交通事故死亡者の数は減っています。
ところが、高齢者が亡くなる交通事故の割合は増え続けています。




       
平成元年の交通事故死亡者数は 11,086 人でした。
去年、平成29年は 3,694 人。およそ30年で3割。

一方、「高齢者」=65歳以上の交通事故死亡者数を見ると
平成元年 2,520 人。平成29年 2,020人。
減ってはいるものの30年前の8割。
       
その結果、交通事故死亡者全体に占める高齢者の割合は増えているのです。
平成元年の 22.7% だったところが平成29年は 54.7% 。
半数を超えています。





JAF 東京支部 事業課 交通環境係 高木孝 さんによると
交通死亡事故で高齢者が被害に遭った時の状態別で圧倒的に多いのが歩行中。
65歳以上の場合48.1%。次に多いのが自動車乗車中で28.7%、
自転車乗車中16.1%。原付乗車中、自動二輪乗車中と続きます。





データを見ると高齢者は道路を横断する時に事故に遭うことが多い。
信号のない交差点で間に合うだろうと判断して横断を始める。
しかし、実際は車のスピードが予想以上に速い。
渡りきらないうちに車と接触してしまう状況が想像できます。

歩行者は夜間は車はヘッドライトをつけているから
ドライバーから自分は見えているだろうと思いがち。
しかし、着ている服の色が暗い色だとすぐには気づきにくいもの。
ドライバーは全ての歩行者が目立つ色の服を
着ているわけではないと理解して運転する必要があります。





クルマは時速40キロで走っていると1秒で11m進みます。
2秒で22m、3秒で33m。高齢者が横断にまごつけば、すぐ近づく速度。

対策としてはドライバーはクルマの速度を控えて運転する。
夜間になったら必ずヘッドライトをつける。
対向車や前に車がなければハイビームにする。
しっかり前方の視界を確保しましょう。

大切なのはドライバーの「思いやり」。
それはドライバー自身をも事故から遠ざけて大きなメリットになるはずです。






「トリックアート」を見たことはありますか?
本当は平面(二次元)なのに立体(三次元)的に見えてしまう。
あるいは見る角度で見え方が変わる、不思議で、楽しい創作物です。

例えば、下の写真。
道路に穴が空いていているように見えるでしょう。
でも、これは路面に描かれた絵。


 
このように時に人間の目は勘違いし、
トリックアートは視覚の錯覚を利用しているのです。

そして、トリックアートを生かして
交通事故を防ごうという道路環境が世界にはあります。
日本でも15年ほど前からお目見えしています。
それがこちら






イメージハンプといいます。
路面に描かれている絵は立体的に見えますよね?
ドライバーは危ない!?と感じてスピードを落とします。
その結果として事故の発生を防く可能性が高まります。

このトリックアート的な手法の交通安全施策、
いま海外の横断歩道でも増えています。

中国やインドには白の縞模様のまわりに着色して、
立体ブロックに見せる横断歩道があります。
最近はアイスランドや台湾でもこの技術が導入さました。





交通安全について、道路空間の安全性を高めるため、
錯覚効果を利用した路面表示のデザインを行っている
拓殖大学 工学部 デザイン学科
 永見 豊 准教授 が、
大学の構内にある横断歩道を立体的に見えるようペイントし、
ブロック正面に「歩行者優先」という文字を入れました。





大学の構内を運転するバスの運転手4名にヒヤリングしたところ
全員が横断歩道が目立ち「歩行者優先」の文字が読みやすいと高評価。
2名が「初見では驚いたが、すぐに慣れた」という回答だったそうです。

心配なのが、立体的に見える横断歩道に驚き
急ブレーキをかけたりアクセルをブレーキと間違えてしまう危険性。
      
ただ、特定の視点でトリックアート横断歩道を見た時には
写真で撮った時のように、とても立体的に見えるのですが、
その位置に入らなければ「なんだろう?」という感じに見える程度なので、
急ブレーキをかけるほど危険ではないとのこと。

