先週に引き続き、千葉大学環境健康フィールド科学センター副センター長の宮崎良文教授のインタビューをお届けします。宮崎先生は「森林セラピー」という言葉を生み出して、森の癒し効果を科学的に研究し続けていらっしゃる方です!


 我々が目指しているのは病気になりにくい体なんですね。予防医学的効果という言い方をしてもいいかもしれません。森に行っても、なってしまった病気は直せません。そうではなくて、風邪をひきにくい体をつくるということなんです。我々は自然に対応する体を持っていて、人工環境下に住んでいます。そうするとストレス状態にあるわけです。ストレス状態では免疫機能が低下していきます。しかし、そこでリラックスすると、免疫機能が改善するということが起きます。森に行く、あるいは近くの公園でもいいんですけれども、そういうところでリラックスすることで気分転換を図る。そうすると病気になりにくい体になるんです。これは医療費削減に貢献します。例えば2014年にハーバード大学で「都市の森林浴」というクローズドの会が、十数カ国から20人ぐらいを集めてやったんですが、目的は、アメリカは大きな公園が都市にいっぱいあるので、そういうところを上手に使って、最終的には医療費の削減というのが大きな方向としてあります。世界の方向は今そこなんです。

〜森林セラピー基地が全国にあるんですよね
 実際にそこで脳の活動や自律神経活動やストレスホルモンを測って、データをとってO.K.となったら認定していこうということで、今63カ所の森が認定されています。森林セラピーサエティという事務局が中心になってやっています。

〜宮崎先生のオススメの森はありますか?
 今ここは東京ですけれども、奥多摩は非常に近いですし、受け入れ体制がしっかりしているんです。町長さんが非常に力を入れています。例えばそこでしたら、東京から日帰りでもいいですね。それから、我々も実際に実験をやったんですけれども、長野県にある赤沢自然休養林。そこはヒノキの森なんです。御神木を出している森ですね。そこも町としての受け入れ体制がきちんとしているので、行って損することはありません。

〜ヒノキは良い香りがするんだでしょうね
 例えばヒノキの葉や木材を抽出して、そこでアロマセラピーを楽しんでもらおうという試みも全国の森がいっぱいやっていますよ。

〜全国の森が、その森特有の気持ちいい過ごし方を考えているんですね
 ですから問い合わせをして、自分がちょうど良いなと思う森林セラピー基地を選ぶというのが重要だと思うんですね。リラックスできるというのは、自分が好きかどうかなんですね。マイフェイバリット。我々の実験データでもそういうのが出ているんです。「広葉樹の森と針葉樹の森どちらが良いですか?」という質問をよく受けるんですが、広葉樹が好きな人は広葉樹でリラックスしますし、針葉樹でも、人工林は良くないみたいな話もありますがあれは美しいですよね。そういう森が好きな人はそこに行けばリラックスします。自分が何が好きなのか、これがポイントですね。少し極端な話をしますと、我々は公園でも実験をしているんです。新宿御苑でも実験しました。そうすると公園でも効果はあるんですよ。ただ、森に行った時が1番効果は大きいです。でも森って、働いている人なんかはなかなか毎日いけないでしょう?そうすると1ヶ月とか3ヶ月に一度になってしまうケースが多い。でも近くの公園に行くとか、もう少し小さいのでもヒノキの香りって売ってますよね。そういうものをポケットに入れておけば1日何回でも楽しめますよね。状況によって自分の楽しみ方を自分で工夫するというのが1番大事かなと思います。森林セラピー基地の森に行くにしても、ガイドさんと一緒に回るのが好きな人はそうすればいいし、自分1人で回るのが好きな人もいます。そういう人はそうすればいいんですね。私の知り合いでも、全国の森を回っているんですけれども、川の源流までいくということをテーマにずっとやっている人がいますね。そういう人はガイドさんは無縁ですよね。でも、ガイドさんと行けば植生とか、植物、昆虫いろんな情報得られるわけですよ。それも1つの楽しみ方。繰り返しお話ししていますけれども自分で選択することですね。大事な事は森とシンクロすること。マイフェイバリット森を探すことなんです。

2週にわたって千葉大学環境健康フィールド科学センター副センター長の宮崎良文教授に、森林セラピーについてお話を伺いました。
宮崎先生のご著書『Shinrin−Yoku心と体を癒やす自然セラピー』を5名の方にプレゼントします。ご希望の方はこのページのメッセージ欄からご応募ください!

