さて、焚き火マイスター・猪野正哉の拠点、
千葉県千葉市にある「たき火ヴィレッジ〈いの〉」。
こちらで猪野さんが教えてくれた焚き火は、
できるだけ手間をかけず、「焚き火を楽しむ」ためのやり方でした。


キャンプの焚火というと、
その火を使って料理を美味しく作る!というのも楽しみの一つですが、
猪野さんは、この“料理”についても、ご自身の著書『焚き火の本』の中で
独特の考え方を伝えてくれています。



皮がついたやつだったら何でも
そのまま焼いちゃっていいと思います。
今のシーズンだったらそのままだったりとか、みかんだったり。
焼きみかん。美味しいですよ。


焼くだけ、以上、という事はそのまま入れるだけですか?
アルミホイルもなしで!?


はい。アルミホイルで焼くのも美味しくできるんですけど、
出来上がった後のアルミホイルの醜さったらすごいじゃないですか。
それだったらそのまんま焼いて、皮を燃やした方が良いのかなという。
あと、焚き火をしたからといって、すべてをちゃんとやらなくていいと思うんで。
料理を作らなくちゃいけないみたいな、今はそういう流れじゃないですか。
だから全然焚き火の前でコンビニ弁当でも充分美味しいので、
手を抜けるところは手を抜いた方が。
料理は焼くだけ。そのまま。
焦げたら完成、全面焦がしたら完成!
もしかしたら椎茸があるかもしれない・・・

 
(採れたて新鮮なしいたけを焚き火で焼き、塩とコショウの味付けだけでいただきました。)

ということで、焚き火を囲んで猪野さんのお話を聞いているうちに
すっかり日が暮れまして、火も徐々に小さくなってきました。
こんな風に気軽に焚火ができる場所が、もっとたくさんあればいいのに・・・
そう思うわけですけど、東京はもちろん都会ではなかなか難しいものです。
そのあたりについて、猪野さんはどう考えているのか伺いました。


アウトドアが非日常だとすごく言われるじゃないですか。
僕の中では日常の延長にあるものだと思っているので、
特別なことじゃない。
多分みんなが特別なことに感じちゃっているだけであって。
昔は、みんなこれは当たり前にやっていたじゃないですか。
それがまた当たり前にできれば良い、
できる環境がまた戻ってくれば良いな、くらいでやっています。


僕は、これからどんどん焚き火は
肩身が狭くなっていくと思うんです。
やっぱりここにゴミを燃やす人もいれば、
そういう人の気持ちもわからなくもないですけど、
下手したら焚き火ができないキャンプ場とかも出てくるのかなっていう。
ちょっと、ここからが勝負な気がします。


でも、焚き火を教えてもらって一緒に焚き火をして
最後まできれいにするというのを学んだら、
最初から最後までかっこいいなみたいな。
きれいにすることが格好良いな、みたいな。
そこまでが焚き火なのかというのを体で学べそうですよね。


確かに、どこから入る日は大事ですよね。
自分でやって気づくのか、誰かに教えてもらってやるのか。
でも今はYouTubeとかもいろんな情報がすごい入ってくるじゃないですか。
だから何を初めにみるかと言うのもありますよね。


 だいぶ火が小さくなってきましたけど、
焚き火の片付け、ここまでが焚き火ですよというのはどういうところなんですか?


ベストは灰になること。
まだ今は炭じゃないですか。
炭って、間違って覚えている人がいるんですけど
自然に帰ると思っちゃってると思うんです。
実は全然100年後も下手したら残っているんです。
なので炭は絶対に捨てない。自然の中に捨てない。
とりあえず灰は大丈夫なんですけど、だからできれば灰になるまで燃やし尽くす。
駄目だった場合は普通にゴミで捨てられるんですよね。
ちゃんと消せば。燃えるゴミとして。
すぐ消したい時は、直火だったら水をかけちゃっても良いんですよ。


でも焚火台とかだと、
急に水をかけちゃうと歪んだりしちゃうので、それは避けたほうがよくて。
とりあえず炎を消したいと言う時は重曹。
重曹を燃やすと二酸化炭素が発生するんです。
二酸化炭素が発生するという事は酸素が入らなくなるので
熱は残るんですけど炎が消える。
そして、なるべく燃やさないことです。
ちゃんと、今日はどのぐらいかなと目安をつけて、逆算して、
チェックアウトとか考えておくことです。


