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REPORT

第109回 11月16日「時計」前編
2025.11.16
日々の生活。農作物の栽培や収穫時期。気候の変化への備え。
目には見えない“時”を把握することは、生きる上で重要だったことでしょう。
人類は太古から、自然の力を利用して時間を認識してきました。
そのために発明したのが時計です。

最初は約7,000年前のエジプトで使われていた地面に立てた棒の影で時刻を知る日時計。
その後、日時計は太陽が出ていないと使えないため、水時計が発明されます。
これは容器の底に穴を開けて、減った水の量で時刻を知る仕組み。
しかし、水時計も水の蒸発や凍結があって不安定。
次に考案されたのが、サウナ好きの方はよく見ているかもしれない砂時計です。

時は流れ・・・

初めての機械式時計が作られたのは1300年頃、
ルネサンス期の北イタリアから南ドイツにかけての地域。
まだ文字盤はなく、2つの錘で歯車を動かし、鐘を鳴らして時間を知らせるこの時計は、
修道院や教会の塔の上に登場しますが、1日に30分から1時間ほどもずれたようです。

300年ほど時が経ち、1656年には振り子式時計が登場。
「振り子は同じ長さなら、大きく振れても小さく振れても1往復する時間は変わらない」
ガリレオ・ガリレイが発見した原理を応用して発明したのは、
オランダのクリスチャン・ホイヘンス。
振り子式時計は、1日のずれを2分から3分ほどに大幅に改善しました。

一方、ゼンマイを使った持ち運べる時計が、
ヨーロッパで人気となったのは、その少し前の16世紀。
初期の携帯型機械式時計は卵のような厚みがあって大きく
ポケットには入らないため首からぶら下げていました。
ドイツでは「首時計」、イタリアやフランスでは「胸時計」と呼ばれていたそうです。
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