今週は、長野県茅野市「車山」からのリポートです。
「車山」、ご存知ですか?場所は長野県のほぼ真ん中。
日本百名山の一つ、霧ヶ峰の最高峰が「車山」です。
その標高は、1925m!なんと、そこに神社があるんです!
ということで、今回の取材テーマは、
「標高1925mの車山神社に、“鎮守の森”はあるのか」
リポートは、山頂を目指すところから始まります。



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高橋:今日は長野県の車山高原に来ています。さっきリフトに乗ってきたんですが、車山の山頂まで1.6キロと書いてある場所。ここが案内してくれるのはおなじみ、林学博士の西野文貴さん。よろしくお願いします。今日は何を見せてくださるんでしょう!


(右から車山神社・宮司の宮澤さん/林学博士・西野さん/高橋さん)

西野さん:今日はめちゃめちゃ面白いです。
この番組ではいろんな全国の鎮守の森を紹介してきたと思うんですね。
鎮守の森というと、鬱蒼とした木々、
神々しい森がというのが皆さんの頭の中に出ると思うんですが、
ここは標高1500メートルくらいで、
これから1900メートルくらいまで登ります。
そこには果たして森はあるのか、鎮守の森があるのかを、
車山神社の宮司さんである宮澤伸幸さんと一緒に登りたいなと思います。



(山頂まで1.6キロ!いざ、出発!)

高橋:初めて車山高原に来たんですが、すごく草原が広がっていて気持ちいいですね

西野さん:僕がびっくりしたのは走っている時から、
すすき草原という草原が広がっているんですね。
本来標高が1700mとかなので、
こういうところは本来、亜高山帯針葉樹林だとか、
ふつう広葉樹林だとか、モミの仲間やダケカンバと呼ばれる
標高が高いところに生育する木々が多いんですが、
ここは草原なんですよね。これは人が管理して
維持していたんだと思います。
歴史を調べていけば、昔は森林があったけど伐採して、
牧草地なんかで草が必要だったり、
かやぶき屋根にススキが必要だということで
草原にしていたのではないかと。


 
(草原の植生について話し中!)

西野さん:今目の前に見えているのは
ススキ、トダシバの仲間、だんだんもっと黄色が強くなってくる
秋のキリンソウ、ワレモコウも出ている。
こういう草原って本当にいま日本で
どんどん少なくなっているんですよね。
半自然草原と言ったりします。
日本には10%くらいあったんですけど、
本当に5%以下までになくなっていて、
やっぱり昔みたいにかやぶき屋根の需要がなくなって、
木々が入ってきて成長してしまう。
そうするとそういうところに昔いた生き物がいなくなってしまう
という問題も絡んでいますよね。


高橋:人が手を加えることによって保たれている場所ですよね



西野さん:そうなんです。
逆に標高が高いところなので、
いつもは標高が低い所で人工林としては
スギやヒノキが多いんですが、
目の前にあるのはモミの木に見えますがこれは違うんですね。
これはカラマツです。これは実は日本にある
針葉樹の中で唯一落葉する針葉樹なんです。
多い場所はどういうところかと言うと、
軽井沢とかそういうところで秋になると
きれいな黄色の紅葉した葉っぱを落とすんですね。


高橋:マツが紅葉するんですか?

西野さん:実はカラマツは、
クロマツやアカマツのようなピヌス属と違って、
カラマツはラリックス属という別の仲間なんですね。
葉っぱ自体はマツに似ているからカラ松と呼ばれているが、
細かい種類で言うと別。
なのでカラマツだけが秋になると落葉する。



(背後には「カラマツ」が見えます)

高橋:いま手に持っている魔法の本みたいのはなんですか?


(図鑑を手にする西野さん)

西野さん:図鑑を持ってきました。
ここはマツムシソウが出る。
紫色のきれいな花なんですね。
皆さんなじみぶかいのだとホームセンターでスカビオサ、
園芸が好きな方ならすぐわかりますが、
それの自生地が。自然に生えているスカビオサが。
見つけたら我を忘れます。


高橋:自生するのは標高が高い所?