1束で大体1時間半くらい燃えて
そこから熾火になって徐々に消えていくとなると
3時間ぐらいは見ておいた方がいいですね。
炭がたまりにくい焚き火台もあるんですよ。
スノーピークの焚き火台があるじゃないですか。三角錐の。
あれって炭がどんどん溜まっていくんです。長時間やればやるほど。
どんどん底上げされていくんです。でもメッシュの焚き火台、
あれってすごく燃焼効率が良いので、すぐ灰になっていくんです。
そういう焚火台で選び方でも変わってくるのかなと。


アウトドアプランナーで、「焚き火マイスター」としても知られる
猪野正哉さんに、4週に渡ってお話を伺いました。

猪野さんは「日本焚き火協会」を設立し、焚き火のスキルを学べる “焚き火検定” というのもやっています。
また、普段は焚き火NGの公園などで、許可を得て焚き火イベントを
実施したり、実績を作って焚き火可能なスポットを広げる取り組みも行っています。

★猪野さんが管理運営する『たき火ヴィレッジ<いの>』

★猪野さんが昨年にご自身で手掛けた本『焚き火の本』は、
山と渓谷社から発売中です。


【今週の番組内でのオンエア曲】
・ニュー・モーニング/Alpha Rev
・ザッチュノーザ/SPECIAL OTHERS & 斉藤和義
今週も、焚き火マイスター・猪野正哉の拠点、
千葉県千葉市にある「たき火ヴィレッジ〈いの〉」のレポートです。
焚き火を囲みつつ、猪野さん流の「焚き火」の
お話をいろいろと伺っているわけなんですが・・・
猪野さんの考え方だと、あくまで「焚き火を楽しむ」のがメイン。
だから火おこしにも着火剤を使っちゃってもOK!
そこに手間はかけないのが猪野さん流。
ご自身の著書「焚き火の本」で紹介しているこんなアイテムも教えてくれました。




表紙にもなっていたレインボー、これなんですけど。
『アートファイヤー』と言う魔法の粉があります。
袋のまま、有害物質がゼロなので、これを炎の当たるところに置いてもらうと!


これは焚き火を楽しむ用の魔法の粉なんですか?

そうです。
キャンプシーンだと料理を作るとか暖をとるものですけど、
最近は見て楽しむ焚き火も増えてきているので、観賞用ですね。
1袋300円なのでこれだったら安いじゃないですか。
アウトドアショップで売ってます。
令和の焚き火シーンはすごいですよね。


他にこの動作をすると玄人感が出せるってありますか?

玄人感というか、
トングを使ってめちゃめちゃ触りたがる人いるじゃないですか。
僕もそうだったんですが、ある人に
「猪野君はテレビ見ててすぐチャンネル変えるでしょ?」と。
それと同じように見られるらしく。
それを言われてからはあまり触らないようにしています。
しょうがなくやる時はいいんですけど、常に触っている人もいるので。
それを言うと誰も触らなくなるんです。
こうやって高さを出してあげるのが良い。
結局焚き火に大事なのは燃料である薪と酸素と、
実は熱が一番大事なんです。
焚火台ってお椀のやつがあるじゃないですか。
ああいうの熱が溜まりやすいんですけど、スカスカだったりすると
熱がたまらないので結構難しいんですよ。
直火は熱が溜まりやすいのでよく燃えるんですね。


じゃあ初心者はお椀形がいいんですか

いいです。
高温を保つために、僕は着火の段階で、
あれに加えてバーベキューに使う炭があるじゃないです。
それを一緒に燃やすんです。炭は高温を保ってくれるので。
熱を一定に保ってくれるので。


猪野さんの本の中で「焚き火との距離感が人間関係に似ている」とありましたが。

距離感って大事だと思うんですね。
さっきもあまり触らなかったりとか。グイグイくる人がいるじゃないですか。
そういうのって嫌じゃないですか。だから逆にぐいぐい薪をくべちゃうと
へそを曲げて消えたりしちゃうので


適度な、空気を読むというか、焚き火をする時も大事なんですね。

そうですね。
焚き火をしていろんな人と囲んでいると、いろいろ見えてきますよね。
洞察力が磨かれるんです。疲れている人も分かります。
そういう人に限ってずっと見てます。びっくりするぐらい見ています。
見ているだけでリラックスできるんじゃないですかね。
だからやっぱり、木目を見るだけでもリラックス効果があるらしいんですよ。
焚き火なんてもっとそうじゃないですか。
周りは動かないのにここだけゆらゆらしているというのが
やっぱり人をリラックスさせるらしくて、波と同じで。



