今週も先週に引き続き九州・大分県、宇佐神宮で行われた「鎮守の森の教室」のレポートです。
1000年以上の歴史を持つ宇佐神宮と、その鎮守の杜。
本当に、神聖な空間という感じがして素晴らしかったのですが、きょうは、宇佐神宮の鎮守の杜が、なぜ神々しいのか。その理由についても専門家の方に伺いました。

◆湿度が森の荘厳さをつくる
これもイチイガシですね。こんなにイチイガシが見られるところは他にはあまりないです。宇佐あたりは海が近いので、霧が出やすいと思うんですよ。で、林内に霧が入ってくると、林内の湿度が高くなりますよね。そうすると、コケが生えたり、着生植物が生えてきたりして、ますます森の荘厳さが増すんですね。
この丸いのはマメヅタというシダです。着生植物ですね。これも非常に多いですが、これもまた湿度が高いことを物語っています。今日は霧ですが、こういのが木につくわけです。で、結露するわけです。そうすると、地面だけでなくて、幹にもたくさんの植物がつくんです。


東日本大震災をきっかけに、災害から命を守る「森の防潮堤」づくりを続ける 「鎮守の森のプロジェクト」。この団体は全国の神社にある「鎮守の森」を森づくりのお手本にしています。
ということでこの団体の企画で、一年ぶりに行われた「鎮守の森の教室」。参加者一行は、宇佐神宮の境内から本殿へ向かう階段を上り、1000年前からそこにあるという森の存在感に圧倒されながら先へと進みました。
そして本殿に到着し参拝を済ませ、神社の神職の方から、このお社の歴史を教えて頂きました。

◆宇佐神宮の歴史
じゃあ、みなさんお集まりください。ご一緒にお参りしたいと思います。二拝、それから宇佐神宮では四つの拍手をします。手を合わせて、右手を少し下げて、四回叩いていただきます。で、戻していただくと、とてもプロっぽく見えます(笑)。そういうふうにしていただけると、あの人違うなってお宮の人に思われますので、今後してみてください(笑)。で、最後に一拝をします。
文化庁の調べによりますと、お社は全国に約12万社あるといわれています。そのうちの3分の1の約4万社が八幡系の神社といわれています。その総本宮が、この宇佐神宮ということでございます。ご覧いただきましたらわかりますように、御殿が3つあります。一之御殿が八幡大神様、応神天皇様をお祀りしています。そして二之御殿が比売大神 。こちらは元々この地にいらっしゃった神様を二之御殿としてお祀りをしております。そして三之御殿が神功皇后様、応神天皇様のお母様をお祀りしています。
八幡大神様がこちらのほうに現れましたのは、飛鳥時代でございまして、571年ですが、現在の社務所の前にある、池のほとりの笹の葉の上に、三歳の童の姿をして、ご出現されたという記録がございます。それからこちらの方にお祀りをしているということでございます。
この宇佐神宮は、伊勢神宮に続く第二の宗廟といわれています。また、伊勢神宮では約20年に一度遷宮が執り行われると思いますけれども、この宇佐神宮では、室町期に廃絶しましたが、33年に一度、遷宮をしていたという記録がございます。そして、この御殿ですが、安政年間の建物で、三殿とも国宝に指定されています。


あいにく雨がぱらつく天気でしたが、しっとりとした森、霧ふかい雰囲気。より神聖さが増した雰囲気で、結構、こういうお天気も鎮守の森を散策するにはおススメです。
ということで、およそ2時間半の散策を終え、森の教室を受講した証として、「修了証書」をいただいて教室は終了となりました。
最後に、この教室のガイドを務めた若手研究者、東京農業大学 特別研究員で 鎮守の森のプロジェクトの、西野文貴さんのお話です。

