先週に引き続き、宮城県南三陸町で始まったバイオマス事業のレポートです。

正式な名前は「南三陸バイオマス産業都市構想」。
これは、町から出た生ごみなどを南三陸BIOという施設で肥料とエネルギーに再利用する「バイオガス事業」、そして、町の7割を占める森を活用した「木質ペレット事業」。この2つの事業が核となっています。
そしてこの取り組みの中心を担っているのが、アミタという環境事業を専門とする会社と、地元・南三陸の様々な業種が繋がって生まれた合同会社MMRです。

◆合同会社MMRとは?
このバイオマス産業都市構想というのを町が国に申請して認定されたのが2014年の3月なんですね。こういうのってなかなかそれを実現するのは難しいんですよ。でも南三陸には「じゃあ俺たちがやる!」って言って主体的に動いてる人がたくさんいるんですね。

未利用資源って言われるような、そういう埋もれてる資源を全部が使われるような地域になっていけば自分たちが誇れる、とても誇りに思っている町ができるんじゃないかと思うんです。代を重ねて循環型社会の街を作っていきたいなという思いで、異業種の人が手を組んでひとつの会社を作ったのがMMRという会社です。

元々、街に良いこと、今から残っていくことをしたいっていう話で集まって、その中で話をしてるうちにバイオマス産業都市構想の中身を聞いて「あ、いいね〜。」っていいう話でお手伝いできることがあればっていうことで色々と今やってる感じですね。

地域の運送会社、建設会社、林業者として、バイオマス産業都市構想の中核事業のバイオマス事業と、木質ペレットの事業であれば、まさに合致するんじゃないかっていうところで、やってみようっていう会社立ち上げに至ってます。



お話を伺ったのはMMRの三人の方々。佐藤太一さんは林業、佐藤克哉さんは運送会社、そして山内利也さんは土木会社。異業種が連携することで、この大きなプロジェクトを推し進めています。

運送会社 山藤運輸の常務も務める、佐藤克哉さんに伺いました。

◆「ありがとう」という言葉がやりがい
南三陸BIOでできた液体肥料を地域の農家さんのところに運んで、散布も代行しています。液肥散布車っていうのがあるんですけど、キャタピラの農機具にタンクが付いてて、タンクにの液体を圧力をかけてバーッと噴き出して散布するような機械なんですけど、田んぼだとかネギ畑だとか小松菜畑なんかに散布しています。
そういった事業っていうのは一切やったこともないんですけど、やってる側からするとすごく楽しいんですよね。今まで運送業っていうのは物を安全に運んで当たり前、翌日着いて当たり前っていう世界ですけど、あんまりありがとうとかって言われる機会が少なかったんですよね。そういったところでやりがいっていうのがちょっと見えづらい部分だなとも思っていたんですが、この仕事を通して農家さんと直接触れ合って、ネギができたりとか、お米が採れたよっていうことで分けて頂いたりとかもしました。「こんなの採れたよ!ありがとね!」ってこう言われたときに、その言葉が何よりもやりがいに通じていますね。
農家さん達とすれば、やっぱり勇気がいった部分もあると思うんです。でも肥料灼けしないだとかそういった部分ではいいだろうっていうとこもあるし、「俺たちが出したゴミが、今まで捨てられてたのが戻ってきてるんだよな。」っていうのもある、理解してもらって使ってもらってる農家さんも多くいるので、そういった部分ではすごくいいのかなという思っています。


この液肥散布車は、南三陸の町の人が考えた「めぐりんちゃん」「メタンくん」という
キャラクターが描かれていて、ポップなかわいいイメージです。地元の産業まつりで展示をして、子どもたちにシートに座ってもらい、身近に感じてもらう…ということもしています。将来は、この散布車を運転したい、と子どもたちが思ってくれるような、誇れる仕事にしていきたいとMMRの3人の方はおっしゃっていました。
町から出た生ごみなどを、町で処理して肥料を作り、それを町の畑の栄養にする・・・この循環はすでに大きな広がりを見せています。