僕はアウトドアの入り口が登山だったんです。
病んでいるときに知り合いに山登りに連れていかれて、
山に打ちのめされて、なんて自分はちっぽけなんだみたいになって。
山に行くたびにリセットされるというか、
自分を見つめ合うところになっていて、それがだんだん仕事になってきたら、
常に山に行っているから自分がどんどん正常になっていくんですよ。
そうなると別に山に行かなくてもいい、みたいな。
自然を求めなくなります。だから多分焚き火もそうなんだと思って。



あと、新宿2丁目に知り合いが多くて飲みに行ったりするんですけど、
その時に、友達に「この子は千葉でキャンプ場みたいなことをしている」
と紹介されたので何気なく普通にキャンプしに来ればいいじゃんと言ったんです。
そしたらその子たちが「私たち行っていいの?」て言ったんです。
変じゃないですか。そういうゲイの子だったりはやっぱり、
ちょっと行かないようにしているんですよ、キャンプ場に。
ゲイだからって。そういうのちょっと。
だからそこに集まっているみたいなところがあるじゃないですか。
それで、全然、うち来なよと言ったら10人ぐらい来て。
いろんな人たちがいて、ずっとぬいぐるみ抱えている子だったり。
そうしたら、やっぱりみんな火の周りでいろんな話をし始めるんですけど、
2丁目にいるからみんな自分たちが思っていることを話せる場所と
感じちゃうじゃないですか。



でもそこでも話せないめちゃめちゃ闇をバンバン話し始めて。
普通に聞いていて、深いと思って。
それだけ焚き火って話せちゃう間力があるのかなと思って。
日の前はみんなフラットでいられるというか。
「キャンプに行っていいの?」と言われたのは衝撃的でしたね。
やっぱりそういうのは壁があるのだなと思って。



 徐々に薄暗くなる中、猪野さんが教えてくれた
焚き火を囲む人々の人間模様。
疲れている人ほど焚火を見るというのも興味深いですね。
猪野さんには、来週もお話を伺っていきます。



★猪野さんが昨年にご自身で手掛けた本『焚き火の本』は、
山と渓谷社から発売中です。


【今週の番組内でのオンエア曲】
・ humming bird / 奇妙礼太郎
・ It's A DRAMA / pushim
さて今週も先週に引き続き、
アウトドアプランナーで、「焚き火マイスター」としても知られる
猪野正哉さんの活動拠点、「たき火ヴィレッジ〈いの〉」からのレポートです。
焚き火を手軽に楽しむため、できるだけハードルを下げたやり方を教えてくれる猪野さん。
今日はいよいよ、焚き付け・火をつけるシーンです。
実はここにも猪野さん流の焚き火哲学、いろいろあったんです。



すごい!薪を持って移動してきましたが、てっきり焚き火台と思ったら
地面に石でかまどのように作って、直でやる感じなんですね。




ここはまだ直火ができるので。
直火を最近いろいろ問題になっていますけど、
面白いのが、直火をすると微生物とかそういう植物が育たない、
死んじゃうというけど結構放って置くとそこから
植物とかアリの巣とかができるんですよ。
これもそうなんですけど。


アリの巣ですか? 直火のところにアリの巣ができている!!



ちゃんとデータ化されていないんですよ。
なぜ直火が悪いのかって。


※今回取材した場所は焚き火マイスター猪野正哉さんが管理運営する“私有地”。
みなさんが焚き火をするキャンプ場などはルールがありますので、
それに従って楽しむようにしてください。




次はいよいよ、火をつけてその薪をくべる・・・ということになるんですが、
猪野さんの焚火の考え方は、
「焚き火を楽しむためのハードルを下げる」。
私の苦手な火おこしも、「え、それでいいんだ?」という感じでした。


火起こしまではやったんですよね。
いつも僕は言うんですが、火起こしにすごくこだわる人が多いじゃないですか。
ファイヤースターターとか原始的な方法で。
全然良いと思うんですが、
何人かいるときの焚き火だったら火起こしはシンプルにして、
焚火を囲む時間を長くしたいと思っているので。
結局一生懸命ファイヤースターターで火を起こしても、
そのメンバーと後日飲みに行った時に、
「お前のあの時の火おこし最高だったよね」という話には
絶対ならないじゃないですか。
なので僕はもうそっちを優先しているので、着火剤を使っている。
料理と似ていますよね。