◆人間の手ではつくれない神々しさの森
この場所は、文化的に見ても、また、自然の植生から見ても、とても重要な場所です。元々あった森をできる限り手をつけず、ずっと自然のまま残しましょうというやり方なので、歩いてみると、参道の横から見ただけでもジャングルっぽいと感じると思います。高木、亜高木、低木、草本の四層構造がきちっと揃ってる、生態系が豊かな森だと思います。
ここにはイチイガシがたくさんありますが、土地がすごくいい場所に生えやすいのがイチイガシです。大きいものですと20〜30mくらいありますね。大きくなればなるほど、まるで波紋のような形が出てきたりだとか、大きな樹皮がベラっと剥がれるような、そしてそれに相まって神々しさが出てくるような感じがしますね。
明治神宮の森をつくった本多静六さんが考えたコンセプトの一つ、”永久に続く森”というのは、やはり鎮守の森のことであって、そのような自然があるところはやはり、僕らは神々しさを感じるようになるのかなとも思っています。それとともに、日本の自然が、時間をかけてゆっくり創りあげた、人の手では簡単にはつくれない神々しさです。
大事なのは木だけではないし、昆虫だけでもないし、鳥だけでもない。やっぱり生態系がきちっと循環した森というのを、いま人間は欲しているし、目指しているんじゃないかと思います。


今回のお話、いかがだったでしょうか。今回の「鎮守の森の教室」の様子は、ポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、こちらもぜひお聞きください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Bull Rider / Norah Jones
・Joanne / Lady Gaga
今週は、九州・大分県からのレポートです。
今月のはじめ、大分県宇佐市にある宇佐神宮を会場に行われた、「鎮守の森の教室」というイベントの模様をお届けします。

このイベントは、番組で継続的に取材している「鎮守の森のプロジェクト」が企画したもの。
東日本大震災をきっかけに、災害から命を守る「森の防潮堤」づくりを続けるこの団体は、名前の通り、日本各地の神社にある「鎮守の森」の多様性、災害から命を守る役割を、活動のお手本にしています。
そして、今回 会場となった宇佐神宮は、本殿が国宝に指定されていて、1300年の歴史を持つ神社。お社を囲む鎮守の森も、大変古くからそこにあると言います。
というわけで会場にいらっしゃった、鎮守の森のプロジェクトの理事で日本文学者 ロバート・キャンベルさんにうかがいました。

◆1000年前から守られている森
「鎮守の森」っていうと神社っていうイメージがあると思うんですが、全国に祠(ほこら)とか、小さな神社の周りに、ちょっとした森があったり、林があったり、それが色んな場所にあるんです。宇佐神宮というのは、1000年以上の、とても古い社なんですね。全国の八幡宮の総本部というふうにいわれているもので、すごく古いところですね。ですからここにある森というのは、この土地の特徴であったり、植生のいちばんの標本。もちろん、人間の手は少し入っているでしょうけれども、自然に近い形でずっと守られている場所なんですね。
去年、明治神宮で同じように森の教室を開きました。今回はそれの第二弾ということで、ずっと太古からある自然の中を同じようにエキスパートと一緒に歩き、自然について考えようということですね。



去年「鎮守の森の教室」が行われた明治神宮の鎮守の森は、100年前に、当時の植物学者たちの叡智を結集して作られた「人工の森」。
一方、宇佐神宮は、人の手は多少入っているにせよ、歴史はずっと古いということなんですね。
ということで私たち参加者は、今回の案内役・東京農業大学 教授の鈴木伸一さんのガイドで散策をスタート。
最初に教えてくれたのは、境内に入ってすぐ。どこからともなく漂ってきた、不思議な匂いのお話でした。

◆常緑広葉樹も葉を落とす
この匂いの正体はあそこにあります。あそこに白い小さい花がありますね。ヒサカキの匂いがこの匂いです。プロパンガスの匂いにちょっと似ていて、この時期になるとガス屋さんにガス漏れしてるという通報がよくあるそうです。常緑ですので、東北にもギリギリありますね。これが森林の中に入って、咲きます。よく生け垣とか植え込みにも使いますけれども、本来は常緑広葉樹林の低木層をつくっている樹木ということになります。
常緑広葉樹ってずっと葉をつけていると思われていますが、じつは常緑広葉樹も葉を落とします。あそこにあるのはクスノキですが、枯れているように見えますよね?あれは決して枯れているわけではなくて、葉を落としているんですね。いま、綿をかぶったように白っぽく見えていますが、あれが新芽なんです。あれが急速に伸びていきます。葉が落ちるときは一斉に落ちるので枯れ木みたいになっちゃうんですね。あれはアラカシですが、アラカシは関東では5月から6月ころに一斉に、あっという間に葉が落ちます。ですから、クスノキにとっては新緑の季節をむかえているわけです。常緑は、じつはずっと葉をつけているわけではなくて、ちゃんと更新しているんですね。
明治神宮もほとんど常緑でできているわけですが、特殊なくまでを使って参道を掃いている方がいますが、明治神宮ではそれを捨てないで樹林の中に戻すんですね。それは本多静六先生の教えで、森から出たものは森から出すなということで、落ち葉一枚たりとも外には出すな、ということがずっと100年続いているわけなんですね。


