プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

高橋:今週は、宮城県石巻市、そして女川町で現在開催中の
「リボーンアート・フェスティバル」にスポットを当ててお送りします。
音楽プロデューサー・小林武史さんが実行委員長を務めるこのイベント。
現代アート、音楽、そして地域の「食」も楽しめる総合芸術祭として
毎回注目を集めていますが、きょうはその中から、
牡鹿半島の「鹿」をめぐる企画についてご紹介したいと思います。
お話を伺ったのは、「フェルメント」という、鹿肉の処理施設の運営をれている
鹿猟師の小野寺望さん。
牡鹿半島にあるフェルメントにお邪魔して伺いました。





>>>>>>>>>>>>>>

高橋:すごく緑が豊かな場所で、かわいいログハウスがあってそこにお邪魔をしたら小野寺さんがコーヒーを入れてくださって。

小野寺:見た目がカフェっぽく見えるんだけど。
本業は一応猟師です。ここはハンティングを獲ってきた鹿を
お肉に変える処理場で、鹿の駆除という名目で
捕獲して解体する場所ではあるけれども、
将来的には「鹿の駆除」ということがなくなって
解体場ではなくなるのが理想。
どういうことかというと、適正に鹿の数を抑えること。
この場所は三陸独特の地形で緑が生い茂って
自然が豊かに見えますが山に入ってみると食べるものが全くないんですよ。
「緑の砂漠」と言っているんですが、広葉樹が少なくて針葉樹ばっかり。
鹿も仕方なく山から民家の近いところに降りてきて交通事故が起きたり、
食べ物がないのでしょうがないので
作物を荒らしたり庭の木をかじったりと悪さをしちゃうんですが、
悪さをしたくてやっているわけではなく、
食べるものがないから降りてくる状況。
森の再生がきっちりできていれば、
こういうことがなくなっていくと思うんですよね。
そのためにはどうしたら良いのか、
多面的にみんなでいろんなことを試しながら改善していければ良いなと。
それを含めて、すぐには変わらないでしょうけど、
ここからみんなにいろんなことを意識を持って
発信していこうという場所にしています。


高橋:鹿の猟をする方がそういうことを考えたきっかけは?

小野寺:もともとは、鹿が好きで一頭欲しくてハンティングを
始めたんです。ちょっと料理をかじっていたので友達が来たときに
フルコースで食材を集めてお料理したいと。
それでライセンスをとって始めたハンティングだったものですから、
僕の中でのテーマは鹿を一頭獲ったら美味しく最後まで調理する
、喰らい尽くすということだったんです。
ところが狩猟免許を取って5、6年経つと鹿が異常に増えて、
駆除隊が編成されて駆除をするようになっていって
すごい数の鹿を獲っていたんですね。
最初はハンターの人たちも喜んでお肉を持って帰っていたんですが、
年間て75日間も猟をしていると持って帰って食べる人も少なくなっていくしね。
そうなるとかわいそうだけど獲った鹿も穴を掘って埋めるしかなかった。
それが何年か続いちゃって。そうすると気持ちも落ち込んできちゃう。




高橋:そうではなく、ちゃんと最後まで美味しく食べるということを知ってもらいたいという想いが?

小野寺:それはありましたね。
15年ぐらいかかってみんなの認識、意識が変わっていた。
それまで鹿は硬い、まずい、臭い、
そして汚いというイメージしかなくて、
ハンターからもらってくるお肉は山で解体するから
落ち葉がついていたり、鹿の毛がついていたり、
血がポタポタ滴るようなお肉を出されてももらった人は困りますよね。
そういったことを含めて鹿の血抜きだったり冷却、
きれいにすれば美味しく食べられると言うことができるようになったのでね。
そうしたら激変して、歯科をもらった人も
「これなら鹿もおいしいんだ」と言う声を聞くようになって。
東日本大震災の直後にみんな炊き出しに来た主婦などする人たちに、
せめてのお礼でお肉をあげようと思って、シェフにあげていたんです。


高橋:どう評価されましたか?

小野寺:わかったのは人それぞれ十人十色だと言うこと。
人それぞれに合わせたお肉の落とし方をしていかなくちゃいけないなというのがわかりました。


高橋:そんなことができるんですか?

小野寺:はい。
例えば高橋さんがフレッシュ感がバリバリで
みずみずしいお肉を好むのであれば、寝かさないで獲ってすぐ。
24時間、48時間以内で、負荷をかけず肉に重力をかけないような感じで、
血もそんなに抜かないようにしてお届けするとか。
逆に血液を見るのが嫌だという人、深みのある味が欲しい人は、
1ヵ月、1ヵ月半お肉を寝かせてなおかつ水分調整をして、
旨味だけを残す。イメージで言うと魚の干物みたいな感じです。
でもちゃんとみずみずしい。
水分は最後まで抜けないから焼けばみずみずしさが残ってくる。
そういうお肉にしたりとか。


高橋:震災後に全国のシェフの方に渡したからわかった賜物ですね!

