プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

今週は、地球の表面の「7割」を占めているもの・・・「水」をめぐるお話です。
ゲストは自然写真家・高砂淳二さん。地球をあちこち飛び回り、レンズを通して、森や海、様々な生き物たちの姿を捉え続けてきた高砂さん。新しく発表した写真集のテーマが「水」ということで、いろんなお話伺いたいと思います!


〜今朝のゲストは、自然写真家の高砂淳二さんです。1962年、宮城県石巻市生まれの自然写真家。ダイビング専門誌の専属カメラマンを経て1989年に独立。世界中を旅しながら、海の中、生き物、風景、地球全体をフィールドに、自然全体の繋がりや人とのかかわり合いなどをテーマに撮影活動を行っていらっしゃいます。
前回のご出演は2017年の秋でした。2年が経過しようとしていますが・・・
 ここ2年間は、地球の水をテーマに撮影をしていました。水そのものも撮影するし、水が循環している様子、例えば水は液体ですけれども、氷になったり雪、水蒸気というふうに変わるので、いろんな形を撮影して、あとはその水で生きる生き物とか植物とかを撮りました。約20カ国ぐらいですかね。その2年がぎゅっと詰まっています。
 なぜ水をテーマにしたかというと、今騒がれているプラスチックのゴミの問題ですね。そのことが自分の中ですごく気になって、自分ができることといえば写真を撮って見てもらうことなので水をテーマにしようと決めたんです。僕は30年以上この仕事、特に海で撮影をしてきているんですけれども、今から20年前にミッドウェーで撮影をしたら、絶海の孤島で周りに人が全然いないような場所で、コアホウドリの繁殖地だったんですけれども、コアホウドリの雛がいっぱいビーチで死んで転がっているんですね。近づいてみると、体が半分腐っているんですけれども胃の部分だけ形が残っているんです。よく見ると100円ライターとか釣りのテグスとかプラスチックの破片とかビーチサンダルのかけらとか、そういうのでいっぱいになって餓死している。それはお母さんたちが海からご飯を持ってきて、口移してあげるんだけれども、それが実はご飯じゃなくて浮かんで流れているプラスチックごみを子どもにあげているからそういう風になったんですよね。その時にすごくショックを受けたんです。それからもずっとこの仕事を続けている間に、徐々に徐々にゴミを目にするようになりました。最近は世界中で海から、もうこれは受け入れられないと突っ返されたりという感じがします。ビーチなんかもごちゃごちゃですよねプラスチックで。


〜20年前にもうそういう状況だったんですね。高砂さんが20年撮影を続けていく中で、どんどん環境が悪くなっていると感じる部分はありますか?
 プラスチックのゴミも海底に沈んでいたりビニール袋が浮かんでいたり、多く目にするようになっているし、それから温暖化もやっぱりすごく影響していて、例えばサンゴもどんどん水温が暖かくなってきているので白化現象を起こして死んでしまうというのがあちこちであります。サンゴ自体がかなり少ないですよね。あとは、今回の写真集でも使っていますが、アザラシとかホッキョクグマが住んでいるところの雪や氷もかなり溶けてきていて、今までは氷の上で何週間かかけて育っていた子どもが、そういうことができなくなってきています。この前もアザラシの赤ちゃんを撮影してきて、氷の上にヘリコプターで降りて撮影をしたりしていたんですね。それがここ10年は氷が薄くなってできなくなっていたんですが、久しぶりに氷がしっかり張ったので行ったんです。何日か撮影をして、そのあと僕が別の場所で別の撮影をして、流氷の分布を示すサイトを見たら、最初に撮影していた部分の氷が溶けちゃってなくなっていたんですね。その時点でまだアザラシの赤ん坊は2週間ぐらいしか経っていないので、あと2週間ぐらいは自立するのに必要だったんですよ。だから多分全部死んじゃっただろうと思って。アザラシの赤ちゃんは氷の上でお母さんのおっぱいをもらったり、あるいは氷から降りて泳ぎの練習をして、だんだん自分で自由に泳げるようになって自立するわけなんですけど、4週間ぐらい必要なんですね。

