今週も引き続き、南房総リパブリック代表 馬場未織さんによる、週末限定の里山暮らしのお話です。
ひょんなことから、東京ドームの半分くらいの広さの里山と、築100年を超す古民家を手に入れ、もう何年も、土曜と日曜はそちらで過ごすという生活を続けている馬場さん。その生活には、やっぱり大変なこともいっぱいあるようなんです。
馬場さんはその「大変さ」をとっても楽しそうに、教えてくれました。


〜南房総の生活で大変なことってありますか?
ほとんど大変なんですけど(笑)いま、いちばん大変なのはイノシシの被害ですね。よくブヒブヒ鳴いてるのが聞こえたりとか、夜に家につくと、ヘッドライトで目が光ったりとかしてるんです。友だちは、道路で母親が授乳してるところに遭遇したりとか、イノシシと人間が同じくらいいるんじゃないかなって思います。それで土手をグチャグチャに荒らしてしまったり、野菜を食べてしまったりして、みんな被害と戦ってますね。


〜お話に出てきたお家は築120年くらいの家ということですが、この時期の寒さとか大変ではないですか?
そうですね、とにかく寒いんです。廊下の板と板の間から下が見えるくらい低機密低断熱で、外にいるほうが暖かいくらいなんですね。なので、モコモコに家の中でも着て、コタツに入って、息を白くしながらみかんを食べるみたいな感じです。東京の暮らしと全く違う暮らしがしたかったので、あえて手を入れなかったんです。農家の方がこういう寒さの中で春を待っているというのを一緒に体験したくてやってきたのですが、歳をとってくるとちょっと寒いですね(笑)

〜お子さんたちはそういう生活を喜んでるんじゃないですか?
そうですね、イベント的に楽しんでる部分はあります。外でほうれん草に霜がついてるのをみて、こうしてがんばるから糖ができて甘くなるんだ、というのを見ながら食べると、ちょっとした野菜でもおいしさのからくりがわかったりとか、そういう意味ではいいかもしれないですね。

〜虫は大丈夫ですか?
虫はたくさんいますが、幸いな事に私は虫は大丈夫で、息子が虫好きだったのは私の遺伝子によるのかもしれないのですね。普通に15cm級のオオゲジがワサワサっと枕元にいたりします。そのときに私たちが子どもと一緒に学んだのは、これは悪いやつか良いかということ。悪いやつはやっつけなきゃいけないんですが、たとえばアブやブヨは痛いんで、気をつけなきゃいけない。でもオオゲジはそこまで悪くない。死んでもだえ苦しむ様子が怖いんであって、そうじゃなかったら放置して、「おもしろいね」って眺めていたほうがいいんです。また、手のひらくらい大きなアシダカグモっていうのがいるんですよ。それはゴキブリを捉えて食べてくれるので、彼らは重宝してます。なので、印象だけで怖がらにようにというのは気をつけています。子どもは私が怖がらないと怖がらないんですよね。だから、私が「キャー」っていったら、これはそういうものっていうカテゴリーに入るんでしょうけど、「かわいい!」っていうと、かわいいものになるというところはありますね。

〜農業もやってらっしゃるんですか?
私たちなりに自分たちが楽しめる畑仕事をしているっていう感じです。夏は草に埋もれてしまうのでダメなんですが、冬野菜はよくできていて、大根、小松菜、ほうれん草、にんにく、ネギ、玉ねぎ、そら豆、菜の花とかつくってます。

〜たくさんの種類ですが、いちから学んだんですか?
東京にいる時は自分で作って収穫している人達を見て、費用対効果の悪いことしてるなと思っていて、プロが作ったものを買ったほうが美味しいじゃないって冷めた目で見てたのですが、知り合いの農家さんができて、とくに押し付けず、じゃあジャガイモでも植えていこうかなって、植えていったんですよ。とくにこうしろ、ああしろと言わずに。それをぼんやり見てたんですが、芽が出てきたらうれしくて、その周りの草取りをするようになって、来る度にその成長が楽しみになりました。収穫した時にはまるで自分が育てたかのような気持ちになって、食べてみたらとってもおいしくって、収穫する喜びもそうだし、新鮮なものの美味しさがわかりました。そこからハマりましたね。

〜東京から離れてみると、暮らしや文化、人付き合いも違うと思うんですが、そういうギャップに戸惑ったことってありますか?
私たちが房総で暮らし始めて次の日に近くにお店に買い物に行った時に、すべて私たちのことを知っていたんです。それで、なんでこんなに噂が早く回るんだろうというのはとても不思議でした。基本的に私たちって、LINEやメールの文字のやりとりですが、あちらではきっちり電話が必ずかかってくる。それに私たちのエンジン音が聞こえると、会いに来るんです。対面のコミュニケーションが多くて、そのなかでちょっと驚いたり、戸惑ったりするんですが、誤解は少ないんですよね。目を見て話すし、人となりもそこでわかるので、不便なようで、これは必要だなって思ったりはします。

〜都会にいると、ちょっとめんどくさかったり、相手の状況がわからなくてメールにしたりしますが、それって誤解を生むことが多いのかもしれませんね。
そうですね、基本的にアポを入れるっていう感覚がなくて、思いついたらそこに軽トラで行くんです(笑)ちょっと自分のテリトリーの感覚とかが違うのかもしれないですね。

馬場未織さんのお話いかがだったでしょうか。来週もお話の続きをお届けしますので、どうぞお楽しみに。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・風は西から / 奥田民生
・魔法のバスに乗って / 曽我部恵一BAND

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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