今週も、先週に引き続き、
探検家で武蔵野美術大学の教授、関野吉晴さんの
インタビューをお届けします。

人類が世界へ拡散した『グレートジャーニー』を
さかのぼる旅で知られる関野さん。

アマゾン川流域の熱帯雨林の森に入り、
そこで暮らす人々と長年触れ合うことで感じた、
人類と森と関係について、今週も色々 教えて頂きます。

アマゾンの熱帯雨林とともに暮らす人々は、一種類ではなく、
色んな果物や野菜を植えることで、森の多様性を崩さないようにしている。

そしてそれが、森とそこで暮らす人々の生活を持続可能なものにしている。
先週はそんなお話でした。

では具体的に、森の中には、一体どれほどの規模の多様性があるのか。
そして、多様性を守ることにはどんな意味があるのかを伺いました。

「地球上に確認できているのは200万種あるんです。
ただ発見されていないだけで、
地面の下の微生物や森の樹冠の下には昆虫や色んな生物が無尽蔵にいるのです。

そして、その調査はあまり行われていないし、何がいるか分からない。

そこには人間にとってどんな薬効のある植物・微生物がいるか分からない。
それを全部失ってしまうと、多様性は小さくなる。生物多様性を維持するには森を破壊してはいけないんです。
なおかつ大量破壊している人たちは牛だけ、パイナップルだけなど単一の作物を植えるため余計に荒れる傾向があります。

地球の「灰」と呼ばれる炭素を熱帯雨林が作り出している酸素が管理しています。
森、特に原生林は残さなければいけないのです。」


森の中の微生物には、将来 様々な病気の治療に役立つワクチン・抗生物質の
「元になる細菌」がたくさんがいると言われています。
森を大切にすることは、私たち人類にとって、とっても大切なことなんですね。

関野さんはさらに、多様性を守ることは、
自然界にかぎらず、大きな意味を持っていると話します。
一見つながりが無いと思われる、生き物の世界は全て繋がっていて、
ひとつの種類の生き物だけでは生きていけないとお話してくれました。

そして関野さんは、上野の国立科学博物館で開催中の特別展
『グレートジャーニー人類の旅』の監修も手がけていて、
館内には、その体験が様々な形で展示されています。
期間は、6月9日までです。是非、足をお運び下さい!

ポットキャストでも優しい関野さんの語りが聞けますよ。
こちらも宜しくお願いしますね!

番組で継続して取材している、森の長城プロジェクトの
植樹イベントの情報です。

次回は、6月9日(日)、宮城県岩沼市で行われます。

3万本の植樹のために、3000人のボランティアを募集中です。
申し込み締め切りは5月31日(金)。詳しくは森の長城プロジェクトの
ウェブサイトを御覧ください。

http://greatforestwall.com/p64.html

またはお電話でお問い合わせくださいね!

03−3273−8851(平日10時〜17時まで)

番組スタッフも取材に参ります。
現地でお会いしましょう!!
JFN38局結んでお送りする『いのちの森 voice of forest』。
この番組は、「森の長城プロジェクト」をはじめ、
全国に広がる植林活動や、自然保護の取り組みにスポットを当てる
プログラムです。各分野の「森の賢人」たちの声に耳を傾け、
森と共存する生き方を考えていきます。

今週は、海外…とくにアマゾンの森を良く知る方のインタビューをお届けします。
お話を伺ったのは、探検家で武蔵野美術大学の教授、関野吉晴(せきの・よしはる)さん。
アフリカで生まれた人類が、ユーラシア大陸を経て、南アメリカへたどり着いた
悠久の旅『グレートジャーニー』。関野さんは、その5万キロの道のりを
さかのぼる旅を成し遂げた方として知られています。

実は学生時代から南米を旅してきたという関野さんが、その目で見てきた
アマゾンの森林が持つ力、自然のしくみについて、色々教えて頂きました。



6万年前にアフリカで生まれた人類が、5万キロを経て
南米の最南端に行き着いたグレートジャーニー。
関野さんが、このグレートジャーニーをさかのぼる旅を考えたのは、
南米・アマゾンで出会った、現地の人々の「顔」でした。モンゴロイドと
呼ばれる彼らの顔は、私たち日本人と共通点が多いんだそうです。