西野さん:草原なんですね。
草原が全国で少なくなっているから、
マツムシソウやワレモコウ、オミナエシ、キキョウといった
秋の七草と呼ばれるものがどんどん少なくなっているんですね。


高橋:マツムシソウの花はどのくらいの大きさですか?


(「マツムシソウ」を探しながら頂上を目指します!)


西野さん:大体ペットボトルのフタを
1.5倍したくらいの大きさで紫色です。
この紫色が何とも言えない紫色なんです。
きれいなんですよ。見つけたいですね。




(「マツムシソウ」見つかるのでしょうか、、、、?)

西野さん:マツムシソウですね!!!
実はいま電柵の中でマツムシソウを見つけたんですよね。
鹿はいろんな食べ物を食べていて、
日本全国で増えて問題になってるんですよね。
もしかするとマツムシソウの仲間も食べちゃうのかもしれない。
だから電柵の中にしかないのかもしれないですね。


高橋:すごくかわいいお花、花びらがたくさんあって、紫というか今流行のニュアンスパープルみたいな。


(「マツムシソウ」発見!!)

西野さん:植樹の時と一緒で、
フェイスブックやインスタグラムではなかなか伝わりづらい。
見たときの本当の感動というか体験型なので、
ぜひ皆さんも車山高原に来ていただきたいですね。


 
(「マツムシソウ」)

車山神社・宮司・宮澤さん:神主として恥ずかしいですね。灯台もと暗しです。
リフトでばっかり言っていたので、
ちゃんと歩くっていいですね。



「標高1925mの車山神社に、“鎮守の森”はあるのか」
長野県茅野市 車山からのリポートでした。



【車山神社】

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Smile / Madeleine Peyroux
・Shooting Star / Owl city

今週も、鎮守の森のプロジェクト・植樹リーダーで
林学博士・西野文貴さんのもう一つの拠点、大分県の「グリーンエルム」からのレポートです。
東北で集めたどんぐりから植樹のための苗木を育てたり、
森の成長に必要な植物について研究をしたりと、
ほんとうに様々なことをやっている会社なんですが、
その他にも、日本では珍しい植物の栽培にも取り組んでいます。

ということで、さっそく西野さんに、現場を案内していただきました。



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高橋:今目の前に広がっているのは?

西野文貴さん:ユーカリ畑でございます!
実はこれ、オーストラリアからユーカリの種を輸入して
育てているんですが、担当がいます。僕の兄貴です。


ユーカリ担当・西野友貴さん:お久しぶりです万里恵さん!
ユーカリは外来ですが、外来だからこそ
自分に任せていただいたというのもあります。


高橋:でもユーカリの畑を初めて日本で見ました!

ユーカリ担当・西野友貴さん:そうですね。
原料として動物園のバックヤードにあったり、
個人的な栽培者、個人で植えている人もいますが、
こうやって収穫用としてこれだけ畑を持っているのは
おそらく日本で初めてだと思いますね。


高橋:ユーカリってかわいいんですね。葉っぱも白っぽいグリーンでファンタジーの世界みたいです

ユーカリ担当・西野友貴さん:そうですね。
今まで見ていただいた日本の緑とは違った緑、
特にこのグロブルスという種類はいわゆる緑白、
銀緑色、銀とか白に近いような緑の色ですよね。
日本の紙の原料となる木で、
オーストラリアやブラジルで植林されているのは
グロブルスという種類です。いまここで600本くらい。


高橋:高さは?

ユーカリ担当・西野友貴さん:高さは最高で
6メートルくらいになっていますね。
ただこれは、いつも見ていただいている植樹祭の30センチ、40センチの
大きさの苗を植えて1年でこうなりました。


高橋:それだと、見ていると伸びてるのがわかるくらいの成長の早さじゃないですか?

ユーカリ担当・西野友貴さん:冬は成長が止まるんですが、
春や夏になると道路沿いを車で通ると、
1日ごとに景色が変わっていきますね。
そういう感じなのでパルプの原料に使われるんですね。
植林をしやすい。あと日本の伸根性、
直根性のアカガシなどは根が深く入るんですけど、
これは杉やヒノキと一緒で根が深くないんですね。
なので、次の台風のときには倒れるだろうという
予想をして育てています。


高橋:こんなに立派に600本生えていても台風は?