本多静六さん・・・明治神宮の鎮守の森づくりを手掛けた林学者です。
そして参加者一行は、森に囲まれた境内を進んでいったのですが、本殿へ向かう階段の手前には、宇佐神宮の鎮守の森を象徴する、とても希少な木が 私たちを待っていました。

◆イチイガシ
ここは祓所と呼ばれるところです。神主さんたちが、祭典の際に、御本殿に行く前にここで祓いの行事をします。神社ですと必ず大麻(おおぬさ)で三回お祓いを受けますよね。その儀式を神主さんたちはここでして上がられるという場所です。そういう美しい場所なんです。


ここに水辺がありますよね。水の周りにイロハモミジをよく植えますね。滝と緑が合っていて、この時期すごくいいですよね。カエデ類は、特にイロハモミジやイタヤカエデは少し湿ったところが好きで、川沿いなんかにカエデは多いんですね。だから、ここはちょうどいい感じでしょうかね。水辺にカエデってきれいですよね。

この大きい木は何でしょう。イチイガシです。イチイガシというのは、材質がカシのなかでいちばんいいからイチイガシと呼ばれているという説と、いちばんいい場所に生えるからイチイガシと呼ぶという説などがあります。そういう木ですから、早くから利用されてしまったということもあって、いまはこのイチイガシは非常に貴重な木になっています。
イチイガシは樹皮が特徴的です。段々割れて、禿げてくるんです。他のカシには無い特徴です。これはイチイガシの葉です。イチイガシの葉は裏にびっしりと短い毛が生えているのが特徴です。



今回のお話、いかがだったでしょうか。ポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、こちらもぜひお聞きください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Can't Stop Feeling / Nicole Cross
・桜 Super Love / サニーデイ・サービス
来る4月23日日曜日、東京・渋谷の明治神宮で行われる「アースデイ いのちの森 2017」にて、いのちの森 voice of forest番組公開録音を行います!
日時 : 2017年4月23日(日)12:00〜
場所 : 東京 明治神宮 西芝池会場ステージ
※雨天の場合は明治神宮参集殿にて行います

どなたでもご覧いただけますので、ぜひみなさま、お誘い合わせのうえ、ご来場ください!

宮城県・東松島市にこの春 開校した森とともに学ぶ小学校、「宮野森小学校」で行われた、町の未来を考えるシンポジウムの模様、先週、先々週とお伝えしてきましたが、今週は、シンポジウムに続いて行われた、ライブの模様をお届けします。

まずはニコルさんがこの日のために作った詩の朗読です。オール木材の体育館で木の香りに包まれながら 、その声に聴き入りました。


学校は津波で破壊された。
海はもうすぐそばまで迫ってきた。
子どもも先生もいない。
寂しいなあ。
ずっと向こうの海の上、白鳥の群れが飛んでくる。
学校の真上を通って、美しい、逞しい羽で風を切る。
ヒュー、ヒュー、ヒュー。
白鳥が帰ってきた。
もう寂しくない。

瓦礫の街を歩いた。
ほとんどの家はメチャメチャに壊された。
一軒、たったばかりの立派な家が、いたずらな巨人の手によってグシャっ。
マッチ箱のようにこっぱみじん。
波の力は恐ろしい。
なんて悲しいことだ。
その家の家族のみんなはどうなったかな。
寂しいなあ。
でも、この間、同じ街を歩いた。
日本一のカキフライ定食をごちそうになった。
もう、寂しくない。

丘の上の暗い森。
長年、放置されて木々が混みすぎて、鳥も花もほとんどいない。
寂しいなあ。
しかし、みんなと一緒に間伐をした。
貧弱な木々を切り出して、藪を刈った。
下まで光が通ると、春に花がいっぱい咲いた。
小鳥のさえずり。
カエルの合唱団。
暗かった森が明るくなって、賑やかになった。
もう、寂しくない。

