私はASDで感覚過敏があり、高校生活はかなり厳しいものでした。
2022
放送後記

私はASDで感覚過敏があり、高校生活はかなり厳しいものでした。

こもり校長

毎週月曜日のこの時間は、『SOCIAL LOCKS!』。生まれた環境のこと、性のこと、障がいのこと、さまざまな生徒の声を届けていきます。

ぺえ教頭

今夜、声を届けてくれるのは…!

栗二郎

静岡県 19歳 大学1年生 RN 栗二郎です。

私はASD、アスペルガー症候群という発達障害を持っています。
子どもの頃、言葉を話せるようになるのが遅く、お医者さんに診てもらったところ、そう診断されました。

ASDの特性の一つとして、私には感覚過敏があります。特に音の刺激に弱くて、ザワザワした空間が苦手です。運動会のピストルの音やお祭りの花火の音も苦手で、たくさんの音を受け取ると、頭がパニックになってしまいます。LIVEのコールとか拍手も同じです。だからお祭りとかLIVEとかディズニーのパレードとかには行けません。

そんな自分にとって、高校生活はかなり厳しいものでした。
休み時間、教室のザワザワした空間に、毎日ひどく疲れてしまい、いつも静かな空間を求めてトイレに避難していました。友達が声をかけてくれても、音に疲れている時は反応することがしんどくて、誤解も生まれていただろうと思います。

それでも、この悩みを誰かに理解してもらえると思えなくて、誰にも相談できないまま無理を重ねて、結局、通信制の高校に転校しました。通信制に行ったことで負担は大きく減ったので、後悔はしていません。ただもし先生やみんながこういう特性を知ってくれていたら…また少し違った学生生活もあったのかなとも思います。
いま中学や高校に通いながら、当時の私のような悩みを持っている子のためにも、ASDや感覚過敏について知ってもらいたいと思います。

こもり校長1
こもり校長

『特性を知ってくれていたら、また少し違った学生生活もあったのかなと思います』という栗二郎の言葉を聞いて、確かに、もしかしたら何か違う選択肢も見えていたのかもしれないとも思う。直接的に何かできることがあるかというと、“みんなが一丸となって”となるとすごく難しいことだと思うから、『知っているだけでこうできた』ということは一概には言えない。でも、『そういうことがあるんだよ、そういう悩みを抱えている子がいるんだよ』ということを知っているだけでも、もしかしたらかけてあげられる言葉も変わったかもしれない。

自分は通信制(高校)だったから、もしかしたら自分の周りやクラスにもそういう悩みを持った生徒がいたのかなと思うと、ちょっと自分を振り返るきっかけになりました。
なかなか難しいことだからね。自分の気持ちを言葉にするのも難しいし、ましてや人が(自分の)知らない症状で悩んでいることに対してだとしたら、なおさら難しいことだと思う。

でも、栗二郎が言葉にしてこうやって届けてくれたことによって、“自分の身近な子がもしかしたらそうかもしれない”って思うだけでも、悩みを抱えている子が話せるきっかけの言葉をかけられるかもしれない。
今日、こういう風に栗二郎が話してくれたことによって、栗二郎と同じ境遇にいる生徒の子が少しでも楽になるきっかけになってくれたらいいなと思ってます。栗二郎、話を聞かせてくれてありがとう。

『SOCIAL LOCKS!』では、引き続き色々な生徒の声を届けていきます。

ぺえ教頭1
ぺえ教頭

みんなにわかってほしいのにわかってもらえないこと、毎日の中で“もっとこうなればいいのに”と思っていること、ぜひ直接届けてください。特設サイトで待ってます!

2022.2.7私はASDで感覚過敏があり、高校生活はかなり厳しいものでした。
TwitterでシェアLINEでシェア
TOP