ユーカリ担当・西野友貴さん:台風はどの植物にとっても天敵ですが、
特にこれは根っこがないので踏ん張りがきかないんですよね。
根は、20〜30センチくらいですかね。
上がすごく急激に伸びるので、下の根が追いつかないんですね。
ユーカリって本当にいろんな種類があるんですけど、
海外ではあるユーカリの種類は
モンスターツリーといわれているくらい。
それぐらい成長がものすごく早くて繁殖力がある。
要は使いようで、それをパルプに使ったり、
うちの場合はちょっと違う使い方をするために育てているんですけど。


高橋:パルプ用じゃないんですよね?

ユーカリ担当・西野友貴さん:王子製紙さんとかは使うのは
幹だけなんですよね。
葉っぱはどうしても余ってしまうので、
王子製紙さんが研究をされて、
消臭剤や抗菌剤の原料になると発見をして、
うちそれを育てて原料として加工して、
メーカーさんに卸すという仕事をここ5年くらい、
新しい仕事としてやらせていただいてます。


高橋:葉っぱの活用は?

ユーカリ担当・西野友貴さん:どちらかというと
パルプにする幹ではなく、葉っぱですね。
ちょうど良いやつがここにあるんですが、
触っていただくとワックス成分ですごくツルツルして。
匂っていただくとユーカリのすっとする匂いが。
この抗菌力、特に柔らかいベビーリーフですね。
オイルが葉っぱに浮き出るくらい。
ワックス成分で抗菌原料に使えるということで、
うちはユーカリ畑に関しては無農薬でやらさせていただいています。


高橋:匂いがあるからあんまり虫も来ない?

ユーカリ担当・西野友貴さん:そうですね、
もともと抗菌剤として使うくらいですから
原料として強いので、虫にも病気にも強め。
ご家庭でも基本育てやすい植物ですよね。
ただ1年で6メートル伸びますので、
家庭で使う場合は電線とかに注意をしたほうがいいですね。


高橋:家庭に植える場合、場所めちゃめちゃ重要じゃないですか?

ユーカリ担当・西野友貴さん:そうですね。
元から切っても強いので、
また次の年に同じくらいに伸びるんです。
たくましいですね。
モンスターツリーと言われる由来はわかりますね。


高橋:全然ユーカリのイメージはそういうのはなかったです。いい香りの優しい木と思っていましたが、完全にモンスターですね。

ユーカリ担当・西野友貴さん:そうですね。
ただやっぱり、何にでも表と裏があるように、
それを人間が加工して人間が使いやすいように薬の原料にしたり、
こうやってオイルをとって香りを楽しんだり、
植物を活用して人間社会に応用していくということが、
ユーカリだとできるということだと思いますね。


高橋:葉っぱの活用法としては、オイルだったり?

ユーカリ担当・西野友貴さん:今商品化されているものとしては
ユーカリブルーというオリジナルのブランドで作っているんですけど、
青いきれいな瓶に入っています。
100%国産有機オイルです。
国産のオイルというのはなかなかないんですよね、
ユーカリに関しては特に。
弊社の場合は乾燥させてチップにして、
それを水蒸気に当てて水蒸気蒸留で油分を取り出して落としたあとに
容器に詰めるというシンプルな、
何も添加物を入れていないです。


高橋:実は私このオイルでサウナでロウリュウをやったんですよ。めちゃくちゃいい香りで。鼻にすーっととおって呼吸がすごく気持ち良い香りですよね!

ユーカリ担当・西野友貴さん:そうですね。
やっぱりユーカリの効果として、
鼻や喉に効くというのがありまして、
風邪気味の時とか鼻づまりの時は
よくこのオイルを洗面器に垂らして、
その空気を吸うというんですかね。
呼吸をしやすくするというのは、
昔からオーストラリアでは使われていると聞きます。


高橋:すごいものがありますね西野さん!

西野:そうですね。
たぶん、僕の兄貴も声が聞こえていると思うんですね。


高橋:ユーカリってひとつじゃないんですね!

