プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

今週は、ちょっと変わった生き物に、恋してしまった方にお話を伺います。
生き物の名前は、ガラパゴスバットフィッシュ。世界で唯一、南米エクアドル沖にある世界遺産、「ガラパゴス諸島」にしかいないお魚です。
そしてこの生き物に一目惚れしてしまい、自らのニックネームにもしてしまったのがバットフィッシャーアキコさん。
ダーウィンの進化論でも知られるガラパゴスの不思議な生き物の話、色々伺っていきます!。


〜今日は、ガラパゴスバットフィッシュ愛好家でNPO法人・日本ガラパゴスの会スタッフ、バットフィッシャー・アキコさんをスタジオにお招きしました。まず、ガラパゴスバットフィッシュを知らない方もたくさんいると思うのですが、どんな生き物なんでしょうか?
あんこうの仲間なのですが、ちょうちんあんこうとはフォルムが違って、薄い円盤のようなボディーに前足と後ろ足のような胸ひれ腹びれがついて、うまくたたずむような感じで海底に立っているんです。そしてなぜだか唇が真っ赤!という特徴がある魚ですね。



撮影:バットフィッシャーアキコ

〜写真を拝見していますが、塗ったような唇ですね。スター・ウォーズに出てきそうな宇宙人のような形ですね。
この表情やフォルムからしてもあまり魚という感じはなく、未確認生物のようなという形容がふさわしい生き物ですね。

〜このガラパゴスバットフィッシュに惚れ込んだきっかけは何があったんですか?
高校3年生の時だったんですけど、本屋さんに立ち寄って、気持ち悪くて可愛い生き物の写真を集めたフォトブックが積まれていて、それを何気なく手に取って開いてみたんです。そうしたらこの魚が掲載されていて、なんだこの生き物は!!という電撃が体中に走ってしまいまして。私にとって生まれて初めて体中に稲妻が巡ったというくらいの衝撃で、いてもたってもいられずその本をレジに持っていって、近くのファーストフード店でページをずっと眺めてうっとりしていたら2時間経っていた、というのがきっかけです。その写真を見て、「私はこの生き物に会いたいな」と思ったんですけれども、まずガラパゴスバットフィッシュは世界中どの水族館にもいないので、ガラパゴス諸島に行って、現地でダイビングするしか会う方法がないんです。それに備えてダイビングできるようにダイバーライセンスをとらなくちゃなと奮起して…私泳げないんですけど、でもこれをできないとどうしようもないからということで、独自の訓練をもろもろ重ねて、何とかしてライセンス取得にこぎつけました。そして、スペイン語も何とか日常会話程度はできるようになったのが大学3年の夏だったので、そのタイミングでガラパゴスに行くことにしたんです。
それで無事にガラパゴス諸島に到着しまして、まず最初にダイビングセンターに行って「私はガラパゴスバットフィッシュに会いたい」と言ったら、受付の人々の「は?」という微妙なリアクションを受けつつ、ダイビングツアーに参加しました。なんと初回のダイビングで会えたんです!その瞬間のことが忘れられなくて、なんというか、「いた!」というより「…落ちてる」という感じでした。


〜???どういうことですか?
魚だったら”泳いでいるのを見る”という感じですが、この魚の場合本当に海底の砂地にただ突っ立っていて、動いていないんですよ。落とし物がそのまんま落ちているという状態でいるんです。私もガイドと一緒に”これだよこれ!”という感じで近寄るんですけれども、相手は非常に冷静沈着で、ほとんど動かないんですよね。それでもなおずっとそこに鎮座しているような形で、初めてガラパゴスに行った大学3年生のときには夏休みを利用して1ヵ月滞在していたので、可能な限り会いたいと思って、ガラパゴスバットフィッシュが見られるダイビングポイントに船が出る日は皆勤賞レベルで参加して、見れば見るほど深みにはまって…アリ地獄状態ですよね、二度と抜け出せないという。

〜何回も会いに行ってしまうガラパゴスバットフィッシュの不思議な特徴、面白いところは?
まず魚なのに泳ぎが苦手。私のようなものが鼻息を荒くしながらカメラを抱えて近寄っても、ちょっと後ずさり。「困ったな、なんだよ」という感じで泳ぐんですよ。「ついに泳いだ!」と思っても遅くて、簡単に前に回り込めてしまうんです。そうすると彼は絶望したかのように立ち止まり、諦めて着地するんです。また、彼らは動かないので見つけづらいんですね。動いているとあそこにいるとわかるんですが、動かず岩や石と同化した状態で、プロのガイドでさえも見落としてしまうことがあるんです。あるとき、縦1列で先頭にガイド、後に私がいる状態で泳いでいるときに、ガラパゴスバットフィッシュを見逃してしまって、たたずんでいるガラパゴスバットフィッシュの横を泳いでいってしまったんです。私たちは足ヒレ、フィンをバタバタさせて泳いでいるので、砂が巻き上げられるんですけど、それと一緒にガラパゴスバットフィッシュが舞い上がって、水中で一回転して2バウンドして着地したんです!その間一切無抵抗というのが本当に何なんだろうなと。されるがままなんですよね。