確かに、おいしかったよね。という話になりますけど、
「あの皮むきよかったね」という話には、ならないですね。




焚きつけは杉とかヒノキ、油分が多いやつで、
最終的に広葉樹のナラとかが燃えるようにしてあげるのがベストです。




薪をくべる前に、着火剤を出したときに、
土の上でも大丈夫なんですけど、湿っているじゃないですか。
なのでできれば、木の皮とかを置いたり、
それをベースにして上げると雨上がりの後とかはこれで。


じかに置くんじゃなくて絨毯をしいてあげるような感じです。
その上に着火剤を。
自信がなかったらどんどん着火剤を使っちゃってください。
途中で継ぎ足しはちょっと危ないので、先にやった方が良いです。




後は組むときに、こういう太いやつを1本置いて、
さっき作ってもらったフェザースティックを、太い木に立て掛けて行きます。
大事なのは、すぐ触らないで放っておくのこと。
ここはぐっと我慢して。
そしたらまたちょっと入れてあげて…
結局、息を吹きかける必要は無いんですよ。
ちゃんと組んでおけば。
今、発売されている焚き火アイテムは優秀なので、もう何もしなくても、
着火剤に任しておけば。着火剤は優秀です。



(マッチを使い着火!)

焚火になってゆっくりすることが焚火なので。



このやり方を知ると焚火のハードルが下がるというか、自分でもできるかもと思いますね。

もともとハードルは低いものだと思っているので、焚火は。
でも自然とハードルが高いポジションに焚火がいっちゃっていたので、
それを僕は下げられればなと。




みんな火を見てしゃべるのが不思議ですね。

でも人の目を見てしゃべるのって結構難しいじゃないですか。
焚火があることによって、それを見ていて相手の顔を見なくても
失礼に当たらないじゃないですか。
だからクッションになってくれていいんですよ。
だってつまらない話なのにいちいち目を見てるのも
めんどくさいじゃないですか。
本当に大事な時だけ相手の目を見ればいいのかなと。
あと玄人感を出したいときは、熱くてもすぐ「あちっ」とやらないのがいいです。
簡単に人は燃えないので、熱いとなったら、そのままゆっくり下がる。
後は煙が来てもちょっと我慢するみたいな。
メガネとかも良いと思います。本当に嫌だったら水中メガネとか。。。。


◆「フェザースティック」作りに挑戦中の万里恵さん!◆

(ナイフを使った薪割り!さらに細くしていきます。)

 
(ナイフを使い、「フェザースティック」を作っていきます!)


(左が万里恵さん、右が猪野さんが作った「フェザースティック」)


(「フェザースティック」を薪の間に置いて着火!)


来週も、猪野さん流「焚火の哲学」を伺っていきます。

★猪野さんが昨年にご自身で手掛けた本『焚き火の本』は、
山と渓谷社から発売中です。


【今週の番組内でのオンエア曲】
・ Save Your Tears (Remix) / ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ
・Your Power/ ビリー・アイリッシュ
さて、いろいろと悩ましい日々が続いていますが、
私たち人類は大昔から、そんなココロのザワザワを忘れる方法を知っています。
・・・焚火です。ということで今週は、シンプルに「焚火を楽しむ」
取材したのは、千葉県千葉市にある「たき火ヴィレッジ〈いの〉」です。
アウトドアプランナーで、「焚き火マイスター」としても知られる
猪野正哉さんが管理運営するアウトドアスペースです。




すごくいろんな木が生えていて、杉林じゃなくて見渡すと
紅葉もあるし、混植と言う感じがするんですが、
この場所はもともと何だったんですか?




もともと祖父が造園業をしていまして、
その時に植えていた苗が、祖父が亡くなってほっといたら
でかくなったという感じです。


じゃあも元々は、どなたかのお家に植えられていたかもしれない。
だからいろんな木があるんですね。今日は焚火をできるということで私もスタッフもみんな楽しみにしてきたんですけど、早速教えていただいてもいいですか?



じゃあまずは、せっかくなので薪割りから
やっていきましょう。
構えからなんですけど、絶対に(足を)肩幅以上に開いて
振り切るというか振り落とす。このまま落とす。
その時に膝が曲がっていなかったじゃないですか、
一緒に膝を曲げて上げると力が伝わるので。じゃあ行きます。



すごい!私そのサイズの丸太、直径30センチ弱だから1回でいけないのかと思ったら、1回で真っ二つ全然いけます!!!こんな重いですね斧って………

(薪を割る万里恵さん)


(番組スタッフも薪割りに挑戦!)