ユーカリ担当・西野友貴さん:全世界で言うと700、800
あると思うんですね。
やっぱりコンシュ?混種?しやすいので
いろいろ掛け合わせて、人工的にも掛け合わせやすい植物なので。
それでもやっぱりその中で、
王子製紙さんが調べて公権力がナンバーワンだったのが
このグロブルス。
種はなるべくこちらで作りたくないというのはありますよね。
外来種なので。
なので、作るにしてもしっかり管理をして
外に出ないようにしたいなと思っていますね。
そこは植物を作っている会社としての、
意地というかプライドですよね。
なるべく外には出さないというのが。
その前に台風でほとんどやられてしまいます。
だからこれ9月までに持てば良いなと、
自分はドキドキしています。
ユーカリもそう言っていますね。




鎮守の森のプロジェクトで植樹してきたポット苗の「里親」、
大分県にあるグリーンエルムからのレポートを
3週に渡ってお伝えしました。

グリーンエルムの国産有機ユーカリを使用した
エッセンシャルオイルや消臭抗菌スプレーなど、興味ある方、
お問い合わせについては、
【グリーンエルム】のホームページ★をご覧ください!




【今週の番組内でのオンエア曲】
・Don't Answer Me / アラン・パーソンズ・プロジェクト
・Perfect Symphony (with Andrea Bocelli) /  Ed Sheeran

今週も引き続き、鎮守の森のプロジェクト・植樹リーダーで
林学博士・西野文貴さんの拠点、大分県の「グリーンエルム」からのレポートです。
グリーンエルムは、私たちが東北で長年植樹してきた苗木を、
どんぐりから育てる「里親」の役割を担っていることは先週お伝えしましたが、
ほかにも、豊かな森をつくるための様々な研究をしているんです。
その一つが「シダ植物」
どんな研究なんでしょうか。西野さんに案内してもらいました。


===========
高橋:連れてきてもらった違うハウス?

西野:そうなんです。
違うビニールハウスにいて、実はこの中はシダ植物が
めちゃめちゃ育っているんですけど、
今日はそのシダ植物の魅力を皆さんに紹介したいと思ってやる気満々です。
ここの栽培担当をしている清澤くん、
彼はもともと東京農業大学の僕と同じ研究室にいたんです。
僕がずっとシダの研究で博士号の勉強しているときに、
その実験の画期的な方法を編み出した人物で、
卒業した後なんとグリーンエルムに入社していただきました。


西野:シダはいろんな種類があって、
日本に700種類ぐらいあるんですね。
日本はシダ大国と言われています。




高橋:南国に入っているイメージ。今見えている景色はジュラシックパークみたい?

西野:そうなんですよね。
3.5億年前の石炭紀に出てきた植物なんですけど、
その時は本当にジュラシックパーク的なイメージ。
ただ、シダはそれだけではなく、海辺にも水中にもいるし、
北岳のような高山帯、2400〜2500メートルのところにもシダはいるんです。
これまでシダ植物は20種類ぐらいしか緑化に使われていなかったんですね。
その需要がどこで高まっているかというと、
例えば室内緑化、デパートや普通の住宅、室内に緑を置きたい時。
シダ植物の特徴のひとつが、全部がそうではないが影に強い、
耐性を持っている植物なんですね。
僕がシダ植物が研究するきっかけとなったのは、
鍾乳洞を訪れた時なんですね。
鍾乳洞の入り口は光があるのでたくさんいろんな植物があるんですね。
それが歩いて鍾乳洞の奥に入っていくと、シダ植物とコケしかなかったんです。
それを見たときに、これから先、室内緑化はシダ植物。
それを調べていくとシダ植物って緑化に使われているのって
20種類ぐらいしかないんだ、なぜもっと在来の植物を使わないんだろう、
やってみたいということで、
賛同してくれたのが清澤くんとかなんですよね。


清澤:うちで育てているシダはもともと100種類ぐらいいまして、
今はできるだけ栽培しやすい、育てやすいものに絞って
50種類くらいがハウスで育っています。
今までシダ植物の増やし方は、株自体を切って分ける「株分け」と、
あとは山からとってくる方法しかやられてこなかったのですが、
安定していて自然環境にも優しいことを考えて
胞子を使った増やし方が一番良いと思って
研究をしたところになります。


高橋:胞子から増えるって、めちゃめちゃ小さい点ですが、あそこから?

