大型連休が始まります。
新型コロナも少し落ち着いている今、クルマで出かける方も多いでしょう。

ふだん、あまり運転しない方もハンドルを握るこの時期。
特に高速道路では注意が必要です。
一般道以上にスピードを出して走っていますし
大渋滞を引き起こしてしまう恐れもあります。

今週は「ゴールデンウィーク 高速道路でのトラブルに気をつけよう」。
おとどけしました。





今回、お話を伺ったJAF東京支部 事業課 交通環境係 内藤康介さんによると
2021 年度のGW中に、高速道路からJAFへの依頼で一番多かったのがタイヤ関連。

パンク、バースト、 エアー圧不足など、全体の約 32%を占めていたそうです。
次に多いのが燃料切れで約12%、その次が事故で約7%でした。
およそ3割を占めるタイヤの問題ですが、これは事前チェックで未然に防げます。

パンクの救援依頼で多いのが空気圧不足によるタイヤのバーストですが
タイヤ の空気圧が自然と抜けていくとタイヤがたわみ、それによって発熱、
バーストしてしまうスタンディン グウェーブ現象が発生してしまいます。
また、 タイヤは経年劣化によってパンクをしてしまうこともあります。
適切な空気圧があるか、亀裂や劣化がないか、溝があるか出発前に必ず確認し ましょう。

そして、事前にチェックしていても、
釘などを踏んでしまってパンクすることもあるので、
そういう事態になってもパニックを起こさないよう気をつけて下さい。





事前にチェックしたとしてもパンクしてしまうこともあります。
そんな時の対処法は

1.ハザードランプを点灯させる

2.減速して路肩に寄せて停車させる

3.ハンドルを左いっぱいに切っておく

4.発煙筒や停止表示板を設置する

5.速やかに安全な場所に避難する

6.道路管理センターに通報する

7. ロードサービスを要請する



くれぐれも後続車には注意しましょう。




次は2番目に多い燃料切れについて。
運転する前に燃料を確認してから出発するようにしてください。
最近の車には残存燃料でどのくらい走行できるか表示する機能もあります。

ただ、走行状況によってはその距離が前後するので
自分の車の平均的な燃費消費ペースを把握しておくことが重要。
また、長距離運転する際は満タンにしてから出発して
給油はどのあたりですればいいか確認しておきましょう。
基本的に高速道路ではサービス エリアが 50kmごとにありますが
一部のエリアでは100km以上ないという箇所もあるので
事前にルートの確認するようにしてください。





本来であればクルマ全体のチェックをすべきですが、
お出かけまで日数がないかもしれません。
その場合でも4つのポイントは必ずチェックしてください。

内藤さんが教えてくださったのは「ブタと燃料」と覚えるコト(笑)
「ブ」はブレーキとパーキングブレーキがしっかりかかるか確認する。
「タ」はタイヤ点検。「と」は灯火類、ランプ、ヘッドライトがきちんとつくか確認。
また汚れていたり、損傷がないかを確認してください。「燃料」はガソリン。

また、久しぶりの運転では交通標識や交通ル ールを忘れている可能性もあります。
運転する姿勢やミラーの調整や車の死角も意識する必要があるので
いま一度、クルマの運転の基本的なことを確認して出発するよう心がけましょう。

せっかくの連休。
くれぐれもクルマのトラブルに見舞われないよう
しっかりチェックをして楽しい思い出をつくって下さい!





千葉県八街市の小学生が通学路の「安全マップ」を作りました。
八街では昨年6月、トラックドライバーの飲酒運転により、児童5人が死傷する事故が起こりました。
「安全マップ」作成は、その事故とは関係ありませんが、
今週は子どもたち自身の交通安全への取り組みをお伝えしました。





「安全マップ」を作成したのは、八街市立 二州小学校と沖分校の5年生21人。
もともとは八街市の教育委員会が去年から行っている「学校安全 総合支援事業」の一環として
子供達が能動的に参加できるような交通安全教室を行いたいという考えから発案したものです。