小野寺:結構大きいですよ。
教えてもらったことが。最先端の方法だったり、
そういったものも聞けるじゃないですか。




高橋:小野寺さんがさばいた鹿を食べてみたい方がたくさんいらっしゃると思うんですが、リボーンアートフェスティバルでも食べることはできますか?

 小野寺:フードアドベンチャーという企画が9月20日にあります。
僕がハンティングをする場所にみんなをアテンドして鹿の道を歩きます。
鹿の食痕や寝た跡など痕跡を探りながら、
1時間近く森の中を散策して食材を採取して、
フェルメントに戻ってきます。
その数日前に鹿を捕獲してくる予定なので、
それの解体をしてお肉にして。
なおかつ別個の鹿肉でフルコースを振舞います。
フルコースは仙台のシェフが来てくれます。俺も料理できますので。


高橋:小野寺さんは解体もされるしお料理もできるんですね!

小野寺:もともと料理人崩れですから。
だからお肉もフルコースを振る舞うために自分でハンティングをして。
日本人って野生のものや自然のもの、天然のものをよしとするでしょう。
アワビだのウニだのマグロだの。
でもお肉だけは〇〇牛のA5ランクとかどうでも良いことに
こだわっていたんですよね。
フレンチでずっとやっているとそういうのが鼻で笑うくらい
恥ずかしい事だったので。フランスではマルカッサンとか
シュブルイユとか最高級のものを、
11月になればパリから郊外に食べに行くのが最高の贅沢だったのが
日本では間逆でゲテモノ扱いだった。
だから腹が立っていてそういうことにも風穴を
開けなかったということも正直あるんです。






高橋:小野田さんはフレンチのシェフだったんですね

小野寺:なんちゃってですよ(笑)
それで作りたいと思ったら、
もてなすためには食材集めから始めなくちゃいけないと思って、
25年くらい前からそれをやって。
石も山から拾ってきて流木を拾ってテーブル設計から始めて、
いろんなことをやりながら。もてなすことに一生懸命やっていましたよ。


>>>>>>>>>>>>>>



高橋:宮城県石巻市・女川町で開催中の リボーンアートフェスティバルの中から、
牡鹿半島の「フェルメント」を運営する鹿猟師・小野寺望さんのお話、
お聴きいただきました。
来週も、続きをお届けします。


お話に出てきたワークショップは

【9月20日(月・祝)】
「FERMENTO体験入門 〜牡鹿で食猟師がおこなっていること〜」
 時間:10:30 – 14:30  場所:FERMENTO(小積エリア内)
 〜詳しくは「リボーンアートフェスティバル」のサイトをチェックしてください。


「リボーンアートフェスティバル」Twitter
「リボーンアートフェスティバル」Instagram
「リボーンアートフェスティバル」Facebook


【今週の番組内でのオンエア曲】
・ Kiss Of Life / シャーデー
・ Sundance / EGO-WRAPPIN'

高橋:今週も引き続き、世界遺産に登録された・沖縄県西表島の
「エコツーリズム」のお話です。
環境保全と地域の経済を両立する観光の考え方・エコツーリズム。
今日は、25年前からこれに取り組んできた人たちの想いと、
島の人達が守ろうとしている「文化」について、お伝えしたいと思います。


高橋:長年、「エコツーリズム」に取り組んできた沖縄県・西表島。
観光客を受け入れながら、島の自然と文化を守る。
四半世紀前、この考え方にかじを切った人たちの想いとはどんなものだったのか。
それは、いまわたしの手元にある一冊のガイドブックに込められています。
西表島エコツーリズム協会 事務局長の徳岡春美さんに伺いました。




>>>>>>>>>>>>>>



徳岡:西表島エコツーリズムガイドブック ヤマナ・カーラ・スナ・ピトウ と言うんですけど、山・川・海・人という意味です。

高橋:島の言葉ですね。西表の自然のことも書いてあるし、
例えば西表の木がどう使われてきたとか、染め物とか、炭鉱の時代のこととか、これを読んでから来ると本当に見方が変わると想いました。これは25年前に作られたんですよね?