清澤:少しコツがあるんですが、
シダの胞子は膜で覆われているんですね。
膜で覆われているちょうど良い時を狙って、
葉っぱを取らせてもらって、
それを乾燥させると胞子だけが取れる仕組みになります。


高橋:マニアックなことをしていますね!

西野:マニアックです。
清澤君は僕と同じだと思うんですけど、
ハウスに入ったら声が聞こえていると思うんですよね。


高橋:清澤さんはシダの声が聞こえるんですか?

清澤:最初はだいぶ枯らせてしまったんですけど
そのうち、水が欲しいとか肥料が欲しいというのは、
やっと聞こえるようになったかもしれないです。


高橋:西野さんの会社に入るとだんだん声が聞こえるように。連れてきてもらったところには小さなシダ植物がいっぱい生えていますね!

清澤:そうですね。
まずは育苗箱みたいなのに胞子を蒔いて、この一つ一つがそうですね。


高橋:小さい葉っぱが出ていて、苔がちょっと大きくなったくらいの感じの?

清澤:それをピンセットで移して、
プラグにあげたのがこちらになります。
これで1年ぐらい経っている、こんな形で胞子から一気に増やす形です。


西野:実は、このシダ植物は胞子から栽培もして、
うちにせっかくいろんな種類があるので、
それを合わせて植えてみたりしたら、
景色が変わるんじゃないかと清澤君が挑戦しています。


高橋:今見せていただいていますが、いろんなシダが「寄せ植え」ということであってますか?

清澤:ちょっと薄型のマットに5種類くらいシダを入れて
寄せ植えをしているような形です。


高橋:濃いグリーンのシダもいれば、ちょっと薄い黄緑色のものもあったり、丸い葉っぱもあったり、かわいいですね。玄関とかリビングとかによさそう

西野:マットにして4種類5種類を入れることで
新しい景色を生み出しながら、さらにリスク分散にもなるんです。
例えばエアコンの風が当たったときに、
この種類は弱くなりやすい、
でも中にはエアコンの風にも強い種類もあるかもしれない。
そうすると1つの種類が弱くなっても、他でカバーできる。


高橋:この寄せ植えの中でお互いに助け合っている世界があるということですね。植樹と一緒ですね

西野:実はこれは、宮脇方式、
混植密植といわれることを草やシダ植物で
やったらどうなるだろうというのをもとにやって、
共存させているんですよね。


高橋:いっぱい苗がありますが、このシダ植物は植樹はしないんですか

西野:実は僕はその植樹も考えています。
なぜかというと、ミヤワキ方式で作られた森は、将来大きくなると、
場所によるんですけど、早く大きな木が大きくなって、
林床と言って、そこに草が出ないんですよね。
ずっと光が当たらないから。
今日の話で言うとシダ植物って光がある程度当たらないと胞子が発芽しない、
前葉体というのが出てこないんですね。
そういう場所にはこれから先、最初からシダを植えるかわからないですけれども、
シダを植えていた方が生物多様性として循環していく、
もっと自然に近い森ができるんじゃないかなと考えて、
栽培しているわけです。


高橋:確かに西野さんと植樹をして4年、5年経った時に地面は何もなく、無駄がないイメージですもんね

西野:暗くなっているおかげで草取りをしなくて良い、
光で発芽する雑草の類が出ないからメンテナンスしなくても
どんどん大きくなるという特性はあるんですね。
ただその特性と引き換えに、自然に入ってくる種類もちょっと少ない。
じゃあちょっと後押ししてあげようと言う時代に
将来になるんじゃないかなと思って、
シダ植物を育てていることもあります。