◆農家の所得を上げることにもつながっていく
やっぱり農家さんからすると、今までと違ったことをすることの心理的ハードルがすごくあるんですよ。だからそういう意味では、先陣切って「俺やるよ!」って言ってくれてる人がオピニオンリーダー的にやってくれて、それでいい結果が出たら周りの人が「じゃあ俺もやってみるか!」みたいなことで徐々に広がっていく。その輪がいま南三陸でもできてきています。1年目は35tだったんですが、2年目は80t、3年目の去年は150t、そして今年は2500tの大幅なジャンプアップで、おかげ様で足りない状態なんです。
この液肥は普通の肥料よりは安いんですよ。作物によっても違いますが、大体半額か、1/3くらい。しかも散布までしてもらえるので、そういうような経済的なメリットもあるし、今まで使われていなかったものを有効利用して地域資源の利活用ということもあります。そういう循環型社会の実現は、ブランディングということになるので、そういう取り込みをしてるだけでもPRになります。そういう意味ではこういう取り組みをすることが農家さんの農業所得を上げるということにも繋がっていくんじゃないかという期待をしてるんですけどね。


今回のお話、いかがだったでしょうか。来週も引き続き、南三陸バイオマス産業都市構想についてお届けします。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Tomorrowland / SALU
・Life Is Beautiful / 平井 大

来る6月26日(日)西畠清順さんがお庭をプロデュースする代々木ヴィレッジにて番組の公開収録を行います。
西畠さんの新著「はつみみ植物園」のお話や今話題の100年に1度しか花をつけない「センチュリープラント・アガベ」のお話など盛り沢山の内容です。
また当日は代々木ヴィレッジで月1回行われるGOOD SUNDAY MARKETも開催中です。

エコ&オーガニックな商品が勢ぞろい♪そのほかにも新鮮なお野菜などのマルシェ、ワークショップがお楽しみいただけます!
どなたでもご自由にご観覧いただけますのでどうぞお誘い合わせの上ご来場くださいませ。


[開催日時]
6月26日(日)11:30-12:30(雨天中止)

[出演]
西畠清順、高橋万里恵

[料金]
無料

[場所]
東京都渋谷区代々木1−28−9
代々木ヴィレッジ ボトルツリー前
http://from-sora.com/access/


[放送日時]
7月17日(日)、24日(日) am7:30〜7:55放送予定
※各局で放送曜日・時間が異なります。詳しくはコチラ

[お問い合わせ先]
そら植物園
今週のいのちの森は、宮城県南三陸町で始まったバイオマス事業のレポートです。

バイオマス…木材やゴミなどを利用した再生可能エネルギーに使われる言葉なんですが、南三陸ではいま、このバイオマスを利用して、森・里・海、そして人を繋ぎ、地域の資源を循環させるための取り組みがスタートしているんです。

東日本大震災で、大きな被害を受けた南三陸町は、震災直後に示された復興計画に
「エネルギーを、できるだけ地域で賄えるように備える」という方向性が示されました。これは、被災直後に電気やガス、灯油など暖を取るためのインフラが全て断たれたことを、教訓としたもの。
そして生まれたのが「南三陸バイオマス産業都市構想」。南三陸の自然と人々の力で、資源を地域の中で循環させようという構想です。
今回その構想から生まれた南三陸のバイオマス施設を訪れ、運営会社であるアミタ株式会社の櫛田豊久さんにお話しを伺いました。

◆未来に誇れる南三陸町のまちづくり
南三陸の特徴はと聞くと、ほとんどの人は森、里、海がコンパクトにまとまっていること、と答えると思います。降った雨はみんな南三陸の土地を通って南三陸の海に流れる。じつはこれって全然当たり前ではないんです。
南三陸町の場合は隣の街との境目がみんな分水嶺で囲まれているので、降った雨は全部南三陸で循環していく。いわば地球の縮図なんです。そんな街だからこそ、「森・里・海循環型の地域モデル」が作れるんじゃないかと思い、それを目指したのがバイオマス産業都市構想です。国に対し申請して承認されました。バイオマス工場と木質ペレット施設で地域の中にあるものを地域の中で循環して、できるだけエネルギーや資源を地域の中でまわしていくという、自立分散型の構想です。
南三陸町は「海の街」と言われているが、じつは7割は森です。その中で「材」として使われているのは半分ぐらいで、残りは森に捨てられたりしている。そういったものをうまく地域のエネルギーとして使っていくというのが「木質ペレット事業」です。
もう一つはバイオマス事業。生ごみとかうんちとかおしっこを微生物の力で分解して、ガスを発生させて、電気と熱に変える。そして液体や肥料も作り出す。この施設は生ごみを微生物が分解したガスで発生したエネルギーで賄い、余った分は東北電力に売電しています。残りは南三陸の農家さんで肥料として使っています。南三陸の液肥はミネラル分がたくさん入っていて優秀だと専門家に言われました。魚や海の生ごみが入ってきているから、山のほうの液肥よりもいいというんですね。山や海が健全なら、地域の中で好循環ができる。人と自然が折り合えるような、共生できるようなしくみをつくるのが循環型の一つの要素ですね。