本来だったらこれで終わったやつを
乾かしたほうがいいんです。乾かすとよく燃えるんですけど、
僕は結構これをそのまま使っていきます。


普通は乾かしたりするんですね

そうですね。
触ってみるとわかりますが、まだここら辺濡れているじゃないですか。
これが杉の木です。これをどんどん細くしていけば
普通に燃えるので。(ちょっと濡れていても)焚き火で大事なのは
細くするというのが、簡単に焚き火ができる方法だと思っているので、
ベストはもうちょっと細くする。
準備が一番大切ですね。




結局焚き火をしていて炎が上がっている時間は短いじゃないですか。
後片付けのことを考えたらこういう太いの入れられちゃうと、
これをちゃんと燃やすのは大変なので。
僕はなるべく太いのを入れようとする人は止めています。
寝れなくなるとか、帰れなくなるという理由で。(片付けを考えると)
一般的にはひと束こうやって売ってるじゃないですか。
あの状態で終わらずにくべていくと、
大体炎が出ている時間が1時間半前後なんです。
そこからちゃんと消す、鎮火させるとなると、
そこから2時間以上かかると思うんです。
(鎮火する方が時間がかかるんですね)なので、やっぱり僕は
なるべく細かいのを、結局炎のサイズってたくさんくべようが
細かいのちょこちょこ入れてもそんなに変わらないので、
それだったら燃えてすぐ終わるほうが潔いというか。
(鎮火を待つのって)だるいです。
(細かいというのがひとつのポイントなんですね。
そのためには割らなきゃ。細かくしなきゃいけないんですね)



いよいよ割った薪を細かく細かくして
森の中で焚き火を囲み、薪をくべていきます!


★猪野さんが昨年にご自身で手掛けた本『焚き火の本』は、
山と渓谷社から発売中です。


【今週の番組内でのオンエア曲】
・ A BIRD  / 大橋トリオ
・エヴリシング・ハズ・チェンジド featuring エド・シーラン/ Taylor Swift
はるか昔に存在した生き物たちの「うんちの化石」。
これの調査研究を続ける古生物学者・泉賢太郎さんにお話を伺ってきましたが、
きょうでラストとなります。



4月に集英社インターナショナル新書から「うんち化石学入門」
と言う本を出されたばかりです。
うんちの化石を分析したり現代の動物たちのうんちの大きさや重さを測ったりそこから太古の生き物たちの生態やその時代の自然環境を読み解くと言うものですが、うんちの化石を研究していくと実は今私たちが置かれている地球環境というか、温暖化や異常気象といったことを考える上で大切な事がわかるんですか?


今、温暖化が進行してそれに伴い異常気象が増えていると
よく聞きますが、実は地球の長い歴史を見てみると
何度も大規模な温暖化が起こっているんですね。
その地層に入っているうんちの化石を研究すると
昔起きた大規模な温暖化の時に、ひいてはそのうんちの化石の主の動物が
環境変動にどう影響受けた、といったことも分かってきます。
私自身はものすごい昔、
1億8000万年前くらいのジュラ紀と言う時代の地層と、
その中のうんちの化石も研究していて、
ジュラ紀前期にも温暖化が起こったことがわかっていて、
その地層のうんちを丁寧に分析すると温暖化の影響を受けて
サイズが変わっていることも見えてくるので、
昔の温暖化で動物がどういう影響受けたが、
もしかしたら同じ規模の温暖化が、いま或いは将来に
もう一度起きたらこういう種類の生物がこんな感じになるんじゃないか
と言うことが漠然とわかることがあります。



1億何千年前にあっただろう温暖化のときのうんちの化石を調べると具体的にどんなことがわかるんですか

小さくなっていますね。
それはたぶん暖かくなったことそのものの影響ではなくて、
海の地層の中の細いゴカイみたいなうんちの化石を見ているんですが、
そうすると海が温暖化すると海の中に溶けている
酸素の濃度が減ってしまう(貧酸素化)ことが分かっていて、
実はこれは現代の温暖化でも場所によっては
海の酸素が減る現象も既に起きています。
なのでおそらく酸素濃度が減ってしまったことで
代謝、呼吸などの活動が制限されてしまうので
大きな動物で激しい運動をするような動物は
酸素濃度が薄いところだとなかなか生きていけないと言うことで、
大きなサイズのやつはいなくなってしまって小型になってしまったと。
そういうところが見えてきますし、
おそらく今のまま温暖化が続いて酸素濃度が下がって
貧酸素化が進行してくると大型の動物ほど影響を
受けてしまうということが考えられます。




