分かりますけど。
モモコ:あそこにほんまはね、サンゴでできた目玉があるんですよ。でも、その目玉の取り合いで部族間の抗争が始まって、モアイを引き倒したから、目玉がないモアイの方が多いんです。1つ倒れてるモアイの下に目玉が出てきて、「あ、モアイってほんまは目があったんや。」って分かったんですって。
木村:そのモアイヒストリーに急に進展する辺りが、この人たちガチなんだな、本当に行ってきてんだなっていうのが分かりますけど(笑)。
モモコ:ガチやで(笑)。行ってきた。
木村:その部族間の抗争があったっていうことも、やっぱり行かないと分かんないっすもんね。
モモコ:分からへんし、全部倒れてたっていうのも知らんかった。あれ日本人が起こしてあげてん。モアイ像全部倒れててん。
リンゴ:日本人の歴史学生の方とかもたくさん行ったんですけど、本来は立ってるモアイは1つもないんですよ。全部復元されたモアイで。
モモコ:倒されて壊れたモアイを何年か前に見た日本人が、「日本人やったら立たしてあげれるんちゃうか?」っていうことで、日本人が立たせてあげたっていうのがあって。
木村:その場で漫才をしてるお2人が、漫才の内容…要はネタの話ではなく、その現地の情報を…(笑)。
しかも、エジプトのスフィンクスってあるじゃないですか。そこでもやったんですか?
モモコ:足のとこね。
リンゴ:足の真ん中に立たせてもらって。
モモコ:足の間で漫才やらせてもらって。スフィンクスもびっくりしたやろな(笑)。
リンゴ:私猫飼いだしたんですけど、スフィンクスってようできてますよ、ほんまに。スフィンクスの形が風化しても本当の猫系の動物の形になってる。
モモコ:猫を飼ってそれに気づいてんな。
木村:うん…。でも、気になるのはそこなんだね?
リンゴ:あとエジプトですごいびっくりしたのは、王家の谷に行って、私は黄金のマスクのツタンカーメンに会いたかったんですけど、ツタンカーメンってな、年に何日かご褒美で王家の谷に展示されるんですよ。普段は博物館にいてはんねんけど。お客さんが多い時期とかに、サービスで、ツタンカーメンの墓にちょっと戻される時期があるんですよ。
木村:サービスなんだ(笑)。
リンゴ:知らんけども(笑)。その時だけ特別言うてたから。ほんで、ちょうど私らが行った時が戻ってる時やって。
木村:めちゃくちゃ引きがありますね。
リンゴ:そう! 「リンゴさーん! 左手にツタンカーメンが…。」言うたら、ちっちゃーい、黒いおっさんなんですよ。
モモコ:自分の中ではすごいもう「ツタンカーメン!」と思ってたから。
リンゴ:「黄金のマスク!」って思ってたのに、ちょっともうな、炭化したおっさんなんですよ(笑)。
木村:「黒いおっさん」(笑)。
リンゴ:あれショックやったよな。
モモコ:まぁな。当たり前やねんけどね(笑)。ちっちゃなって当たり前なんやねんけど、そっから急にテンションなくなって(笑)。テレビやのに元気なくなって、こっちの方がちっちゃいおっさんみたいになってもうて(笑)。
リンゴ:なんでや(笑)。
木村:急に漫才が始まる(笑)。
モモコ:もう私達は2人とも暇があったらどっか行きたい人やから。
リンゴ:人のいかないところに。ハワイとかヨーロッパとかやったら、年を重ねてからでも行けるじゃないですか。…まあ、もう今も年重ねてんねんけど。
木村:ツッコめねーじゃねーか(笑)!
ハイヒール:(笑)。
リンゴ:だから、そういうとこに行きたかってん。キューバとか行ったし。
木村:お2人で?