マップ作りに利用したのは、立正大学 データサイエンス学部 
原田豊 教授が中心となり開発した「聞き書きマップ」。
「聞き書きマップ」はGPS・ボイスレコーダー・カメラ内蔵の端末で記録した
道路の危険情報をパソコン上の地図で編集、地図化できるソフトウェアで、
原田教授は「安全マップ」づくりにも協力しています。





安全マップ作成は、まず調査の前に学区を8つのエリアを設定。
各エリアにつき5つの危険な箇所を選びました。

その上で、この学区内には狭い道や車の往来が多い道が多いそうで
小学生たちは通学路でそういうところがどこなのか
携帯電話のアプリケーションを使って実地調査をしました。

そして、模造紙4枚分の地図上に付箋に書いた文字情報と写真を貼り付けて
子供の目線から見た、危険箇所、危険内容、犬を回避するために気をつけることなどを記載。

調査した子供たちは、この安全マップを使って、全校生徒の前で発表。
現在は校内掲示し、全校で情報を共有しています。





参加した子どもは、安全マップを作る学習を通して
毎日歩いてるところにたくさんの危険な箇所があることを知ったと言います。
「マップを活用して横断歩道ではしっかり手を挙げて渡り、
安全帽子をかぶって、自分の存在を知らせるようにしようと思います」と話してくれました。
また「ドライバーの方にはしっかりと周りを見て、必要な時にはスピードを落としてほしい。
地域や行政の皆さんにはマップを見て危険な場所を減らす取り組みを進めてほしい」とのことでした。





八街市教育委員会 栗原直行さんによると
今後は完成した安全マップの内容を充実させるために
PTA や見守りボランティアなど大人の意見を追加したり
市役所の方に見ていただいたりすることで道路整備の参考してほしいと考えています。
また、今回の取り組みは市内の他の小学校でも実践していきたいと考えているそうです。





こうした、子どもたちによる「安全マップ」づくり。
全国に広がっていくと、周囲のクルマを運転する大人の意識も、
さらにグッと引き締まっていくでしょうね。

番組を聴いてくださっている、お父さん・お母さん、
お子さんが通う学校に取り組みを呼びかけてみてはいかがでしょう?
地域の交通安全に一役買うことになると思います。

今回は 二州小学校5年生の 瀧口優人さん、細谷斗真さん、錦織穂香さんが
インタビューに答えて下さいました。ありがとうございました。

全国を走る道路の多くの部分は山間部を切り拓いて整備されてきました。
一方で、最近は野生動物が増加。
クルマに衝突する、轢かれる機会が増えています。
今週は「ロードキルに注意!」をお送りしました。





動物がクルマに轢かれる「ロードキル」。
日本で問題視され始めたのは2000年頃のことです。
高速道路では2002年のおよそ3万6千件が2018年には4万7千件に増加。
平均換算すると1日に全国で130件です。

モータリングライターの藤田竜太さんによると
高速道路では約4割がタヌキ。
平成29年度には、一般道を含めてタヌキは最大34万頭が犠牲になっています。

次が猫。NPO法人 人と動物の共生センター調べでは2019年に約29万頭。
これは猫の年間殺処分数の約10倍です。
猫が関わる事故は山間部よりもむしろ街中。
都市部を走行する時も「ロードキル」を意識すべきです。

その他、ウサギ、イタチ、キツネ、シカ、イノシシ、クマ、カメなども報告されています。
また、そうした轢死した動物を食べようとしてカラスや鳶が轢かれるケースもあります。
高速道路だと鳥類が27%がロードキルの対象になってるというデータもあります。





いま多くの野生動物が数を増やしています。
2018年での40年間でシカの分布域は2.7倍、イノシシは1.9倍に拡大。

例えば北海道におけるシカが関係する交通事故の発生状況は
令和3年中に4009件で前年比プラス498件。
5年連続の最多記録更新しました。
ロードキルの危険性は高まっていることが伺えます。