永見准教授らは現在、こうしたものを逆走対策に適用できないか検討中。
逆走しているドライバーには立体的な障害物に見えて、
正常走行のドライバーには単なる平面のペイントに見えるというものです。

人間の目の錯覚を利用した交通安全システム。
安全に留意しつつ、さらに効果的な利用へと繋がるかもしれません。


地域の交通安全や防犯に協力している
市民ボランティアは全国にたくさんいます。

警察の職員だけが呼びかけるよりも、
問題が身近に感じる効果があるでしょう。

何より、同じ地域に住む人が協力して、
事故や犯罪を無くそうという結束も生まれそうです。

今回は交通安全に関わる一例を紹介しました。
滋賀県の東近江警察署とびわこ学院大学がタッグを組んだ
「ビワガク・セイフティ・リーダー」通称BSL。





東近江警察署の交通課と生活安全課が
平成24年から委嘱を開始して今年で7年目。
先日、新たな5人のメンバーが発表されました。
5人は教育福祉学部の1年生。





東近江警察署によるとびわこ学院大学は管内で唯一の大学。
そして、教育福祉学部は幼稚園や小学校の教師等を目指す学生が所属。
いい経験になるのではないかと考えたこと
地域のボランティアが高齢化しているので
活性化も諮りたいと委嘱を始めました。

これまでには例えば

▶︎ 七夕イベントで交通安全をPRする
       
▶︎ 管内の保育園で自作紙芝居や寸劇による誘拐防止教室を行う

といった活動をしています。


子供たちも警察官だとちょっと怖かったりするかもしれません。
そのあたり、大学生のお兄さん・お姉さんなら、大丈夫でしょう。
そしてビワガク・セイフティ・リーダーの存在は、
地域の大人たちにも刺激を与えているようです。





東近江警察署によるとビワガク・セイフティ・リーダーは
園児や保護者にシートベルト、チャイルドシート着用の啓発や、
高齢者を対象者とした交通安全教室に参加。
対象者から「若者が交通安全や防犯に真剣に取り組む姿を見て
自分の考え方を改めるようになった」という声も聞こえているとか。
今後も積極的に啓発活動に参加してほしいと考えています。





新聞の報道によると
今回、ビワガク・セイフティ・リーダーを託された5人は

「地域の細かいところまで目を向けて活動したい」

5月に踏切内の事故で知人を亡くしたというメンバーは
「遮断器が閉まりかけているのに行ってしまう人がいる」

「狭い道でスピードを出す車が多い」

「遊び感覚で交通安全を伝える工夫ができれば」

「交通事故への知識を深め、
子どもたちを守れるようにしておきたい」と語っています。





9月21日から展開される秋の全国交通安全運動で5人はデビュー。
こうした市民、しかも若者の関わりで、
さらに交通安全への意識が高まるといいですね。



夏休みに車で遠出をする時期。
もうすぐお盆で帰省という人もいるでしょう。
一般道より遥かに速く走る高速道路は気をつけましょう。


  


JAF 東京支部 事業課 交通環境係 高木孝さんによると
2017年のデータで高速道路で一番多い事故は「追突事故」で全体の63%。
特に多いのは「車線停止車」=道路で停まっている車への衝突で38.9%。
お盆が近づいて渋滞が発生しやすくなっている時期。
前の車の動きによく注意して運転してください。

車線上で停車している車への追突に次いで多いのが「走行車」への追突。
前を走っている車が何らかの理由で速度を落とす。
後続車がそれに気づかずに速度を落とすことなくぶつかるケース。
上り坂道やトンネルに差し掛かった時などにしばしば見られます。
後続車は早い段階で察知しないといけません。





さらに高速道路での事故の特徴は単独事故の多さ。
交通事故全体中の割合を見ると車両単独事故は2.7%。
それが高速道路に限ると12.9%。
特に高速道路での死亡事故の4割は車両単独事故です。