モモコ:もう全部。キューバは革命広場で漫才してな。
木村:すっげえな。じゃあもう行ってないところは…。
モモコ:まだめちゃくちゃある。ウユニ塩湖も行きたいし。「行きたいとこ、どこ?」とか言うて、私も言うし、リンゴも言うねんけど、ほんまこれだけずっと(行ってない)。遠いんかな? 通ったことないな。
木村:しかも、それもお2人とも一緒なんですか。
モモコ:そうそう。
リンゴ:私はインドも行ってみたい。はじめ、インドのロケもあったんですよ。そしたらカシミール地方で印パ戦争始まって、行かれへんなったんですよ。
モモコ:結構(日が)近かったのにな。急に変わって。
リンゴ:やっぱりそういう世界情勢の問題もあって。去年はトルコ行ったんですけど、その時も本当はイスラエル行くはずやったんですよ。
木村:でも危ないですもんね。
リンゴ:ちょうど、行くって言って企画を立てた時に色々(紛争が)始まって、結局イスタンブールから飛行機で行ける範囲内、みたいなことになって、動いたんですよ。だから、結構危ないことはあるよね。
モモコ:うん。
木村:結構ニアミスと言うか。お2人が「じゃあ今度はここ行ってみようか。」ってなったら、ギリギリで何かが勃発してしまったりとか。
モモコ:何十回の中には、何個か「あーあそこ行きたかったのになぁ。」とかあった。行きたいとこ行かんと、「え、ウズベキスタンって行くの? どういうとこ?」って言うたりとか。
木村:逆に、お2人から「あそこ(行きたい)!」っていうふうに言うんじゃなくて。
モモコ:「Aに行きたい!」って言っても、「いや、今回はBに行ってください。」みたいなのも、もちろんあった。
木村:それがウズベキスタン。
モモコ:私、その時初めて聞いたからね(笑)。「ウズベキスタンで何してきたん?」いうタイトルだったな、確か。
木村:で、何してきたんすか? 漫才ですか?
ハイヒール:漫才。
モモコ:漫才は絶対あるんです。
リンゴ:だから、南極で漫才やった時に、本当はギネスに載せたかったんですよ。「一番南の端でした漫才」っていう。
木村:最南端漫才。
リンゴ:それで申請しようと思ったら、ギネスって事前申請せんとあかんし、その「漫才」っていうカテゴリーが難しいんですって。「何をもって漫才と言うか」。
木村:でもアメリカの場合は2人ってあんまないんですよね。
リンゴ:1人でしょ。それと、やっぱお客さんの数も。
モモコ:お客さんの数も関係ある。
木村:そっか、「漫才」っていうのが認められづらいのか。
リンゴ:だから結局それはあかんかってん。
木村:いや、そっか。すげえなぁ。
モモコ:まだまだ行きたい。いっぱいあるわ、ほんま。
木村:でも、俺はないんだよなー。
モモコ:行きたいとこないの?
木村:いや、行きたいとこって言うか。だから自分からのベクトルがあんまないかも知れないです。
リンゴ:でもそれは、私らは「〇〇に行く」って言うけど、キャプテンは「〇〇にお邪魔する」っていう言い方するじゃないですか。だからやっぱりその旅とか国に対してのスタンスが違うねんな、と思った。私ら「ドカドカドカドカー!」って行くやん。
モモコ:そうそう。靴も脱いでへん(笑)。
木村:(笑)。それはちっちゃい頃からそうですよね。コンバース履きっぱなしですから(笑)。
モモコ:そうそう。ブーツも履きっぱなしやからね(笑)。
木村:いや~、そっかぁ。どっか面白いとこあんのかなぁ?
リンゴ:いや、どこでも、やっぱり行くとほんまに、全然違う。
木村:でも、絶対ハイヒールのお2人と行ったら面白いだろうな。
リンゴ:じゃあ一緒に行こう!
木村:ん?
リンゴ:大阪で企画出してくる!