ということで、南三陸町ではすでに、地元の木材を使ったペレットという燃料で、ボイラーを動かす施設もあるそうです。
そしてもう一つ、バイオガス事業なんですが、こちらも去年10月から実際に、町内の家庭から出る生ごみの分別が始まっています。この生ごみが、地域で使うエネルギーになるんですね。

◆バイオガス事業
去年の2015年の10月から、今まで燃やして焼却してた生ごみを分別してもらうことでエネルギーと肥料に変えようというバイオガスの工場を始めました。ここに持ってこられたみなさんがちゃんと分別してもらったごみは100%資源になって、ここからごみは出ないというすごい施設なんですよ。それが南三陸にあるというのはすごく誇りです。
バイオガス施設というのは、メタン菌という菌がいて、人間の腸内細菌みたいなもので、人間の消化システムと同じようにメタン菌が有機物を分解します。しかし、例えば梅干しの種とか卵の殻とか、一見生ごみっぽいやつでも人間が食べて消化できないのと一緒で、バイオガス施設にいるメタン菌も消化できないんですね。とするとそれは分けてもらわないといけないんですよ。今なかなかそれが十分量的には物は集まってなくて、それがひとつの課題です。

この間、小学校の授業で、給食がエネルギーと肥料に変わって、またその肥料からお米とか野菜が取れてみんなのとこ戻って行くんだよっていう話をしたんですが、その子たちが10年後20年後になって大人になったとき、今学んでることが当たり前の時代になると思うんですね。そうすると時代の最先端を南三陸町の子どもたちは走るということになるので、それを今から楽しみにしてるんです。
こういうのを徹底的にみんなが主体的に取り組んで、「すごい楽しそう!」って言われるようなところまでいけば、南三陸ってすごいじゃない!ということになると思うんです。震災後の人口減少を食い止める策としては、やっぱり誇れる街にするっていうことと、新たな産業を生み出して働く場所を確保するということです。外に出ていってるお金を徹底的に中で回していって、新しい産業を生み出してっていうことがやっぱり必要なので、それが雇用の創出なんかに繋がってると思うんですけど、それをトータルに表現したのがこのバイオマス産業都市構想というとこなんですね。


このバイオガス施設、名前だけ聞くとすごくハイテクな印象ですが、運営会社アミタ・櫛田さんによれば、「タンクにメタン菌を住まわせて、菌の力で生ごみを分解するだけ。実にローテク、シンプルな施設です」。ということなんですね。つまり腸内細菌のように、私たち人間が菌の力を借りているというようなイメージでしょうか。

今回のお話はポッドキャストでも詳しくご紹介しています。
こちらもぜひお聞きください。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・1.2.3.4. / Feist
・10/10 / Paolo Nutini

きょうは番組で継続的にお伝えしている、東北沿岸部を中心に広がる「森作り」のレポートです。
今回取材したのは、5月末に宮城県岩沼市で行われた「千年希望の丘・植樹祭」。
東日本大震災で発生したがれきを利用して小高い丘を作り、そこに苗木を植え、津波から命を守る森の防潮堤を作るというこの取り組み、各地に広がりを見せていますが、岩沼市の植樹祭は今回で4回めとなります。岩沼ではこれまでにおよそ15万本の苗木が植えられ、市の沿岸部は、着実に森が育ち始めています。
そして今回は10万本の植樹!会場には、地元・岩沼市はもちろん、全国からたくさんのボランティアの方々が集まり、最高のお天気のなか、植樹が行われました。
番組パーソナリティ高橋万里恵さんも植樹に参加。会場にいらっしゃった、森の長城プロジェクト・理事で日本文学者のロバート・キャンベルさんと一緒に苗木をえてきました!