田んぼに塩水がかかって、もう米は作れないと言われたそうだ。
寂しいなあ。
しかし、次の年、青々とかわいい稲がちゃんと田んぼに顔を出してくれた。
おいしい米もできた。
もう寂しくない。

新しい街をつくるために木々が切られて、山が激しく削られた。
毎日、朝から晩まで、重機の音がガンガン、ガタガタ。
しかたがないけど、うるさい。
森の動物達はみんな、逃げただろう。
寂しいなあ。
しかし、やっと工事が完成して、静かになった。
たぬきがノコノコと出てきて、空の上にはオオタカが飛んでいる。
新しい駅ができた。
そろそろ家も建てられて、街の人たちも戻ってくる。
もう寂しくない。

地震と津波で亡くなった家族や友だちを思い出すと、きっと寂しいなあ。
しかし、楽しい思い出もいっぱいある。
彼らのことを決して忘れない。
そう思うと、もう寂しくない。

新しい学校ができた。
光と杉の木の香りでいっぱい。
とっても楽しい学校だ。
子どもたちの笑い声が学校中響き渡る。
それを聞いている森の小鳥たちも間違いなく喜んでいる。
寂しい。悲しい。辛いことがたくさんあった。
でも、子どもの笑い、小鳥のさえずり、海の風とともに飛んでゆく。
もう寂しくない。



そしてこの森の学校、校舎は完成しましたが、校舎の背後にある里山を使った「復興の森」は、まだ完成していません。アファンの森財団、野口理佐子さんに伺いました。

◆森づくりのこれから
復興の森に、一番最初にシンボルとなるツリーハウスを2012年に建てました。三階建てのツリーハウスで、完成したときは子どもたちが喜んでくれて、そこで授業をやったりしました。そこを起点に尾根沿いに登ると、頂上にサウンドシェルターがあります。ゆっくり森の音を聞き、自分を見つめ直す、心の声を聞いて、ゆっくり出来る場所をつくりたいというニコルの声を実現したものです。そこからもう少し歩くと、尾根沿い突き当りに馬の蹄展望デッキがあります。そこからの見晴らしが、海が見えてとてもきれいに見えます。今までその3箇所が森の教室としてあったのですが、さらに学校と森の間にある谷に、地形を利用した森の劇場を作るというのが、最後の復興の森の教室づくりです。それができると、子どもがもっと森に行きやすくなる環境になります。森を使ってどんな学校の授業が日常的にできるのかとうのは、これからが実験です。私たちだけでなく、地域の人と一緒に森をどう作るかというのが、これからた大切かなと思っています。



今回のお話、いかがだったでしょうか。C.W.ニコルさんのとても素敵な詩の朗読はポッドキャストでもお届けしていますので、こちらもぜひお聞きください。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・ハッピーラッキーデイ(「森の学校 音楽会」より) / D.W.ニコルズ
・春風 (「森の学校 音楽会」より)/ D.W.ニコルズ
今週は、先週に引き続き、宮城県・東松島市からのレポートです。
この春に開校した、森とともに学ぶ小学校「宮野森小学校」で行われた、「ひがしまつしま ひと・しごと・にぎわい創生シンポジウム」の模様をお届けします。
会場はこの春に開校した「宮野森小学校」のオール木造の体育館。東日本大震災による津波で被災した東松島・野蒜地区に新たに生まれた森そのものを学びの場にした小学校です。

シンポジウムの大きなテーマは、自然をキーワードにした東松島市のこれからの観光。
この地区の豊かな自然に魅せられた、作家で環境活動家 CWニコルさんや、観光マネジメントに詳しい東洋大学大学院 客員教授の中村賢一さんなどが、観光資源としての東松島の魅力を語りました。
まずは中村さん、ニコルさんのお話です。