今の時代の戒めじゃないですけど、過去にこうなりましたと言うことを証明してくれて、怖がられる

そうですね。
過去を正しく知ることは将来予測の第一歩だと思います。
もちろん過去と現在、そしていま起こっていることが
100%同じでは無いですし、同じ温暖化でも地球自体の海と陸の配置だとか
いろんな地球の外の環境によっても、同じような温暖化でもこうなると言うのは
一様ではないので、過去は過去なんですけど、
もう少し大きな枠で見ると大体こういう方向に進んでいくだろう
というのがわかります。気象学とか数値シミュレーションとか
そういったものと連携していくことでより
将来がよくわかるのかなと思います。




お話を聞いていると生痕化石の中のうんち化石は過去のこともわかって戒めにもなるというのはわかったんですが、そうすると見てみたいと思います。うんち化石スポットというか、私たちが簡単に見られるところはありますか?

いくつかあると思います。
4月に出した『ウンチ化石学入門』でも詳しく書いたんですが、
例えば神奈川県三浦半島南部の城ヶ島と言う場所や、
高知県の室戸半島の南部には、比較的現場のアクセスも良く、
うんちの化石が見られる場所もあります。
ただ日本全国、鉄道の駅みたいな感じの頻度ではないので、
もう少し手軽にうんちの化石がどこかで見られるところはないかな
と言うと、オススメなのが大理石を使った建造物ですね。
ビルとかショッピングモールとか。
大理石って石材の名前で建築用語なんですけど、
私たちのような地質学の文脈だと
『結晶質石灰岩』と言う名前で呼んでいます。
石灰岩は昔の温かい海の底でできた岩石で、
サンゴとか貝殻とか昔のアンモナイトといった
化石がたくさん含まれているので、
大理石のビルの壁や床を見ると実はアンモナイトの化石が
普通にあったりするんですよね。
なのでそこをさらに見てみると、これはうんちの化石じゃないかなとか、
他にも生痕化石が見つかるかもしれないのでチャンスかもしれないですね。


じゃぁ泉さんは外に行って大理石があると見ちゃいますか?

やっぱり見ちゃいますね。
家族と一緒に出かけていると興味のないフリはしますけれども
ついガッツリ見ちゃいます。これはアンモナイトだなと。
「うんち」ないかなと思ったりもします。


ディズニーランドの隠れミッキーじゃないですけど。隠れうんち化石みたいな?

そんな感じの楽しさはありますよね。
なので都内のうんち化石スポットみたいなのが
まとめられたら面白いなと思っています。


素人でも、これはうんちだなと分かりますか?

注意すればわかるとは思います。
コツは、周りの地層とちょっと様子が違うところを
まず、ひたすら見つけるというのがあって、
例えば色とか、質感ざらざらしてるところに
ちょっとツヤっとしているとか、何か違うなと言うところを
いろいろ見るのがひとつのコツです。
ただし、周りの地層と様子が違うものが100%うんち化石ではなくて、
例えば人工的な割れ目だった、サビだったと言うこともあると思うんですが、
最初はとにかく何か様子が違う場所がないかなと探す。
運がよければそのうちの一部がうんち化石だったり、
巣穴の化石など生痕化石だったりすることがあると思います。


チバニアンに行って取材したときに巣穴や虫がはったあとは分かりやすかったですね

あれは色や構造、縞模様と、
同じような感じでものっぺりとした地層でも何かちょっと色が違う、
模様がちょっとついているかなと言うところがヒントになると思います。


今なかなか外に出るのは難しいですが、ワークショップみたいなのでこれはうんちの化石ですと言うのを地層を見ながら歩くとか、刺さる人には刺さるし、子供も楽しそうですね

子供はある程度素直に表現すると思いますし、
大人も旅のガイドブックとかにもちろん掲載されているわけではないので、
もうちょっとだけ、うんちブームが進んで市民権を得たら、
観光ガイドブックにうんち化石見学場所みたいなのがある面白いなと思ってます。


うんちの化石がすごく魅力的なことがわかりました。
4週に渡り、ありがとうございました



「ウンチ化石学入門」 は、集英社インターナショナルから発売中です。


【今週の番組内でのオンエア曲】
・ My Mind Is For Sale / ジャック・ジョンソン
・魔法のバスに乗って / 曽我部恵一BAND
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