「アマゾンに行くと、似ているわけですよね、日本人と顔が。
顔だけじゃなく背格好や仕草、性格もシャイなんです。

ラテンアメリカに住んでいるのにラテン系ではなくアジア系の人たち。
それは行く前からわかっていたんですが、やっぱり似ていて驚いた。

アマゾンに居る人たちのルーツは、
シベリアからベーリング海峡が陸続きだった頃にマンモスやトナカイを追いかけてアメリカ大陸へ渡ってしまった人じゃないかと。

残った人もいるわけだが南下した人もいるから、
そういう人たちだから似ているのは当たり前ですね。」

どうしてグレートジャーニーという旅を始めたのか、関野さんにお伺いしました。

「20年間にわたってアマゾンやアンデス、パタゴニアの先住民と付き合っているうちに、
この人たちがいつどのようにして、なぜやってきたのかを知る旅をしたいと思って始めたのがグレートジャーニーなんです。

ゴールはアフリカ。

アフリカで生まれてヨーロッパ、オセアニア、日本列島に来た人もいるけれど、
一番遠くまで行ったのがアフリカ発、シベリア、アラスカ経由、南米最南端。

その旅路をイギリス人考古学者がグレートジャーニーと名付けたんです。

南米の先住民たちがいつどのようにしてやってきたのかと言う発想でやってきたから逆ルートになったのです。

ルールを決めて、出来るだけ太古の人に想いを馳せながら、太古の人たちがどういう想いで旅をしたのか。

風や暑さ寒さ、臭いや埃を太古の人たちと同じように五感で感じながら旅がしたかったから、
自分の腕力や脚力でやった。

ただ、トナカイや犬やラクダ、ウマは昔の人も使っていただろうから、それを自分でくくれればいいというルールにした。
昔の人がやった旅がグレートジャーニーなので、僕がやったのはプライベートグレートジャーニー、マイグレートジャーニーと言った方が良いかもしれません。」



関野さんは、このグレートジャーニーの旅に出る前から、
何度もアマゾンを訪れています。

アマゾン川流域に広がる熱帯雨林の巨大な森林と、
そこで生きる先住民たちと接する中、関野さんが感じたことを伺いました。



「最初に感じたのは、森の中で周りを見ると同じ木を見るのに苦労するということ。

色んな木が生えている。
なぜかというと、同じ木が生えていたら根の張り方も同じで同じ栄養を取るため「つぶしあう」から。

違う木が生えることで、根の張り方も栄養も違うためお互いに譲り合って、こんもりした森が緑のじゅうたんの上にできるんです。

実はアマゾンの土は腐葉土が薄く貧しいが、植物が多様であることでなんとかなっている。
それが剥がされてしまう…大規模な農園を作ったり牛を飼うために木を全て切ってしまうと、直射日光があたり雨脚の強さで養分が消化されたり流されてしまうことで砂漠化してしまう。

それをアマゾンの人たちは上手く真似しているですよ。

木を全部切らないで、パイナップルやトウモロコシ、バナナやイモなど色んなものを植えるというのは、森の真似をしているということ。

焼き畑が悪いことだと言われるが、森を真似したやり方。この人たちは生態学者なのかと言うくらい持続可能な農法をやっているんですね。」


なんか、「森の長城プロジェクト」の指南役、
宮脇先生が唱えている「潜在自然植生理論」に似てるような・・・。

アマゾンの人たちは、

「森と同じように、色んなものを植えたほうがいいんじゃないか」と、
ずっと昔に気がついていたんですね。

その一方、関野さんは、
森の中で動物を狩り、木の実を取って暮らす先住民の生活も見ています。
そこで感じたのは、彼らと日本人の生き方・考え方の大きな違いです。

「彼らのすごいのは、足跡を見ていつのものか分かるということ。

ちょっとへこみがあるとどんな動物なのかもわかるんです。
バクを見つけると、バクは大体同じコースを通うので、それを追いかける。

動物によっては違う歩き方をする。弓矢で急所にあたってもすぐには死なない。血を出して歩いていく。

足跡と血痕を見ながら追いかけて、出血死するのを追いかけてとどめを刺して捕まえる。

だから森や動物をちゃんと知らないとと狩りは出来ないのです。

いつも同じじゃないから創意工夫、知恵、想像力が必要です。
アマゾンの民は、本当に狩りを好きでやっている。喜々としてワクワクやっている。

それは、農耕民とは違うんです。

農耕民は面白くない。
種をまいて苗を植えて雑草を取ってというのは楽しくない。

何か月後1年後の収穫のために今の作業をしている。

それが森の場合はその日のうちに木の実は取れるし、動物も魚も獲れる。
生き方が違うんです。

森に生きる人は今を大切にしています。
今を生き生きと味わって生きています。

ただし将来の夢みたいなものをもたないという傾向はあります。

我々の情報社会のもとは農業が基盤。
その影響が来ていて、将来のために生きている。
極端な話をすると小学校に入る前にいい小学校、中学校、大学、良い就職先、良いポストを願いますよね。

