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REPORT

第135回 5月17日「缶詰」前編
2026.05.17
フルーツ・野菜・魚・肉など、さまざまな食べ物を封じ込めた缶詰。
常温で長期保存が可能なので、保存食として活用している方も多いことでしょう。

200年ほど前、缶詰に繋がる原理を考えたのはフランスのニコラ・アペールさん。
ナポレオン皇帝が、軍隊を率いて世界各地に遠征していた当時、
士気を高めるため、美味しくて栄養のある食料が必要でした。
ところが、兵糧は塩漬け・酢漬け・燻製が中心で美味しくない上に腐敗も多い。
そこで、新たな食品保存技術法の公募があり、賞金を手にしたのがアペールさんでした。

ただ、アペールさんのアイデアは瓶詰め。
「ビンに調理した食品を詰めてコルク栓をゆるくはめる。
次に湯せん鍋に入れ、沸騰点で30分から60分加熱。
ビン内の空気を抜いた後、コルク栓で密封する」というものでした。

1810年、アぺールさんが、この技術に関する本を出版すると、英語やドイツ語に翻訳されます。
これを読んで、鉄板に錫をメッキしたブリキを容器にすることを考えたのが、
イギリスのピーター・デュランドさん。

デュランドさんは、ブリキ缶による食品貯蔵法および蓋をする容器を開発して特許を取得。
開発品をTin Canisterと名づけました。Tinは錫、Canisterは保存容器という意味ですが、
Canisterの頭3文字が、英語で缶を意味するCanの始まりです。

2年後、この特許を元に、イギリスで世界最初の缶詰工場を設立したのがブライアン・ドンキンさん。
当時は手作業で、蓋ははんだ付け。生産量は1日わずか60から70缶ほど。
ブリキは厚く「のみとハンマーで開けて下さい」と書かれていたといいます。
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