番組では長年「鎮守の森のプロジェクト」による
東北沿岸部の植樹活動をリポートしてきましたが、今回の主役はその「苗木」です。
わたしたちがこれまで植えてきたたくさんの苗木たち。
その多くは、どこで育てられたのかと言うと、実は、九州・大分県なんです。
ということで今回は、鎮守の森のプロジェクト・植樹リーダーで
林学博士・西野文貴さんのもう一つの拠点、
大分県の「グリーンエルム」という会社にお邪魔して、
苗木たちはどう育てられているのか、その様子を見させてもらってきました。



===========
高橋:今日は鎮守の森のプロジェクト、我々も何度も植樹で伺っていますが、植樹をする苗のどんぐりの里親を尋ねるということで、大分に来ています。鎮守の森のプロジェクトの植樹といえばこの方です、西野先生よろしくお願いします。いま目の前に広がっている景色がすごくて、小さい苗木がありますがここはどこですか



西野:ここは今までまりえさんたちが東北で
鎮守の森のプロジェクトで植樹をしてきた苗木たちの、
東北で取った種をいま大分で育てて、
いわゆる里親制度をしているようなもので、
それをずっと植樹の時に送っていた場所なんです


高橋:そしてここは西野さんが勤めている会社!

西野:ついに、やっと来てくれました。
ありがとうございます。目の前に低木、
オオバイボタという縁の下の力持ちになる樹木、
将来3メーターくらいになる木なんですが、
東北で取った種が育っているのがあるので
ちょっと見てもらいたいと思います。




高橋:このオオバイボタは40センチから50センチくらい。びっしり根っこが生えてますね。

西野:ポットの大きさは10.5センチくらいの高さ、
幅になるんですけど、そこに白い根っこがびっしりで、
ほぼ9割終わっているくらいのイメージなんですけど、
この根っこをどれくらい増やしてあげるかが、
植樹の鍵を握っているんですね。
僕の親父、社長が30年前から宮脇先生の森を作ろう、
応援しようと興した会社なんですけど、
なのでこのぎっしりした根っこを作る技術を持っているんですね。


高橋:根っこを育てるのに大事なことはありますか?

西野:あります。まず基本的には、
農業や家庭菜園も一緒なんですが、土壌の三層構造というのが
すごく重要になってきます。
土壌は全部で3つの相「固相、液相、気相」があって、
固体の土の部分、液体の通る未知の部分、
空気の入る未知の部分3つで構成されているんですね。
そして重要なのが、割合「4: 3: 3」。
マニアックなんだけど農業も一緒です。
なので最近家庭菜園をしていてうまくいかない、
この植物を育てると土が固くなると思ったら、
4:3:3を目標に土を作っていくとバッチリできます。
そしてこの土壌の3層構造は地層のようになっているわけではなくて、
団粒構造、土の中って大中小、いろいろな大きさの土があるんですね、
これがバラバラになっていることが育てやすい土なんです。
この4対3対3の割合にしているところ団粒構造が、
きれいな大中小が粒が揃っているイメージなんですね。
例えば同じ土しか使わない、
黒土だけですよとなると粒の大きさが全部一緒になりますよね。
そうすると雨が降ったりするとどんどん押し固まって隙間がなくなる。
隙間は何なのかというと気相がなくなる。
気相がなくなると水も通らなくなるということで、
植物は空気が来なくて生育不良になってしまう。
じゃあ自然界はどうなっているのという話ですよね。
実は森の中にはその団粒構造を作る生き物がいます。
それがミミズ!です。
彼らがやっぱりそういうふうにしてくれているから
森は常に健全で歩くとふかふか。
今日はその秘密についても触れていきたいなと。




高橋:西野先生これは?


1メートルくらいありますね。
植樹の時にこれはいつも植えている樹種で、どんぐりを付けるアカガシ。
これは将来大きくなると30メートルくらい。
東北だとゆっくり育つので20メートルくらいです。
大きくあると材が赤いんですね。なのでアカガシ。
使われている用途としては木刀とか、
硬い材なのでそういうのに使われたりします。
で、先ほどオオバイボタの根っこを見てもらったとき
白い根っこがびっしりしていましたよね。
このどんぐりの仲間はポットを外して中を見ると
太い根っこがあるのわかりますか。


高橋:ちょっと茶色の太い根っこ。さっきのは細かい網目状になっていましたけど?

西野:そうなんです。
どんぐりの仲間は主根と言う、主役の根っこがあって
それが地面の奥深くまで入っていくんですね。
それを深根性、直根性があるという言い方をするんですけど、
そうすることでこの大地を支えて倒れないようになるんですね。
ドイツなんかでは「地上の森、地下の森」というくらい、
地上が成長すれば地下もその分 成長すると。
これだけ根っこがしっかりして生き生きしていれば、
どんな場所に植えても枯れる確率は少なくなります。
やっぱり植物は根っこが命です。
宮脇先生もずっとそうおっしゃっていましたね。
それで今日、周りを見ると植物がすごくありますよね。
ここだけで何万ポットがあるんですね。
ここが微妙に斜めになっていますよね。
なぜ傾斜があるかというと、水がはける。
やっぱり水ってそこにずっと停滞してしまうと、
ばい菌が繁殖したりあまり良くないんですよね。
なので若干、2〜3度だけ傾斜をつけて水はけを良くしているんですね。
それで、秘密があって、地面と育てているポット苗の間に・・・


高橋:直おきじゃないですね?

高橋:ちょっと茶色の太い根っこ。さっきのは細かい網目状になっていましたけど?

西野:そうなんです。10センチから15センチぐらい
開けているんですね。これは「空気根切り」と言うんですが、
もし地上に直置きしちゃうと地球と繋がっちゃうんですよ、
ポット内の穴が開いているところから。
一般的なユズリハとかアカガシは、空気があるところに
根っこを出さないんですね。なので地上とつながらないように
10センチ15センチ浮かせる、
「空気で根切りをする」ことで空気根切りと呼びます。
全国で苗木を育てている方々はやっぱり出荷するとき、
植樹祭にもっていくときに地球とつながっているとこれを切っちゃうんですよね。
ブチブチっと抜いちゃう。そうするとこの根っこは枯れやすくなったりしますし、
やっぱり自然にできる根っこと違ってちょっと切れたりするので、
自然樹形と異なってくるという感じなんですよね。


高橋:だからおうちでやる時もちょっと地面との間を開けることが大事?

西野:そうなんです。
ただそうするとちょっと手間が1つ増えます。
それは何かというと水やりの頻度。
直おきしていると地面が湿っている時が長いので
水やりする頻度が少なくなるんですが、
空気根切りをしているとこれ以上水が入らないので、
ちょっと頻度が多くなるんですね。 



鎮守の森のプロジェクトで植樹してきたポット苗の「里親」、
大分県にあるグリーンエルムからのレポートお伝えしました。


「グリーンエルム」

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Spinning World / Perfume
・花になる / 奥田民生

«Prev || 1 || Next»

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

あなたからのメッセージ・ご意見をお待ちしております

各放送局の放送時間

  • JFN募金は鎮守の森のプロジェクトを応援しています。

ポッドキャスト

  • ポッドキャスト RSS
  • ※iTunesなどのPodcastingアプリケーションにドラッグ&ドロップしてください。

アーカイブ

  • 鎮守の森のプロジェクト
  • LOVE&HOPE〜ヒューマン・ケア・プロジェクト〜
  • AIG損保 ACTIVE CARE

PAGE TOP