それではロードキルは人間にどんな危険が伴うのか。
例えば前述の北海道の鹿に関わる交通事故を見てみると
幸いなことに死亡事故は起きていませんが人身事故は2件発生しています。
いずれも鹿の飛び出しで急ブレーキをかけたクルマに
後ろを走っていた後続車が追突するというケースでした。

また、跳ねた動物や鳥がフロントガラスに当たって視界を奪われたり、
飛び出した動物を避けようとして急ハンドルや急ブレーキをかけたことで
対向車線に車が飛び出したり、縁石に当たったり、側溝に落ちたり、
後続車に追突されたり、横転するなどの事故は多数報告されてます。

これは北海道に限ったことではありません。
全国のどこを走っていても「いつ動物が飛び出してくるかもしれない」
という意識を持ってハンドルを握ることが大切です。

そして「動物注意」の標識を見かけたらスピードを落とす。
多くの動物は夜行性なので夜は積極的にハイビームを活用する。
闇に光る動物の目を見つけた時は要注意。





ロードキルは頭にあったが、
急に、動物が走行する道路に飛び出してきた!!どんな対処をするべきか? 

モータリングライターの藤田竜太さんによると
高速道路など速いスピードで熊や鹿など大型の動物にぶつかりそうになった時は
同乗者が怪我をする衝突エネルギーになりかねないので急ブレーキをかける。
フルブレーキをかけてABSが効くまでブレーキを踏み込む。
逆に小さい動物の場合は急ハンドルや急ブレーキで追突や転倒などのリスクを生じるので
動物の方に避けて!と願いながらそのまま通過することが一番ということでした。





運悪く動物に衝突してしまった時の対応は?
他の事故と同じように警察に連絡することが必要。
道路緊急ダイヤル#9910に連絡して報告します。

動物を保護処置したいと思うかもしれませんが
野生動物は感染症の危険もあるので素手では触らない。
イノシシやクマなどは親子連れの可能性があり
先に通過してた親が戻ってくるということも考えられます。
さらに倒れている動物が近くに行ったら急に暴れ出すことも考えられます。
衝突した個体には無闇に近づかず、安全な場所に車を停めて、
警察などが到着するのを待つようにしましょう。

また、車が大きく損傷してしまった場合は、
JAFなどのロードサービスの手配も必要になります。
ロードキルは単独事故扱い。車両保険が使える場合もありますが
車対車の限定保険だと修理費が下りないこともあります。
そのあたりを保険会社に相談する場合も保険適用には警察への事故届けが必要。
覚えておいて下さい。

水曜日から「令和 4 年 春の全国交通安全運動」が始まりました。
期間は4 月 15 日(金)まで。

今週は警察庁 交通局交通企画課の三浦 征大さんを迎えて
大切なポイントをお伝えする後編。
3つある重点ポイントのうち残る2つについて伺いました。





まずは「歩行者保護や飲酒運転根絶等の安全運転意識の向上」について 。
去年、交通事故で亡くなった方で一番多いのは歩行者。その多くは道路横断中。
ドライバーは歩行者保護の意識を持って運転する必要があります。

未だに信号のない横断歩道に渡ろうとしている歩行者がいるのに
一時停止しないクルマが多いことが指摘されています。
横断しようとする歩行者がいないことが明らかな場合を除いて
横断歩道の手前ではすぐ停止できる速度で運転しなければいけません。
その上で、横断しようとしている歩行者がいれば歩行者優先。
横断歩道の前で停止して歩行者に先に渡ってもらいましょう。





また、この「安全運転意識の向上」という重点ポイントには妨害運転、
いわゆる「あおり運転」を防止する呼びかけも含まれています。
運転をする際は心に余裕と「思いやり・ゆずり合い」の気持ちを持ちましょう。
それから「あおり運転」は自転車も違反対象になることを覚えておいてください。





それから去年、千葉県八街市で起きた飲酒運転による重大事故は記憶に新しいところ。
お酒を少しでも飲んだら、絶対に運転してはいけません。





最後の重点ポイントは「自転車の交通ルール遵守の徹底と安全確保」。
コロナ禍で通勤・通学の自転車利用者が増えました。
暖かくなって自転車で遊びに行く機会も多いと思うので気をつけて下さい。