気がついたら「俺はなんのために生きていたんだ」ということになりかねない。

夢は持てるが下手すると未来ばかり見て生きて今を大切にしていないというところがある。
森の人間は、生きがいがないわけじゃない。

子どもたちを育て、みんなと仲良くやって歌を歌い踊る。生きがいはある。
ただ、それは遠い未来ではない。

今を大切にするという意味では森の人たちには敵わない。

僕たちには夢を持つ、生きがいを持つという違う到達点がある。
ただ、もうちょっと今を大切にした方がいいんじゃないかとも思う。」


なるほど〜〜!
「今を生きるアマゾンの民」と「未来の為に今を過ごす私たち」。

深いです!!

来週も、この続きをお送りしますね!

関野さんの優しい語り口を聞きたい人は、ポットキャストでお楽しみ下さい。


JFN38局結んでお送りする『いのちの森 voice of forest』。
この番組は、「森の長城プロジェクト」をはじめ、
全国に広がる植林活動や、自然保護の取り組みにスポットを当てる
プログラムです。各分野の「森の賢人」たちの声に耳を傾け、
森と共存する生き方を考えていきます。

今日は、5月2日(木)に宮城県仙台市若林区荒浜で行われた
森の長城プロジェクトによる、植樹祭の模様をお届けします。
東北の沿岸部300kmにわたる、森の防潮堤を作るこのプロジェクトでは、
今年、本格的に植樹がスタート。岩手県大槌市、宮城県岩沼市、
宮城県山元町(ちょう)などで、植樹が進んでいます。
今回の荒浜でも、たくさんのボランティアを集めて行われました。




荒浜地区は、2011年3月11日に発生した東日本大震災では、平野部としては世界最大級とされる高さ10mもの巨大津波に飲み込まれ、仙台市内に於いては特に壊滅的な被害を受けた地区です。

ガレキは既に取り除かれ、植樹会場となった国有地には、
ガレキと砂を混ぜたマウントが出来上がっていました。

場所は荒浜の「社会貢献の森」。
社会貢献の森、というのは、企業などの環境活動の目的で
国有林を活用した森のことです。

林野庁の「みどりのきずな再生プロジェクト」の一環として
行われた今回の植樹では、集まったボランティアの方々の手で、
およそ3000本の苗が植えられました。

参加者に植樹の指導をしたのは、森の長城プロジェクト副理事 
宮脇昭さんです。



「一番大事なのは命なんです。私たちはモノやお金だと思いがちですが、違うんです。
生きていることが最高の幸福です。

人々はこの平地が住みやすいから、移って来たんです。
だから、亡くなった方のための鎮魂の森を作りたいのです。

植樹した木はぐんぐん大きくなります。
そして、この森は次の自然災害、津波からここに住む人を守ってくれるでしょう。

土地本来のシイの木、タブの木、シラカシ、シロダモなど、森作りの三種の神器とも言える、
潜在自然植生を植えたいと思います。」

こうして植えられた木の種類はおよそ14種類!植えられたのは
番組で何度も紹介している、東北に元々合った樹木・潜在植生です。
そして海岸側には、潮風に強いマツ類も植えられます。



この森の長城プロジェクトですが、
次は、6月9日(日)に岩沼海岸で植樹を行います。
是非とも、植樹をしたい!と言う方はご参加ください。

詳細は、「森の長城プロジェクト」のホームページまで。

熊本県 八代農業高校さん
 が、森の長城プロジェクトへの協力活動の様子を番組宛にメッセージをくださいました。

去年東北で拾ったどんぐりを、今、ポット苗にすべく育てているそうです。

これからも、ぜひとも番組にメッセージを下さいね!

今週も作家で環境活動家のC.W.ニコルさんが理事長を務める
『アファンの森財団』の10周年シンポジウムの模様をお届けします。

今日は、その中から、アファンの森財団が宮城県東松島市でスタートさせた
「森の学校」作り『復興の森づくりと ニコルの森の学校プロジェクト』についてお届けします。

これは、東松島市や市民の方々の呼びかけを受けて始まったもので、
東松島市野蒜地区の高台に、元々あった森を活かした
子どもたちのための学校を作ろうという計画です。

宮城大学 事業構想学部の風見正三教授がお話をしてくださいました。
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高橋万里恵
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