〜写真集の中にも氷が薄くなっているような、上から撮った写真がありますが、これはそういったものですか?
 ここにいっぱい黒いのが転がっているのがお母さんなんですね。ちょこちょこと赤いものが見えるんですけれども、これは子供を産んだ胎盤とかが転がっている跡なんですよ。2月末になると一斉に三日間くらいの間でみんな産むんですよ。その間に、お母さんだけだったのが横にいつも赤ちゃんがころっといるという状況になるんです。すごく可愛いですけど、この氷が、これから数日経ってどんどん温度が上がってしまって、それで溶けちゃったんですね。

〜そういった海の危機的な状況を伝えたいということで今回の写真集が生まれたという事なんですが、綺麗で迫力があったり、可愛かったり、地球ってこんなにきれいな場所があるんだなという感じがしますね。
 やっぱり何が伝えるにしても、悲惨な状況を写真で見せるドキュメンタリー的なものではなくて、地球ってすごいよね、水ってやっぱり大事だねと思ってもらえたらいいなと思っているんですね。

高砂淳二さんのお話、いかがだったでしょうか。来週も高砂さんのお話をお届けします。


『Planet of Water』高砂淳二(日系ナショナルジオグラフィック社)

そして写真集『PLANET of WATER』の発表に合わせて写真展も開催されます。
6月24日(ニコン・ザ・ギャラリー新宿)
7月18日〜31日(ニコン・ザ・ギャラリー大阪)
です。大阪では7月20日、27日にはトークイベントもあるそうです。詳しくは高砂淳二さんのウェブサイトをご覧ください!
http://junjitakasago.com/

【今週の番組でのオンエア曲】
・RUDE / Magic!
・太陽 feat.おおはた雄一 / Maia Hirasawa
今週は、この番組で継続的にお伝えしている、植樹祭のレポート。
福島県南相馬市で6月2日に行われた「第7回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭」 こちらの模様をお伝えします。
南相馬市で、津波からいのちを守る森作りがスタートして7年目の今年、市内沿岸部の各所では、すくすくと森が成長しているということで、そんな様子もお伝えできればと思います。
今回の福島県南相馬市の植樹祭、小高区の植樹会場には、2万5千本の苗木が用意され、地元の方々をはじめとしたボランティア1900人が集まり苗木をひとつひとつ、植えていきました。




会場では、細川護煕理事長も植樹をされていました。
中央にいるのは植樹指導をされた、東京農業大学の西野文貴さんです。

今回は新しく植える樹種があります。オオバイボタという木です。

東北の海岸線に生えてくる自生している植物なんですけれども、今まで生産がなかったんですね。自然にあるけれども植えられない、ものがないと言う状態だったんですけれども、今回種をとって、里親制度みたいな形で育てて、この年にまた戻ってきたと言うことになります。まだ他にも生産がない、作っていないものもあるので、どんどん作っていて毎年植樹を進化させていきたいと思います。競争して共存する森づくりをこれからも進めていきたいと思っています。

(西野文貴さん)


参加された方の中には、南相馬の植樹にもう何度も参加されている・・・という方もたくさんいました。みなさん口をそろえて言うのは、「木の成長を見守るのが楽しみ」。ということです。2013年にはじまった南相馬の植樹祭は、原町区、鹿島区、今回の小高区をあわせおよそ16万本が植樹され、スタート当初の苗木は、もうかなり成長しています。

(地元出身の男性)
ここの海は小学生の時とか来ていたところだったので、変わったなという印象です。こうやって精一杯植えて、ずっとここから先もつながっていくということなので、これが続いて、木がいっぱいで森がある姿で残ればいいのかなと思います。

(地元出身の女性)
今は小さいですが子供たちより大きくなって育っていくと思うと感慨深いですね。守ってくれる森になると良いんですけれどもね、少しでもね。

(地元出身の子供と参加の女性)
忘れない、風化させないという気持ちを子供たちにも教えたいので、こういう活動に少しでも携わらせていただければ、心に残るものがあるかなと思います。現にここで亡くなっている方もたくさんいるし、同じ歳の子供たちも犠牲になっていたりとかしているし、いろんな思いがありながら一言では言えない思いがあります。ですから、植樹のお手伝いができて、これが何か大きくなっていく、木が大きくなっていくとともに平和にみんなが暮らすようになれば、子供たちもすくすく育ちこの街も平和になればなという思いで参加しています。