徳岡:27年前です。
協会設立より2年前にガイドブックを発行しています。
当時は一回島を出た若い人が戻ってこなくて、
これから発展させるためにはエコツーリズムが良いんじゃないかとなったときに、
離島で不便な暮らしを強いられてきた人の中には開発へのあこがれがあって、
石垣島に橋を架けたらいいとか、空港を作ったらとか、
島を一周する道路を作ったほうがいいとか、どんどん開発をしたほうがいい!
という人ももちろんいたと思うんです。でもその中でここを守ろうと言って、
大きな開発しないで残していこうと思ってくださった人たちがすごいと思います。




高橋:世界自然遺産に登録されて、ユネスコは多様性や自然の部分を評価したわけですが、でも島には暮らしと文化があってこその西表島だということを守りたいとなると、ここから難しいのかなと。課題がありそうですよね。



徳岡:世界遺産に関しては観光業以外の普通の住民にしたら
とくに関心がないというか。
なにができなくなるのかと島の人に聞かれるんですが、
例えば「山でたけのこをとったりイノシシの猟、
もずく取りができなくなるのか」と聞かれたり、
「観光客が来てレンタカーが増えると交通量が増えて危なくなるさー」と言われたり
「水不足にならないか」とか、そういう生活レベルの不安があります。
大人が世界遺産にネガティブな意見だと子どもたちもそう捉えたりするのですが
そうではなくて、自然遺産になったのは日本に5つしかなくて、
これが最後の候補地なのでそれだけ素晴らしいところに
私たちは暮らしているということを誇りに思って、
これを次の次の世代に残さなければいけない。
逆に言えば世界遺産で注目されることで、
これまで取り組めなかった課題にも取り組めるようになる。
10年後20年後、世界遺産になったことでさらに良い島になったと
思えるようにならないといけないし、そうなってほしいです。


>>>>>>>>>>>>>>



高橋:西表島エコツーリズムガイドブック 「ヤマナ(山)・カーラ(川)・スナ(海)・ピトウ(人)」。このタイトルの通り、その土地の自然や生活文化を傷めることなく持続させていく旅のガイドブックとなっています。

高橋:こちらは、「西表島エコツーリズム協会」のウェブサイトから購入できます。

高橋:そしてこの本にも紹介されている、自然と共存する生活や文化。
私たちから見ると、本当に新鮮で興味深いものがたくさんあります。
実は西表島エコツーリズム協会・事務局長の徳岡さんも、
18年前に島にやってきた移住者で、やはり最初はいろいろ驚いたと言います。


>>>>>>>>>>>>>>



徳岡:西表島の文化は、なんでもびっくりしました。
お米を作るのにいろんなしきたりがあるんですが、
苗を最初に作って田植えをして、
その苗が成長する間は大きな音を出したりしてはいけない。
集まりがあっても拍手をしてはいけない、三線を使わない、太鼓を使わない。
稲がびっくりするので静かにしなければいけない。
それで初穂刈りというのがあって、穂が実り、
この日を境に稲を刈っていいというその時に、はじめて鳴り物が解禁。
豊年祭というお祭りの間までしか歌ってはいけない歌、
節目節目に歌う歌があるんです。
ただ三線が好きで民謡を歌うのとはぜんぜん違う、暮らし、
稲作とともにある、魂から溢れ出る歌を感じるのですごいなと想ういます。
初穂刈りから豊年祭までしか歌っちゃいけない歌が、
あさ6時くらいにスピーカーで集落に流れています。
宿泊していてもなんだ?と。そういうお祭りのときに宿泊すると、
見ることができたり参加できたり。




徳岡:ものづくりも。
民具を作るのに70大のおじいから教わっているが、昔の話をしてくれる。
自分たちは楽しくて、必要だから道具を作るわけではない。
昔は稲刈り脱穀をして出たわらで、お昼休みにほうきを作ったんだとか、
冬になるとすすきを学校の床履き放棄1年分作ったとか、
本当に使われていた時代の話が知れるとますます楽しくなる
本当はそういう文化も取り入れたツアーをやりたいと思っているが
なかなか進んでいない。意外とおじい、
おばあは暇じゃなく畑をやったり毎日ゲートボールをやったり結構いそがしくて。




徳岡:西表島は海も山もきれいだが文化と旅してほしいです。
日帰りでぱっとくるとそういう部分は見ることができないが、
泊まりでゆっくり来てほしい。一度来たら次は違う季節に来ていただきたいです。
暮らしという目線で見ると何度来てもいろんな楽しみ方があると思うので!


>>>>>>>>>>>>>>


数かに渡って、西表島の魅力、
そして、「西表島エコツーリズム協会」の
事務局長 徳岡春美さんのお話、お届けしました。


「西表島エコツーリズム協会」
「西表島エコツーリズム協会」Facebook


【今週の番組内でのオンエア曲】
・ どこ / 木村カエラ
・ KA NOHONA PILI KAI / Keali'i Reichel
«Prev || 1 | 2 | 3 |...| 239 | 240 | 241 || Next»

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

あなたからのメッセージ・ご意見をお待ちしております

各放送局の放送時間

  • JFN募金は鎮守の森のプロジェクトを応援しています。

ポッドキャスト

  • ポッドキャスト RSS
  • ※iTunesなどのPodcastingアプリケーションにドラッグ&ドロップしてください。
  • 鎮守の森のプロジェクト
  • LOVE&HOPE〜ヒューマン・ケア・プロジェクト〜
  • AIG損保 ACTIVE CARE

PAGE TOP