高速道路は一般道より速度が出ています。
ちょっとした認識・判断・操作のミスが大きな事故に繋がるもの。
そのことを念頭に置いてハンドルを握って下さい。





高速道路における事故で第一当事者に最も多い法令違反は
「前方不注視」で43.7%を占めています。
単調な直線道路を走っていると刺激が少ないことから
ついボーッと漫然運転してしまうことは誰しもあるでしょう。

そういう時は前を向いてはいても認知がしっかりできていません。
前の車が止まっているのに止まっているという判断に結びつかず
対応が遅れてしまい事故になってしまうということがあります。
「見る」というのは目を向けているだけではダメ。
しっかりと認知して判断に結び付けないといけません。





高速道路の運転は必要以上にスピードを出しすぎない。
前の車との車間距離をきちんととりましょう。
時速100キロなら100m、時速80キロなら80mが目安です。
夏休みの高速道路、安全に運転しましょう。


夏休み。
ふだんはあまり車の運転をしていない方は、
セルフサービス式のガソリンスタンドに戸惑うことがあるかもしれません。
戸惑うだけならいいですが、行動次第では大事故に繋がる可能性もあります。





ガソリンスタンドは減り続けています。
資源エネルギー庁のデータでは平成元年 60,421が平成26年33,510に。







平成に入って半数に減少。
その中にあってセルフサービスのガソリンスタンドは増えています。

アメリカなどでは早くに普及したセルフ式ですが
日本では長い間、認められなかったという歴史があります。
消防法が改正されて解禁になったのは20年前の1998年(平成10年)。
2014年(平成26年)には全国で9,481カ所になりました。





1998年、セルフ式ガソリンスタンドの解禁にあたり
当時の消防庁 危険物規制課 課長はこう話しています。

「消防庁がセルフ式を拒んできたのは、
日本のガソリンスタンドの事故発生率が欧米に比べて極めて低いから」
「日本では年間30〜40件。アメリカでは、その200倍以上だろう」 

給油するオイルは危険物。
つまりはセルフ式ガソリンスタンドも危険が伴います。


<セルフ式ガソリンスタンドの注意点 

給油する油の種類を間違えない 

ガソリン車に軽油を入れたり、ディーゼル車にガソリンを入れると、
走行中にエンジンが止まる、壊れる、可能性があります。
オイルの種類によって、ノズル受けなどが色分けされているので
確認して、間違わないように気をつけましょう。



レギュラーガソリン  → 赤色

ハイオクガソリン   → 黄色

軽      油   → 緑色


<セルフ式ガソリンスタンドの注意点◆

給油中の吹きこぼれに気をつける! 

セルフスタンドの計量機には、満タンになると自然に給油が止まる、
オートストップ機構がついています。

ただ、少ない流量で給油した場合や
給油ノズルを奥まで差し込まなかった時は作動しないこともあり
ガソリンが吹きこぼれるので危険です。気をつけることは・・・

(1) 給油ノズルを止まるところまで確実に差し込む。

(2) 給油ノズルのレバーを止まるところまで確実に握る。

(3) 自動的に給油が止まったら、それ以上給油はしない。

(4) 給油後は、給油ノズルを確実に元の位置に戻す。


もしも吹きこぼれてしまった場合には、
給油ノズルをそのままにして従業員を呼びましょう。





<セルフ式ガソリンスタンドの注意点>

給油中の火災に気をつける! 

ガソリンはマイナス40度でも気化し、
爆発性が高いため、給油中は火気厳禁です。
静電気や衝撃の火花でも引火します。
気をつけるべきことは・・・

(1) 給油前に静電気除去シートにふれる

(2) エンジンをかけたまま給油しない

(3) ライター、タバコなどの火をつけない





以上を心にとめてセルフガソリンスタンドを安全に利用して下さい。