高橋:自然に放っておいてもシダ植物が勝手にやってくるんですか

西野:そうなんです。
実はシダ植物は自然に勝手に入ってくる種類でもあるんですね。
それは今日の話でもあるんですが、
胞子はとても小さいので風散布、風でどんどん広がっていくので、
風で飛んだやつが光に当たって水があれば発芽するんですよね。
面白いのが、明治神宮の森を歩かれているときに
見ていただきたいんですが、シダ植物が結構いるんですよ。
でも造園当初の頃はシダ植物は入っていない、植えていないんです。
だから彼らは最後に胞子が飛んできて戻ったんですね。
それを人工的にもっと早くできるんじゃないか
という技術を追い求めていますね。


高橋:じゃあもしかしたら私たちが東北で植えたところに何年か後には、シダ植物もいるかもしれない。その多様性の森、めちゃくちゃ素敵じゃないですか

西野:そういう森を作りたいなと思うんです。
もっと宮脇方式をアレンジしていけば、
もっと自然に近い森ができる可能性を感じていますね。



「グリーンエルム」


鎮守の森のプロジェクトで植樹してきたポット苗の「里親」、
大分県にあるグリーンエルムからのレポートお伝えしました。



【今週の番組内でのオンエア曲】
・What Lovers Do / Maroon 5 Feat. SZA
・スプリンクラー / 山下達郎

番組では長年「鎮守の森のプロジェクト」による
東北沿岸部の植樹活動をリポートしてきましたが、今回の主役はその「苗木」です。
わたしたちがこれまで植えてきたたくさんの苗木たち。
その多くは、どこで育てられたのかと言うと、実は、九州・大分県なんです。
ということで今回は、鎮守の森のプロジェクト・植樹リーダーで
林学博士・西野文貴さんのもう一つの拠点、
大分県の「グリーンエルム」という会社にお邪魔して、
苗木たちはどう育てられているのか、その様子を見させてもらってきました。



===========
高橋:今日は鎮守の森のプロジェクト、我々も何度も植樹で伺っていますが、植樹をする苗のどんぐりの里親を尋ねるということで、大分に来ています。鎮守の森のプロジェクトの植樹といえばこの方です、西野先生よろしくお願いします。いま目の前に広がっている景色がすごくて、小さい苗木がありますがここはどこですか



西野:ここは今までまりえさんたちが東北で
鎮守の森のプロジェクトで植樹をしてきた苗木たちの、
東北で取った種をいま大分で育てて、
いわゆる里親制度をしているようなもので、
それをずっと植樹の時に送っていた場所なんです


高橋:そしてここは西野さんが勤めている会社!

西野:ついに、やっと来てくれました。
ありがとうございます。目の前に低木、
オオバイボタという縁の下の力持ちになる樹木、
将来3メーターくらいになる木なんですが、
東北で取った種が育っているのがあるので
ちょっと見てもらいたいと思います。




高橋:このオオバイボタは40センチから50センチくらい。びっしり根っこが生えてますね。

西野:ポットの大きさは10.5センチくらいの高さ、
幅になるんですけど、そこに白い根っこがびっしりで、
ほぼ9割終わっているくらいのイメージなんですけど、
この根っこをどれくらい増やしてあげるかが、
植樹の鍵を握っているんですね。
僕の親父、社長が30年前から宮脇先生の森を作ろう、
応援しようと興した会社なんですけど、
なのでこのぎっしりした根っこを作る技術を持っているんですね。


高橋:根っこを育てるのに大事なことはありますか?