モモコ:通らへんと思うわ。
リンゴ:いや、通ると思うで。
木村:(笑)。どこですか? 僕を、「あいつ連れてく。」ってなったら、どこですか? 初めてのとこですか? それともお2人が行ったところで…。
リンゴ:1回目は…。
木村:1回目? シリーズ化がもう決まってるんですか(笑)。
モモコ:(笑)。すごいね。今、すぐ気づいたね(笑)。
1回目はな…。
リンゴ:行ったとこ。
モモコ:うん。行ったとこやな。私達が案内できるとこ。
リンゴ:2人で行ってなくても、どっちかが行ったことがあるとこ。
木村:今、何かオススメあります?
リンゴ:私がもう1回行きたいのは、ナスカの地上絵。もう、どんどん新しい地上絵が分かってきてるんですよ。
木村:なるほど。ナスカの地上絵って…。
リンゴ:ペルーですね。
木村:そうだ。いや行ったことないです。もちろん行ったことないし、あれはでも、何であるんですかね?
リンゴ:分かんないんです。
モモコ:気になった。ほら、そんなら、企画書(笑)!
リンゴ:ね。月から見える3つの建造物のうちの1つなんですよ。ナスカの地上絵、万里の長城、それからピラミッド。この3つが月から見えるんですよ。見たないです?
木村:その「月から見える」って、何で知ったんですか?
リンゴ:それは何か本に書いてあった(笑)。
木村:知らんけど(笑)。
ハイヒール:知らんけど(笑)。
モモコ:私、イタリア。
リンゴ:そう。モモコはイタリア好きやね。
木村:僕、ローマは撮影で2ヶ月ぐらい行ったことある。
リンゴ:えー!?
モモコ:すごい! でも、ローマは、言ってもちょっと大阪っぽいっていうか、日本人もいっぱい行ってるやん。
木村:そうかも知れないですね。
モモコ:サルデーニャ島ってとこに去年行ってんけど、ローマから飛行機で2時間ぐらい行かなあかんねん。本当に日本じゃない。私もう帰ってきて、色んな顔をさす(気付かれる)人らに、「ここ行ったら誰にも会えへんで!」って教えたぐらい。誰にも会えへん。
木村:日本人がいると嫌なんですか?
モモコ:やっぱり、皆のびのびしたいとかいうのもあるかな、と思って。
リンゴ:モモコの場合やったら「すっぴんで歩かれへん。」とか色々出てくるじゃないですか。
木村:(笑)。
モモコ:そうそう。整形したてで行っても誰も会えへん(笑)。
木村:だからツッコめねーって(笑)。
モモコ:(笑)。いや、食べるもんがめちゃくちゃ美味しい。昼にランチ食べながら、もうお腹いっぱいやのに、「晩に何食べる?」って言えるぐらい。
リンゴ:それ、豚の口調や。
モモコ:何でも、お腹いっぱいでも食べたい。
木村:ヤバイ。また漫才が始まった。
モモコ:始まってない(笑)。
リンゴ:もう、食べることにかけるうちの相方の情熱はすごいですよ。
モモコ:私もうご飯だけのために、韓国に半日とかも行く。日帰り。だって、飛行機やったら1時間よ? ほんで食べて…。
木村:まぁ、そうっすね。フットワークとしては軽いし、可能なんですね。
モモコ:全然可能。
木村:それ、行く時は、朝の何時発ですか?
モモコ:もうそのご飯の時間に合わせて。韓国は結構大阪からも飛んでるから。でも羽田しか飛んでへん時は、「東京まで行って、羽田行って、行けるか?」っていう時もあるし。2泊4日で、ハワイもすぐ行く。
木村:2泊4日で行くんですか?
モモコ:「行ける~!」、「ご飯行く~!」って言うて、すぐ行く。
リンゴ:私にはそれはないです。
木村:そこはないんですね。
リンゴ:そこまでの食に対する欲はないんですよ。
木村:いやでもモモコ姉さんの中での、ハワイだったり、韓国の日帰りだったり、軸は食事なんですか?
モモコ:そう。ご飯。「ご飯が食べたい。」って。
木村:ハワイで何食べるんですか?