中村賢一教授 : まず私がみなさんにお伝えしたいのは、観光の概念が日本で変わりつつあるということです。外国人が来ていないときの日本の典型的な観光・・・風光明媚なところを見ておいしいものを食べる。これが既存の概念の観光です。ですから、観光政策はどの自治体もそれに沿って政策立案されています。
しかし、外国人の旅行概念は全く違います。外国にも風光明媚なところはいっぱいあります。日本だから来るわけじゃないんです。じゃあ、なぜくるのかといえば、日本の文化や人に触れるためです。
いま、我々が受け入れていた観光の体制が岐路に立っています。地元に暮らしていると自然はあたりまえですよね。海も森もあるのが当たり前で、これって観光資源なのか?と思うかもしれませんが、世界から見るとものすごい観光資源です。ヨーロッパの都市部に自然はありません。東南アジアの国々は乱開発で自然が保護されていない。でも日本は自然が保護され手入れされていますし、おもてなしが良い。こんな良いところはほかにありません。世界的には観光的にすごい資源だと理解してほしいんです。
じゃあ東松島はどうでしょうか。アファンのような取り組みが起爆剤となり、世界から人を呼ぶ観光資源を作れるのではないでしょうか。旧来の観光ではなく、概念を変えて、市場を世界に広げる取り組みがヒントになると思います。

C.W.ニコル氏 : 震災後に東松島に来て、悲しいことをいっぱい見ました。でも、「ええ!?」ということもいっぱいみました。田んぼに海が入り、そこに鳥たちが、何百羽の白鳥が来ていました。オスプレイ(みさご)が観られるのは外国人にとってすごいことです。湿地帯を作れば必ず外国の客が来ます。そして、鳥が大好きだからみんな静かです。そして、たぶん一泊ではなく、もっと滞在します。
その話を元英国大使、英国野鳥の会のトップに話したら、来日して、「ここを湿地帯にしたら数年後にラムサール条約に入るだろう」といいました。その実現にはそんなにお金がかかりません。そして水鳥がいっぱいいるということは、小魚もいっぱいいるということです。魚の幼稚園になりますよ。山から綺麗な水が流れてきて混ざったところが水鳥は居心地が良いんです。水鳥がとまり糞を落とすと、畑も田んぼも豊かになります。遠浅・湿地帯・川。それらを大事にしたら漁業も良くなり、集客になります。良い客が来ます。ぜひそれを推していきたいですね。



そして今回は、シンポジウムの直前に。東松島の観光を考えるということで、東松島を散策するツアーが参加者を募って実施されました。
そのコーディネーターを務めたのが、冒頭にお話していた東洋大学 大学院 中村賢一 客員教授。実際にコーディネートしてみて感じた東松島の魅力を、こう語りました。

きのうは、小さい拠点でも、あっちこっちをぐるっと回ってみたらどうかというツアーを組んでみました。スタートは、東京から来ることを考えて、野蒜駅11時集合でスタートしました。最初に伝承館へ行って、個人で里山に避難所を作って70人が助かったというところにお願いして、実際の話を聞くというのをやりました。里山のあとは、すぐそばの海鮮堂で美味しい牡蠣を頂き、嵯峨渓の遊覧船に乗船しました。普通の遊覧船はぐるっと回っておしまいですが、嵯峨渓の目の前をゆっくり走りますし、それに船頭さんの巧妙な語り口。あれは価値のある遊覧船です。そして、ディスカバリーセンターで世界最先端の情報を見せてもらい、最後はアファンの森のツリーハウスの見学をするというコースです。5時に野蒜駅解散でした。
それぞれの場所は30分〜1時間の滞在ですが、組み合わせて、ぐるっと周遊コースでつなげる。そのなかには縄文村歴史資料館もありますし、宮戸八景というものもあります。そういうコースも組み合わせればできる。地元の歴史や文化が残っているので、組み合わせると、実は東松島は1泊しないと間に合わないコースも作れそうです。これはヒントになると感じました。外国人観光客をターゲットにする形に変えるのが流れではないかと思います。


最後のお話、東松島のスポットがたくさん出てきましたが、東松島 野蒜には「市の震災復興伝承館」があります。
そして、東松島の宮戸島は奥松島と呼ばれ、荒波と雨風で削られた、なんとも自然の力を感じる巨大な岩や岸壁の風景が楽しめます。これが嵯峨渓です。
さらに地域の方が中心となって、宮戸の風光明媚なスポットを「新宮戸八景」として、話題づくりも行われているそうです。
そして、このシンポジウムの後はCWニコルさん率いる「C.W.ニコルズバンド」と、D.W.ニコルズのライブもあったのですが、その模様は来週お届けします!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・パレード / つじあやの
・ハッピーラッキーデイ / D.W.ニコルズ
今日は、宮城県・東松島市からのレポートです。
東松島では今年、「宮野森小学校」という新しい学校が開校。この学校は、作家で環境活動家C.W.ニコルさんの財団「アファンの森」と、地域の方々が一緒に作り上げた、“森の学校”です。