「Shinrin-Yoku(森林浴): 心と体を癒す自然セラピー 」宮崎良文著(創元社)

【今週の番組内でのオンエア曲】
・きっとね! / 中村佳穂
・King and Cross / Asgeir

バードコールプレゼントへ多数の応募ありがとうございました!
当選者は

宮城県 トチさん
千葉県 2児のパパさん
香川県 ヒゲさん

です!楽しみに待っていてくださいね!
今週は、「森林セラピー」について専門家の方をお招きしてお話伺います。
千葉大学 環境健康フィールド科学センター 副センター長の宮崎良文教授です。森に癒やされる「森林浴」が、実は、海外でも認知され始めているらしいということで、そんなお話も伺います!


〜森林セラピーとは具体的にはどういったものなんでしょうか。
 まず”森林浴”という言葉があるのですが、これは1982年に林野庁の元長官だった秋山さんが作った言葉なんですね。海水浴とか日光浴というものがありますので、それに合わせて森林浴としたんです。これは非常に日本人になじみ深い言葉になったんですけれども、サイエンスという観点から見ると、脳の活動とか体の活動とか、そういう測定手法がまだ世界的にもなかったんですね。それまではアンケートばかりで、そういうデータはたくさんあるんですけれども、体が実際にリラックスしているかどうかというデータはなかったんですね。それが2000年の初めくらいから測定方法が急に進歩してきたこともあって、科学的裏付けのある森林浴という意味で、森林セラピーという言葉を作ったんです。

〜具体的にはどんな数値が変わるのでしょうか。
 わかりやすい例で言いますと、人の体にはストレスホルモンというものがあるんです。これはストレス状態になると上がるんですが、森を歩いているときと、都市を歩いているとき、運動量を同じようにしてとってみる。そこに差があれば、森がリラックスしてるとわかるわけですね。それと、体の自律神経活動という、リラックスしているときに高まる副交感神経活動、ストレス時に高まる交感神経活動、同じように森で歩いているときと座っているとき、都市で歩いているときと座っているとき、これを同じ人でデータをとりました。最終的に800人程度のデータを取ったのですが、そうすると歩いているときも座っているときも、森にいるときのほうがリラックスしたときに高まる副交感神経活動が約1.5倍から2倍になるんですね。それで、ストレス時に高まる交感神経活動が低下する。そういうことがわかったんです。これは自律神経活動ですから、自分でコントロールできないんです。体が勝手に変化するんですね。そして、副交感神経活動というのは休息のための働きをしますので、お腹もすくわけです。だから森に行くとお腹がすくとみなさんよく言うでしょ?みなさんも緊張した状態、ストレス状態の時って何食べてもおいしくないですよね。たとえば身近だとそういうことにつながっているわけです。それから、最近は脳の活動も簡単にデータが取れるようになってきたんです。森の中に行くと、脳の前頭前野という、これは高度な価値判断をするところなんですけれども、そこの活動が沈静化してリラックスするんです。

〜この森林浴というのは日本国内だけではなくて、世界中に広がりつつあるのですか?
 最初に私が国際会議等に行って、「森林浴」という言葉をは流行らせようと思って、イタリックで”Shinrin-Yoku”って発表していたんですね。でも海外の人は”しんりんよく”って発音できないんですよ。だからこれは広がらないなと思って、アロマセラピーってありますよね。あれは経験的にはずっと使われている言葉で、ゴロがいいですよね。だから、森林セラピー、Forest Therapyでずっとやってたんですが、最近海外で、特にヨーロッパ、アメリカでですね、”Shinrin-Yoku”という言葉がはやりになったんですよ。僕も不思議で、今回、森林浴の本をイギリスの出版社から出させてもらったのですが、1年半前の夏に「こういう本を書いてほしい」っていうメールが来て、内容については相談しながら作ったんですが、タイトルは”Shinrin-Yoku”にしてくれっていうんですよ。で、僕は不思議で、”Shinrin-Yoku”ってみなさん馴染みがないし、言いにくいって言ったら、「日本的でミステリアスでいい」んだそうです(笑)。

〜宮崎さんが書かれた「Shinrin-Yoku(森林浴): 心と体を癒す自然セラピー 」は創元社から出されていますが、これはなんと16か国語に訳されているんですね。
 ありがたいですね。最初にイギリスのアシェット社という大手の出版社から出て、16か国に広がって、去年の12月に日本では創元社というところから出まして、それが16か国目ですね。ドイツのベルリンに住んでいる知人が、書店で森林浴フェアがあったというので写真を送ってくれたんですよ。そうしたら23冊あるんですよ。書店でそれだけのフェアができるということは、やっぱりブームなんですね。