◆森の長城プロジェクト理事 ロバート・キャンベルさん
それぞれタブの木やシラカシ、アカガシなど、東北に元々ある植生を選んで発芽させるんだけど、同じものが並ばないように苗を用意しているんですね。僕はいつも面白いなと思うのは、種類が違ってても同じ種類であってもみんな表情が違うんですよ、一つ一つ。例えばタブの木だと、ツヤツヤしてて、ちょっと黒っぽい葉っぱだけど、すごく強そうで「伸びたい!」って子と、なんかできたら教室に戻りたい、外であんまり遊びたくないっていう子と、それを植えてると感じられるんです。10mくらい離れて見るとみんな同じように見えるんだけど近くで見ると違う。これは植樹しないと多分永遠に多分わからないですね。


今回の植樹祭には、キャンベルさんの他、石井竜也さんや石川さゆりさん、新山詩織さんといった歌手の方も参加。フリーライブがあったり、会場にはご当地グルメが楽しめるフードコート、子どもたちが遊べるキッズスペースがあったりして、地域の大切な行事として、根付きつつあるなあという印象をもちました。

植樹には予定を超す12,000人もの人が全国から集まりましたが、地元の方々もたくさんいらっしゃいました。震災からまる5年。どんな想いでこの植樹祭に参加されたのか伺いました。

◆有限会社大友葬儀社、大友浩幸さん
私は地元岩沼で生まれ育ってもう54年目です。ここにも家があったんですよ。うちのお客様も多数いらっしゃいました。かなりここの地区の方も被害があり、死者も出てます。岩沼市民においては180人くらいの方がお亡くなりになっております。私どもでもお世話をさせて頂きました。やはりこれからの未来を据えての防潮堤ですから、この千年希望の丘っていうこの名称の通り、みなさん良い方に考えてるんじゃないかなと思います。


◆株式会社ささ圭 佐々木圭亮さん
工場は海に近いものですから流されました。家も流されましたので、これはもう終わりかなと、その当時は思っていました。朝起きても嬉しくないんですね。今日一日これやろう、この日はなんだろう、次の日なんだろうってスケジュール見るんですけど、スケジュールが真っ白なわけですよね。でもやっぱり何か仕事しなきゃいけないと思って。
たまたま工場の跡地に笹かまを作る金属のくしがあるわけ。2000本あったのかな。砂を掘るといっぱいでてくるわけですよ。それを見て「あ、やらなきゃいけないんだな。」っていう思いが上がってきて、それで手作り笹かまぼこを作って、それから工場建設っていうようなことになったんです。
やっぱりこの沿岸部に木はあった方がいいですね。早く大きくなれと思いますけどね。いろいろな木があるので、鳥が来るだろうし、鳥が来れば小動物も来る。まあいろんな虫はもちろん来るんでしょうから、すごく環境の良い林になるんじゃないですかね。



震災からまる5年。岩沼市は集団移転が進み、今年プレハブ仮設住宅で生活する人がゼロになりました。宮城県内では、最も早くプレハブ仮設が解消した自治体となりました。
植樹祭の雰囲気もそうですが、本当に生活再建と、千年先の未来へむけた、新しい町づくりが始まっています。


ちなみに、この植樹祭にも協力している「森の長城プロジェクト」は7月から「鎮守の森プロジェクト」と団体名を変えて、活動を続けていくことも、このイベントで発表されました。
http://morinoproject.com/

この植樹祭の模様はポッドキャストでも詳しくご紹介しています。
こちらもぜひお聞きください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Everyday Everynight / Russian Red
・I Wish You Would / Taylor Swift
今週も東京の真ん中にある森、明治神宮で行われたイベント「アースデイ いのちの森」のレポートです。

このイベントは、東京の真ん中で森と向き合い自然とともに生きることを考える場づくりとして 毎年行われているもの。今日はその中から、明治神宮の森で50年ぶりに行われた生物調査の座長を務めた、東京農業大学の元学長で、福井県立大学の学長、進士 五十八さんによるトークセッションの模様をお届けします。
進士さんは、ランドスケープ…日本では「造園」と呼びますが、この分野の学問において、リーダーのような存在。そして明治神宮の森の「いま」を最もよく知る方でもあるんです!