そしてこの「森の学校」では先日 町の未来を考えるシンポジウムが行われました。
この「森の学校」のオール木造の体育館を会場に、東松島の「自然」と共存する町づくりについて話し合われたのですが、まずはその冒頭・基調講演で、ニコルさんは会場にこんな風に語りかけました。

◆C.W.ニコルさんの基調講演
ここの町の人々に森の学校づくりを手伝って欲しいと言われたときは、本当に胸がいっぱいになりました。我々のDNAの半分は海で半分は森。自然の中にいると、自然の音を聞くと、小鳥を見ると、鷹が回っていると、感じるものがあるんです。
この学校素晴らしいでしょ?この木は間伐材の杉です。一生懸命植えたけど途中で放置された森の木じゃないかな。節がいっぱいありますから。でもその節は弱さじゃなくて強さですよ。間伐材は長すぎるとあまり丈夫じゃないですけど、短いのはすごく強い。
木造の学校ではアレルギーやインフルエンザや風邪が圧倒的に少ない。このデータは世界中で出ています。木造の学校では子どもたちは元気になる。ここの子どもたちはすごく元気です。先生たちにも微笑みがあります。それを信じでみなさんと頑張った。本当に嬉しいです。
東松島の子どもたちが我々の森に来たとき、小さな動物が檻から出されたようにわーっと遊んだんですね。そして無邪気な笑い声を聞いた東松島の大人たちにも微笑みが戻った。そして学校を作ることを話し合いました。


これだけの素晴らしい生き物がいるこの森は、もう少し光を通せばもっと良くなる。川も良くなる。子どもたちは、自然の中でのびのび遊べば、いろんな習慣や文化を耳から目から鼻から覚える。間伐、やぶかりを子どもたちも一生懸命やりました。田んぼと森は宝です。子どもたちは一生忘れません。
自然は放っておくほうがいいという考えが日本では多い。でも違う。それはかわいそうな人を放っておくのと同じです。子どもたちは卒業したら大都会の学校より、この学校で覚えて感じたことを、歳をとっても心に残っている。ここは美しいところ。僕を仲間に入れてくれて本当にありがとう。感謝しています。この学校はいい学校でしょ。




こうして始まったシンポジウムは、ニコルさんの他、東松島の阿部市長、歌手の加藤登紀子さんなど、様々な方が登壇。パネルディスカッションなどが行われたのですが、ニコルさんが理事長をつとめるアファンの森財団の野口理佐子さんに、今回のシンポジウムについて伺いました。

◆地域が一緒になって取り組む森の学校づくり
宮野森小学校という、森の学校づくりをやってきた校舎が1月に完成して、この3月で卒業式を迎えたというタイミングです。オール木造の体育館で、観光や、この街の今後のディスカッションをして、子どもたちを招いて森の学校の音楽会ということで、DWニコルズとCWニコルズバンドが共演というイベントです。
私たちは2011年、東松島の子どもたちをアファンの森に招待するということを初めて、復興の森のツリーハウスがあるこの場所を、地元の人と手入れしたのが2012年10月から。当時1年生で辛い思いをしてアファンの森に来て元気になってくれて、とはいえ仮設住宅や仮設校舎の暮らしで、仮設からツリーハウスまでバスを仕立ててツリーハウスで授業をやったりと、子どもたちはその環境でも楽しんでいたが、新しい校舎ができたら目の輝きが違います。先生も明るくなりました。いきいきした姿を見て、ここで卒業できてありがとうと父兄の方もおっしゃってくれました。震災でお子さんをなくした人たちが「すごい学校ができて嬉しいけど、自分の子どもが生きていたら通わせられるのに、と思うと逆に悲しくなっちゃった」という言葉を聞くと複雑な気持ちになりました。ですので、子どもが居ないと学校は関わりづらいのですが、そうじゃなくて、地域が一緒に森を作って地域ぐるみでできたらなというのが、行政の枠を超えて活動するNGOの役割かと思っています。



今回のお話、いかがだったでしょうか。来週も引き続きこのシンポジウムの模様をお届けします。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・オアシス / ハナレグミ
・春風 / D.W.ニコルズ
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高橋万里恵
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