自転車は便利な乗り物ですが自動車と衝突した場合は自分がケガをしたり
歩行者と衝突した場合は相手にケガをさせてしまうこともあります。





そして、自転車乗用中の死者・重傷者の大半は自動車との事故ですが
昨年は自転車側の約7割に交通違反がありました。

自転車は車道通行が原則。
道路標識があるなど、例外的に歩道を通行する場合には徐行する。
歩行者の通行を妨げる時は一時停止をしなければなりません。
夜間はライトをつける。自転車も車両ですので飲酒運転は禁止。
信号無視、一時不停止、安全不確認なども交通違反となります。
交通ルールとマナーを守って利用しましょう。

自転車乗用中に亡くなった方の多くは頭部に致命傷を負っています。
去年も死傷者の約 9 割がヘルメット非着用でした。
「大人も子供も自転車とヘルメットはセット」。
自身の命を守るためヘルメット着用を心がけて下さい。

ライトやブレーキ等の点検・整備はもちろんのこと
万が一の場合に備えた、自転車保険等の加入も大切です。





これから季節は春から夏へと向かいます。
くれぐれも交通安全には気をつけて楽しい毎日を過ごしましょう。

来週水曜日4 月 6 日から 令和4年 春の全国交通安全運動がスタートします。
期間は 15 日、金曜日までの 10 日間。
今週と来週は、警察庁 交通局交通企画課 三浦 征大さんにお話を伺い
その大切なポイントをお伝えします。





去年の交通事故発生状況は警察庁が統計を保有する昭和 23 年以降の最少。
亡くなった方は前年からは 203 人減って2,636人。
5年連続で最少記録を更新しました。
重傷者数は 27,204 人でこちらも前年に比べ約 600 人減っています。
減少傾向にありますが、まだ多くの人が事故に遭っていることを忘れてはいけません。





今年の「春の全国交通安全運動」の重点ポイントは3つ。


1、 子供を始めとする歩行者の安全確保

2、 歩行者保護や飲酒運転根絶等の安全運転意識の向上

3、 自転車の交通ルール遵守の徹底と安全確保



1つめの「子供を始めとする歩行者の安全確保」について
入学・進学シーズン、お子さんの事故を心配している方も多いでしょう。
交通事故で亡くなったり・重傷を負ったりした小学生は全国で 709 人。
その約6割が歩行中で、さらに歩行中に事故に遭った小学生の約4割が 登下校時でした。
子どもの歩行中の事故には「飛出し」によるものが多いという特徴もあります。

学年別に見ると 1 年生と 2 年生に多く、時間で見ると午後 2 時台から 5 時台。
時期としては新学期から少し経った6月にかけて事故が増える傾向があります。
低学年だと 新年度の新しい環境に慣れた頃に
気が緩んでしまうということがあるのかもしれません。





保護者は安全な道路の横断の仕方をしっかり教えてください。
近くに横断歩道があれば必ず横断歩道を渡ること。
そして、横断歩道では必ず立ち止まり、手を上げる、
ドライバーに顔を向けるなど、横断す る意思を明確に伝えること。
次に、右や左から車が来ないか、よく確認してから渡ること。
青信号でも、車が止まってい ることを必ず確認して下さい。
横断中も周りに気をつけることをお子さんに繰り返し教えてください。





子ども以外の歩行者の事故では歩行中に事故で亡くなった方の8割近くが高齢者。
この割合は増加傾向に あります。特に多いのが道路横断中です。
高齢者の場合は他の世代に比べて、横断歩道ではない場所での横断や
走行車両の直前直後の横断など横断違反があった割合が高くなっています。
身のまわりに高齢者がいる方は、注意を促しましょう。





交通事故全体でも亡くなった方の半数以上が高齢者です。
歩行中に限らず、運転中でも自分では気付かない体の機能の変化もあり
ご家族も一緒に交通ルールや安全運転について話し合ってみてください。

来週は令和4年 春の全国交通安全運動
あと2つの重点ポイントについてお伝えします。