西野:あります。まず基本的には、
農業や家庭菜園も一緒なんですが、土壌の三層構造というのが
すごく重要になってきます。
土壌は全部で3つの相「固相、液相、気相」があって、
固体の土の部分、液体の通る未知の部分、
空気の入る未知の部分3つで構成されているんですね。
そして重要なのが、割合「4: 3: 3」。
マニアックなんだけど農業も一緒です。
なので最近家庭菜園をしていてうまくいかない、
この植物を育てると土が固くなると思ったら、
4:3:3を目標に土を作っていくとバッチリできます。
そしてこの土壌の3層構造は地層のようになっているわけではなくて、
団粒構造、土の中って大中小、いろいろな大きさの土があるんですね、
これがバラバラになっていることが育てやすい土なんです。
この4対3対3の割合にしているところ団粒構造が、
きれいな大中小が粒が揃っているイメージなんですね。
例えば同じ土しか使わない、
黒土だけですよとなると粒の大きさが全部一緒になりますよね。
そうすると雨が降ったりするとどんどん押し固まって隙間がなくなる。
隙間は何なのかというと気相がなくなる。
気相がなくなると水も通らなくなるということで、
植物は空気が来なくて生育不良になってしまう。
じゃあ自然界はどうなっているのという話ですよね。
実は森の中にはその団粒構造を作る生き物がいます。
それがミミズ!です。
彼らがやっぱりそういうふうにしてくれているから
森は常に健全で歩くとふかふか。
今日はその秘密についても触れていきたいなと。




高橋:西野先生これは?


1メートルくらいありますね。
植樹の時にこれはいつも植えている樹種で、どんぐりを付けるアカガシ。
これは将来大きくなると30メートルくらい。
東北だとゆっくり育つので20メートルくらいです。
大きくあると材が赤いんですね。なのでアカガシ。
使われている用途としては木刀とか、
硬い材なのでそういうのに使われたりします。
で、先ほどオオバイボタの根っこを見てもらったとき
白い根っこがびっしりしていましたよね。
このどんぐりの仲間はポットを外して中を見ると
太い根っこがあるのわかりますか。


高橋:ちょっと茶色の太い根っこ。さっきのは細かい網目状になっていましたけど?

西野:そうなんです。
どんぐりの仲間は主根と言う、主役の根っこがあって
それが地面の奥深くまで入っていくんですね。
それを深根性、直根性があるという言い方をするんですけど、
そうすることでこの大地を支えて倒れないようになるんですね。
ドイツなんかでは「地上の森、地下の森」というくらい、
地上が成長すれば地下もその分 成長すると。
これだけ根っこがしっかりして生き生きしていれば、
どんな場所に植えても枯れる確率は少なくなります。
やっぱり植物は根っこが命です。
宮脇先生もずっとそうおっしゃっていましたね。
それで今日、周りを見ると植物がすごくありますよね。
ここだけで何万ポットがあるんですね。
ここが微妙に斜めになっていますよね。
なぜ傾斜があるかというと、水がはける。
やっぱり水ってそこにずっと停滞してしまうと、
ばい菌が繁殖したりあまり良くないんですよね。
なので若干、2〜3度だけ傾斜をつけて水はけを良くしているんですね。
それで、秘密があって、地面と育てているポット苗の間に・・・


高橋:直おきじゃないですね?

高橋:ちょっと茶色の太い根っこ。さっきのは細かい網目状になっていましたけど?

西野:そうなんです。10センチから15センチぐらい
開けているんですね。これは「空気根切り」と言うんですが、
もし地上に直置きしちゃうと地球と繋がっちゃうんですよ、
ポット内の穴が開いているところから。
一般的なユズリハとかアカガシは、空気があるところに
根っこを出さないんですね。なので地上とつながらないように
10センチ15センチ浮かせる、
「空気で根切りをする」ことで空気根切りと呼びます。
全国で苗木を育てている方々はやっぱり出荷するとき、
植樹祭にもっていくときに地球とつながっているとこれを切っちゃうんですよね。
ブチブチっと抜いちゃう。そうするとこの根っこは枯れやすくなったりしますし、
やっぱり自然にできる根っこと違ってちょっと切れたりするので、
自然樹形と異なってくるという感じなんですよね。


高橋:だからおうちでやる時もちょっと地面との間を開けることが大事?

西野:そうなんです。
ただそうするとちょっと手間が1つ増えます。
それは何かというと水やりの頻度。
直おきしていると地面が湿っている時が長いので
水やりする頻度が少なくなるんですが、
空気根切りをしているとこれ以上水が入らないので、
ちょっと頻度が多くなるんですね。 



鎮守の森のプロジェクトで植樹してきたポット苗の「里親」、
大分県にあるグリーンエルムからのレポートお伝えしました。


「グリーンエルム」

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Spinning World / Perfume
・花になる / 奥田民生

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