高橋:今回、私が体験した沖縄県西表島の「早朝エシカルツアー」。
このツアーは、西表島の大自然を楽しみながら
オーバーツーリズムによるトイレ問題解決のために、
「携帯トイレ」の普及に取り組むなど、
いま島が直面している課題、その解決策を知ることができるエコツアーでした。




高橋:西表島の観光を“持続可能”なものにするためにはどうしたらいいか。
そして、私たちのような観光で訪れる人は、何を心掛ければいいのか。
このツアーのガイド、オハナアウトフィッターズ代表・國見祐史さんのお話です。




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高橋:世界自然遺産に登録されて、そこで生活をされている國見さんとしては
嬉しい気持ちもある一方、心配なこともあったりしますか?


國見:人が増えすぎて、今でも対応しきれない。
もともと、そこまでのキャパシティを持っていなかった島なので、
これ以上人が来たときにその変化に僕らはどう対応したらいいのか、
手探りの状態。島をすごく大事にして先輩たちが守ってきた文化とか
そういうものが、外からたくさん人が来ることによって
壊れてしまう可能性もあって、この島にしかできない、
この島ならではのことがあるので、
それを失うということはすごく僕は嫌だなと思っています。




國見:今までだったらモラルやマナーで何とかなっていたものが、
人の手が追いつかなくなるからルールに変えよう、
僕らの仕事もそうですけれども、モラルやマナーで
成り立たなくなったからルールで取り締まることになって、
今までできていたことができなくなっていくことが
一番心配しているところですかね。


高橋:観光客が島にダメージを与えている気もします。観光客の役割はどうですか?

國見:僕らの考え方、エコツーリズムの考えは、
来てもらうことで環境の負荷は当然ありますが、
来てもらって遊んで、知っていただくことで
環境を大切にしようという心を育てたいというほうが大きいんですよ。
なので、それを考えずにただ消費していくのは
良くないと思うんですけれども、
同じ遊びの中でも、今日もジャングルを歩くときに
木の根っこを踏まないように気をつけたり、
苔を落とさないように気をつけるとか、
サンゴの海に来たらサンゴを踏まないように気をつけるとか、
そういうことをしながら楽しく遊ぶことで
自然の大切さを知ってもらうのが大事で、
それを皆さんに伝えるのが僕らガイドの1番の仕事だと思うので、
ぜひ西表に来たときには
そういうガイドに話を聞いてもらえたら嬉しいです。




高橋:でも事前に知ってから来た方が良いと思いました。
ちょっと調べてから来るのと、調べずに来るのでは得るものが違いますね。


國見:一度だけ来て楽しむのではなく、
遊びにも多様性があるので、一度だけでなく何回も来てもらうと、
西表の自然のすごさを知ってもらえると思うので、
一過性の観光ではなく持続可能な資源の活用を目指した
観光があるのを知ってもらえたら嬉しいですね。
それだけの魅力がこの島にはあると思っているので、
しっかり基盤を持ったガイドに触れ合ってもらうことで
西表の良さを知ってもらえたらなと思います。


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高橋:オハナアウトフィッターズ代表・國見さんは、
神奈川県で生まれ育ち、自然に関わる仕事がしたいと、2006年に西表島に移住して
以来15年、西表の自然を見つめてきました。
そんな國見さんは、西表島の自然のすごさについて、こんなお話をしてくれました。



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國見:西表島が世界自然遺産になったのは、
自然と人との共存というところがすごく大きな役割を占めていると思っていて。
西表の自然はどうしても手付かずの自然と捉えられがちなんですが、
手付かずの部分は本当に少なくて、
人が利用し続けてきてそれがいま現代、
令和の世の中になっても続いているのが
西表の自然の素晴らしさだと思うんです。
稲作をやっていた時代もあるし、
古くは宮古島に大きな造船所があって
そこで船を作る木材も西表から持ってきていたり。




國見:今は国立公園になって木の伐採はできなくなっていますけど、
周りの島々も、鳩間島とか竹富島、黒島、小浜島と
いろんな島がありますけど、西表の森をみんな利用して
ずっと生きてきた歴史があって西表の自然の恩恵を受けながら
暮らしてきた歴史がいまのこの生活の中でも感じられる部分が大きいので、
例えば台風が来たらマングローブが風を避けてくれるとか、
直接的な関わりはなくても間接的に、
「台風が来たらマングローブの中に船をしまってますよ」
とかそういうところですごく自然を近くに感じることができて、
自然のことをみんな島の人たちはすごく詳しいですし、
こうなったらああなるという。
こっちでは「ジンブン」と言いますけど
それをうまく生活にアジャストさせて、
その暮らしが令和の世の中になってまだ続いているという。
それが西表のすごいところじゃないかな。
自然と人間との共存がうまくできている島というのが
西表の一番すごいところじゃないかなと思います。



高橋:15年住んでいても気づくことがありますか?


國見:いっぱいあります。
僕なんかまだ全然で。島で30年、40年観光をやっている
第一人者の人たちもまだ現役でやっていますし、
いろんなことを僕らに教えてくれますし。
まだまだ僕なんか全然何も知らないです。
もっと面白いことがたくさんありますね。


高橋:天気を読むのが詳しいので気象予報士かと思いました!

國見:天気はすごく好きなので、
それこそ潮の満ち引きとか風の向きとか、
空を見て雲が湧いてくる様子とか
そういうのを見るのがすごく好きなので、
それで天気を見るようにしています。
でもまだまだこれから自分の知識や経験を高めていったら、
もっと面白い自然現象に皆さんをガイドできる日が
来るんじゃないかなと思って頑張っています。


高橋:子どもたちに残したいものは?

國見:離島の生活って大変なところがいっぱいあるんですけど、
世界自然遺産の先進地である屋久島に行って聞いた話の中で、
屋久島は世界遺産になって何が良かったかというと
「子どもたちが屋久島に誇りを持って胸を張って屋久島から出て行って、
その先で自分は屋久島から来た、世界自然遺産の島から来たと
胸を張って言えるようになった」
というのを聞いて、それも子どもたちにとっては勇気のつくことだと思うし、
さらに帰ってきたときにいろんなことを島に持ち帰ってくる。
西表島が少しでもいろんなことが良くなるような、
島になって欲しいなと。
そういう島であれば、また子どもたちも帰って来やすくなるんだろうなと
すごく思っています。



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高橋:★今回私が参加した「早朝エシカルツアー」
西表島のマングローブカヌー/ジャングルトレッキング/滝遊び/シュノーケルと、
森川海を1日で体験できて、さらに西表島が抱えるトイレ問題や漂着ごみの問題を
一緒に考えることができるツアーとなっています。






高橋:早朝出発ということで、西表島に泊まらないと参加できません。
実はここがポイントで、八重山諸島ってたくさん島がありますが、
島によって自然や文化はもちろん、流れる時間が違います。
島に泊まって、島のゆったりとした時間をなじませながら、翌朝参加すると
すっと心に入ってくるものがありました。

自然との距離が近い西表島でも、特に自然を感じられるのが「早朝ツアー」
ということでおススメです!
詳しくはオハナアウトフィッターズのホームページでご覧ください。



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高橋万里恵
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