 明治神宮にみなさんお参りになってわかるでしょうけど、本当にすごいでしょ?あれは生き物の力ですよ。これだけの森があるとね、いろんなドラマが展開するっていうその一例でしょうね。ただこの森は特別の森ではないんですよ本当は。みんな特別だと思いすぎるけどね。森はみんな同じですよ。いろんな命がたくさんあってね。ただ東京にないから希少価値があるんですね、特別のね。
 神宮の中の表参道のところにちょっと橋があったでしょう。あの下を流れてる川が渋谷川の源流ですね。渋谷の駅の方行くとね飲み屋街があって、あの後ろをずっと流れてるわけね。あれが外苑の国立競技場の脇を通ってるわけですね。今は埋めてあるけどね、掘っくり返せば川が下にある。そういう風に繋がってるわけ。だから川をまずちゃんと復活させて、川の側へ木を植えれば水と緑の血管が街の中へ入る。人間は血管と神経が体の隅々まで通ってないと健康が保てない。だから街もね、東京の健康は水の血管と緑の血管が隅々まで行くべき。昔の川とかは全部そうなってた。もう今コンクリートにしちゃって、使えるところを全部道路にするからダメなんですよ。だからこれから東京はもうちょっと小さくなった方が良いね。
 私の仕事はランドスケープっていうんですけど、元々はニューヨークのセントラルパークが始まりなんですよ。僕らの専門が生まれたのはね。それはね、やっぱり都市化が進んで工業化が進むと、人間おかしくなる。都会に人が集まって暮すとみんなおかしくなるっていうのを気がついた人がいて、それでセントラルパークを造った。人口60万の時に320ヘクタール造ったんだから。ここの3倍。だから日本はいくら頑張ってるって言ったってまだまだだめなんですよね。そのくらい緑が必要で、でもそういうのモデルにして、内苑と外苑の間をずっといちょう並木でつないだでしょ?緑と水は繋ぐのが基本なんですよ。繋がないとだめ。ひとつずつポンポンってあっただけじゃ生き物が移動できない。魚でも小動物でも、緑が続いてればずっと繋がるでしょ。すごく行動範囲が広くなると健康になる。人間もそうでしょ?小さな部屋にじっといたらみんな病気になっちゃうでしょ?鳥もそう。巣だけあったってだめ。えさがあって広い行動範囲が必要。そこをみんな忘れてるの。だから今の都市は便利にだけしてコンパクトになってりゃいいと思ってる。じっとしてたら生き物じゃないです。もちろん静かで安心できる場所も必要。だけど日中は行動的じゃなきゃいけない。それで健康が維持されてるんだから。本当の都市ってそういうもんですよ。
 ちょっとひとつおもしろい話をしますね。明治神宮の外苑の表参道は銀杏並木です。あれはこの明治神宮の全体の技師がいました。折下吉延という人なんですけどね。我々の大先輩です。それでね、当時はみんな苗木は自分で作った。植木屋に売ってないから。その時に銀杏も3000〜4000種を蒔いたそう。それで良い苗木はみんな他へ持っていっちゃったらしい。残り物のどうしようもない苗が300本あってそれが外苑の銀杏並木です。
つまり何が言いたいかっていうとね、見捨てられたやつだって頑張れれば頑張ってるっていう話です。自然のものっていうのはそういうことがいっぱいあるんですよ。都市型の社会っていうのは競争社会でね、エリートだけが行くっていう風にみんな思ってるわけ。落ちこぼれからもっとちゃんとしたものになっていくっていうことはいっぱいあるってことです。普通の街路樹8メーター間隔なんだけど、外苑の表参道もっとゆったり植えて、将来を見てね。するとあれだけ立派な銀杏並木ができるんですよ。僕が言いたいのはね、森から何か学べることがあるんですよ。人の生き方としてね。
 だから何もないところだって森は作れるし、いろんな種類を混ぜておくと、時間が本物の森に育ててくれる。大家族制ってそういうこと。僕はそういうことを学んでほしいですね。
 もう明治神宮の森は実は100年経ってます。100年が2020年って言ってるのはね鎮座からで、工事はその前からずっとやってるわけ。だから既に100年経ってるんですね。当時の人は150年先まで予測したけど、それは当たるかどうかわからないでやってた。でもその予測が当たり過ぎちゃって、今は150年先の予測に近い状態になっちゃったわけです。これも日本の自然の凄さってこと。条件が良ければどんどん育って、だから明治神宮はもう既に30〜40m近い木が育ってるわけです。条件が良くて、まわり中、森でしょ。森の中にいる木は安心ですよ。都会のいやらしさとか排気ガスに晒されてるのはそうはいかない。やっぱこれだけまとまるとね。
 だからこれを植物社会といいます。植物にも社会がある。人間はみんな人間社会と思ってるけど、植物も植物社会ですよ。だからいろんな木がいろんな種類が助け合って上手く生きてる。でも原理は簡単で、いろんな種類を集めておけばいい。生物多様性ということです。


今回のお話いかがだったでしょうか。このトークセッションの模様はポッドキャストでも詳しくご紹介しています。こちらもぜひお聞きください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Can’t Stop The Feeling! / Justin Timberlake
・TOKYO feat. SEKAI NO OWARI / OWL CITY

オープニングトークで万里恵さんが話していた、うにと衝撃のほやたまご!
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高橋万里恵
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