2020年9月27日(日)

「Hyperballad」

Bjork

日本の大型フェスに何度も出演している世界の歌姫。この曲は日本でも人気の高い1曲です。
タイトルのバラッドというのは、イギリスに古くから伝わる民謡を意味する言葉で、物語のように語られるものが多いそうです。
確かにこの曲もビョークがポツポツと言葉をつぶやき、語って聞かせているように聞こえます。
でもタイトルは『Hyperballad』ですから、サウンドはとても前衛的ですよね。
歌詞はまるで寓話のようで、何かの教訓や風刺を含んだ物語調です。
山のてっぺんに住んでいる主人公が毎朝、一緒に住んでいる人に悟られないように他愛もないものを捨てて、今の幸せな生活を維持している、そんな内容です。
ビョークはとても孤高の天才アーティストですよね。ですから実際は何を示唆しているのかはわかりませんけれども…
彼女のフィルターを通して描かれているこの歌詞は、トップに立つ人間は崖の淵のギリギリのところで日々を過ごし、例えパートナーがいても、普通の人が味わう楽しさや喜びを捨てなければ、その幸せを維持することができない、そんな辛辣な教訓を歌っているんでしょうかね？
幸せの絶頂にあっても、そのすぐそばには崖があって、他の楽しさや喜びを捨てなければ、幸せを維持することはできない。
幸せってそういう危ういもの、そんなシビアなことを歌っているんでしょうかね？
聴く人によって、いろいろな角度で突き刺さりますよね。