〜ドイツというと元々森について知見が深いというイメージもありますね。
 その通りですね。150年位前から森とのかかわりあいがずっとありまして、特記すべきことは保険適用になっているということなんですね。お医者さんが、「あなた心臓があまりよくないから、ゆっくり歩きましょう」とか言って、僕は実際に入ったことがないのですが、話ではそういうような処方箋も書いて使っていると、そういう大きいのがあるんですが、先ほど申し上げたように、データがないんですね。経験的には非常に我々にも学ばなければいけないことがたくさんあるんですが、データについては日本が圧倒的です。実際にドイツで森林セラピーガイドをやっている人も日本に来て、私の本で紹介したところを周るんだという人がいました。
 森林セラピーで大事なことは、森と人がシンクロするということだと思っているんです。同調する。一体になる。これができると快適感が生まれるんですね。森をただ歩くのが好きな人もいれば、ガイドさんとやり取りをするのが好きな人もいますね。あるいは少し険しいところに行くのが好きな人もいれば、小さな森でじっとしているのが好きな人もいますね。それは個人がやりたいことをしたときに一番効果を得られるんです。で、それをシンクロした状態は、個人個人違うということなんですね。


宮崎良文先生のお話、いかがだったでしょうか。インタビューの続きは来週お届けします。


「Shinrin-Yoku(森林浴): 心と体を癒す自然セラピー 」宮崎良文著(創元社)

今日ご紹介した宮崎良文先生の本「Shinrin-Yoku(森林浴): 心と体を癒す自然セラピー 」を5名の方にプレゼントします!このページのメッセージ欄からご応募ください!

先週に引き続き、埼玉県飯能市に去年11月オープンした、北欧のライフスタイルを体験できる新しいスポット「メッツァヴィレッジ」からのレポートです。
「宮沢湖」という湖と、森に囲まれたメッツァビレッジ。メッツァはフィンランドの言葉で「森」という意味です。
北欧のご飯が楽しめて、北欧の雑貨を扱うたくさんのショップもあって、さらに工房もあって北欧ならではの様々なものづくりも体験できるスポット。
工房で作られたカヌーで湖に出ることもできちゃうということで、先週は、その様子をお伝えしました。
そして実はこのカヌー・・・私達も工房で作ることができるだそうです!
副工房長の山田さんに伺いました。


 ここメッツァビレッジの中にある工房ではカヌーをつくることができます。また、同じ飯能市の名栗というところに「名栗カヌー工房」というのを23年前からやっております。
 カヌーの製作は、まず型がありまして、厚みが6ミリ、幅が15ミリ、長さが4メートルの細い木材を1本1本型に沿って貼っていくんです。細い木材を使うことで曲線を出すことができますね。これは地元、西川材の杉です。主に飯能、日高、越生の地域の木材です。カヌー作りに関しては非常に加工しやすいですし、作った後も木目が美しいですね。この木材をガンタッカーという大きなホチキスで貼り合わせていきます。この作業の繰り返しで形を埋めるというイメージですね。表面はグラスファイバーです。磨き作業が終わりましたら、FRP加工をして強度を上げて防水をします。
 カヌーは基本サイズが2パターンあって、4メートルと、ちょっと長い4.8mがありますが、4メートルだと材料費が100,000円くらいかかって、後は工房に通っていただくと、その使用料がかかります。延べ40日くらいで完成しますので、週1で通われておよそ1年で完成するという形です。自分で作りますとやっぱり愛着が湧きますので、大事に使います。20年前のお客さんもいまだに使って持っていますし、自分たちの子供に譲ったりして、長く使えるのかなというのはありますね。



西川材、以前にもこの番組で紹介しました。江戸・東京から見て西から、川を下って木場などに流通していたから西川材というんですよね。その杉は、吉野杉と並ぶ品質とされ、「東吉野」とも言われました。かつては鯉のぼりの竿に西川材のヒノキがよく使われ、東京中に出回っていたそうです。
そして、その地元木材の間伐材を有効利用したのがこちらのカヌー。お話伺った山田副工房長は、実はお父さんの代から23年、名栗の工房でカヌーづくりをされているんです。輸入材におされて使われなくなった西川材を活用しようということでカヌーづくりを続けてきたのだそうです。
そして、工房ではカヌーだけでなく、こんなものをつくるワークショップもやっているんです!