モモコ:ハワイは、友達の別荘に行く時もあるし、向こうに住んでいる子が、「新しくこの店できたよ! 新しい店が美味しい。」って教えてくれたら、「早く行って皆に教えたい。」と思うから、「すぐ行く!」って。
木村:すご! 2泊4日で…。
リンゴ:食に対しては、もう情熱がすごい。
ネタ合わせの時に寝てる時があって、「ちょっと目つぶって考えてた。」って言われるねんけど(笑)。「絶対寝てたやん!」って思うねんけど(笑)。
モモコ:めっちゃ詰めるタイプ。
木村:「詰めるタイプ」(笑)。
ちなみに、そのネタはどちらが?
リンゴ:これは2人で出し合って。
木村:でも、片方は寝てるんですよね?
モモコ:いや、それはあります。もう長いねん。「もう今日は終わろう。」ってないねん。
木村:へ~。
リンゴ:(笑)。だってシンプルに「ネタはやらないと。」、と思ってる。
でも、どうしてもネタがお互い譲られへんかったら、普通劇場の出番って朝の部と昼の部とか、昼の部と夜の部とかあるんで、どっちかでかけるんですよ。だから、モモコの案がA案やったら1回目かけて、私の案がB案やったら2回目かけて。で、ウケた方をするんですけど、その時に、絶対2人の中の決め事として、「な。私の方がウケたやろ?」とか、「私ので行こうな。」とかっていうのは、もう一切ないんですよ。分かってるから。
モモコ:3回目は、自然とウケた方をやるっていう。
木村:体感として(分かってる)。
リンゴ:喧嘩かなんか、もう大人やからないけど、そのネタだけは「こう落としたい。」っていうのはお互いあるから…。
木村:でも、以前は(喧嘩が)あったりしたんですか?
モモコ:雰囲気が悪くなったりしたらもうその場は別れるんですよ。
リンゴ:私ら、元々友達ちゃうから。会社に言われてコンビ組んでるから。
モモコ:ほんまに、ビジネスパートナー(笑)。
だからほんまに、ほとんどの漫才さんってそうやと思うけど、家族より長いこといるでしょ? もうほとんどを。だからもう、家族であって、家族でない感じやから、例えば一言も喋らんでも、別に気ぃ使えへん。「何か喋らな。」とか全然ない。喋りたい時だけ喋って、同じ部屋でも一言も口聞かへん。でも、別に喧嘩してるわけでもない。
リンゴ:今日、ここ来る新幹線で、私がおトイレ行って出てきたら、モモコがマスク着けて「声掛けられたくないオーラ」を満載に出してたんですよ。で、声掛けへんかってんけど、余りにもそのオーラがすごいから、「おはよう。」って言ったら、「わー!」って言うて(笑)。
モモコ:相方って分からんで「ほっそい女おるわ。」と思って(笑)。「ガリガリの女おるわ。」と思ったら…(笑)。
リンゴ:ガリガリちゃうわ(笑)!
モモコ:後で、「ほんまにビックリしたわ。でも人から見たら、あんたガリガリやで。」言うて(笑)。
木村:(笑)。でも、何だろうな。 全然、俺がイメージしているビジネスパートナーとは、真逆です。
モモコ:でもね、女の場合と男の場合はちゃうかもしれん。これはよう言うよね。漫才師の場合やけど、男の人って喧嘩しててもパッて舞台はできるけど、女ってもし喧嘩してたら出ちゃうから。
リンゴ:昔、うめだ花月で、ちょっとネタのことで揉めて、ほんで舞台上がった時に、今の桂文枝師匠がたまたま見ておられて。で、呼ばれて「喧嘩してるやろ?」、「舞台に出てる。」って言われました。
木村:その時は、「いらっしゃ~い。」はないんですね(笑)。
モモコ:それは言わへんかったわ(笑)。
リンゴ:そんなこと、よう言うなぁ(笑)。
木村:いやいや、俺は外野ですから(笑)。
ハイヒール:(笑)。
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なし