ガラパゴスバットフィッシュ愛好家で、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ、
バットフィッシャー・アキコさんのお話いかがだったでしょうか。
来週もガラパゴスバットフィッシュへの愛のお話、たっぷりお聞きします!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Alone Again / Gilbert O'Sullivan
・波よせて(original:Small Circle of Friends) / クラムボン
今週も、香川県小豆島、山田オリーブ園の山田典章さんのインタビューです。
オリーブの木を枯らしてしまう害虫、オリーブアナアキゾウムシをひたすら、自分の目で探して取り除く・・・というシンプルなアイデアと地道な努力で日本初の、有機栽培のオリーブづくりに成功した山田オリーブ園。
ただ、園主の山田さんは、そこで満足する方ではないんです。さらに良い方法はないか、日々模索しています。
その一つが、オリーブアナアキゾウムシの「天敵」を探し出してその力でゾウムシを駆除するという方法なんですが、どうやら、この方法はちょっと難しいみたいです。


ムカデとかカエルとかトカゲの仲間とか、そういったものも飼育箱に入れてみたのですが、殻が固くて美味しくないのか、食べないんですよ。オリーブアナアキゾウムシを食べる虫は今のところ見つかっていません。だから今はもう天敵を探すのは諦めて、AIを使ってゾウムシを捕まえる方法を考え始めたところですね。
オリーブアナアキゾウムシの天敵は今は人間である僕だけなんですけれども、ゾウムシを捕まえるのが難しいのは、見つけにくいから。見えにくいんです。でもAIの画像認識のシステムを使うと割と簡単に見つけられるんですね。今のところまだ僕の方が勝っているんですけれども、少なくともうちの嫁さんよりはAIの方が先に認識します。AIはどんどん賢くなる、たくさん見せるとどんどん識別の精度が上がっていくので、どんどん見せているうちにAIの画像認識によってオリーブアナアキゾウムシを見つけることができるようになってくると考えています。
実は小豆島みたいな所には、小さな畑がいっぱい余っているんです。大きな畑ではたくさんお米を作ったりいろんなものが既に作られていて、小さな畑がたくさん余っています。AIをドローンに積んだりラジコンに積んでゾウムシを見つけるようなロボットを作っていきたいと思っているんですが、これは既存の技術を転用すればできるので、コストをかけなくても開発できると思っています。何千万円もする機械を使って農業をするのではなく10万、20万円のAIロボットで見つけられるのであれば、小さな畑も使えるようになると思っているんです。日本にはそういう小さな畑がいっぱいあります。僕が目指しているのは家族でやる農業。小さな畑で食っていくことができる仕事が地方にたくさんできてきた方が、農業も強くなるし、しかもどんなことがあってもそういう農家は強いですよね。誰も使っていない、使わなくなった土地を使えば良いんです。ただその時に素人のサラリーマンがやろうと思ってもなかなかいろんな技術が難しくてできないんですけれども、そこの専門的なところをAIにやってもらう。なんでもかんでもAIがやるというのではなく、ゾウムシの場合は認識するところだけをAIがやるんですね。それはオリーブアナアキゾウムシを識別をするのが難しいから。ただ、それを捕まえるところまでロボットを使うとなると開発費がかかるので、そんな事はやらない。「ここにいる」とい事だけ教えてくれれば人間がとればいいんです。人間が苦手なことを賢くAIにやってもらうことによって、農業の形が変わると思います。夢みたいな話かもしれないですけれども、誰も使っていないような小さい畑からいろんな農作物を作れるようになってくるということは、技術的にはもうそこまで行っているはずです。



〜オリーブの木は、普通は挿し木で増やすそうですが、一方で山田さんは自然交配で新しい品種を作ってみたいということをおっしゃっていました。この3年間で進捗はありましたか?

300本ぐらい育てているうちの3本だけは実がつくようになっています。今年ようやく木も大きくなってきて、1本で10キロくらい取れそうなんですね。10キロ取れると搾汁ができるので、今年の秋には3本は難しいかもしれないですが、1種類だけは初めてオリーブオイルが絞れるかもしれないです。どんな味のオイルになるかは絞ってみてのお楽しみですけれども、ようやく今年の秋にはたどり着けそうです。ただ、それが実がすごくおいしいオイルか、あまりぱっとしなければどうするかというのはあります。風味次第ですかね。


〜コロナ禍で小豆島に移住したいという方がたくさんいらっしゃるそうですね。

関東を中心に、うちにもここのところ数件問い合わせがありました。テレワーク、パソコンで仕事をするということが出来るようになったことで、東京にいなくても仕事ができることがわかって、だったら自分が住んでみたいところを自由に選んでみよう、引っ越したいと思っているという相談がここのところ続いていますね。なかなか東京でオリーブを何本も植えて育てるのは難しいと思うんですけれども、こちらに来ると畑もたくさんありますので、オリーブなんかも育てながら、もともとやっている仕事も持ちながら、引っ越したいけれども、空き家はあるでしょうかとか、といったご相談が結構あります。


〜災害の時もそうですけれども、自分で食べ物を作るお仕事をされているのは、安心につながる部分もあるかもしれないですね。

それはこういうことが起こるたびにひしひしと感じますね。例えば海外からの食料が止まってしまったらとか、その時にやっぱり、畑で育てているのはオリーブだけじゃないので、最悪何とかなるなという気持ちはやはりありますね。そういったことを考えられる方も増えているんじゃないかなと思います。


〜小豆島は雰囲気が素晴らしいですよね、緑豊かでいろんなところにオリーブがあって海も綺麗で。

そうですね、のんびり暮らすには海もあって山もあって良いところだと思います。


山田オリーブ園の山田典章さんのインタビュー、いかがだったでしょうか。
山田さんの本、現在発売中です。

「これならできる オリーブ栽培: 有機栽培・自家搾油・直売」
農山漁村文化協会から発売中です。気になった方は是非チェックしてみてください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Summer Feelings (feat. Charlie Puth) / Lennon Stella
・The Lazy Song / Bruno Mars
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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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