現場で植樹指導をされた、東京農業大学の西野文貴さんに詳しく伺っています。

〜ここは7年目、7回目と言う事ですが最初に植えた木は大きくなりましたか?
 大きくなりました。2013年に植えたところを見に行ったんですが、僕の背丈も超えていました。東北ではゆっくり、じわじわ大きくなっていきます。タブノキなんかは成長すれば3メートル位になるんですけれども、九州とか暖かいところだと、1年で1メートルぐらい伸びるんです。でも東北はじわじわじわじわゆっくり大きくなっていますね。大きくなったことによって雑草、セイタカアワダチ草などの草が生えなくなってきました。という事はメンテナンスが不要になってきたということです。後は自然の力に任せて大丈夫というところになってきたので、これは大きなことだと思いますね。

〜ここから先、課題、もう少しこうしたいと言う事はありますか?
当然種類もそうですし、もっと面積を広げたいと思います。それと、今後はもっと世界に発信できるんじゃないかと思っています。去年初めてヨルダンに森づくりに行ったんですが、この方式で森づくりをしたんです。その土地の故郷の木を混植密植して、早く自然に戻す方法というのをやってきたんです。これは実は世界的にも注目されているので、ぜひ南相馬から世界に発信することができたら良いんじゃないかなと思います。この方法は宮脇昭先生がドイツで学んで日本に潜在自然植生という概念を持ち帰って、ここまで築かれたということがあるんですけれどもこの方法は今や世界的に進んだ方法ということで注目されているんですよね。そういう意味では、日本は緑の先進国なんじゃないかと個人的に思います。2020年の東京オリンピックでは、南相馬が聖火リレーのコースになるということなので、こういう場所も世界の人に見ていただきたいなと思います。


そして、南相馬の植樹祭の今後について、南相馬市 門馬市長は参加者にこう呼びかけました。

 実は今日被災地域12市町村の将来を考える会議というのがJヴィレッジでありました。その中で「被災地はまだまだ大変だと思う。でも人は光のあるところに集まるんです。だから大変だろうけどその光を見つけてください」と、こんな話がありました。来年の3月26日、東京オリンピックの聖火が南相馬を通ることになりました。盛大にお迎えしたいと思います。そしてこの植樹は天皇皇后両陛下もおいでいただいた時に、これから10年間続けますと言いました。来年の植樹は6月の第一日曜日、6日です。今年やって来年の話はまだ早いですが、来年も必ずやります。またお越しください。南相馬市の光であります植樹祭にお越しいただきましてありがとうございます。


平田裕護さん 遥翔ちゃん、篤姫ちゃん

 私はいわき市なんですが、ちょうど下の道でいわきから上がってきたので、立入禁止の地域を初めて通って、まだ何も手をつけていない立入禁止を見て、唖然としました。こうした活動で立入禁止の地域も解消されていって、運動が広がれば良いなと思いますよね本当に。

島袋千恵子さん 里菜ちゃん、土子女公美さん 結衣那ちゃん 彰大くん

津波があった場所ということで1番最初にあった状態のところを見てしまっていたので、まだ怖いイメージがあったんですけれども、皆さん力合わせて、こういう植樹祭にも本当にたくさんの人が来ているんだなと思うとうれしいなと思いました。子どもたちも、こういう植樹に参加すれば、ここまで津波が来たんだよとか、あそこの山まで登らなければダメなんだよというのも気持ちとして残るかなとも思いますから、良い機会だと思います。またぜひ参加したいです。

今年も東北各地で、こうした植樹祭は開催されます。
・7月6日(土) 宮城県岩沼市 植樹&育樹祭2019 in 岩沼市
こちら、シンガーソングライターのLOVEさんの参加が決定しています。ミニライブもあります!

また、8月4日(日)には、岩手県山田町でも植樹が行われます。詳しくは鎮守の森のプロジェクトのホームページをチェックしてください!
鎮守の森のプロジェクト→https://morinoproject.com/
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パーソナリティ

高橋万里恵
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