〜このワークショップスペースにはバードコールがたくさん置いてありますね!いろいろ試してみましたが、ひとつひとつ音が違うんですね。
 木もい生き物ですので、木を切ったタイミングもありますし、木目の向きもありますし、あとは鳴らし方によっても、ひとつひとつの鳴き声が違いますね。好きなものを選んでいただければと思います。強弱の付け方を工夫して、どちらかというとやさしく回すような感じにするとうまくいきます。この工房では、このバードコールもつくることができます。このままだと木材を切ったままの状態で角が少し痛い感じになりますので、サンドペーパーで角を少しとっていただくといいと思います。そうしましたら好きに色を塗ったりして仕上げればいいかなと。もちろんそのままでも大丈夫です。削っていると木の匂いがしますね。この中は木材をいっぱい使っていて匂いがわかりにくいんですけれども、そのまま匂いを嗅ぐとヒノキの匂いがします。


今日のメッツァビレッジのレポート、いかがだったでしょうか。こちらでは3月までチームラボによる自然とデジタルアートを融合させたインタラクションも実施しいます。そして3月には、敷地内に「ムーミンバレーパーク」という、フィンランド生まれの童話・ムーミンにちなんだ施設も完成するそうですよ。

そして番組内でもお知らせしましたが、今日ご紹介したバードコールを3名の方にプレゼントします。ご希望の方はこのページのメッセージ欄からご応募ください。紙やすりもついていますので、届いたらご自分の好みに仕上げてくださいね。


【今週の番組内でのオンエア曲】
・Imperfection / THE CHARM PARK
・BLACKBIRD / BONNIE PINK

新年最初の いのちの森。今日は、お正月休みのお出かけにもオススメな「森」のあるスポット、ご紹介します!
場所は東京からもほどちかい埼玉県飯能市。去年11月オープンした「メッツァ」という、森と湖に面したスポットです。

メッツァ・・・これ、フィンランドの言葉で「森」という意味。文字通り、森など自然に囲まれた北欧のライフスタイル、アクティビティ、美味しいご飯やものづくりが体験できる場所です。今年3月には、ここの敷地内に「ムーミンバレーパーク」という、フィンランド生まれの童話・ムーミンにちなんだ施設もできるということも注目されているんです!




メッツァビレッジで広報を務める株式会社ムーミン物語池田明子さんにお話を伺いました。


『メッツァビレッジ』の“メッツァ”はフィンランド語で森という意味を表していまして、この宮沢湖の自然と森の自然をうまく表現した名前になっているんじゃないかと思います。ここでは北欧のライフスタイルを体験できたりですとか、向こうに黒い建物が見えると思うんですがMarket Hallという建物がございまして、あちらには北欧のブランドの雑貨が約100以上揃っていたりします。


〜池田さんのオススメのスポットってありますか?
そうですね、いまいるここ、ノルディックスクエアという湖が一望できるこの場所は本当に毎日歩いていても、湖の情景がすごくきれいに出ていて、きちんと季節とかお天気を感じながら自然を楽しんでいただけるんじゃないかと思います。

〜北欧というとやっぱりムーミンの世界を思い浮かべますが、ムーミンをテーマにした場所もできるんですよね。
そうなんです。もう一つのエリアになりますが、今年の3月16日ですね。いよいよムーミンの小説を主題としたテーマパークのほうができます。もしかすると、カヌーに乗られたときに見ていただけるんじゃないかなと思うんですけど、向こう側に少しだけ灯台が見えたり、ムーミン屋敷が見えたりとか、今からでも少しずつムーミンバレーパークのほうも楽しんでいただけるんじゃないかと思います。




そして、今度はメッツァビレッジのなかにある、ソグベルクというカヌー工房にやってきました。このカヌー工房、湖の畔にある木でできた建物で、中に入ると木のいい香り!入り口のすぐ目の前に木でできた大きなカヌーと、木彫りの可愛い顔をした熊とか、ワークショップができるようなところもあったりします。ということで、副工房長の山田さんにお話を伺います。




〜これはなんですか?
ククサですね。北欧のカップです。意味は”飲み物”みたいなことらしいんですが、贈られた人は幸せになるという意味合いがあるそうです。ここでは他にも西川材を使ったひのきのバードコールなんかをつくることができます。木片に穴をあけまして、そこにネジを入れて、こうやって回すことによって摩擦で小鳥の鳴き声のような音がします。強弱つけて声の高さを変えたりして、鳥と共鳴するような形で鳴らします。


〜窓の向こうにはきれいな湖が広がっていますが、カヌーも体験できるんですか?
はい。実際に乗ることもできます。


ということでカヌーに挑戦!まずは漕ぎ方のレクチャーを受けます。


そしていよいよカヌーに乗り込んで、山田さんと一緒に湖に漕ぎ出します。結構揺れる!



お天気もよく、湖面に風景が写り込んでいてとてもきれい!



今日ご紹介したメッツァビレッジのレポートはポッドキャストでも詳しくご紹介しています。こちらもぜひお聞きください!

【本日の番組内でのオンエア曲】
・HELLO! / YUKI
・Vacation / Sophie Zelmani
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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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